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リモートセンサデータからの
佐鳴湖植物プランクトンの把握
静岡大学工学部システム工学科
前田研究室 4年 森垣公雄
研究目的
佐鳴湖は汽水域で富栄養化が進んでいる
植物プランクトンが増殖してしまう
従来、湖水中のプランクトンの発生を把握する方法は
人の手による微視的な方法しかなかった
リモートセンシング
湖水中のプランクトンの発生・分布を巨視的に把握す
る方法を開発する
衛星データ
表:モデル作成用データ
衛星
衛星画像日付
Chl-a観測日
Chl-a濃度(μg/l)
Landsat5/TM
1986/10/16
1986/10/16
湖心 230
Landsat5/TM
1991/3/4
1991/3/5
湖心 220
Landsat5/TM
1993/2/5
1993/2/4
湖心 190
Landsat5/TM
1993/11/4
1993/11/4
湖心 210
Landsat5/TM
1997/3/4
1997/3/4
湖心 714
Landsat7/ETM+
2000/10/14
2000/10/17
湖心 140
Landsat7/ETM+
2003/2/25
2003/3/5
湖心 71
衛星
衛星画像日付
Chl-a観測日
Chl-a濃度(μg/l)
Landsat5/TM
2006/9/5
2006/9/5
湖北 110
Landsat5/TM
2006/9/5
2006/9/5
湖心 93
Landsat5/TM
2006/9/5
2006/9/5
湖南 49
表:検証用データ
Landsat7号/ETM+とLandsat5号/TM
表 TMとETM+センサの諸元
バンド
TMの波長
(μm)
ETM+の波
長(μm)
解像度
(m)
種類
Band1
0.45~0.52
0.45~0.52
30
青
Band2
0.52~0.60
0.53~0.61
30
緑
Band3
0.63~0.69
0.63~0.69
30
赤
Band4
0.76~0.90
0.75~0.90
30
近赤外
Band5
1.55~1.75
1.55~1.75
30
短波長赤外
Band6
10.4~12.5
10.4~12.5
熱赤外
Band7
2.08~2.35
2.08~2.35
60(ETM+),
120(TM)
30
0.52~0.90
15
緑から近赤外
Band8
短波長赤外
DN値
衛星画像は1画素ごとに、センサの各バンド
で観測された電磁波エネルギー(放射輝度)
をデジタル情報に換算して保存している
デジタル情報は、DN値(Digital Number)と
呼ばれ、0~255の8bitデータとして保存され
る
研究の流れ
衛星画像
レジストレーション
方法1
方法2
放射輝度
暗画素法
クロロフィルa推定
暗画素法
反射率
クロロフィルa推定
検証
検証
暗画素法
暗画素法とは、大気補正の1つの方法である。
各スペクトルバンドの画像の水域部から放射輝度が最
小のピクセルを見つけ、その放射輝度値をすべてのピ
クセルから差し引く方法
R  DA  LDA  F  LS
 DA  EDA  LDA  ELDA
 F  EF  LS  ELS
R:センサで受信される情報
DA:大気での散乱
LDA:水面での天空光の反射
F:射出フラックス
Ls:水面での直射日光の反射
E:それぞれのエラー項
水面での暗画素法
遠隔センサ
太陽
遠隔センサーで
大気
捕らえられる放射
大気中での
天空光の散乱
水面での天空光の反射
水面下からの射
出フラックス
水
水中での太陽光の上向
き散乱
水面での直射日
光の反射
方法2:DN値から放射輝度への変換
L  gain* DN  offset
L:放射輝度
Lmax:最大放射輝度
Lmin:最小放射輝度
DN:DN値
gain  ( Lmax  Lmin) / 255
offset  Lmin
1.4
1.4
1.2
1.2
1.0
1986/10/16
1991/3/4
1993/2/5
1993/11/4
1997/3/4
2000/10/14
2003/2/25
0.8
0.6
0.4
1
0.8
