Transcript 公共経済学(前期)
<公共経済学(前期)の各章のフローチャート> <市場メカニズムの機能> 1章 2章 <公共財と政治プロセス> 3章 4章 5章 6章 7章 <費用便益分析> 8章 9章 10章 11章 12章 1 8.消費者余剰と等価変分・補償変分 状態変化の個人的評価 7章 無差別曲線 序数的 以前 効用関数 状態変化の社会的評価 パレート基準 全員一致 8章 以降 2 8.消費者余剰と等価変分・補償変分 状態変化の個人的評価 7章 無差別曲線 序数的 以前 効用関数 補償変分 基数的 等価変分 8章 消費者余剰の増分 以降 状態変化の社会的評価 パレート基準 全員一致 3 8.消費者余剰と等価変分・補償変分 状態変化の個人的評価 7章 無差別曲線 序数的 以前 効用関数 補償変分 基数的 等価変分 8章 消費者余剰の増分 以降 所得の増分 状態変化の社会的評価 パレート基準 全員一致 潜在的パレート改善 (仮説的)補償原理 集計的消費者余剰の増分 4 8.消費者余剰と等価変分・補償変分 状態変化の個人的評価 7章 無差別曲線 序数的 以前 効用関数 補償変分 基数的 等価変分 8章 消費者余剰の増分 以降 所得の増分 生産者余剰の増分 状態変化の社会的評価 パレート基準 全員一致 潜在的パレート改善 (仮説的)補償原理 集計的消費者余剰の増分 集計的生産者余剰の増分 5 8.1 支出最小化問題と補償需要関数 8.2 補償変分と等価変分 8.3 補償需要関数と補償変分・等価変分 8.4 (マーシャルの)需要関数と補償需要関数 8.5 補償変分、等価変分、消費者余剰の増分 6 8.1 支出最小化問題と補償需要関数 p =財 x の価格 財 y の価格=1 E =支出額(expenditure) E px y :支出額 (8-1) I :無差別曲線 7 <支出最小化問題> 無差別曲線 I 上の消費量の組 ( x , y ) のなかで支出額 E px y を * * 最小にする消費量の組 ( x , y ) を求める問題である。 * x =財 x の補償需要量 * y =財 y の補償需要量 Compensated Demand Function x x d ( p , I ) :財 x の補償需要関数 (8-2) y y d ( p , I ) :財 y の補償需要関数 (8-3) * * C C E ( p , I ) =支出最小化問題で求められる支出額 E ( p , I ) p x d ( p , I ) y d ( p , I ) :補償所得 C C Compensating Income (8-4) 8 (問題 8-1) 下の図に等支出線を描き加えることで、 * * I と p が与えられてもとでの x , y と E ( p , I ) を図示しなさい。 9 y E ( p , I ) px y * p xd ( p, I ) yd ( p, I ) C E ( p, I ) y * C * C y d ( p, I ) I p * x x dC ( p , I ) x 10 8.2 補償変分と等価変分 所得を m とすれば予算制約式は (8-5) px y m である。 状態1と状態2における所得は 簡単化のため同一であるとする。 価格 p が p 1 (状態1)から p 2 (状態 2)に低下したとする。 ( x , y ) =状態 j における個人の最適消費量の組 j j j j j I =「 ( x , y ) を通る無差別曲線」 11 CV =補償変分(compensating valuation) EV =等価変分(equivalent valuation) 効用の増加を所得の変化分としてとらえる概念 「変化後の効用」を「変化後の価格」 = のもとで補償するために必要な所得 CV E ( p , I ) E ( p , I ) m E ( p , I ) 2 2 2 1 2 1 m (8-6) 「変化前の効用」を「変化後の価格」 のもとで補償するために必要な所得 EV E ( p , I ) E ( p , I ) E ( p , I ) m 1 2 1 1 1 2 (8-7) 「変化後の効用」を「変化前の価格」 のもとで補償するために必要な所得 12 (問題 8-2) ① 2 1 1 2 E ( p , I ) と E ( p , I ) を図示しなさい。 ② 価格が p 1 から p 2 に低下したときの CV と EV が どの線分の長さとして捉えられるかを図示しなさ い。 