甲状舌骨筋

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Transcript 甲状舌骨筋

加齢歯科学テーマ別発表
2班
小熊崇泰
小島啓司
熊坂愛理
斉藤彰
河野雅之
吉川博之
①論文及び研究の概要及び導入
PartⅠ
(根本にある目的)
嚥下障害の患者さんに対して有効な治療法の開発
従来・・・
このような患者さんに対する治療は誤嚥を防ぐための強化訓
練
食事・姿勢の改善・非経口栄養 etc・・・
目標
「FES(機能的電気刺激)による、標的となる筋活動の増幅」
を利用した補助器具の開発はできないだろうか・・?
①論文及び研究の概要及び導入
PartⅡ
(標的となる筋)
顎舌骨筋(MH)・甲状舌骨筋(TH)
(原理)
嚥下において重要な喉頭(及び舌骨)の挙上にはMH、THの
活動が不可欠
つまり・・・
これらの筋の活動をFESによって嚥下中に増幅させることが
できれば、舌骨・喉頭の働きが不十分な嚥下障害者の気道の
保護に非常に有効である(喉頭挙上の潜在的な増幅)
①論文及び研究の概要及び導入
PartⅢ
自動に、適切なタイミングでFESを与え、MH及びTHの活動を
増幅させることができれば最高だが、それは今のところ困難
超重要
マニュアルで、適切なタイミングでFESと嚥下運動を協調させ、
筋活動(MH、TH)を増幅させることができるかどうかが焦点
人間は咽頭部の刺激を感じ、「そろそろ飲み込むかな」と随意的
に感じることもできる。これを利用すれば「適切なタイミング」を
獲得することができるのではないだろうか?
①論文及び研究の概要及び導入
PartⅣ
(問題点)
確かに、筋肉内に電極を置くなりすれば個々の筋は特有の活
動を行うことができるが・・・
順応とは・・・
発火の大きさ、持続時間の低下
・FESを繰り返し与えることで、中枢で順応が起こってしまうのでは?
・FESが、MHとTHの活動の適切なタイミングに影響するのでは?
これらの問題点をクリアし、「喉頭挙上を助ける筋活動の増幅」を
実現できるのかを確かめるために実験を行った!!!
②実験の方法(Experimental Procedures)
(実験の基本的な概要)
・9人の健康な成人が被験者(F1人 M8人)
で9回行った
・平均年齢は43y
簡単な模式図
下顎骨
顎舌骨筋
・MH、THは両側性の筋である
舌骨
片側は刺激用の電極を*左図
片側はEMG計測用の電極*左図
は甲状軟骨の動きを察知するパッチを皮膚上に貼付
・2相性刺激(200μS、0,5~6,0mA
30Hzの頻度)
甲
状
舌
骨
筋
甲状軟骨
②実験の方法(Experimental Procedures)
(1)被験者の口腔内に2mlの水をシリンジで与えた。
(2)嚥下開始に合わせてFES発生のボタンを押して
もらった。
(3)その時の顎舌骨筋と甲状舌骨筋の筋電図を
計測した。
(4)また被験者が刺激を予想してFESのボタンを
押すが、実験者がその刺激を故意に出ない
ようにした。(Foil実験)
Figure 1
筋甲
状
舌
骨
顎
舌
骨
筋
FES
被験者別の実験データ
ⅰ FESの開始時間から
顎舌骨筋の活動まで
の時間
ⅱ FESの開始時間から
甲状舌骨筋の活動ま
での時間
:平均値
:実測値
各試行別の実験データ
ⅰ FESの開始時間から
顎舌骨筋の活動まで
の時間
ⅱ FESの開始時間から
甲状舌骨筋の活動
までの時間
:平均値
:実測値
甲状舌骨筋の活動開始とFES
に同時性を持たせる方法

Predict control
被験者自身は甲状舌骨筋の活動と喉頭の挙上
のタイミングが同じことがわかっている。
↓
つまり、口腔内に食塊がある時、嚥下の咽頭期
における喉頭の挙上の開始時間を予測すること
ができる。
↓
喉頭の挙上を予想したときFESのボタンを押すこと。
甲状舌骨筋の活動開始とFES
に同時性を持たせる方法

Reactive control
・ボタンを押そうと思ってから実際にボタンを
押すまでの時間→200~300ms
・食塊が喉頭蓋谷にある時から甲状舌骨筋の
活動開始までの時間→平均250ms
食塊が咽頭へ入る感覚でボタンを押すと手動
の反応時間の遅延を利用して甲状舌骨筋の
活動開始とFESのタイミングを合わせられる。
甲状舌骨筋
顎舌骨筋
FESを作動させた嚥下を繰り返しても顎舌骨筋と
甲状舌骨筋の活動の大きさに変化は見られない
甲状舌骨筋
顎舌骨筋
同様に持続時間においても変化は見られなかった。
顎舌骨筋と甲状舌骨筋の活動開始時間の差
→ベースラインとFoil嚥下で比較
これらの間には有意な差は見られなかった
まとめ
・健康な被験者は、口腔感覚や手の動作の認識機能
が十分あるので、下の咽頭期と手動のFES発生の
ボタンを合わせることができる。
・筋活動のパターンは筋刺激増幅の影響によって順
応しない。
↓
嚥下障害患者でも口腔感覚や手
の動作の認識機能が十分あれば
慢性的嚥下障害患者にFESを長期間使用できる。