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フェルミ研ドレル・ヤン実験のための
ドリフトチェンバー製作と性能テスト
Fabrication and A Test of New Drift Chamber for Drell-Yan
Experiment at Fermi National Accelerator Laboratory
東工大理,理研A,理研BNL研究センターB,
KEKC,山形大理D
宮坂翔,柴田利明,竹谷篤A,中野健一A,後藤雄二A,B,
澤田真也C,宮地義之D,
他SeaQuest Collaboration
1
内容
 FNAL-E906実験 (SeaQuest)とは
 ドリフトチェンバーの構造
 試作機を使ってのテストとその結果
 まとめ
2
FNAL-E906実験 (SeaQuest)とは
 FNAL (フェルミ国立加速器研究所)で、120
GeV陽子ビームを用いて行う実験。
 2010年6月にビームタイム開始
E906実験で予想される統計精度
 ドレル・ヤン過程( qq      )
を用いて、陽子内のSeaクォーク分布のフレー
バー非対称度( u  d 非対称度)を大きいx
(Bjorken x) まで測定する。
*


E866 : 0.015<x<0.35 (P: 800GeV )
d
u
E906 : 0.1 < x <0.45 ( P:120GeV)
μ+
陽子ビーム
q
核子標的
(陽子、中性子)
q
γ
Bjorken x
μ-
ドレル・ヤン過程
3
ドリフトチェンバーの構造
日本グループは Station1か
らStation4までの飛跡検出
器のうちのひとつ、Station3
の大型ドリフトチェンバーを
製作した。
Target
P.beam
 フレームの大きさ:
1.9 m(ワイヤー方向) ×3.5 m
 有感面積 :
1.7 m(ワイヤー方向) ×2.3 m
1.9 m
 センスワイヤー面は6面
 U(+14゜)、U’(+14 ゜)、
X(0 ゜)、X’(0 ゜)、
V(-14 ゜)、V’(-14 ゜)
 検出するミューオンは、マグネットにより
横方向に曲げられるので、ワイヤーは縦
方向に張られている。
U
 目標とする分解能は水平方向 400 μm、
鉛直方向は 1mm
 使用するガス : アルゴン‐エタン
(50%‐50%)
St.1
St.2
St.3
St.4
Mag2
Mag1
active area
2.3 m
1.7 m
3.5 m
U’ X
X’
V
V’
4
 セル構造:2 cm 四方の四角
形構造。
 フィードスルー方式
Guard Wire
ミューオン
(ほぼ垂直)
(φ80μm )
Sense Wire
(φ30μm )
Field Wire
(φ80μm )
Cathode Wire
(φ80μm )
2 cm
2 cm
5
試作機を使ってのテスト
6
試作機(テストチェンバー)
 本チェンバーと比べて、ワイヤー長やセル構造、センスワイヤー面の構
造は同じだが、幅が5分の1である。
 ガスは現在、P10ガス(アルゴン 90% : メタン 10% )を用いている
1.7 m
試作機(テストチェンバー)@東工大
本チェンバー@理研
7
試作機(テストチェンバー)の
目的とテスト内容
<目的>
長いセンスワイヤーが信号に与える影響を評価する。
 増幅器のプロトタイプのテスト
⇒ 現在テストを進めている
<テスト内容>





