Transcript 6地域論・メディア論
地域とは? メディアとは? ■多元的多層的な地域論 ■地域メディアの「地域」とは かつては・・ リアリティの 準拠点 自然村 ムラ・シマ (故郷) 再生の物語 地域形成 コミュニティ再生 まちづくり 地域=本質的な実体なのだろうか? ※確かに、歴史・文化上も固有性をもった実体」に見える。 ①地域を「所与」の括弧とした実体として捉えない。 ②可変的なもの。構築されるもの。 ③一方で、虚構でもない。 ■多元的多層的な地域論 ■ふたつのフィールドからの問い 「わがまち」の準拠点は? 世田谷区 (旧5村の合併) 奄美(あまみ) 本島? 地区 シマ 区 80 万人 地域 自治体 島 奄美群島 (大島郡) ■多元的多層的な地域 ■多元性な次元で成立する「地域」 「情報的現実としての地域」(加藤晴明、1997)を改訂すると・・ (1)空間次元:範域(スペース) (2)関係次元:地縁+選択縁→多層的コミュニケーション ※インターネット時代 選択縁・関心(テーマ)コミュニティ (3)制度次元:自治体 (4)フォークロア次元:風土・文化 (5)記号次元:メディアによる地域イメージ、地域表象 (6)意識次元:ローカルアイデンティティ ■地域表象過程論 ■寺岡伸悟『地域表象過程と人間』(2003) 地域表象過程 故郷 地域イメージなど表象の次元を意識する必要がある。 地域表象が成立し、存在し、維持されるプロセス 「故郷」「貧しかったけれども、人びとの心はあたた かかった。」「本当の故郷」・・・人々の社会的相互 作用のなかで形成される。 出生地・現住所の間での移動とコミュニケーション のなかで、喚起される複合的な過程て゜ある。 ■本質論と構築論の狭間で ■地域リアリティの螺旋的な形成プロセス 文化的苗床 文化資源 メディア実践 地域の 自己語り 地域= 人びとの 生きる営みの場 文化実践 文化をしくみ 化・可視化する 文化媒介者 地域のリアリティ 地域の物語の生成 ■地域メディアの「メディア」について 既存の地域メディア論は、 マスメディアの業種を起点にしたメディアの種類論 それを、どう超えていくのか。 ■2つのメディア論 ■マクルーハン:技術決定論的メディア論 『メディア論』(1964) 電気テクノロジーが、人間の身体・神経を拡張する。 「メディアつまり技術」 「メディアはメッセージ」 「メディアは人間の(心的・肉体的)能力の拡張」 汎メディア論 人間の活動の拡張 (外へ・内へ) 人間 =情報コミュニケーション活動/移動コミュニケーション領域/あらゆるもの ■2つのメディア論 ■中野収:意味論的メディア論 『メディアと人間』(1986) 『メディア人間』(1997) 人が意味作用する対象すべてがメディア ホモ・シンボリカス ホモ・メディウス 生活環境のことば化・記号化、メディア化 意味と人間を結びつけるものすべてがメディア メディアとはほとんど文化に近い 文化(意味)のメディア化 言葉化・記号化・情報化 汎メディア論 意味的な相互作用する対象 ことば化・記号化・情報化 ■文化装置としてのメディア論 ■メディア=文化を仮託(かたち化・可視化)する装置 見えない 文化 自己 (自己物語) 地域文化 (地域という自己) (地域の自己物語) かたち化 可視化 メディア化 ことば化 記号化 情報化 ■自己のメディア(版)化 ■メディアとは自己を仮託する文化装置 情報表現を可能にする テクノロジー 個人のメディア装置 自己を仮託する文化装置 ストーリーテリング装置 自己の可視化 自己の拡張 自己物語のリライト 何に仮託しても構わない メイク・ファッション・ 身体加工・ダンス 他者の自己物語 =アイドル みんなで創る 物語=よさこい ■地域・メディア・文化の「文化」について ■文化とは ■2つの文化論を超えて システム論的文化論 社会システムの中の共通の行 動パターンを成り立たせるもの・ コード・規範・共有価値 コンテンツ文化論 メディアコンテンツ その消費行動 (メディア文化論) 本質論ではなく、媒介過程論 文化の メディア的 展開 メディエーション(メディア化する実践) 苗床にある文化資源の伝承・創生のた めの人びとの営みプロジェクト 民俗文化も、メディエーションされている。 ■文化の類型論 ■伊藤幹治の2つの文化論 共通文化 民俗文化 ■久万田晋の文化芸能論 古典芸能 民俗芸能 大衆芸能 ■民俗文化の要素 ■文化のアイテム ・文化は神秘ではなく、アイテムだ。 ・今日ではメディア化されてのみ継承・創生される。 ことば(方言・島口・物語) 民俗文化 (地域文化) のアイテム 食べ物 歌謡(古謡・民謡・歌謡・PS) 舞踊(祝祭と重なることも多い) (文化資源・ 苗床・文化素) 武道 ファッション(容姿・衣装・小物) 祝祭(祝・祭・イベント) メディア的 展開 現代文化 として 継承・創生 される。