保育所実習Ⅰに向けて - せいがの森ホームページ

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昭和女子大学
保育実習を迎えるまえに
「実習で学んでほしいこと」
せいがの森保育園 倉掛秀人
平成25年12月6日
本日の内容
1.養成校での学び 保育の専門的知識と技術
2.実習に臨むにあたり(本日の内容)
3.実習での学び 子ども・保護者・保育者
実習園の保育を知る(オリエンテーション)
実習 保育をしてみる
4.養成校での実習の振り返り
5.就職 実践の本番 一人前の保育者として
実習で体験してほしいこと
• 子どもはこんなに○○○たがっている!こと
• 没頭しているとき、熱中しているとき、寛いでいるとき
などの様子を体感してほしい。
• 子どものためにあれこれ考えていると、自然と、もっと
こうしてあげようかな、という気持ちが湧き起こるかど
うか。それが保育の意図、願いの大本。
• 子どもを理解しようと努力している保育士の姿に触れ
てほしい。
• そのための保育士のプロとしての心構えなどに接す
ることができれば、貴重な経験になるでしょう。
まずは子どもの姿に目を向けて
• ゼロからのスタートではありません。すでに保育
所の生活が展開されている最中に、みなさんが
参加していくことになります。すでに営まれてい
る生活の中に、みなさんが入っていくのです。そ
の生活を理解することから実習は始まります。
• どんなこどもたちが、どんな生活環境で生活して
いるのか理解しましょう。オリエンテーション大切。
• そのうえで、配属されたクラスのなかで、どのよ
うな実習をしていくか、それぞれの園によって差
があります。
• たとえば保育原理は次のような流れを想定しま
す。
親と一緒に保育する
• 保育園は託児の場所ではありません。ただ預かっ
ているのではありません。生活の主体者。
• 家庭でも保育園でも、こどもにとって24時間の生
活が「福祉を増進する」するように。
• 毎日の連絡や連携、情報提供、親子関係の提案、
保育参観や保育体験、個人面談、就学に向けた支
援・・・
• (個人的には)「子育て支援」という言葉が苦手(!?)
父親保育が終わったあとの雰囲気から想像してもらいたい(動画)
実習オリエンテーション
1.園の保育理念、保育方針など大切にしている保
育の考え方を知ること。その実現に向けてどんな保
育をしているのかを理解しよう。
2.生活の連続性について。実習期間はどんな生
活をしている時期なのか。入るクラスがどのような
生活をしているのかを事前に教えてもらう。
3.保育環境について。空間、物、人(子ども、保育
者、保護者など)を通し保育の実際を観察したり説
明してもらうと、よりよい。担当者を確認。
4.実習計画について。部分実習、責任実習、実習
記録、保育者とのやりとり、反省会の時期など。
実習では自分の分からなさがわかるようになるとよい
• 自分なりにもっている保育のやり方や、ぼんやりしていることを教
えてもらえばよい。分からないこと、できないことがあるからこそ学
んでいるのであって、それを恥ずかしがることはない。
• 学校や教科書で学べないことは、子どもと実際に接してみて気づく
ことや、一回きりの状況の中での保育者の言葉や行動、判断など
をそばで観察したり、感じたり、直接話をきくことができること。なぜ
、そういう対応をしたのか、その理由などを積極的に聞いてほしい
。
• そうした気づきを中心にメモをとり、自分の感じたことや考えたこと
を記録するとよい。実習記録のやりとりで理解を深めるのではなく
て、その日、その日にやり取りしていくと良い。そうか、そうすれば
いいのか、そう考えればいいのか、という気づきがあることが保育
の楽しみ。それは、保育を続けていく限り、終わりがないものです
。誰に聞いても分からないことが見つかったら、それは研究テーマ
になるかもしれません。
実習日誌をよんでみよう
• 遊びが発達に与える影響を考えながら保育し
てみた。(1歳児クラス)
– 代弁行為 実際の様子から学んでいる様子
– 絵本の読み聞かせ 読み方を変えて広げている
– 夕方なかなか部屋に戻らない どう促すか?