13 y 1 2 E( p , I ) 1 1 = E( p , I ) E ( p , I ) m 2 2 2 1 E( p , I ) 1 y y I 2 p x 1 1 1 p 1 p x 2 2 I 2 x 14 (問題 2-2) ① 2 1 1 2 E ( p , I ) と E ( p , I ) を図示しなさい。 ② 価格が p 1 から p 2 に低下したときの CV と EV が どの線分の長さとして捉えられるかを図示しなさ い。 15 CV m E ( p , I ) 2 y 1 EV E ( p , I ) m 1 1 2 EV 2 E( p , I ) CV m 2 1 E( p , I ) 1 y y I 2 p x 1 1 1 p x 2 2 I 2 x 16 2.3 補償需要関数と補償変分・等価変分 無差別曲線が部分的に直線になっている特殊ケースを想定 ⇒ CV と EV が補償需要曲線を用いて捉えることができる。 MRS k = x k 1 から x k の範囲の限界代替率 ( k 1, 2 , 3 かつ xˆ 0 0 ) 17 y 部分的に直線の無差別曲線 Marginal Rate of Substitution MRS 1 MRS I 2 MRS xˆ 0 xˆ 1 xˆ 2 3 xˆ 3 x 18 y MRS 1 M R S2 I p 1 p 2 MRS 3 x p 補償需要曲線 MRS p MRS p MRS 1 1 2 Ⅰ Ⅱ 2 3 Ⅰ Ⅳ Ⅲ Ⅰ xˆ 1 xˆ 2 x 19 (問題 8-3) ① 下段の図のⅠ+Ⅱが上段の図のどの線分の 長さと等しいかを示しなさい。 ② Ⅰ+Ⅱが CV となるのは、無差別曲線 I が 1 2 I のときであろうか I のときであろうか。 ③ Ⅰ+Ⅱが EV となるのは、無差別曲線 I が 1 2 I のときであろうか I のときであろうか。 20 y (Ⅰ+Ⅲ)+(Ⅱ + Ⅳ)-(Ⅲ + Ⅳ)=Ⅰ+Ⅱ Ⅰ+Ⅲ = p xˆ1 1 MRS 1 2 p xˆ 2 = Ⅲ+Ⅳ MRS 2 ( xˆ 2 xˆ1 ) = Ⅱ+Ⅳ MRS p xˆ 1 I 2 1 p xˆ 2 2 MRS 3 x 21 (問題 8-3) ① 下段の図のⅠ+Ⅱが上段の図のどの線分の 長さと等しいかを示しなさい。 ② Ⅰ+Ⅱが CV となるのは、無差別曲線 I が 1 2 I のときであろうか I のときであろうか。 ③ Ⅰ+Ⅱが EV となるのは、無差別曲線 I が 1 2 I のときであろうか I のときであろうか。 22 y EV CV I I p x 1 1 2 1 p x 2 2 x 23 y EV CV I I p x 1 1 2 1 p x 2 2 x 24 y EV CV I I p x 1 1 2 1 p x 2 2 x 25 CV m E ( p , I ) 2 y 1 EV E ( p , I ) m 1 m 2 Ⅰ+Ⅱ I I Ⅰ+Ⅱ=CV 1 I I MRS Ⅰ+Ⅱ=EV 2 1 m 2 1 MRS p xˆ 1 I 2 1 p xˆ 2 2 MRS 3 x 26 階段状の補償需要曲線 2つの価格線、補償需要曲線、 縦軸で囲まれる図形の面積 p I I Ⅰ+Ⅱ=CV 1 I が与えられたもとでの 補償需要曲線 MRS p MRS p MRS I I 2 Ⅰ+Ⅱ=EV 1 1 2 Ⅰ Ⅱ 2 3 Ⅰ Ⅳ Ⅲ Ⅰ xˆ 1 xˆ 2 x 27 曲線の補償需要曲線 2つの価格線、補償需要曲線、 縦軸で囲まれる図形の面積 p I I Ⅰ+Ⅱ=CV 1 x xd ( p, I ) C MRS p MRS p MRS I I 2 Ⅰ+Ⅱ=EV 1 1 2 Ⅰ Ⅱ 2 3 Ⅰ Ⅲ Ⅳ Ⅰ C 1 xd ( p , I ) C 2 xd ( p , I ) x 28 無差別曲線 I を y I ( x ) と表すことにする。 y 1 1 1 2 2 2 I (~ x ) p ~ x I ( ~ x ) p ~ x 1 1 1 I (~ x ) p ~ x 1 1 2 2 2 1 p ~ x p ~ x I ( ~ x ) I (~ x ) (# ) p 2 2 2 I (~ x ) p ~ x j j I ( ~ x ) y I ( x) p 1 ~ x 1 p 2 2 ~ x x j C j ~ x xd ( p , I ) 29 無差別曲線 I が与えられたときの逆補償需要関数は p I ( x ) で求められる。 