実践事例-3(ppt.586KB)

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人間中心設計の
開発プロセスにおける
ユーザビリティ評価の実践とその課題
株式会社リコー
総合デザインセンター
荻野 市川 島村
はじめに
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グローバル商品開発の取り組みの紹介
– コンセプト評価におけるユーザビリティー評価
の有効性について
– 日本国内と海外(北米・欧州)のユーザーの操
作思考過程の差異について
評価対象と背景

評価対象
– プリンターのドライバー画面(GUI)
•

プリンタードライバーとは?
背景
– プリンターの多機能化
•
後処理機能:両面・綴じ・帳合・集約など
– 商品のグローバル化
•
•
日本・北米・欧州を中心に全世界が市場
言語対応と操作性の問題が発生
コンセプトA案
■コンセプト
プレビューを大きく全面に表示し、機能選択がダイレクトに反映される
コンセプトB案
■コンセプト
あらかじめ用意されたアイコンで複数機能が一気に設定できる
コンセプトC案
■コンセプト
慣れ親しんだタブ方式の延長
実験概要と手順
1.コンセプト受容評価
1.アンケート調査
回答場所と人数:日本(43)北米(23)欧州(20) 合計84名
目的:アンケートによって一番使いやすそうな印象の画面を抽出する
2.ユーザビリティ評価
場所:日本(6)、北米(12) 合計18名
目的:シミュレーションモデルで印刷課題の操作をしてもらい、一番わか
りやすい画面を抽出する
2.Prototype model 評価
・ユーザビリティ評価
評価場所:日本(20)、北米(22)、欧州(33) 合計75名
目的:シミュレーションモデルで印刷課題の操作をしてもらい、 3地域で
操作思考過程の一致を探索する
コンセプト受容性評価およびPrototype model評価に
おける印刷課題
課題1
集約
課題2 両面ステープル
2枚
6枚
課題3 縮小
A3
課題4 集約
A4
日本・欧州はA列、北米はLT
4枚
コンセプト受容性評価における
アンケートによる評価の手順
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目的:アンケートによって一番使いやすそうな印
象の画面を抽出する
対象者:商品開発、設計に携わっていない
Windowsユーザー(関連会社社員)
方法:インターネットによるアンケート配布。メー
ルにて回収。
質問:コンセプト3案の画面(説明入り)を見て、
「どれが一番使いやすそうか?」選ぶ。
コンセプト受容性
アンケート結果
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日本北米欧州ともに約70%がA案を支持
– 理由1:設定状況が中央に表示されているプレビュー
が見やすい。
– 理由2:大きくわかりやすく機能のメタファを利用したア
イコンが親しみやすい。
コンセプト受容性評価における
ユーザビリティ評価実験の手順
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目的:コンセプト3案のシミュレーションモデルで印
刷課題の操作をし、一番わかりやすい画面を抽出
する
方法:発話思考法
手順:コンセプト3案すべてを操作してもらい、最後
に操作の感想を聞く
被験者数:日本 6名 北米 12名
(関連会社社員・一般ユーザー)
コンセプト受容性
ユーザビリティ評価の結果

日本北米ともに約60%がB案を支持
– 理由1:アイコンを見れば機能名を知らなくても操作で
きる
コンセプト受容性評価における
アンケート調査とユーザビリティ評価
アンケート調査結果
ユーザビリティ評価結果
11%
8%
コンセプトA案
コンセプトB案
コンセプトC案
21%
68%
33%
コンセプトA案
コンセプトB案
コンセプトC案
59%
アンケート結果とユーザビリティ評価では、
一番わかりやすいコンセプト案が異なった。
B案のシミュレーション改善画面
B案のコンセプトを引き継ぎ、ユーザビリティ評価第1実験で
抽出された問題点の改善と具体的な仕様を盛り込んだ改良画面
Prototype model評価における
ユーザビリティ評価実験の手順
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
目的:コンセプト受容性評価で選ばれた案の改
善モデルが日本・北米・欧州で実際の操作を含
め受け入れられるかを確認する。
方法:発話思考法
被験者数:日本20名 北米22名 欧州33名
(関連会社社員・一般ユーザー)
ユーザビリティ評価実験風景
Prototype model評価における
ユーザビリティ評価の結果

日本 北米 欧州の3地域で操作思考の
過程がほぼ一致
“これからやろうとすること”“その結果の判断”や“操作ミ
ス“などが一致

ユーザビリティー評価をもとに、コンセプト
受容性も一致していると判断。
ユーザビリティ評価を通して
わかったこと

プリンタードライバーの使用状況
– アンケート調査結果
•
日本北米欧州ともに約80%が印刷する際
に印刷プロパティを使用したことがあると回
答。
– ユーザビリティ評価結果
•
日本北米ともに実験進行者からの誘導が
ないと印刷プロパティを開けない状態。
結論

コンセプト受容性評価の段階でもユーザビ
リティ評価が有効
– ユーザーとシステムとの間に起こるインタラク
ションがかかわる商品
– “操作”を通さないとコンセプトの正確な受容性
がわからない
– 操作性に関するアンケート調査には危険性が
ある。
今後の課題
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操作思考の差異の要因の追求
– 製品・業務フロー ・OS・地域性など

シミュレーションモデル作りこみ
– 用語のローカリゼーションの問題
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海外調査会社の有効利用
アンケート調査とユーザビリティ評価の違
いを認識し有効活用する