Transcript 6月26日:山本晴彦
光環境と植物 第10回 光量と植物の生長について 多日照・低日照が植物の生長に及ぼす影響に ついて述べる。また,太陽放射量(日射量)を 主要なパラメータとした簡易的生長予測モデル を用いて植物の生長を予測する。 太陽光の放射エネルギースペクトル 太陽放射の分光特性 クロロフィルの吸収スペクトルと光合成の作用スペクトル 光合成有効放射域 ∥ 可視域 葉緑体の微細構造 太陽エネルギーの吸収 CO2の取り込み イネで約300個/mm2 H2Oの取り込み 葉緑体は光合 成の場で、チラ コイドでは光エ ネルギーの取り 込みや水の分 解が、ストロマ では二酸化炭 素を取り込んで 炭水化物の合 成が起こる。 作物の1日当たりの潜在的生産力 = 3.40g×20MJ 作物群落における太陽エネルギーの収支 入射:100 反射率:r α=100 – r – τ+(0.01rs×τ) 吸収されない 吸収率: α 土壌面で反射した比率 透過率: τ 土壌面反射率:rs 太陽エネルギー利用効率(Eu) 太陽エネルギー転換効率(Ec) 太陽エネルギー利用効率(Efficiency of solar energy utilization) 入射した太陽エネルギーに対する 固定したエネルギーの比率 MJ→KJへの変換 太陽エネルギー転換効率(Efficiency of solar energy conversion) 吸収した太陽エネルギーに対する 固定したエネルギーの比率 MJ→KJへの変換 ΔW:地上部乾物増加量(g/m2)、Q:乾物に含まれる燃焼熱量(KJ/g) ΔSR:積算日射量(MJ/m2)、α:吸収率(50%→0.5) 地上部乾物重と葉面積指数の推移 地 上 部 乾 物 重 葉 面 積 指 数 出穂期 播種日からの日数 福岡県における二条オオムギ栽培の事例 反射率、透過率および吸収率の推移 登熟期 透過率 70% 吸収率 比 率 反射率 播種日からの日数 透過率はLAIの増加と伴に低下 吸収率は登熟期も穂の吸収により維持 乾物の燃焼熱量(Q:KJ/g)の推移 葉 穂 全体 茎・葉鞘 燃 焼 熱 量 枯死部 播種日からの日数 二条オオムギの燃焼熱量(Q)は、平均で約16.7KJ/g 利用効率(Eu)と転換効率(Ec)の推移 転換効率 出穂期前後 Ec:2~ 4% 利用効率 Eu: 2% 播種日からの日数 二条オオムギの生育時期別の Eu と Ec の推移 生育ステージ 栄養生長期 登熟期 積算日射量 積算日射量の平年値 吸収日射量 利用効率 転換効率 二条オオムギ・イネ・ダイズの Eu と Ec の比較 生長予測モデル 地上部乾物重 播種日からの積算気温 現存乾物重 枯死重 葉面積指数 播種日からの積算気温 個体群の吸収率 1日の日射量 吸収日射量 光-乾物変換係数 個体群生長速度 葉群による吸収量 光-乾物変換係数 生長予測モデルを用いた 二条オオムギの乾物重量の予測 推定値と予測値の比較 1.年次間(1987-1988年、1989-1990年)での差異 2.生育後期における予測誤差の拡大 → モデルの改良