北
湖心
0.6
南
0.4
0.2
0.2
0
0.0
band1
band2
band3
band4
band5
band7
band1
band2
band3
band4
band5
band7
図:暗画素後放射輝度(モデル用)
図:暗画素後放射輝度(検証用)
mW/(cm2 sr μm)
mW/(cm2 sr μm)
方法2:放射輝度(暗画素後)から反射率への変換

反射率への変換式
  Ld
2
ESUN  cos
ρ:反射率 L:放射輝度 d:太陽と地球の距離
ESUN:各バンドの大気圏外放射量
0.05
0.05
0.045
0.045
0.04
0.04
0.035
1986/10/16
1991/3/4
1993/2/5
1993/11/4
1997/3/4
2000/10/14
2003/2/25
0.03
0.025
0.02
0.015
0.035
0.03
北
湖心
南
0.025
0.02
0.015
0.01
0.01
0.005
0.005
0
θ:天頂角
0
band1
band2
band3
band4
band5
band7
図:反射率(モデル用)
band1
band2
band3
band4
band5
band7
図:反射率(検証用)
クロロフィルa推定モデル
Chl-aの推定式
yˆi  ˆ0  ˆ1xi
yˆ : Chl  a推定値, ˆ1 : 回帰係数, x : 独立変数, ˆ0 : 切片
独立変数xは、反射率のバンド間演算比
独立変数のモデルは以下の6つを準備した
1: bandi/ bandj 2 : (bandi bandj) /(bandi bandj)
3 : bandi/(bandj  bandk) 4 : (bandi  bandj) / bandk
5 : bandi/(bandj  bandk) 6 : (bandi  bandj) / bandk
回帰分析を行い、Chl-aと相関の高い組合せをもとめる
モデルの作成
モデルを選ぶ条件
1 方法2は決定係数0.8以上の組合せ
2 有意水準5%のt検定,F検定を通る組合せ
(ただし、室内実験[2]により求められたChl-aと反射率のバンド間演算
の相関が低かった組合せを除いている)
3 以上の条件の中でもっとも決定係数が高いものを選ぶ
方法2のクロロフィルa推定式
yˆ  1231.6band2 (band1  band4 )  602.6
モデルの検定と散布図
決定 t検定(β1)
係数
t値
p値
t検定(β0)
t値
F検定
p値
方法2 0.82 4.882 0.0045 -3.365
F値
p値
0.020 23.83 0.0045
サンプル数 n=7
800
700
600
500
実測値
予測値
400
300
200
100
0
0.5
0.7
0.9
1.1
モデル作成用データ散布図(方法2)
推定結果
Chl-a濃度(μg/l)
0~100
・佐鳴湖の植物プランクトンの分布を表現することができた
100~200
200~300
・湖心から南で植物プランクトン濃度が高く、北側で低い
300~400
しかし、散布図から
400~500
・方法2では、高く濃度を推定してしまう
500~600
原因は
300
250
・衛星データの撮影時刻とChl-aの観測日時・時刻が違うこと
Chl-a濃度
200
2006/9/5推定図(方法2)
・検証用データと作成モデルとの季節がずれていたこと
150
推定値
Chl-a
100
・作成したモデルがChl-a低濃度に対応していない可能性があ
50
る.
0
2006/9/5散布図(方法2)
0.5
0.55
0.6
0.65
演算比
0.7
0.75
今後の課題
衛星と同期したデータ
グランドトゥルースを行い、佐鳴湖内の植物プ
ランクトンの反射率などの特徴を特定する
参考文献
[1]田渕祐介,リモートセンシングデータによる
佐鳴湖汚濁状況の把握,2005年度静岡大
学卒業論文
[2]佐藤博信,分光放射計を用いた水面におけ
るクロロフィル濃度の評価,http://www.kochitech.ac.jp/library/ron/2002/g5/infr/1055143
.pdf ,2002