Transcript 0523

2000年5月23日
甲南大学講演資料
情報通信市場における環境変化と企業戦略
日本テレコム株式会社
代表取締役社長
村 上 春 雄
(03-4288-8008)
< 略
1939年1月
1951年4月
1961年3月
4月
1983年7月
1986年3月
1987年4月
1989年5月
1991年5月
1996年6月
1998年6月
歴 >
神奈川県にて出生
慶応義塾普通部入学
慶応義塾大学工学部電気学科卒
日本国有鉄道 入社
(この間 函館、名古屋、大阪、
門司、ニューヨークにて勤務)
同 上
電気局信通課長
同 上
盛岡鉄道管理局長
鉄道通信株式会社 取締役技術部長
日本テレコム株式会社 取締役技術部長
同 上
取締役経営企画部長
同 上
代表取締役副社長
同 上
現職
1
日本テレコムの設立
■JR北海道
●1987.4
分割・民営化
●1996.9
東証・大証1部上場
■JR東日本
■JR東海
日本国有鉄道
●1994.9
東証・大証2部上場
■JR西日本
■JR四国
●1992.11
全国ネットワーク完成
■JR九州
■JR貨物
鉄 道 通 信
日本テレコム
◆1986.12 設立(100%国鉄出資)
●1989.5 合併
■鉄道情報システム
●1999.8 BT,AT&TT
との資本提携
●1997.10 合併
新生「日本テレコム」
としてスタート
●2000.3 Concertと
独占的販売契約締結
■鉄道総合技術研究所
33.3%
旧 日本テレコム
◆1984.10 設立
三井物産
三菱商事
住友商事
国鉄関連会社
銀行 他一般企業
299社
新幹線保有機構(現 運輸施設整備事業団)
国鉄清算事業団(現 鉄道建設公団)
●1985.4 通信の自由化
三井物産
三菱商事
住友商事
松下電器産業
銀行 他一般企業
172社
日本国際通信
◆1986.7 設立
資本金 177,251,216,500円
(大株主)
・JR東日本
15.1 %
・BT
15.0 %
・AT&T
15.0 %
・JR西日本
10.2 %
・JR東海
7.6 %
・JR九州
1.2 %
・三菱信託銀行
1.1 %
・住友信託銀行
0.6 %
・JR貨物
0.6 %
・東洋信託銀行
0.6 %
2
時価総額上位300社
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
会社名
順位
会社名
順位
会社名
NTTドコモ(株)
26 (株)三和銀行
51 TDK(株)
日本電信電話(株)
27 (株)イトーヨーカ堂
52 ヤフー(株)
トヨタ自動車(株)
28 東京電力(株)
53 日産自動車(株)
ソフトバンク(株)
29 (株)第一勧業銀行
54 新日本製鉄(株)
(株)セブン-イレブン・ジャパン 30 日本テレコム(株)
55 東京海上火災保険(株)
日本オラクル(株)
31 東京エレクトロン(株)
56 アコム(株)
(株)東京三菱銀行
32 信越化学工業(株)
57 (株)武富士
野村證券(株)
33 ファナック(株)
58 (株)あさひ銀行
ソニー(株)
34 (株)大和證券グループ本社 59 (株)キーエンス
武田薬品工業(株)
35 任天堂(株)
60 (株)リコー
松下電器産業(株)
36 日興證券(株)
61 エスエムシー(株)
富士通(株)
37 (株)日本興業銀行
62 関西電力(株)
(株)村田製作所
38 シャープ(株)
63 日本たばこ産業(株)
(株)エヌ・ティ・ティ・データ
39 (株)光通信
64 三菱商事(株)
日本電気(株)
40 富士写真フィルム(株)
65 (株)ニコン
(株)住友銀行
41 (株)デンソー
66 三菱地所(株)
ローム(株)
42 (株)アドバンテスト
67 (株)東海銀行
本田技研工業(株)
43 東日本旅客鉄道(株)
68 東海旅客鉄道(株)
(株)日立製作所
44 三菱電機(株)
69 住友商事(株)
キャノン(株)
45 セコム(株)
70 三井物産(株)
(株)松下通信工業
46 山之内製薬(株)
