太陽系外惑星の測光学的検出

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太陽系外惑星の測光学的検出
和歌山大学教育学部自然環境教育課程
地球環境プログラム 天文学ゼミ
柴原 由果
発表の流れ
①
②
③
④
系外惑星探査の現状
本研究の目標
観測天体HD189733について
HD189733の観測結果と惑星像
系外惑星探査の現状
 1995年、初めての系外惑星の発見
発見者:スイスのマイヨールのチーム
恒星(親星):ペガスス座51番星
 恒星の近くを公転する大質量星
1995年の発表以後、
次々と発見が報告されている。
さらなる、惑星発見が求められて
いる。
画像出典:星ナビ2004年2月号/株式会社アストロアーツ
系外惑星第一号
Star: Peg51
Nature (Mayor&Queloz
1995)
地
球
か
ら
見
た
恒
星
の
ふ
れ
速
度
検出方法として、
ドップラーシフト法を用いている。
周期で折り返した時間
恒星が遠ざかるとき
恒星
惑星
波長が長くなる
観測者
惑星
恒星
恒星が近づくとき
波長が短くなる
観測者
検出法

ドップラーシフト法では、
高分散の分光観測が要求され、
和歌山大学の設備ではできない。
そこで、
トランジット法
明
暗
恒星
時間
惑星の公転方向
惑星の影
冷却CCDカメラと小口径望遠鏡があれば、
惑星の恒星面通過、トランジットをとらえる。
検出可能。
恒星面通過をしない
恒星面通過をする
恒星
恒星
惑星
惑星
軌道面が地球から見て、真横のとき検出可能
現在、トランジット検出は、9例のみ!!
質量を確定
(軌道面の傾斜角より)
観測点
惑星
軌道傾斜角
が
求められる
恒星
半径が
算出できる
トランジット法によって新たな惑星
の情報が得られる。
本研究の目標
 トランジット法による追跡観測で1例で
も多くの系外惑星を検出すること。
 和歌山大学での系外惑星トランジット
観測の基礎を築くこと。
観測天体
観測天体名 付近の星座 観測回数
HD209458 ペガスス座
TrES-1
こと座
HD189733 こぎつね座
4回
1回
3回
観測天体HD189733
座標 赤経(R.A. J2000) 20h 0.7m
赤緯(Dec. J2000) +22°44’
 等級 V=7.60
 スペクトル型 G5
 昨年10月にトランジット天体であると判明し、
観測例が少ないため、追跡観測する必要性
がある。

夏の大三角
屋上望遠鏡にて撮影すると・・・
画像出典:ステラナビゲータ/株式会社アストロアーツ
一次処理後の画像
参照星A
参照星C
参照星B
目標天体HD189733
観測
 トランジット予報時刻とフィルター
2005年11月1日10:24~13:06(UT)
Cousins I (近赤外)
 撮影枚数と露出時間
600枚×2.5秒
‐3.70
明
参‐3.65
照
星
と‐3.60
の
等
級‐3.55
差
(
等 ‐3.50
級
) ‐3.45
10:20
減光の度合い
暗
10:49
11:18
時刻(UT)
11:47
12:16
12:44
HD189733の観測結果と惑星像

観測結果
変光の開始時刻と終了時刻は捉えることが
できた。
減光の度合いは0.035等程度
減光にかかった時間は115分
公転軌道半径
0.03AU
(水星:0.4AU)
質量
公転軌道面の
木星の約1.2倍
傾斜角
と確定
85.4°
半径
木星の約1.27倍
HD189733bはホットジュピターである
求めた惑星の半径は、Bouchy et al. 2005
の結果と一致した。
今後の課題
 HD189733の再観測。
 HD209458・TrES-1の観測。
 新たな惑星のトランジット検出をおこな
う。