建築材料演習問題

Download Report

Transcript 建築材料演習問題

建築材料演習問題
プラスチックス,塗料,接着剤
問題1 プラスチックスの一般特性に関する
記述で誤っているものはどれか.
1. 一般に無機材料に比べて,比重が小さい.
2. 寸法安定性は金属,コンクリ-トに比べ
てすぐれている.
3. 窯業製品と同様に,電気絶縁性はよい.
4. 火にたいしては弱い.
5. 破断に至るまでの変形量は大きい.
• プラスチックスは熱や湿気により膨張収縮
を起こす.
問題2 プラスチックスの一般特性に関する
記述で誤っているものはどれか.
1. 耐侯性にすぐれている.
2. 腐食しない.
3. 加工性がよい.
4. 色彩が自由である.
5. ヤング率は小さい.
• 近年耐侯性はよくなっているが,有機材料
は,無機材料に比べ耐侯性は劣る.
問題3 プラスチックスの一般特性に関する
記述で誤っているものはどれか.
1. プラスチックスは大別すると,熱硬化性
樹脂と熱可塑性樹脂に分けられる.
2. 熱硬化性樹脂は二次元あるいは三次元
構造である.
3. 熱可塑性樹脂は一次元の線状構造であ
る.
4. 熱硬化性樹脂は加熱されると硬くなる.
5. 熱可塑性樹脂は加熱された後に冷却さ
れると元の分子構造に戻らない.
問題4 次に示すプラスチックスの中で熱硬
化性のものはどれか.
1. アクリル樹脂
2. 塩化ビニル樹脂
3. ポリエチレン樹脂
4. ポリスチレン樹脂
5. エポキシ樹脂
問題5 プラスチックスとその用途の組み合
わせで誤っているものはどれか.
1. メラミン樹脂ーテーブル甲板
2. アクリル樹脂ー看板
3. ポリエステル樹脂ー床タイル
4. 塩化ビニル樹脂ー屋根板
5. ポリウレタン樹脂-断熱材
• 床タイルには塩化ビニル系を使用する.
• ポリエステル樹脂ー強化プラスチック,合
板
問題6 プラスチックスとその用途の組み合
わせで誤っているものはどれか.
1. ポリエチレン樹脂ー防湿層
2. フェノール樹脂ー浴槽
3. ポリスチレン樹脂ー吸音発泡材
4. エポキシ樹脂ーライニング材
5. ケイ素樹脂-シーリング材
• 浴槽ーガラス繊維補強のポリエステル
• フェノール樹脂ー板,接着剤
問題7 塗料の顔料に関する記述のうち,誤
りのあるのはどれか.
1. 顔料は主に塗料の着色剤として用いられ
る.
2. 顔料は溶剤に対して不溶性である.
3. 体質顔料は染料の一種である.
4. 顔料は,耐侯性,耐久性のあるものがよ
い.
5. 無機顔料は有機顔料に比べ着色力は劣
るが,耐久性にすぐれている.
• 体質顔料は,無機顔料の一種で増量を目
的として,他の顔料とともに使用される.
問題8 塗料の原料に関する記述のうち,誤
りのあるのはどれか.
1. 塗料に用いられる油脂は,主に乾性油と
半乾性油である.
2. 亜麻仁油は代表的な半乾性油である.
3. 乾燥剤は,油の乾燥作用を促進させ,油
の乾燥を一層速めるために使用される.
4. 樹脂は溶剤で溶かし,溶剤が乾燥蒸発
することによって皮膜を形成する.
5. 染料は繊維類の染色に使用されるが,
塗料としてはステインに用いられる.
• 乾性油ー薄層にして空気に曝すと,酸素を吸収
して樹脂状の透明な固体に変化する性質をもつ
油
• 不乾性油ー空気中で容易に乾燥して固体になら
ない油.オリーブ油,椿油,落花生油,蓖麻子油.
