Transcript NTSC方式
NTSCカラーテレビジョン方式 NTSCとは: National Television System Committee (米国テレビジョン標準方式委員会)が定めた方式 カラーテレビジョン方式の基本条件: 最初に白黒テレビジョンありき ・伝送帯域幅は6MHzでなければならない ・カラーテレビの電波は白黒テレビと両立できることが望ましい 両立性: 1)カラーまたは白黒受像機において、それぞれの機器がカラーまたは白黒テレビの 電波を受信したとき、カラーまたは白黒画像を再現することができなければならない。 2)同期信号が白黒、カラーともにおなじものでなければならない。 3)映像と音声の両搬送波の間隔は標準4.5MHzでなければならない。 ・伝送三信号の中の一つは、白黒テレビの信号と同じ性質を有していなければならない。 (輝度信号の性質を決定づける要因) ・残りの二つのの信号は、 両立性のため必要なものでなく、色をつけるためのものであり、 この信号の存在によって両立性が崩れない必要ががある。 (色信号の性質を決定づける一要因) NTSCカラーテレビジョン方式 カラーテレビの色彩論: カラーテレビ受像機は、加法混色によって色をつくる。 その設計基準は披写件の色と再現色が等しいということ である. すなわち、被写体を測色計で測定したデーターと、再 現されたテレビ画像を同じ測色計で測定したデーターと が、互いに相等しくなるように設計されている. しかしながら、人間の色彩知覚特性のため数値が等 しければきれいとは言えない。 そのためカラーテレビで満足な再現色を得るために は演出、照明およぴカラー受像器の調整において各種 の技術を要すこととなる. 色に対する視力: 画面上の細かい部分の色差に対する視力は、明るさ の差違に対する視力よりも遙かに低い。 また、色差に対する視力は色によっても著しく相違す る. 実験によれば物体の色は大きさが次第に小さなると 色はすべてオレンジ系の色とシアン(青線)の色である ような印象を受ける. また、物体がさらに小さくなると色の相違はもはや視 覚出来なくなり明るさの相違のみ が識別出来るに過ぎない. 加法混色 赤 黄 緑 マゼンタ 白 シアン 青 NTSCカラーテレビジョン方式 信号伝送における視覚特性の利用: NTSC方式では、視覚の性質を利用して、出釆るだけ 色信号の帯域幅を狭くし伝送を容易にする方法が用い られた. 1.画面上で比較的大きな部分 (映像周波数500KHz以下)については、 明るさと色相、彩度の三成分を送る. 2.画面面上で比較的小さな部分 (500KHz~1.5MHz)に対しては、 明るさの信号の他に、 色差視力の高いオレンジ系とシアン系成分の 信号だけ送る. 3.非常に細かい部分 (1.5MHz以上)に対しては、 明るさを表わす信号だけ送れば充分である. NTSCカラーテレビジョン方式 NTSC方式の伝送三信号: 三つの独立信号をカメラから受像機まで伝送するた めには、そのまま伝送しないで、他の1組の独立信号に 変換して送り、受像機の回路で、この送られてきた信号 からもとの三信号を作るようにしている。 伝送信号E1,E2,E3の発生と、 元の三原色への復元 伝送信号である、NTSCのカラー映像信号 ( Composite Color Video Signal )は、 E1 ER EG 送 信 E2 E2 受 信 EG EB E3 E3 EB マトリックス カ メ ラ E1 マトリックス ・輝度信号(Luminance Signal Y信号)、 ・色信号(Chrominance Components CHROMA信号) ・同期信号(Composite Sync Signal )およぴ ・色同期信号(Burst Signal)から成っている. ER 受 像 管 色信号は、Ⅰ信号(In Phase Component)と、 Q信号(Quardrature Phase Component) から作られる。 EY ER EG EB 送信 マトリックス EI EQ 加算 回路 直角二相 変調 Chrominance Components Composite Color Video Signal NTSCカラーテレビジョン方式 輝度信号(Luminance Signal Y信号): 明るさに比例して変化する量を伝送する信号で、人間 の眼の性質(標準比視感度曲線)によって決定する. これは、カラーテレビ放送を白黒テレビ放送で見たとき 白黒画像を再現するためである。 カラーテレビはR,G,Bの三信号から成っており、R,G, Bの分光感度特性は右図にしめすb,g.rのようになって いる. 1 そのため各色の分光特性かから標準比視感度特性 を得るために輝度信号EYは次式で示すようになる。 EY=0.30ER十0.5EG十0.11EB 標準比視感度および視感度 NTSCカラーテレビジョン方式 色信号 (Chrominance Components CHROMA信号): 色を表わす信号としては色差信号 ER-EY=0.70ER-0.59EG-0.11EB EG-EY=0.41EG-0.30ER-0.11EB EB-EY=0.89EB-0.59EG-0.30ER が基準である. 色信号を伝送する方法としてR,G,Bの三原色を送 ることはNTSC方式では帯域幅の関係から不可能な ので、R-Y、G-Y、B-Yの色差信号にすれば R-Y、B-Yより次式によりG-Yを求めることが出 来、 -0.51(ER-EY)-0.19(EB-EY)=EG-EY またY、R-Y、G-Y、B-YよりRGBの三原色が得 ることが出来る。 従ってY、R-Y、B-Yを伝送すれば良いことにな る. しかし、伝送における色信号帯域幅の制限から、色 信号としてEI,EQ信号を作成しそれを伝送することと した. Ⅰ信号は、 (In Phase Component) 人間の眼の色感の敏感なオレンジ系、シアン糸の色 を用いるので(人同の眼に)同相(In Phase)の文字 からⅠ信号と名ずけられた. EI=0.60ER-0.28EG-0.32EB Q信号は、 (Quardrature Phase Component) Ⅰ信号に直角な位相のところの色、黄緑系、紫系の 色を用いるので直角な位相(Quardrature Phase) からQ信号と名づけられた. EQ=0.21BR-0.52EG+0.31EB