福田先生プレゼン資料(パワーポイントデータ)

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子ども・子育て新システムの有効性 を逆説的に検討する

子ども・子育て新システム なぜ必要なのか?

今の社会で現実できないこと

• • • すべての子どもへの良質な成育環境が保障 されていない、子どもが大切にされていない 出産・子育て・就労の希望がかなわない • 仕事と家庭の両立支援ができない・充実した 生活ができない 新しい雇用が創出されない・女性の就業が促 進されず、社会に活力がない

現行制度は制度疲労

• • • • 子ども・子育て社会を社会全体で支援していない 利用者(子どもと子育て家庭)本位となっていないし、 限定された子ども・子そだて家庭にのみ「良質」の サービスが提供されている。すべての子どもではな く 地域主権が前提とされていないので、住民の多様 なニーズに応えるサービスとなっていない 政府の推進体制がバラバラ(一元化されていない)

現行の制度を新システムに置き換え て望ましい社会を

• • • • • 政府の推進体制・財源の一元化 社会全体(国・地方・事業主・個人)による費 用負担 幼稚園・保育所の一体化 多様な保育サービスの提供 ワークライフバランスの実現

理念 制度 = 地域主権 すべての子どもたちの 良い育ちを保障する すべての子ども・子育て家庭 に利用者本位のサービス 子ども・子育て新システム システム = しくみ ○社会全体による費用負担(国・地方・事業主・個人) ○市町村の重視 ○幼保一元化・多様な保育サービス(利用者本位)の提供 ○ワークライフバランス

システムの柱 子ども家庭省 子育てに関する制度・財源 を一本化 給付は2種類 基礎給付 市町村が制度を実施 費用 = 社会全体 国・地方・事業主・個人 直接契約 (利用者補助方式) 多様な事業者 (企業・NPO ) の参入

保育の要件 = 「保育に欠ける」 すべての子ども = 入所要件が無くなる = 保育にかける子どもも含めた保育・教育が必要な子ども ☆ すべての子どもをどう定義するのか = 18才未満の子どもすべて!?

すべての子どもを対象にするための給付システム すべての子ども 保育にかける + 家庭支援

新システム案の疑問点

○ 財源はどうするのか? 財政試算(12月15日) 10年度 → 6兆1千億円 17年度 → 6兆8千億円 * 子どもを手当を1万3千円に据え置いた場合

財源 子育てにかかわる人みんなで 企業

すでに6、000億円を子ども関係に拠出 さらなる負担は難しい これ以上の負担ができない企業も 多数 = 特に零細企業 負担割合 =国 約43%(2兆8700億円) 地方 約38%(2兆5400億円) 個人

事業主が約13%(8800億円)。 6兆8千億をこの方法 で払えるの!? 10年間 さらに「負担」!?

地方分権の断行 一括交付金 (ただし子ども勘定付) 地方でメニュー選定 (エリアのニーズに応じて選定 料金は自由設定) 国が規程する最低基準 (ナショナルミニマム = 面積 定員数など)

利用者本意の保育サービスの提供

保育園にとっての利用者は 親? 子ども? ①子ども園 ②小規模保育サービス ③短時間利用者向保育サービス ④早朝・夜間・休日保育サービス ⑤事業者内サービス ⑥広域保育サービス ⑦病児・病後児サービス

病児保育 夜間・早朝保育 その他の保育サービス分 短時間保育 (地方の自由裁量・自由価格) 一次保育 ナショナルミニマム分=国の基準 (最適基準= 床面積・ 保育士定数・ 給食その他基礎的部分)

地域間の格 現在でも存在する 延長保育 (11時間実施) 基本分 430万 八代市 340万 錦町 460万円 年間 470万 芦北町 430万 玉名市 230万 菊池市 66万 荒尾市 60万 大津町

12月3日 「子ども手当5大臣会議」 一般財源化案が再浮上

「一般財源化」について

認可保育園の予算

私立保育園運営費 負担の割合 国負担 (35%) 国・県の補助対象額 70% 県負担 (17.5%) 市負担 (17.5%) 国の徴収金基準額 30% 市負担 (10%) 保護者負担 (20%) 民営化で財政のパンクを回避!! 公立保育園運営費 負担の割合 ( 一般財源化後 ) 国負担 (1/3) 国負担 (24%) 国・県の補助対象額 70% 市負担 (2/3) 地方行政の負担が 市負担 (46%) 国の徴収金基準額 30% 市負担 (10%) 保護者負担 (20%)

「一般財源化」について •

突然一般財源化されたら・・

もし、この予算が、市町村への財源手配・委譲など の手配など何もなく、 突然一般財源化されたとしたら 4月から28.5%、昨年度予算の 約3割分が「消 失」 保育士が 保育の質が 確保できない 確保できない • トとなったら年間給与が280万円。 • • ( 税金を引かれ月々の手取りは・・・ ) 光熱費の 3 割カット? 食費の 3 割カット?