実習生の様子を見てみよう
• 1回目の実習生 砂場あそびの場面 1歳児
• お姉さんに慣れている「ここちゃん」と「まいち
ゃん」の関わり 自分の!の強い自我
この実習生のよさをなんでもいいので書き出し
てみてください。
その視点は、すでにたくさん学んでいるはずで
すよ・・・
「保育の過程」にみられる判断
また新たに生起した
状況のなかで、子ど
もの行為や育ち(学
び)をどう読みとり振
り返るか
省察・
評価
どんな環境を準備
あるいは再構成し実
践するのか
乳幼児
理解
判断
保育の
実践
子どもの姿や関わり
からどんな意味をよ
みとるのか
指導計
画
その姿からどんな援
助内容が必要なの
かの予想
砂場遊びでの「取り合い」
①刻々と起きる省察と判断。
②ちょっと後での振り返り。
「子どもの育ち」「自らの保
育」
→観点は5領域
この子の発達は・・・
環境や声かけは・・・
省察・評
価
「新しいの、まいちゃんの
とってこようか、緑とか黄色
とかあるよ」。
乳幼児
理解
判断
保育の
実践
「やめて!ここちゃ
んの!」「まいまい
の!」
指導計
画(願
い)
気持ちの代弁。気
持ちのやり取りを支
えよう。「一緒に遊
びたい、って」。「い
や」。
「5領域」で振り返り→よい遊びや生活とは
砂の入ったザルを一人で持って歩く。スコップで土を掘り入
れる。片手でこぼして楽しむ。遠くからしっかりと歩いて移
動したりしている。手にもって走ると危ないものは伝えよう。
①たとえばザーッとこぼしたりして、砂
という素材に触れて感触を味わってい
る。
②水をこぼすときのように何かに見立
てて、オノマトペを使って行為を表現し
ながら、砂の動きの感触を楽しんでい
る。さらさらとかべとべととかの経験も
できるといいな。
表現
①自分の考えを伝えている。
②したいことや、してほしいことを一
部しか言葉で表現できない。気持ち
を伝える代弁が必要だな。真似が
できるモデルもあるといいなあ。異
年齢の関わりをふやしてあげたい
な。
言葉
健康
子ども
の育ち
自分のやりたい遊びがしっかり
とありそれを選んで遊び始めて
いる。お友達と関わって一緒に
遊びたい。でも自分の物で存分
に遊びたい。遊びの途中で貸し
たり、待ったりはできなかった。
スコップで叩いてしまう。こうし
た経験の積み重ねが大事だな。
人間
砂やザルやスコップなど身近
関係
にある事物の働きや仕組み、
性質に興味や関心を持ち、
掘ったり、叩いたり、ひっくり
返してこぼしたりしながら、そ
の変化を楽しんでいる。砂を
もっと柔らかくしてあげたい。
環境 落ちる場所に音が出たらどう
なるかな?
実践は料理や演奏の如くすすむ
デイリープログラムがある。遊びや食事や睡眠の時
間はリズムを持ってやってくる。
遊びの内容は子どもが選び、作りだす。思わず遊び
たくなるような環境を用意しておく。どんな様子で遊
び出すかは予測できない。
例:砂、ザル、スコップ ⇒ 食べ物?
ある程度の予想ができる。 その前の経験、生活の
流れがあるから。きっと、こうしておけば、こういうこ
とをやりたがるだろう。
こどもの興味・願い・発現するまえの心情。どう出合
わせるのがいいのか。例:近所にアイスクリーム屋
さんができた。話題にしている。
親の子育てを支える
• 園生活の様子を伝え、家庭生活の様子を知る。
お互いに理解し合うパートナーシップ
• 環境によって子どもの姿は異なる。家と園では様
子がちがう。どうしてだろう。
• 子どものをよく知っているのは親。でも発達をよく
知っているのは保育者。
• 保護者支援で発揮される専門性は、子どもの育
ちを支える専門性の「応用」。
• 受容と共感。情報提供。モデルの提示。相談支
援。専門的知識の分かりやすい説明など。
実習を通じて学びを結びつける
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保育の基本を実習を通じて自分のものにす
自立していくことを支えていること
教育と養護が一体的に行われていること
生命の保持と情緒の安定をはかるために
教育のねらい 心情・意欲・態度のつながり
教育の内容 環境と関わって経験する5領域
環境を通した保育
主体的な生活・自発的な遊び・子ども同士
振り返りによる循環の大切さ 保育の過程
子育て支援 これを親とどう共有するのか
実習体験の振り返り
• 心情・意欲・態度としての「教育のねらい」がどのよう
に実現されていたか、そのプロセスを理解
• 環境とかかわって経験していることが「教育の内容」
だが、5領域から見直してみよう。
• 5つの専門的な知識や技術および判断の実際をまと
めてみよう。
• 専門性を支える人間性や倫理観が具体的にどう表
れているか、保育士のプロとしての心構えなどに接
することができれば、貴重な経験になるでしょう。
保育の専門性とは?
5つの知識や技術および判断
● 保育を実践しな
がら「子どもの学び
や経験の意味」を省
察できること
● 「子どもの育
ち」と「自らの保
育」の振り返り
遊びの展
開力
倫理観に
裏付けら
れた判断
生活援助
人間関係
の構築
環境構成
発達援助
専門性を発揮する構造
成長・発達・学び
生活・遊び
環境構成・人間関係