の 技術連関としての風力発電 - 千葉大学工学部都市環境システム学科

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「エネルギーと環境」の 技術
連関としての風力発電
佐藤建吉
千葉大学助教授
工学部都市環境システム学科
携帯電話
パソコン
技術連関
宅急便
新幹線
コンビニ
「技術連関」とは・・
• 私たちが生きている「環境」の一つ
• 科学技術/社会そのもの・・・「技術連関」
・・・あまり気がついていない
• 自然も巨大であるが、科学技術も巨大。
・・・便利さだけが主役、しかし・・・
• 「風車」・・・人工物の一つの要素で、システム
(自然エネルギーを利用した動力(エネルギー)
源)
• 環境とエネルギーで持続可能な社会とするため、
◇社会は何を求め、何を選択するか?
◇風車はどう応えられるか?
社会⇔技術のキャッチボール
風力発電の貢献
■ 環境保全
・温室効果ガス削減
・SOx, NOx削減
■ エネルギーセキュリティー
・エネルギー多様化
・国産エネルギー
■ 経済効果
・雇用創出
・地域経済の活性化
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風力設備容量(MW)
世界の総風力発電設備容量
45000
40000
35000
30000
25000
20000
15000
10000
5000
0
西暦年
2010年度まで
国内の風力発電設備容量
700
700
400
300
200
600
風力設備容量(MW)
風力設備容量(MW)
600
500
風力導入累計量
3000MW
500
400
300
200
100
100
0
0
1991
1992
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004
1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003
西暦年
西暦年
2004
世界の風力発電設備容量の推移
国
容量 (MW)
Total 39,434
ドイツ
12,001 ⇒14,609
アメリカ
4,645 ⇒ 6,352
スペイン
4,830 ⇒ 6,202
デンマーク
2,889 ⇒ 3,115
インド
1,702 ⇒ 2,120
オランダ
686 ⇒ 912
イタリア
785 ⇒ 891
イギリス
552 ⇒ 704
日本
620 ⇒ 644
中国
468 ⇒ 566
オーストリア
139 ⇒ 415
スウェーデン
328 ⇒ 399
(2003.12 )
粉挽き風車の種類(+揚水風車)
風車③ (水平軸-プロペラ型)
一枚翼
二枚翼
三枚翼
発電容量5MW、高さ120m、翼直径112m、エネルコン社
出力係数(パワー係数)
風力エネルギー
3
・風速の3乗に比例
・羽根直径の2乗に比例
・高い方が風速が大きい
⇒ 大型化
大型化
\11~15万/kW
\7~9/kWh
*風速 6m/s において
設置コスト
\30万/kW
発電コスト
\20/kWh
\13~20万/kW
\9~11/kWh
小型 100kW
中型 500kW
大型 1000kW~
風車の構造
技術開発の動向:――
•
•
•
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•
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•
風力発電機の開発と進歩、コスト低下
増速機なし(ギアレス)多極発電機の使用
可変ピッチ翼(風速変動に合わせる)
低速回転・低騒音化
電力品位の向上(電圧、周波数)
タワーの新型化(景観、美観、心理)
大型化の限界、ほか
風力発電の課題
• 性能評価
(1)風速の予実比較、風況予測
(2)風車の性能特性
(3)トラブル(雷、台風、etc)
環境影響評価
(1)騒音 環境基準(住宅地、45dB)
(2)電波
(3)生態
(4)景観
(5)日影
世界の目標“Wind Force 12”
・・・2020年までに世界の電力の12%を
風力発電でまかなうことができる。
世界の指標 ・・・ Wind Force 12
詳しくはHPに掲載
定格発電容量
1245GW(1MWの
風車124万機分、
原発1245基分)
WF12の12は、世界の全
電力の12%ということを風
車でということ
20万円/kW
設置コスト 7万円/kW
9円/kWh
発電コスト 3.3円/kWh
投資総額 93兆円
230万人の雇用
CO2削減108億トン
世界の指標 ・・・ Wind Force 12
詳しくはHPに掲載
10,000
兆円
10万円
90,000
年間投資額(10億ユーロ)
900
設置コスト(ユーロ/kW)
70,000
50,000
700
500
2005
2010
2015
2020
世界の指標 ・・・ Wind Force 12
アフリカ
途上国
詳しくはHPに掲載
1200GWの地域別
OECD ヨーロッパ
中近東
中国
OECD 北米
南アジア
東アジア
ラテン OECD
アメリカ 太平洋
(日本、オーストラリア、NZ)
生きる・・食料、水・空気、エネルギー
エネルギー政策の基本的考え
energy security/environmental protection/economic growth
トリレンマ構造
3Eの調和型
新エネルギー導入実績と目標
供給サイドの新エネルギー
1999年度(実績)
太陽光発電
風力発電
廃棄物発電
バイオマス発電
太陽熱利用
未利用エネルギー
廃棄物熱利用
バイオマス熱利用
黒液・廃材等
新エネルギー供給計
2010年度
現行対策維持ケース
目標ケース
原油換算 設備規模 原油換算 設備規模 原油換算 設備規模
(万kl) (万kW) (万kl) (万kW) (万kl) (万kW) 2010/1999
5.3
20.9
62
254
118
482
約23倍
3.5
8.3
32
78
134
300
約38倍
115
90
208
175
552
417
約5倍
5.4
8
13
16
34
33
約6倍
98
--72
--439
--約4倍
4.1
--9.3
--58
--約14倍
4.4
--4.4
--14
--約3倍
--------67
----457
--479
--494
--約1.1倍
693
--878
--1910
--約3倍
「エネルギー」は「能活」
・人間の生存に不可欠な「水」、「空気」、「食料」、
「エネルギー」のうち、「エネルギー」は、人間の、
生活スタイルや生活レベル、生活環境、さらに経済活動を規定してきた。
・エネルギーは、人間の人口・地球の環境に直接影響を及ぼしてきた。
・持続可能な人間と地球のために、これまでの燃料消費エネルギーから
再生可能エネルギーへの転換が迫られている。
・石炭、石油、天然ガスによる火力発電、原子力による火力発電(原子力
発電)は、いずれもその燃料が消費される発電方法/エネルギーである。
・風力・太陽光・地熱・波力・海洋温度差による発電方法は、
燃料を用いない再生可能エネルギーである。
・風力発電は、大規模発電が商業的に実施されている、
実用段階にある、環境貢献と経済的貢献が大きい、
再生可能エネルギーである。
・Wind Force 12の結論によれば、
2020年までに全世界の電力供給の12%を
風力発電でまかなうことができる。
その結果、
1,245GWの風車(60万基以上の風車数)
3,000TWh/年(テラワットアワー、T=1012 )の電力
230万人の雇用(2.5%の就業割合)
2.45ユーロ/kWh(3.2円/kWh)
となる。
・こうした長い時間軸(time horizon)で、
将来を見据え(face to the future)て、
過去を歴史として(leaving the past to history)、
新しい技術(new innovation)で直面する問題を解決して、
持続可能な(sustainable)な地球とする必要がある。