利用者本意の保育サービスの提供

保育園にとっての利用者は 親? 子ども? ①子ども園 ②小規模保育サービス ③短時間利用者向保育サービス ④早朝・夜間・休日保育サービス ⑤事業者内サービス ⑥広域保育サービス ⑦病児・病後児サービス

短時間保育(0~3歳) ~ 保育をぶつ切りに 乳児=パートの保護者が多数 ~ 適切なコストで 4~5歳児 集団保育の必要性から8時間 4時間 延長保育 保護者の仕事にあわせる ~ 保育の一貫性は? 子ども(乳児)育ちから考えて疑問

● 乳児の保育 = 4、6時間単位の短時間保育となった場合 運営費の大幅削減にとなる可能性 ● 雇用形態の変化 = パート保育士が多数 = ワークシェアリングの導入 賃金体系の大幅見直し ● 保育体制の見直し = 保育の質の低下 運動会なんかできません

直接契約 ○市町村の責務 = 保育の必要度を認定、需給調整はしない 必要度を基礎として保育料を利用施設に支払う ○利用者・保育所の契約 = 直接契約 ●保護者 → 自分で保育園を探す → 自分で交渉 → 契約 ●第一希望が入れない場合 → たらい回しされる可能性 (あってなき応諾義務) ●人気のある保育園・人気のない保育園 (早期教育などの目玉保育)

子ども保険(?) * 12月17日プレスリリース 介護保険を参考に進めている 行政がどれだけの保育が必要か判断 要保育度4時間 結局 トータルとして保護者の負担増となる場 要保育度10時間 合が考えられる 認定された範囲を超えると(延長保育など) 自己負担 =応能負担

利用者本位の サービス 実費 負担 保育園の基礎 となる部分のお金

お仕事 = 4時間 通勤 = 20分 0歳児(¥150,000/月22日)とした場合 月の給付額 = ¥80,000 3時間の残業 5日 =¥12,750 3時間の病児保育 2日=¥6,000 *給食 5日(1日300円) =¥1,500

自己負担(応益負担)

• • • 対応できない場合はどうなるのか 受け皿はあるのか 結果として、入所をあきらめる場合 → さらなる子どもの貧困の拡大が懸念

直接契約 ○市町村の責務 = 保育の必要度を認定、需給調整はしない 必要度を基礎として保育料を利用施設に支払う ○利用者・保育所の契約 = 直接契約

代理受領

• • • • 制度的には保護者への給付 =運営費では ない ・ 保護者のお金を代理として受け取る 保護者への給付 = 制度的には使途制限 がなくなる(しばりが無くなる) 従って、代理受領金を企業が配当金に回した としても問題はなくなる 代理受領 = 介護保険のベース

あってないような応諾義務

• • • 直接契約 = 応諾義務 = 保育園側に妥当な理由があれば入所を拒むこ とができる 保育園が保護者を選ぶシステムになる危険性

最低基準

• • • 児童福祉法第24条が最低基準を定めている 第24条がなくなれば最低基準は無効 最低基準を超える内容を24条が定義 このため 算定基準の0.8%上乗 → 園長、主任の人件費 施設補助 → 0.8 ~ 1.0の上乗 24条が無くなれば、園長、主任の継続が危ぶまれることになる

24条の撤廃? 改正?

• • • • 市町村の責任軽減 直接契約 = 代理受領 イコールフィッティング(NPO・企業の参入) 指定制度の導入 ☆ 新システム実行の「障害」は第24条 に他ならない!

幼保一元化 = 子ども園 一体化の理念欠如 = 待機児童対策の受け皿づくりにしか思えない ●学校教育法 ● 児童福祉法 の取り扱い → これから協議 ● 資格の統一 ● 業務・研修内容の絶対的相違 ● 指針の統合 ● 給与体系の相違 ☆厚生労働省担当官 = 「指針は日本の子どもがこれからどうあるべきか検討しなくてはならない」 ☆ 制度設計の前に理念が無い! 日本の子どもの望ましい姿(ビジョン)の欠如 諸外国 → 幼児教育体系の中に位置付け、国が基盤整備

● 新システムの本当の大目標 ● ○ 保育を成長産業とした経済浮揚・拡大政策 ○ 社会補償費の拡大抑制 ○ 社会保障の中に「異端」である保育を「ノーマライズ」 介護保険モデル = 資金枠の拡大 指定制度 = ノーレスポンスアビリティ フルコントロール

●見落とされていること● ● ワークライフバランスの実現のしくみ設計 ● 良質な育成環境の内容についての議論 ● 質の高い幼児教育・保育の内容についての議論 ● 実施した際の子どもへの影響の議論 ( 短時間保育 ・ 夜間保育 ・複数施設の併用など )

米ペリプリスクール の研究結果

• • • 3,4歳児で主体的な就学前教育・保育を受 けたグループは成人として成功する規範を持 つ 就学前教育・保育を受けたグループは、他者 と肯定的に関わり、課題に立ち向かうことが できる きちんとした就学前教育・保育を提供すること は、目先の経済効果よりも、はるかに社会に とって重要なことである。

子どものよりよい育ちには 今の保育園・制度が子どもたちに 保障する安定した生活・教育環境が 是非必要です

今の社会で現実できないことが 新システムで実現できるか?

• • • すべての子どもへの良質な成育環境が保障 されていない、子どもが大切にされていない 出産・子育て・就労の希望がかなわない 仕事と家庭の両立支援ができない・充実した 生活ができない • 新しい雇用が創出されない・女性の就業が促 進されず、社会に活力がない

では、どのようなシステムが望まれる 社会を実現するか

• • • 現行の保育制度を維持、必要な部分を拡充・ 拡大する 全く新しい視点に立ったシステムを構築する その他の選択肢

青年保育者である君たちは、 どう考えますか?