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(2)証券業の再編と新規参入
③外資系証券会社
• グローバルな組織を生かしたトレーディング・資産運用
→自己売買業務
• デリバティブ・証券化等での金融技術の強み
• 日本でも投資銀行業務を強化
– M&A、不良債権・企業再生ビジネス
• 株式市場での外国人投資家の取引増大
→外資系証券会社による委託売買の増大
・日系証券会社との合弁という形もある
・日興シティ、モルガン・スタンレーと三菱UFJ
・日系会社の顧客基盤が狙い
・ホールセール中心、リテール面では苦戦
– メリルリンチ:山一買収による本格進出→縮小
– GSの個人向け夜間株式取引市場PTS→撤退
– 富裕層向けプライベートバンキング業務は強化
1
・株式引受ランキング:日本:2011年
Thomson Reuters
2
○日本企業関連M&Aアドバイザリーランキング:2011年
・M&A仲介手数料率:0.97%
Thomson Reuters
3
・証券発行引受・M&A アドバイザリーのシェア
:証券会社タイプ別:2011年1-9月、()内は2010年同期
株式
1案件当り株式 社債
引受金額
M&A
1件当りM&A金
額
独立証券
54.6% 175百万ドル
(38.5) (286)
37.9%
(37.1)
16.3%
(20.3)
666百万ドル
(494)
銀行系
23.8
(17.4)
106
(322)
58.7
(40.1)
14.2
(15.1)
286
(305)
外資系
21.6
(42.2)
257
(873)
3.5
(1)
26.9
(45.5)
1772
(1066)
・外資系:
・M&Aシェアは手数料
ベースで計算
・独立証券:
・銀行系:
4
・日本株売買に占める外国人投資家の比率の増大
2007年
2008
2009
2010
外国人
54.2%
(39.8)
63.4
(46.4)
53
(39)
62.3
(47.2)
個人
32.4
(23.8)
22.8
(16.7)
29.3
(21.5)
23.2
(17.6)
()内は証券会社の自己売買を含むシェア
東京証券取引所「投資部門別株式売買状況」
注:上記シェアは委託売買中(証券会社の自己売買を除く)のシェア
日経05.07.01.
5
④銀行系証券会社
• 戦後~93.3.:銀行・証券の分離
• 自由化で銀行の証券子会社による新規参入
– 93.4.金融制度改革法施行:当面の業務範囲を制限
(激変緩和措置)→99.10.業務範囲規制撤廃
– 主としてホールセール業務:当初、社債引受で実績→
その後、株式引受・証券化・M&A業務等も強化
• 銀行参入の背景:
• 銀行再編に伴うグループ証券会社の再編・強化
– リテール中心の従来からの系列証券会社の再編統合
– その後、ホールセールとリテールを統合する動き
– 三井住友による日興証券の買収、三菱UFJ証券とモル
ガンスタンレー日本法人の経営統合
6
・社債引受ランキング:日本:2011年
・債券引受では、株式引受に比べて銀行系証券会社の力が強い
Thomson Reuters
7
米国:銀行のシェア縮小・市場型金融機関のシェア拡大
80%
70%
60%
50%
40%
30%
預金金融機関
年金
投資信託
証券化
市場型金融機関
20%
10%
19
70
19
73
19
76
19
79
19
82
19
85
19
88
19
91
19
94
19
97
20
00
20
03
20
06
20
09
0%
・市場型金融機関:年金、投資信託、証券化、保険
8
日本の金融機関シェアの推移
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
19
79
19
81
19
83
19
85
19
87
19
89
19
91
19
93
19
95
19
97
19
99
20
01
20
03
20
05
20
07
20
09
0%
預金金融機関
市場型金融仲介機関
・市場型金融機関:年金、投資信託、証券化、保険
9
・銀行系証券会社の再編
日本証券経済研究所『図説日本の証券市場:2010年版』p.231
10
・みずほ証券とみずほ
インベスターズ証券は
2012年に合併予定
11
12
– 企業文化の違い
• 米国のシティ・グループの失敗、しかし欧米でも銀行中心の金融グループが
多数
– 資本面、流動資金確保面での銀行の強み
