Transcript 重積分

2007. 1.16
Ibaraki Univ. Dept of Electrical & Electronic Eng.
Keiichi MIYAJIMA
重積分(変数変換)
変数変換
本日は「変数変換」による(重)積分
ついて学びます。
変数変換
変数変換とはこれまで使用していた変数
がx, y
x( s, t ), yと表されるとき、
( s, t )
•定理7.7 (積分の変数変換)

D
f ( x, y )dxdy   f ( x( s, t ), y ( s, t ))

ここで、  ( x, y ) はヤコビアン
 ( s, t )
 ( x, y )
 ( s, t )
dsdt
変数変換の具体的な例
なぜ変数変換を考えるのか?
y
x y R
2
0
2
2
x
このような関数の積分を考えたい
変数変換の具体的な例
y
x y r
2
0
2
2
x
この方法では効率が悪い。
変数変換の具体的な例
y
x y r
2
0
2
2
x
こちらの法が積分しやすい。
例7.4 (p.171)


D  ( x, y) | x  y  a , x  0, y  0 (a  0)
とするとき、
2

2
2
xy dxdy
の値を求めよ。
D
y
D
0
a
x
例7.4 (p.171)
D は原点を中心とする円に関係する領域なので、極
座標に変換する。
x  r cos  , y  r sin  とすると、 D に対応する
変換された領域  は


  (r ,  ) | 0  r  a, 0    
2

y
D
0
a
x
変数変換後の積分のイメージ
z
y
D
a
x
バームクーヘン(?)のように積分
する
例7.4 (p.172)
変数変換により累次積分に持ち込むことが出来る。


D  (r ,  ) | 0  r  a, 0    
2


D
xy dxdy   r cos   r sin  r drd
a


ヤコビアンの r
  dr  2 r cos   sin  d
0
a
3

  dr  r
2
0

a
0
良く忘れるので
注意!!
0
3
sin 2
d
2
0


 r

r
a
  dr

dr 
cos 2 
0
2
8
4

 0
3
2
a
3
4
体積
これまで説明してきたように、重積分は体積を
求める計算に使われる。
•例7.7
球体 x 2  y 2  z 2  a 2 (a  0) の体積を求めよ
見て解るとおり、これは半径 a の球体の体積で
あるから、答えは 4 a 3 である。
3
では、なぜ
4
3
a 3 になるのか?
それを確認していこう。
例7.7 (p.175)
z
a
y
a
a x
D
a
断面積を積分していく
z
例7.7 (p.175)
x y z a
を z に関して解くと、
2
2
2
2
z a x y
2
y
2
D
x
2
から、関数 f ( x, y )  a 2  x 2  y 2
のグラフと g ( x, y )   a  x  y に囲まれた立体。
2
2
2
また、閉領域は

D  ( x, y ) | x  y  a
2
2
2

z
例7.7 (p.175)
V  
D
 f ( x, y)  g ( x, y)dxdy
 2
D
a  x  y dxdy
2
2
2
D
これを、極座標に変換する
まず、閉領域は


D  ( rx,y ) | 0x r y a, 0
a    2 

2
2
y
2
x
例7.7 (p.175)
a  (r cos  )  (r sin  )  r drd
V  2
2

 2
2
0
 2
d 

3
a
2
a  r  r dr
2
2
2
2
r a
 1 2

2 2
d  ( a  r ) 
 3
 r 0
3
d

2
3
  2
4
a  
3
a
3
3
0
2
2
0
0
 2
  (r , ) | 0  r  a, 0    2 
 0

3

2
0
a
3
a d
3
注
注について

r a
 1 2

2 2
a  r  r dr   (a  r ) 
 3
 r 0
3
a
2
0
2
となる理由(考え方)

a
0
a

a  r  r dr   a  r
2
2
0

1
2
2
2
 r dr
まず、この部分に
着目する
ここは合成関数になっているので、合成関数の積分の結果
から考える。
3
結果の推定 (a 2  r 2 ) 2
この関数を逆に微分してつじつまが合うよう
に計数を求める。
注について

a
0
r a
 1 2

2 2
a  r  r dr   (a  r ) 
 3
 r 0
3
2
2
となる理由(考え方)
3
結果の推定 (a 2  r 2 ) 2
3

 3 2
d
2
2 2
2
(a  r )   a  r
dr 
 2

 3a  r
2
1

2
 (2r )
1
2

2
r
結果を見比べて
係数を調整する。

a
0
a

a  r  r dr   a  r
2
2
0

1
2
2
2
 r dr
本日の課題
1) 閉領域 D  ( x, y) | x 2  y 2  a 2 , x  0, y  0(a  0)
における、重積分  ( x  y)dxdy を求めよ。
D
2)
z  ( x  y )  1で、表されるグラフとxy-平面とで囲ま
2
2
れる領域の体積を求めなさい。
z
y
1
1
1
D
x