• 半乾性油ー乾性油と不乾性油の中間的性質.
菜種油,大豆油,胡麻油,魚油.普通はボイル
油として用いる.
• ステイン(stain)
木材の素地を着色する液剤.染料を水,ア
ルコール,油,油ワニス,テレピン油などに
溶解したもの.一般にはステインにより着
色し,その上をワニス類や透明塗料で仕
上る.
問題9 塗料の原料に関する記述のうち,誤
りのあるのはどれか.
1. 亜麻仁油,とう油は乾性油である.
2. 魚油は半乾性油である.
3. 亜鉛華は白色顔料である.
4. ロジンは天然樹脂である.
5. ベンガラ,鉛丹は黄色顔料である.
• ベンガラ,鉛丹は赤色顔料
• 黄色顔料ー黄鉛,カドミウム黄,亜鉛黄,
黄土
• ロジン(rosin)ー生松脂を蒸留して揮発性のテレ
ピン油を蒸留した残留物.塗料の原料
• ロジン ワニスーコーパルワニス
• テレピン油ー松柏科植物の樹幹から分泌する松
脂や木材の蒸気蒸留や乾留によって得られる揮
発油.シンナーの原料
問題10 ボイル油に関する記述のうち,誤りのある
のはどれか.
1. ボイル油は,乾性油の耐侯性を改善するため
に,空気を吹き込み,加熱して製造したもので
ある.
2. ボイル油は,乾性油形の調合ペイント,油ワニ
ス,油性エナメルなどの原料として用いられる.
3. 煮亜麻仁油はボイル油の一種である.
4. ボイル油は木材の下塗り用に用いることもある.
5. 速乾ボイル油は,乾燥を特に速くしたボイル油
である.
• ボイル油は,乾性油の耐侯性を改善するために,
空気を吹き込み,加熱して製造したものである.
乾性油の乾燥性を増すため
ボイル油ー乾燥性を高めた乾性油.塗布後12時間
以内に乾燥して塗膜となる.油性ペイントなどの原料.
問題11 樹脂ワニスに関する記述のうち,誤りのあ
るのはどれか.
1. セラックニスは,セラックをアルコールに溶解し
た代表的な樹脂ワニスであり,広く使用されて
いる.
2. 樹脂ワニスは,樹脂類を揮発性溶剤に溶かし
たものである.
3. 樹脂ワニスは,揮発性ワニスまたは酒精ワニ
スとも呼ばれる.
4. セラックニスは乾燥がやや遅いが,耐侯性がよ
い.
5. 樹脂ワニスは天井や壁など建物内部や家具類
の仕上に用いられる.
•
•
•
•
•
•
セラックニスは耐侯性に乏しい
精製セラック
Lacca Depurata(日本薬局方)
英名:Purified Shellac
薬用部位:雌虫の分泌物を精製して得た
樹脂状の物質.
問題12 油ワニスに関する記述のうち,誤りのある
のはどれか.
1. 油ワニスは,樹脂と乾性油の配合比によって,
短油性,中油性,長油性の3種に区別される.
2. ゴールドサイズは,短油性ワニスで乾燥が速い
が,粘性に乏しいので,下塗用または内部用
に用いられる.
3. 油ワニスは,樹脂類を乾性油で融合し,乾燥剤
を加えて製造される.
4. 短油性ワニスは,乾性油の量が多いので,耐
侯性がすぐれている.
5. 油ワニスの塗膜は,一般に光沢がよく,耐水,
耐侯性に富んでいる.
• 短油性ワニスは耐侯性が小さい.
• 長油性ワニスは耐侯性にすぐれている.
問題13 ワニスに関する記述のうち,誤りの
あるのはどれか.
1. セラックニスは建物の内部塗装に適する.
2. ボデーワニスは外部用として用いない.
3. スーパーワニスは外部のワニス塗に適
する.
4. ゴールドサイズは外部用に用いない.
5. ダンマルワニスは外部用に用いない.