71 ヤマト運輸(株)
(株)東芝
47 (株)ブリヂストン
72 大日本印刷(株)
(株)富士銀行
48 花王(株)
73 麒麟麦酒(株)
京セラ(株)
49 (株)フジテレビジョン
74 三菱信託銀行(株)
(株)さくら銀行
50 DDI(株)
75 大正製薬(株)
(出典:ダイヤモンド
社)
(2000年3月31日 株価)
順位
76
77
78
79
80
81
82
83
84
85
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
会社名
(株)ファーストリティリング
三共(株)
中部電力(株)
トレンドマイクロ(株)
住友信託銀行(株)
藤沢薬品工業(株)
三洋電機(株)
HOYA(株)
(株)オリエンタルランド
古河電気工業(株)
(株)ジャフコ
三菱重工業(株)
住友電気工業(株)
旭硝子(株)
オリックス(株)
プロミス(株)
旭化成工業(株)
日本テレビ放送網(株)
豊田合成(株)
住友化学工業(株)
三菱化学(株)
日本通運(株)
味の素(株)
凸版印刷(株)
エーザイ(株)
114
KDD(株)
3
各キャリア主要株主
JR7社
35.7%
AT&T
15%
BT
15%
日本テレコム(株)
J-フォン
54%
ジェイフォン(株)
(JT)
50%超
(816.6万台)
ボーダフォン・エアタッチ
BT
54.2%
26%
20%
(株)NTTデータ
70.9~
96.1%
大蔵大臣
59.1%
日本電信電話(株)
67.1%
(NTT)
100%
各社
(9社)
NTTドコモ
(株)NTTドコモ
各社
(2935.6万台)
(8社)
NTTコミュニケー
ションズ(株)
郵政省共済組合
9.3%
トヨタ
8.4%
NTT
8.4%
京セラ
25.2%
興銀信託銀行
(ソニー)
4.2%
セコム
1.7%
ウシオ電機
1.6%
100%
東日本電信電話(株)
100%
西日本電信電話(株)
KDD(株)
セルラーグループ
第二電電(株)
51.5~65.7%
(DDI)
51.5~53.7%
8社(623万台)
ツーカーグループ
3社(349.4万台)
トヨタ
62.8%
東京電力
11.8%
日本移動通信(株)
中部電力
7.6%
(IDO)
KDD
2.4%
(389.5万台)
4
主要な通信事業者のサービスと業績(1999年3月期)
(億円)
単体
連結
データ収入
(FR/CR
電話収入 専用収入 /ISP)
その他
附帯事業 収入合計 経常利益 売上高
経常利益
日本テレコム
2,773
253
123
-
701
3,852
232
4280
215
DDI
2,267
48
108
-
3,630
6,055
336
12,465
508
KDD
2,481
266
100
209
69
3,131
94
4,057
38
NTT
45,992
6,400
1,116
3,974
3,885
61,370
2,373
97,296
6486
NTTドコモ
10,991
-
266
962
2,636
14,857
1,713
31,183
3503
日本テレコムグループの主なサービス名
*電話
:「0088市外電話サービス」「0041国際電話サービス」等
*専用線・データ :「LASER EXEPRESS 21i」「 LASER EXEPRESS FRi/Cri」「映像伝送サービス」等
*インターネット(ISP)
:「ODN」「OBN」「SOLTERIA~Managed IP Service」等
*携帯電話
:J-Phone
*グローバルネットワーク:Concert
5
電気通信料金の推移
※[H12]は、割引前タリフベース
【競争分野】
国内電話 (長距離)
携帯電話
テレコム平日昼間 3分
(円)
DoCoMo基本料金
(円)
400
▲78%
30,000 ▲89%
90
S60
国際電話
テレコム米国あて (平日昼間 3分)
(円)
1,530
3,400~
H12
S60
H12
▲88%
180
S60
H12
【独占分野】
