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1
心理療法の目指すこと
心理療法
HOW??
何らかの苦しみを
抱えた人
行動の変容
症状の軽減
2
心理療法とはなにか
治療者との治療契約に基づく対人関係を介して,
患者の認知/感情/行動/身体感覚に変化を起こさせ,
症状や問題行動を消去もしくは軽減すること。
一つ一つ説明します
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「治療者との治療契約に基づく対人関係」とは?
治療者:セラピスト
患者:クライエント
面接
「援助する人と援助を受ける人」でも,人間同士の関係
話しあったり,一緒に考えたり,感情的なやり取りをする
ただし「治療契約」に基づいている
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「治療契約」
治療の最初に,セラピストとクライエントで
治療目的や方法,期間,ルールを決めること
・治療目的:症状軽減?問題解決?ストレス解消?
→ニーズ「何を目的とするか」を話し合う
・治療方法:その目的にあった方法を選択する
→インフォームド・コンセント:説明と合意
治療に対する動機付け(やる気)を高める。
・期間:短期~長期に渡る,様々な方法がある
→永遠に会い続ける関係ではない。
・ルール:例)面接間隔,料金,キャンセル方法等
→友人関係ではない。「枠」を決めておく。
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もし治療契約がなかったら?
・もし治療目的がなかったら?
→何のために通っているのか分からない
・もし治療方法について話しあっていなかったら?
→今自分が何をやっているのか分からない
・もし期間が決まっていなかったら?
→死ぬまで会う?何を基準に終われば良いか不明
・もしルールが決まっていなかったら?
→例)24時間365日体制で電話がかかってくる
例)自由にキャンセルされて予定が狂いまくる
治療が成り立たない。お互いに後々つらくなる。
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「治療者との治療契約に基づく対人関係」とは?
治療者:セラピスト
患者:クライエント
面接
「援助する人と援助を受ける人」でも,人間同士の関係
話しあったり,一緒に考えたり,感情的なやり取りをする
ただし「治療契約」に基づいている
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患者の認知/感情/行動/身体感覚に変化を起こす
「こころ」をシンプルに,効率的に見るための分け方
認知 : 考え
現実
感情 : 気持ち
問題
身体
感覚
行動
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認知/感情/行動/身体感覚
認知
マイナス思考
強迫観念 心配
感情
不安 恐怖
悲しみ 怒り
行動
先延ばし 避ける
喧嘩腰 引きこもり
身体感覚
ドキドキ 手に汗
腹痛 頭痛 ソワソワ
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認知/感情/行動/身体感覚の悪循環
もうおしまいだ
テストで
次も
赤点を
取った
落ち込み
倦怠
感
ひきこもる
認知/感情/行動/身体の問題が現実問題を持続・悪化させ,
さらにそれが認知/感情/行動/身体の問題を悪化させる悪循環
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認知/感情/行動/身体感覚の変化
何も終わらない
もうおしまいだ
テストで
次も
ギリ
赤点を
免れた
取った
落ち込み
気分まし
倦怠
少し
爽快
感
ひきこもる
少しずつ勉強
認知/感情/行動/身体の一部を変化させ,悪循環を止める
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症状や問題行動を消去もしくは軽減すること。
これが心理療法の「目的」
「認知/感情/行動/身体感覚の変化」はそのための「方法」
現実
問題
症状
問題行動
現実問題の解決が目標になることも多い
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心理療法の対象となる問題
感情的問題
感情的な辛さを
伴う問題が対象
になる事が多い
どれくらいから問題になるの?
診断基準もありますが,
本人が苦痛と感じていれば,それで十分
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認知/感情/行動/身体感覚
もうおしまいだ
テストで
次も
赤点を
取った
落ち込み
倦怠
感
ひきこもる
どれの解決,解消を求めてるだろうか
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症状/問題行動と認知/感情/行動/身体
現実:仕事での失敗
うつ症状
認知:マイナス思考
感情:強い落ち込み
身体:不眠/食欲低下
経済問題
身体症状
行動:部屋にこもる
行動:ドラッグを使う
薬物使用
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主訴と「治療契約」
・主訴:本人が困っていること
→援助を受けたい理由そのもの
・たいてい,主訴の解消が治療の目的
「気分なんとかしたい」「寝たい」
「ドラッグやめたい」「仕事したい」
→どれを解決したいか話しあう
・そのために,認知等を変容させる
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まとめると
認知
主訴1
症状
感情
行動
身体感覚
いろいろなやり方の心理療法
主訴2
問題行動
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症状や問題行動を消去もしくは軽減すること。
これが心理療法の「目的」
「認知/感情/行動/身体感覚の変化」はそのための「方法」
現実
問題
症状
問題行動
現実問題の解決が目標になることも多い
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今日のまとめ
• 心理療法は治療契約に基づく対人関係である
• 治療契約とは,治療開始時にセラピストとクライエントの間で
•
•
•
•
•
•
治療目的や方法,ルールを決定することである
治療契約は治療を成立させ,互いを守る上で欠かせない
人間の精神を認知/感情/行動/身体感覚に区別する
認知/感情/行動/身体感覚は互いに影響する
主訴:クライエント自身が苦痛を訴えている問題
認知/感情/行動/身体感覚が症状や問題の形成に影響する
場合があるため,それらを変容させることで,解決する
現実問題が主訴となったり,問題解決の対象となることも多い