• BODY VARNISH=長油性ワニス
(樹脂量に対して油量が大)
耐久性大,外部仕上用
• GOLD SIZE=短油性ワニス
油ワニスの仕上下地用,鉛白,との粉と混ぜて下
地パテとして用いる.
• DAMMAR VARNISH=白ワニス
揮発性ワニス
問題14 ペイントに関する記述のうち,誤りのある
のはどれか.
1. 油性ペイントは,顔料をボイル油で練ったもの
である.
2. エナメルペイントは,樹脂ワニス,油ワニスに顔
料を加えたものである.
3. 水性ペイントは,顔料をにかわ,カゼイン,アラ
ビアゴム,でんぷんなどの水溶液で練和したも
のである.
4. エマルジョンペイントは,ビヒクルとしてエマル
ジョンを用いたもので,ラテックスペイントとも呼
ばれる.
5. 固練りペイントは,エナメルペイントの一種で顔
料分がワニス分に比べ少ないものである.
• ビヒクル(vehicle)
塗料要素の一つ.顔料を結合して塗
膜とする成分.クリア塗料ではビヒク
ル自体が塗膜となる.塗膜主要素に
は,油,樹脂などが,塗膜副要素には,乾
燥剤,可塑剤などが, 塗膜助要素には
シンナーがあって成り立っている.「展
色剤」ともいう.
• 固練りペイントは,エナメルペイントの一種
で顔料分がワニス分に比べ少ないもので
ある.
油性ペイント
ボイル油
問題15 ペイントに関する記述のうち,誤りのある
のはどれか.
1. 油性ペイントは一般にエナメルペイントに比べ
乾燥が速い.
2. 水性ペイントは,耐水性,耐久性が乏しい.
3. アルミニウムペイントは,防錆,防水性能がよ
い.
4. エナメルペイントは塗膜が平滑で光沢がよい.
5. エマルジョンペイントは,コンクリ-ト,モルタル
の塗装に用いられる.
乾燥は遅い
問題16 ペイントに関する記述のうち,誤り
のあるのはどれか.
1. トラフィックペイントを道路の路面標識に
用いる.
2. 水性ペイントを屋内壁の塗装に用いる.
3. エマルジョンペイントを金属部へ直接塗
装する.
4. アルミニウムペイントで貯蔵タンクの外部
を塗装する.
5. 艶消しエナメルで建築物の内部を塗装す
る.
• エマルジョンペイントの塗膜は通気性があ
るので,モルタル,プラスターなどの乾燥
不十分な部分塗布するのに適している.
問題17 油性調合ペイントの性質に関する
記述のうち,誤りのあるのはどれか.
1. エナメルペイントに比べ,はけ目が出にく
い.
2. 乾燥が遅く,その皮膜がやわらかい.
3. チョーキング(白亜化)が著しい.
4. 安価で塗り易い.
5. アルカリ素地には,塗装できない.
はけ目がでやすい.
問題18 エマルジョン塗料の性質に関する記
述のうち,誤りのあるのはどれか.
1. エマルジョン塗料は水で薄めることがで
きる.
2. 溶剤蒸気による中毒とか,溶剤臭がない.
3. 通気性があり,素地のコンクリ-トなどの
硬化を妨げない.
4. 外気温5℃以下でも塗装してよい.
5. 金属部へ,直接塗装すると,塗膜の通気
性のため素地が侵されることがある.
• 低温で塗装すると,乾燥が遅れたり,凍っ
たりする.
問題19 ラッカーに関する記述のうち,誤りのある
のはどれか.
1. クリヤラッカーは,ニトロセルロースを揮発性溶
剤に溶かし,さらに,樹脂,軟化剤,伸展剤を
加えた透明の塗料である.
2. ラッカーエナメルは,クリヤラッカーから樹脂を
除いたものである.
3. ハイソリッドラッカーは不揮発分を多く含むラッ
カーである.
