鳥取県医師会学校医・ 学校保健研修会

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第24回日本小児科医会総会フォーラム
成育基本法制定促進の集い・大阪大会
「成育基本法とは~経過と内容~」
(社)日本小児科医会会長
松平隆光
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• わが国の少子・高齢化
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日本の長期人口趨勢
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高齢化はアジア諸国共通のテーマ
国
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65歳以上人口の割合
doubling period
(years)
日本
ドイツ
イギリス
アメリカ
スウェーデン
フランス
7%
1970
1932
1929
1942
1887
1864
14%
1994
1972
1976
2015
1972
1979
7%→14%
24
40
47
73
85
115
シンガポール
韓国
ブラジル
タイ
チュニジア
中国
2000
1999
2011
2003
2009
2001
2016
2017
2032
2025
2032
2026
16
18
21
22
23
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わが国の福祉制度の現状
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生涯でみた給付と負担のバランス
社会保障改革の必要性⑦
人口構成の変化が一層進んでいく社会にあっては、給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心という
現在の社会保障制度を見直していくことが必要です。
給 300
付
老齢年金
250
児童手当
200
年
間
金
額
(
万
円
)
150
出産関係
育児休業
(平成24年度)
義務
教育
高等
学校
雇用保険
保育所
幼稚園
50
介護
医療
100
公共事業+防衛+その他
大学
0
50
保育所・幼
稚園
費用負担
負 100
担
150
0歳
5歳
10歳
公的
年金保険料
(本人負担分)
15歳
20歳
医療費 学校教育費等
自己負担 の保護者負担
25歳
30歳
医療保険料
(本人負担分)
35歳
40歳
介護保険料
直接税 消費税
45歳
50歳
55歳
60歳
(本人負担分)
65歳
70歳
75歳
介護
自己負担
80歳
雇用保険料
(本人負担分)
(注)平成21年度(データがない場合は可能な限り直近)の実績をベースに1人当たりの額を計算している。
ただし、「公共事業+防衛+その他」については、平成22年度予算ベース。
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世代会計(2005年)
●65歳以上は受益超過
●その後の世代は負担超過
●ゼロ歳では1680万円の負担超過
子どもの最貧国・日本(%)
著者:山野良一
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OECD加盟25カ国の子どもの貧困率%
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貧困率の政府の所得移転の効果(%)
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ひとり親家庭の貧困率(%)
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児童手当給付費の対GDP比
1.4
1.2
フランス
オランダ
イギリス
デンマーク
スウェーデン
イタリア
日本
1
0.8
0.6
0.4
0.2
0
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世代格差の原因
•
•
•
•
①巨額の財政赤字
②社会保障制度
③長期雇用制度による若年層の雇用機会減少
④子育て支援策が乏しい
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世代間格差是正
• 財政再建
(消費税引き上げと社会保障給付適正化)
• 雇用制度の再構築
(企業間・世代間での雇用力移動)
◎小児保健法
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人口減と生きる(日本経済新聞)
「ゆとり幻想」2006・7・29
•
•
•
•
•
•
•
•
•
2038年日本の人口は1億人を割る。
12歳以下の子どもの割合は11.7%から8.7%に。
高齢者1人を若者は今の3人から1.7人で支える。
政府予測の出生率(1.39)と比べGDPは5%減少。
民間消費は11%減。
年金などの社会保障負担は7%増える。
少子高齢化でゴミの量が増える。(食べ残し)
人口密度が低くなると車が増え、二酸化炭素排出量増。
ゴーストタウンの増加(住民の奪い合い)。
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古代ローマも少子化に悩んだ?