Ⅰ+Ⅱ= (Ⅰ+Ⅲ)-(Ⅲ+Ⅳ)+(Ⅱ+Ⅳ) 1 2 2 p ~ x p ~ x 1 p 2 ~ x I ( x ) dx 1 ~ x 1 1 2 2 2 1 p ~ x p ~ x I ( ~ x ) I (~ x ) (# ) I ( 0 ) p 1 Ⅰ p p I ( x ) Ⅱ 2 Ⅲ Ⅳ 1 ~ x 2 ~ x x 30 8.4 (マーシャルの)需要関数と補償需要関数 px y m :予算制約式 * * ( x , y ) =予算制約のもとでの最適な消費量の組 * x =財 x の(マーシャルの)需要量 x x d ( p ) :(マーシャルの)需要関数 (8-8) 31 y px y m m y * I p x xd ( p) * x 32 (マーシャルの)需要関数と補償需要関数の関係? x xd ( p ) j ⇒ ( j 1, 2 ) j x d ( p , I ) x ( j 1, 2 ) 。 C j j j (問題 8-4) 1 2 C 1 2 C 2 1 ① x 、x 、x d ( p , I ) 、x d ( p , I ) を記入しなさい。 ② x x d ( p ) と x x d ( p , I ) を描き加えなさい。 C j 33 y m I I p 1 2 1 p 2 x p p 1 p 2 x 34 y x j xd ( p ) j m I I p x C d 1 2 x (p ,I ) 1 2 1 1 p x x 2 代替効果 所得効果 2 C 2 1 xd ( p , I ) 35 p x xd ( p, I ) C p 1 ● 2 <財xが上級財のケース> ● x xd ( p) p 2 ● ● x xd ( p, I ) C x C 1 1 x 2 xd ( p , I ) 代替効果 所得効果 2 1 x C 2 1 xd ( p , I ) 36 8.5 補償変分、等価変分、消費者余剰の増分 財 x が上級財(所得効果がプラス) ⇒ 2 1 p p p の範囲で C 1 C 2 xd ( p, I ) < xd ( p) < xd ( p, I ) である。 37 I I 1 x xd ( p, I ) C 1 = CV p I I x xd ( p, I ) C p 2 2 = EV 1 Ⅲ Ⅰ p x xd ( p) Ⅱ Ⅱ Ⅰ Ⅰ 2 CV=Ⅰ EV=Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ 定義 ΔCS= Ⅰ+Ⅱ 所得効果が大きいケース x 1 x 所得効果 2 x CV<ΔCS<EV38 x xd ( p, I ) C 1 p CV=Ⅰ x xd ( p, I ) C p EV=Ⅰ+Ⅱ+Ⅲ 1 ΔCS=Ⅰ+Ⅱ Ⅲ Ⅱ Ⅰ p 2 Ⅰ 2 x xd ( p) 所得効果が小さいケース Ⅱ Ⅰ CV≒ΔCS≒EV x 1 x 2 所得効果 x 39 無差別曲線を用いた分析 ⇒ 需要曲線を用いた分析 ⇒ CV あるいは EV を用いた分析 CS を用いて分析 財 x の所得効果が小さい ⇒ C 1 C 2 xd ( p, I ) ≒ xd ( p) ≒ xd ( p, I ) ⇒ CV ≒ CS ≒ EV ⇒ 「無差別曲線を用いた分析 ≒ 需要曲線を用いた分析」 40 (問題 8-5)効用関数が u y v ( x ) で与えられているとする( v ( x ) 0 , v ( x ) 0 )。 そのとき、財 x の所得効果がゼロ(財 x は中級財)であることを示しなさい。 41 y m y v( x) u I v ( xˆ ) p 1 I 1 2 p 2 x xˆ y v( x) u 2 1 v ( xˆ ) 42 x (問題 8-5)効用関数が u y 4 x x 2 で与えられているとする。また、 予算制約式は px y m であるとする。そのとき、財 x の所得効果がゼロ (財 x は中級財)であることを示しなさい。また、価格 p が 3 から 2 に低 下するときに生じる消費者余剰の増分 CS を求めなさい。 y x 4x u 2 dy CS 1 1 3 1 2 2 4 2x 4 dx p 4 2 xd ( p ) p 4 3 xd ( p ) 1 p2 2 2 財 x は中級財 1/ 2 1 2 x 43 8.1 支出最小化問題と補償需要関数 8.2 補償変分と等価変分 8.3 補償需要関数と補償変分・等価変分 8.4 (マーシャルの)需要関数と補償需要関数 8.5 補償変分、等価変分、消費者余剰の増分 44 <公共経済学(前期)の各章のフローチャート> <市場メカニズムの機能> 1章 2章 <公共財と政治プロセス> 3章 4章 5章 6章 7章 <費用便益分析> 8章 9章 10章 11章 12章 45