小2乗法での単位の記述

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小2乗法での単位の記述
秋葉真子
概要
小学校2年のかけ算において、例えば「1皿に2個ずつみかんがのっています。
同じ個数ずつみかんがのった3枚の皿には全部で何個みかんがのっています
か。」のような文章題を式に表わすときに、次のような単位のつけ方がある。
(1)
(2)
(3)
2[個]×3[皿]=6[個]
2[個/皿]×3[皿〕=6[個]
2[個]×3=6[個]
このそれぞれに一長一短があり、小学校2年生での指導はその意義と3年以降
での指導の系統によって検討が加えられるべきである。そこで、本研究では、
以下のように章を追ってこの問題を考察する。
第1章では、倍概念に関する先行研究を概観する。
第2章では、かけ算に関する2つの対立する考えを取り上げる。一方は、累加
による乗法の意味づけであり、他方は、2つの量のかけ算としての意味づけで
ある。
第3章では、調査問題によって関数の初歩としての倍が学年によってどのよう
に把握されているのかをみる。
そして、第4章では、文章題から乗法の立式をする際に小学校2年生はどのよ
うに単位を記すべきかという本来の問題を考察する。
1 かけ算と倍
1.1
1.2
1.3
1.4
かけ算に関する現行の教育課程
倍概念の指導要領上での扱いの違い
倍についてのいくつかの主張
この研究が目指すもの
本研究の目標
(1)2年生でのかけ算の意味指導において,倍
概念に関連する教授・学習内容は何か
(2)量×数としての倍概念と対を為す,量×量
のかけ算は,学習過程の中でどのように現わ
れ学習されているか
(3)関数概念の素地としての倍概念は,どのよ
うな学年において,発達し習得が可能だろうか
(4)望ましい倍概念の習得ができる教育課程・
指導とは,どのようなものか。
2.かけ算とはなにか
2.1
2.2
2.3
2.4
文部省著作『数と計算の指導』について
日教組著作『さんすうの授業』について
教科書4種の比較
個別に工夫された記述や表現
3.倍とは何か
3.1
3.2
3.3
3.4
関数の初歩としての倍
関数の初歩の把握についての調査
「倍」の把握に関して求められる教材
かけ算の意味指導からの発展
調査の目的
倍概念は,乗法の意味づけを行う手段のうちのひとつ
である。また,関数の初歩として位置付けられるもので
ある。そこで,乗法の導入が行われる小学校2年の翌年
である小学校3年から,「一次関数」が扱われる中学校2
年までを対象として,質問紙法によって,
・その学年にこの内容を教えることは妥当か
について調べることとした。またその方法としては,DIME
プロジェクトの形態を大いに参考とすることとした。そこで,
・教える手段として,個別学習型が可能か
についても調べることとした。
調査の結果
小学校3年の子どもでも,【1】①(求差)につい
ては,特に困難なく解くことができる。また,旗
の入力から出力を,ならびにその逆である出力
から入力を答えることについても,旗の機能は
整数倍となっていることも含めて,特に困難な
問題とは思えないとの結果となった。しかし,旗
の入出力の組から,旗の機能を当てたり,関数
の合成や逆を考えたりすることが困難であるこ
とがわかった。
調査からの考察
関数を理解するための例として,倍の概念を発
達させてつかませることが必要。
整数倍操作を行っている状況を,まず旗の図で
表し,その表現手段をより省力化しながら,本
来の関数の初歩である倍概念に親しませていく
ことが3年生以降の指導に求められる。
4. 文章題からの乗法の立式
4.1
4.2
4.3
4.4
文章題からの乗法の立式
かけ算への立式の指導例
ひとつ当たり量としての認識を育てる方法
結論にかえて