読売新聞1月1日(作家 塩野七生)
① 少子化の問題を放置した国が再興した例はない。
② 豊かになると子ども持たないという個人の選択が
社会現象になる。(古代ローマも同様)
③ 古代ローマの少子化対策。
独身税、子どもが多い男性を公職に採用
④ 子どもが4人いれば子どもへの手当てのみで生活できる。
⑤ 子どもが2人以上いる社員には終身雇用を保証する。
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子どもへの公的支出と出生率の関係
2.2
米国
2.0
1.8
フランス
ノルウェー
オランダ
ベルギー
合
デンマーク
英国
計 1.6
スペイン
特
スウェーデン
スイス
ドイツ
殊 1.4
日本
出
イタリア
生 1.2
率
0
1
2
3
4
GDPに占める家族・子ども向け支出の割合(%)
(注)数値はともに2001年。国立社会保障・人口問題研究所,OECDの資料を基に作成
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子どもを産み育てやすい国かどうか
(内閣府調査)
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理想の数だけ産めない理由
(出生動向基本調査)
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出生率・社会支出の国際比較
フランス
スウェーデン
出生率
1.75
1.51
1.70 2.04 1.38
社会支出の対
GDP比
28.7
38.3
23.4 15.3 12.0
高齢者/非高
齢者の移転の
倍率
1.6
0.9
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イギリス
1.0
アメリカ
2.5
日本
5.5
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各疾病・ワクチンごとの医療経済効果推計
①追加の接
種費用
②回避される社会生
産性損失など*1(う
ち医療費削減分)*2
③費用対効果推計
①と②の費用比較
その他
[対象人口100万人当たりの疾病罹患数
の減少]
ヒブワクチン
350億
120億*3
(200億)
240億円費用超過
[1QALYあたり1,100万円を要し、費用対効果
は良好でない]
[菌血症及び入院患者数4千人減少/100
万人]
小児用肺炎球菌ワクチン
450億
480億
30億円費用低減
[髄膜炎・中耳炎等1千人減少/100万人]
成人用肺炎球菌ワクチン
140億
-*4
(5,260億)
5,120億円費用低減
ワクチンは5年間有効と仮定
(31万人減少/100万人)
HPV(子宮頸がん予防)ワク
チン
230億
-*5
(190億)
水痘ワクチン
150億
510億
(110億)
360億円費用低減
現在の任意の予防接種費用を24億円と設
定(81万人減少/100万人)
おたふくかぜワクチン
120億
410億
(90億)
290億円費用低減
現在の任意の予防接種費用を23億円と設
定(63万人減少/100万人)
B型肝炎ワクチン
190億
-*5
(30億)
160億円費用超過
[1QALYあたり1,830万円を要し、費用対効果
は良好でない]
現在の予防接種費用を11億円と設定
[肝硬変:75人減少/100万人
肝がん:60人減少/100万人]
ロタウイルスワクチン
290億
500億
210億円低減
疾病・ワクチン
45億円費用超過
[1QALYあたり201万円を要し、費用対効果は
良好でない]
ワクチンは生涯有効と仮定
[子宮頸がん5千人減少/100万人]
※ ロタウイルスワクチン:ワクチン流通価格10,000円+初診料2,700円+手技料180円+生物製剤加算150円+乳幼児加算750円=13,780円
*1:家族等の付き添い、看護等による1年間の生産性機会の損失の回避分等を推計。本人分は含まれていない。
*2:医療費削減分の推計はあくまでも、当該ワクチンによって予防できる疾病分に係る医療費への影響のみを推計しており、新たな追加需要などの分は考慮していない。
*3:削減される医療費が、削減される医療費と回避される生産性損失の合計を超えているが、これは、回避される罹患に伴う看護の生産性損失に比べ、予防接種への保護者の付添等に伴い発生する生
産性損失が大きくなったためである。
2012年5月23日予防接種部会(参考資料一部改変)
*4:接種対象者が高齢であることから生産性損失の推計は困難
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http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002b5l0-att/2r9852000002b5nr.pdf
*5:関連疾患の経過が複雑であることから推計は困難
川村尚久 VPDセミナー資料
小児保健法(成育基本法)
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小児保健法
小児保健法とは、子どもの権利を認め、子ども自身が健全に成長して
いくためのより良い環境作りと、それを社会全体で支えていくシステ
ムを制度化するための法律である。
小児保健法の歴史
①1991年 日本小児科医会経営検討委員会
「小児保健法制定についての会員の意識調査」
②1993年 東北ブロック小児科医会シンポジウム
「小児保健法に期待する」
③1994年 第5回日本小児科医会セミナーシンポジウム
「小児保健法を考える」
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第5回日本小児科医会(生涯教育)セミナー
会頭 塙 賢二先生
1994年6月25日 青山円形劇場