• JPモルガン、バンク・オブ・アメリカによるベアー・スターンズ、メリル・リンチ
の救済合併
– 銀行の顧客基盤の広さ
• メインバンク関係による企業への影響力、株式新規公開候補企業の証券会
社への紹介
– 銀証融合に有利な規制緩和
• リテール面
– 1998年銀行による投資信託販売解禁
– 2002年銀行・証券の共同店舗解禁
– 04年証券(金融商品)仲介業解禁:仲介業者は仲介のみを行い口座は証券会
社が管理、銀行が仲介業に進出
• ホールセール面:
– 09年6月銀行・証券の役職員兼務、法人顧客の情報共有を認める
– 米国では銀行等に対する規制が強化され、証券業務の自由度が低下
• ボルカー・ルール:自己勘定取引やファンドへの出資の制限
13
⑤日本の証券業界の変貌
• 戦後~1990年代半ば
– 大手4社と中堅・中小証券との安定した業界構造
• 1990年代半ば以降
• 大手2社、ネット証券、外資系証券、銀行系証券
• ホールセールとリテールとの関係
• 異質な業者間の競争
– 業界の流動化:新しい証券ビジネスモデルの模索
• 企業・機関投資家への質の高いサービスの提供
• 海外展開:グローバル展開を目指す野村、アジア重視の大和
• 証券業界変貌の背景
– 金融ビッグバン1997~2001:金融の自由化・規制緩和
–
–
–
–
金融危機: 1990年代後半の日本、2007年以降の世界
金融のグローバリゼーション
IT革命
長期的傾向としての銀行業務縮小・証券業務拡大
14
(3)世界の証券業界の変貌
○インベストメント・バンク(投資銀行)
– ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー、リーマンブラザーズ
• 伝統的に証券発行引受、M&A等の企業金融のコンサル
ティングに強み(
)
• 1980年代以降債券・株式・為替の
、
デリバティブ・証券化、プリンシパル・インベストメント(自
己資金投資)の業務も急拡大
• ⇒
・欧州の巨大金融機関も投資銀行化
・ドイツ銀行、UBS、クレディ・スイス、バークレイズ
・
15
・米国の証券会社・銀行:規模推移
%
90
%
35
80
30
70
25
60
50
20
40
15
30
証券会社資産規
模GDP比(左軸)
銀行資産規模
GDP比(左軸)
証券会社/銀行
(右軸)
10
20
5
10
0
1945
1949
1953
1957
1961
1965
1969
1973
1977
1981
1985
1989
1993
1997
2001
2005
2009
0
FRB, Flow of Funds Accounts of the United States
16
日本の証券会社と銀行の規模推移
%
350%
%
30%
300%
25%
250%
20%
200%
15%
150%
預金金融機関資
産/GDP(左軸)
証券会社資産/
GDP(右軸)
10%
100%
5%
0%
0%
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
2008
2010
50%
証券会社/預金
金融機関(右軸)
日本銀行「資金循環勘定」
17
○投資銀行の収益の地域分布:
2005-06年(2009-11年9月)
アメリカ
ヨーロッパ アジア
ゴールドマ
ン・サックス
56%
(57%)
25%
(26%)
20%
(17%)
リーマン・ブ
ラザーズ
63%
25%
11%
・
18
・株式引受ランキング:世界:2011年
Thomson Reuters
19
○世界のM&Aアドバイザリーランキング:2011年
・M&A仲介手数料率:1.3%
20
○第2章参考文献
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
福光寛・高橋元『ベーシック証券市場論』第5章 同文館出版
日本証券経済研究所『図説:日本の証券市場10年版』
日本証券経済研究所『図説アメリカの証券市場09年版』
証券経営研究会編『証券ビジネスの再構築』日本証券経済
研所2004
加野忠『金融再編』文春新書1998
西村信勝『外資系投資銀行の現場」日経BP社1999
倉都康行『投資銀行バブルの終焉』日経BP社2008
佐賀卓雄「金融システム危機と投資銀行の衰退」『証券レ
ビュー』49巻1号
二上季代司「金融危機と今後の証券業」『証券レビュー』49巻
5号
新形敦「欧米金融機関の成長戦略~金融機関の将来像~」
『みずほ総研論集』2010年Ⅲ号
21