チェンバーからの raw signal を見る
ガスゲインを測定し、シミュレーション結果と比較する
ワイヤーのヒット位置依存性を測定する。
検出効率の測定
位置分解能の評価
8
Raw signal
チェンバーのX 面の1本のセンスワイヤーからの raw signal を読み出した。
 線源:Am241(γ線源 60 keVのγ線)
 HV設定
 U,U’面のフィールド、カソードワイヤー
= -2100 V
150 ns
30 mV
 X,X’面のフィールド、カソードワイヤー
= -2550 V
 V,V’面のフィールド、カソードワイヤー
= -2100 V
 ガードワイヤー = -1200 V
 オシロスコープのインピーダンス= 50 Ω
なるべく大きい Signal を観測す
るために、Raw signal を読み出
す X 面 のHVの値を大きくした。
(X,X’面のHV の値は共通)
信号が確認出来たので、この信号を使ってガスゲインを求める9
ガスゲインの測定
raw signal からガスゲインの値を求める。
その結果をシミュレーション結果と比較することにより、ドリフトチェンバーのガスゲ
インが設計通りであることを確認する。
<ガスゲインの求め方>
Am241(γ線源)からの raw signal の波形を積分することにより総電子数を求め、
それを初期電子数で割ることによりガスゲインを求めた。
ガスゲイン=
総電子数
初期電子数
Am241からのγ線のエネルギーは60 keV であり、このエネルギーは幅2 cm のセル
の中に 60 keV 全て落とされるので
初期電子数=
60 keV
P10 ガスのW値
アルゴンのW 値
W = 26 eV / electron
メタンのW 値
W = 28 eV / electron
10
ガスゲインのシミュレーションとの比較
HV を50 Vずつ変化させ、各 HV の値に対して10回ずつガスゲインを計測し、
グラフにした。
傾き
Garfield・・・7.1833
測定結果・・・
5.32407±2.77248
赤丸は10 イベント
の平均値、
エラーバーは10 イ
ベントの分散
シミュレーションの結果とほぼ一致した。
ドリフトチェンバーのガスゲインは設計どおりであることが確認できた。
11
ワイヤーのヒット位置依存性( Cs 137 )
放射線が、長さ1.7mのワイヤー上のどこにヒットしたかによって、シグナルの形状がどのように変化
するかを測定する。
線源 : Cs137 (γ線源 667 keV のγ線を出す 主としてコンプトン散乱)
① の位置に線源を置いたときの信号
②の位置に線源を置いたときの信号
300 ns
300 ns
60 mV
60 mV
③の位置に線源を置いたときの信号
③
200 ns
②
50 mV
読み出し側
①
線源が読み出し回路に近い側にあるときは、信号の立ち上
がりが遅く、読み出し回路から遠ざけていくにつれて信号の
立ち上がりは速くなり、形はギザギザになり、鋭くなっていく。
12
ワイヤーのヒット位置依存性( Am
241
)
線源 : Am241 (γ線源 60 keV のγ線を出す 主として光電効果)
① の位置に線源を置いたときの信号
②の位置に線源を置いたときの信号
80 ns
80 ns
20 mV
30 mV
③の位置に線源を置いたときの信号
③
80 ns
30 mV
②
読み出し側
①
 線源が読み出し回路に近い側にあるときは、信号の立ち上がりが遅く、読み出し回路から
遠ざけていくにつれて信号の立ち上がりは速くなり、形はギザギザになり、鋭くなっていく。
これは Cs137 の場合と同じである。
この信号の変化の原因を現在探っている。
13
Fe55 ( X線源 ), Sr90 (β線源 ) での測定も今後行う。
まとめ
 FNAL-E906実験 (SeaQuest ) *は 120
GeV 陽子ビームを用
 
いた、ドレル・ヤン過程( qq      )の実験
 陽子内のSeaクォーク分布を求める
 新規に大型のドリフトチェンバーを設計・製作した
 試作機を使ってraw signal を観測した
 ガスゲインを測定した
⇒シミュレーションの値とほぼ一致した
 長いセンスワイヤーが信号に与える影響を評価した
⇒線源の位置によって信号が変化。原因は現在究明中
 今後の展望
 検出効率を測定する
 位置分解能を評価する
 増幅器のテスト
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FNAL-E906( SeaQuest )
Collaborators
日本
アメリカ合衆国
東京工業大学
柴田利明、中野健一、水頭慎一、 台湾
宮坂翔、竹内信太郎
理研、理研BNL研究センター
後藤雄二
理研
竹谷篤
KEK
澤田真也
山形大学
宮地義之
15
Backup slides
16
スペクトロメータ
Station 3
Station 4
Station 2
Station 1
Target
Magnet1
Magnet2
Proton
beam
Target・・・・液体水素、液体重水素、原子核...
Magnet1・・・・不変質量と運動量の大きいミューオン対を集める働きがある。中心
にある鉄はビームダンプとハドロン吸収体の役割をする
Magnet2・・・・ミューオンの運動量を決定するための分析磁石
Station1,2,3・・・・ドリフトチェンバー。ミューオンの飛跡を検出
Station4・・・・ハドロン吸収体及びドリフトチューブ。MuIDの役目
全てのStationにトリガー用のホドスコープがある。
日本グループはStation 3のドリフトチェンバーを製作した
17
Station3 の Layout
St.3に求められる性能⇒有感面積3.2m(ワイヤー方向)×2.0m
2.2m
St.3+
Station3
active area
1.7m
0.1m
1.7m
active area
St.3-
1.8m
18
目的
Station3の上半分のドリフ
トチェンバーを新規に設計・
製作した
試作機を使って、新規に制
作したドリフトチェンバーの
性能を評価する
ガスゲイン、位置分解能など
ワイヤーが長い⇒ワイヤー
ヒット位置依存性が重要
これまでの測定結果を報告
する
< Station3のLayout >
2.2 m
新規のDC
1.7 m
0.1 m
1.7 m
古いDC
1.8 m
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ドリフトチェンバーの現状
3/5に理研に搬入
アルゴン(50%) : エタン
(50%) ガスを搬入より1ヶ月前
から流し続けている
3/13から低めのHVを印加し
続けている(フィールド、カソード
ワイヤー : -1.5 kV,ガードワイ
ヤー : -0.5 kV)
Fe55,Sr90の線源を使って、
生シグナルを見た。
4月下旬にFNALへ移動予定
20
今後の予定
4月下旬
ドリフトチェンバーSt.3+をFermilabへ輸送
(日本出発)
5月上旬
ドリフトチェンバーSt.3+がFermilabに到着
6月21日
弱いビームが出る
7月19日~9月中旬
ビーム中断
9月中旬
データ収集の開始
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