国内電話 (基本料金)
NTT住宅用
(円)
13%
1,550
国内電話 (公衆電話)
NTT市内 (平日昼間 3分)
1,750
(円)
200%
30
国内専用線(市内・15km以内)
NTT64kb/s
(円)
83%
77,000
42,000
10
S60
H12
S60
H12
S60
H12
6
21世紀は“ Everything over IP ”の時代
「Predictions by Jack McCue,WDR」
●1997年:火星探査機パスファインダーからの映像をインターネット経由で数百万人が見た。
●1998年:Matt Drudge がインターネットにより「モニカ ルインスキー」スキャンダルを暴露。
●1999年:独立系レコード会社「Sub Pop」がMP3を利用してインターネットで音楽配信を開始。
:英国の教授であるKevin Warwick が、自分の腕にトランスポンダーチップを埋め込んで
セキュリティー・ドアーを自動的にパスする事を始めた。
●2003年:Eコマースによる年間売上げ高が、1.8兆ドルに。
●2005年:「ネットTV」により好きなプログラムを。
:VoIPにより長距離電話料金が消滅。
●2007年:最後の音楽CD出荷、音楽は全てWebにてダウンロード。
:メディアの区分消滅。放送、電話、コンピュータネットワークはネットにより一体化。
●2008年:人間は皆人体にチップを埋め込む。
:映画館はあるが、フィルムは消滅。全てワイヤレスによるディジタル配信に。
:電話線はワイヤレス技術の発達により時代遅れのものに。
●2009年:殆どの家電製品はネットに接続。メイン州にあるトースターの故障は、アリゾナ州にある修理屋で修理。
:MPUの計算速度は数10兆回/秒へ。
●2010年:多くの衛星等が衛星間インターネットのバックボーンを構築。
:携帯端末(数百の形態)の普及率が米国では99%、世界平均では65%に達し、ネットへのポータ
ルの主体となり、ボイス、データ、ビデオ、GPS、PDA、ATM等その他多くの機能をカバー。
●2019年:殆どのビジネスミーティングはWeb上で。
7
21世紀は“ Everything over IP ”の時代
【 平成11年3月14日 日経新聞 】
米国マイクロソフト社ビル・ゲイツ会長の講演より
「情報の伝達方式が紙ベースからデジタルに変わることで情報の共有と分析の機会が拡大し、更にスピードアップする。その結果ビジネスは今後
10年で過去50年に経験してきた以上の大きな変革を遂げるだろう。
世界のインターネット人口は1998年現在で15300万人。利用者が5000万人になるまでTVが38年間、ラジオが13年間、インターネットは4年間かかっ
ている。しかし、最も普及している米国でも全人口に対するインターネット利用者は29%程度で、日本は11%、欧州等他地域は数%にすぎない。こ
れからビジネススタイルは大きく変わる。」
【 平成11年7月21日 日経新聞 】
日本シスコシステムズ社 松本孝利会長
「インターネットが大きな産業革命を引き起こす原因となるとする理由は、情報の受信者と発信者が直結される事、あるいは生産者とエンドユー
ザが直結されることです。これからは人間が介在しなくてもビジネスが成り立つ仕組みをもたねば企業は生き残ってゆきにくくなります。
【 平成11年7月26日 日経新聞 】
ボストン・コンサルティング・グループと業界が共同で実態調査
「米国でインターネットを介した商取引の急増、1999年の市場規模は前年の約2.5倍にあたる360億ドル(約4.3兆円)の見通し。(98年は149億ド
ル)ネット専門企業に加え、大手小売業の参入が相次いでおり、市場拡大に拍車をかけている。」
【 平成11年9月10日 「IBMアジアCEOセミナー」 】
米国IBM社 ルイス・ガースナー氏
「現在インターネットには世界で2億人が接続している。2003年までには5億人となる。日本でもその時までには3200万人となるであろう。このよ