4. ラッカーシンナーは,ラッカーを希釈するのに用
いる各種溶剤を混合してつくった薄め液である.
5. 繊維素誘導体を用いた塗料を一般にラッカーと
総称する.
•
ラッカーエナメルは,クリヤラッカーから
樹脂を除いたものである.
クリヤラッカーに顔料を加えたものである.
問題20 ラッカーに関する記述のうち,誤り
のあるのはどれか.
1. クリヤラッカーは,塗膜が薄く耐侯性が悪
い.
2. クリヤラッカーは熱湯などで白化する.
3. ラッカーエナメルは色が鮮明であり,速乾
性で塗装作業性がよい.
4. クリヤラッカーは一般に木部内部用に用
いられる.
5. ラッカーエナメルは,はけ塗りに適してい
る.
• ラッカーエナメルは,乾燥が速いのではけ
塗には不適
問題21 塩化ビニル樹脂エナメルに関する
記述のうち,誤りのあるのはどれか.
1. 塩化ビニル樹脂エナメルは速乾性である.
2. 溶剤の臭気が強いので,換気に注意が
必要である.
3. 塗膜は耐薬品性,耐侯性にすぐれている
が,耐アルカリ性は劣る.
4. 鮮明な色彩が可能である.
5. 通気性が小さく,塗膜が強靭なので,コン
クリ-トなどの含水率が高いと,ふくれに
よる剥離の懸念がある.
• 塩化ビニル樹脂エナメルは,耐薬品性,耐
侯性にすぐれているが,特に耐アルカリ性
にすぐれている.
問題22 フタル酸樹脂エナメルに関する記述
のうち,誤りのあるのはどれか.
1. フタル酸樹脂エナメルは,プラスターやコ
ンクリ-トなどのアルカリ性素地への塗
装に適している.
2. 塗膜の乾燥が速く,作業性がよい.
3. 耐侯性,耐油性,耐熱性にすぐれている.
4. 色彩が鮮明で,優雅な光沢がある.
5. フタル酸樹脂は,アルキッド樹脂とも呼ば
れる.
• フタル酸樹脂エナメル
乾燥性脂肪酸変形型
耐侯性にすぐれ,自然乾燥,焼き付け乾燥
に用いられる.
問題23 酢酸ビニルエマルジョン塗料に関す
る記述のうち,誤りのあるのはどれか.
1. コンクリ-ト,モルタル,プラスターなどの
含水状態の壁面にも塗装できる.
2. 耐アルカリ性を有する.
3. 難燃性,無臭で,付着性,作業性がよい.
4. 金属部の塗装に適する.
5. 風呂場,厨房など高度の耐水性を要求さ
れる場所には向かない.
問題24 エポキシ樹脂系接着剤を用いるとき
の条件で誤りのあるのはどれか.
1. 被着剤の寸法精度が悪く,部分的な間隙
が存在する場合
2. コンクリ-トなどの多孔質で表面粗さの
大きい被着剤の場合
3. 大型金属パネルなどの間隙を充填する
場合
4. 小物を接着剤で埋め込む場合
5. 石綿パーライト板のように表面強度が小
さく,多孔質である場合
• エポキシ樹脂は,温度変化によって大きく
動くので好ましくない.一般的には弾性
シーリング材を用いる.
問題25 接着剤の用途において次の組合せ
で,誤りのあるのはどれか.
1. アスファルト接着剤ービニルシート張り
2. 酢酸ビニル樹脂エマルジョン系接着剤ー
紙・布張り
3. エポキシ樹脂接着剤ー木れんが張り
4. 尿素樹脂接着剤ー合板の取り付け
5. 水ガラス接着剤ー耐火被覆板の取り付
け
• ビニルシート張りには,酢酸ビニル樹脂系,
ビニル共重合樹脂系,合成ゴム系などの
接着剤を使用する.
• アスファルト接着剤ー軟質のビニルには接
着強度が小さく使用できない.