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事項
一般医療
乳幼児健康診査
関連法規
健康保険法
母子保健法
乳幼児保健指導
障害児育成医療
小児難病
予防接種
児童・生徒の保健
母子保健法
児童福祉法
児童福祉法
予防接種法
学校保健法
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子育て支援策と少子化対策を考える
子育て支援策
1)子どもの権利保障視点。
2)子どもの発達保障視点。
3)家庭や地域の子育て能力向上の視点。
「子どもを増やすのではなく、産まれた子どもを大切に育むための子育て支援ニーズに
応える」。
少子化対策
1)仕事と子育てが両立出来る社会環境作り。
2)子育て手当ての充実。
3)生まれてきた子どもの健全育成と生まれてきた子どもが育つ家庭機能の基盤強化。
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ワクチンを取り巻く日本の現況と対策
欧米諸国とのワクチンギャップ
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
わが国のワクチン政策は、自給自足・国産ワクチン優遇
2005年MRワクチン承認まで10年間新規ワクチンなし
ワクチンの製造・承認条件を世界と共通に
混合ワクチンの開発
同時接種の安全確認
ワクチン接種の公費負担
ワクチンの副反応に対する科学的リスク評価
費用対効果
予防接種の社会保険適応
米国予防接種諮問委員会(ACIP)
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子ども・子育て支援法
平成24年8月10日
参議院本会議可決・成立
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子ども・子育て支援法①
平成24年8月
子ども・子育て支援は、父母その他の保
護者が子育ての第一義的責任を有す
子ども・子育て支援法②
平成24年8月
子ども・子育て支援の内容及び水準は、
全ての子どもが健やかに成長するように
支援するものであって、良質かつ適切な
ものでなければならない。
子ども・子育て支援法③
平成24年8月
子ども・子育て支援は、地域の実情に応
じて、総合的かつ効率的に提供にされる
よう配慮が必要である。
○子ども・子育て支援法
①子ども・子育て支援に関わる体制と財源の一元化
②市町村による自由な給付設計
③「認定こども園」への一体化
④多様な保育サービスの提供
×子ども・子育て支援法
①国の保育実施責任の放棄
②保育制度を「介護保険」と同じ市場化
③日本の保育や幼児教育の後退
④財源確保への不安と家庭の負担増
子育て支援の基本理念
• 子どもの視点から考える。
• 子どもの発育にとって家庭こそが基本の場所であ
り、子どもの育成は親の責任である。従って行政の
支援は、家庭での子育ての質をあげることを目的と
すべきである。
• 子どもへ福祉サービスを提供する前提として、子ど
もを特別な権利と必要性を持った独立した存在と考
えるべきである。
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日本医師会小児保健法検討委員会
平成20年1月答申
親子のとっても安定した生活を保障する
ために、多様な経済的、身体的、精神的
な支援が必要となっている。
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平成20年2月7日:メディファクス
「小児保健法」の法制化へ
議員立法で公明党が前向きに検討
日本医師会の会内委員会が「小児保健法」の制定を提言したこ
とを受け、与党内で法制化に向けた動きが出始めている。
自民党とも調整した上で、今通常国会での法案提出も視野に早
期具体化に意欲を示している。
小児保健法とは
①「子どもの権利条約」を守る
子どもの虐待防止、貧困家庭への援助
②子どものための国の予算を増やす
待機児童解消、家庭育児支援
③「子ども家庭省」の設立
縦割り行政の弊害を解消
③育児と仕事が両立できる社会
④全てのワクチンの無料化
⑤子育て会議の設置
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成育基本法
• 日本医師会周産期・乳幼児保健検討委員会
• (委員長:五十嵐 隆 日本小児科学会会長)
• 胎児期から新生児期、乳幼児期、学童期、思春期を
経て次世代を育成する成人期までに至る「人のライ
フサイクル」の過程で生じるさまざまな健康問題を包
括的に捉え、それに適切に対応するための法律。
• 超党派による議員立法として国会提出予定。
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成育基本法具体的内容
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
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①成長過程にある者への女性のライフステージを踏まえた正しい健康教育の充実
②社会、職場における子育て・女性のキャリア形成のための支援体制の構築
③周産期母子健康チェックと保健指導の充実
④病的胎児への医療体制の充実
⑤周産期医療体制の充実
⑥出産時育児一時金の充実
⑦養育者の育児への参画を支援する制度の充実
⑧次世代を担う成長過程にある者への健康教育の充実
⑨小児医療費助成制度の充実
⑩小児健康手帳の充実
⑪子どもに対する生命・健康教育の充実
⑫子どもの健康相談体制の充実
⑬子どもの健康診査体制の充実
⑭世界標準を満たす予防接種体制の構築
障害児支援、慢性疾患を持つ子どもの成人への移行体制の整備
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