うになると、“コントロール”が大きく変わってくる。従来は、例えば政府が色々と“コントロール”していた。これが劇的に変化し、主導権は
お客様へと移ってゆく。“何時でも、何処でも全ての情報に”アクセスできるようになるインターネットは、技術の革命ではない、新しい仕組み
の構築である。米国では、既に、消費の23%がオンラインである。また、クライスラーは“ノーツ”でコストを10億ドル削減した。生保で50%、ソ
フトウエア業界では90%のコストダウンを実現した。金融サービスでは、1件あたりのコストを100分の1にした。また、ネットワーク社会となり、
参入障壁が無くなる。昨年、米国の自動車販売の2%がネット経由であったが、来年は3分の1がネット経由となる。これからの企業経営は“Speed,
Cycle Time, Knowledge”の時代で、役員はネットを使いこなせる人であり、ネット技術と業務の橋渡しのできる人でないといけない。」
8
世界の10大M&A
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
⑩
社名
AOL(米) ~ タイム・ワーナー(米)
ボーダフォン(英) ~ マンネスマン(独)
MCIワールドコム(米) ~ スプリント(米)
ファイザー(米) ~ ワーナー・ランバード(米)
エクソン(米) ~ モービル(米)
グラクソ(英) ~ スミスクライン(英)
AHP(米) ~ ワーナー・ランバード(米)
トラベラーズ(米) ~ シティコープ(米)
SBC(米) ~ アメリテック(米)
ネーションズバンク(米) ~ バンカメリカ(米)
(2000年2月7日付 日本経済新
聞)
業種
金額
発表時期
通信 1800億㌦ 2000年1月
通信 1800億㌦ 2000年2月
通信 1100億㌦ 1999年10月
製薬
900億㌦ 1999年11月
石油
800億㌦ 1999年11月
製薬
800億㌦ 2000年1月
製薬
800億㌦ 1999年11月
金融
700億㌦ 1998年4月
通信
600億㌦ 1998年5月
金融
600億㌦ 1998年4月
◆2000年3月31日現在、日本の電気通信事業者の株式時価総額(抜粋)
【1】NTTドコモ(39.5兆円) 【2】NTT(25.8兆円) 【30】日本テレコム(2.8兆
円)
【50】DDI(1.9兆円) 【114】KDD(0.7兆円)
9
21世紀のキーワード
日本テレコムの戦略商品
【データ】
プラットホーム:PRISM、データセンター事業(JENS)
ODN、J-Sky、SOLTELIA、VoIP、…
【モバイル】
J-Phone、ブランド統一、3社に経営統合、
VAT,BTとの連携
【グローバル&
エンド・ツー・エンド】
BT、AT&T、Concert(53ヶ国、1,000都市をカバー)
ダイレクト・アクセス(光ケーブル、P-P無線、P-MP無線)
【ソリューション】
特にネットワーク・ソリューション、自身の蓄積したスキルと
BT,AT&Tのソリューションパワー(約2万人)との連携
10
日本テレコムのチャレンジ
(日本の通信事業者で、日本のNCCで一番早く…の例)
1986. 2
1987. 9
1988. 8
1992.11
1994. 9
1994.11
1995. 7
1997.10
1998. 6
1998. 7
1998.12
1999. 4
2000. 3
2000. 4
専用線サービス開始
電話サービス開始(但し、DDI・TWJと同日)
公衆電話サービス開始
全国ネットワーク完成
株式公開と同時に海外公募(日本初)
電気通信事業法第39条(郵政大臣の接続命令)申請(日本初)
超高速専用線サービス(MA間)開始
JT・ITJが合併
海外(米国JTA)で設備ベースでの通信サービス開始(日本の事業者で初)
ダイレクトアクセスサービス(光ケーブル、無線)開始(長距離・国際系で初)
次世代ネットワーク構想(PRISM)
BT/AT&Tとの資本提携合意発表 (1999.8資本提携の契約が正式成立)
Concertと独占的販売契約締結
次世代携帯電話(IMT-2000)免許申請
11