時代 製品ライフサイクル テクノロジの進歩 顧客嗜好変化

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Transcript 時代 製品ライフサイクル テクノロジの進歩 顧客嗜好変化

ジェイ B.バーニー
リソース・ベースト・ビュー
国士舘大学経営学研究科 修士1年
白 雪
リソース・ベースト・ビュー(RBV)とは

資源依存型戦略理論の一つで、競争優位の源泉を企業の内
部資源に求める戦略理論である。

オハイオ州立大学の経営大学院教授、J.Bバーニーによっ
て展開された 。

従来の戦略理論は、ポーターの競争戦略、PPM、SWOT
分析など、様々あるが、魅力的な産業の発見と業界内での
ポジショニングの確立に注目し、戦略実行に必要な資源や
能力は、戦略策定後に企業外部から調達するという考えに
基づいている。これに対して、資源依存型アプローチによ
る戦略形成は、内部要因(自社内の構成要因)に注目して
戦略を考える点が異なっている。
企業の強みと弱み
経営資源の異質性
「企業は様々な生産資源の集合体であり、個別
企業ごとにそれぞれの生産資源がある。それぞ
れの強みと弱みも存在する。」
経営資源の固着性
「企業経営資源の中に複製コストが非常に高いも
のや、その供給が非弾力的なものである」
持続的競争優位を獲得するための要因

持続的競争優位を左右する要因は所属する業界の特質で
はなく、その企業が業界に提供するケイパビリティである。

希少かつ模倣にコストのかかるケイパビリテイは、他のタイ
プの資源よりも持続的競争優位をもたらす要因となる可能性
が高い。

企業戦略の一環としてこの種のケイパビリテイの開発を目指
し、その為の組織が適切に編成されている企業は、持続的
競争優位を達成できる。
従来の戦略論とバーニーの戦略論の比較
これまでの戦略論的マネジメントの思考支 ニュー・エコノミーにおける持続的競争優
配してきた考え方
位を達成できる考え方
オールド・エコノミーにおいて、経済成長は
遅く、テクノロジーの進歩も遅く、顧客の嗜
好も予測できる。また当時経済成長が鈍
化して、アメリカ国内での競争が激化した
時期だった
情報のフローを妨げる要因を減らし、それ
によってサプライヤーや顧客が入手できる
情報量を増大させ、活発な競争が展開さ
れるグローバル規模の市場を創出する変
化予想不可能の激変時代
企業が属する業界が持続的優位達成の
可否が決定つけているー「魅力ある業界」
の発見、即ち「競合商品やその他の競争
が少なく、参入障壁などによって競争相手
の参入が阻まれている業界」の発見
「魅力ある業界」を重視した分析法を
ニュー・エコノミーにおいて持続的競争優
位を達成できない
企業の業界内の位置を重視し、その位置
を取るために業界構造分析を基盤として
基本戦略を策定、競争優位の源泉は外部
環境を重視
業界の魅力とは、企業がその業界に提供
するケイパビリティと切り離して評価できな
い。つまり、企業持続的競争優位を獲得に
は企業内部組織も大事
VRIOフレームワークによる経営資源の特性分析
(ケイパビリテイの潜在的競争力チェックする4つ問い)

Valueー経済価値に関する問い
その企業保有する経営資源やケイパビリテイは、その企業が外部環境における脅威や機会
に適応すること可能となるか。

Rarityー稀少性に関する問い
その経営資源を現在コント―ロールしているのは、ごく少数の競合企業だろうか。

Inimitabilityー模倣困難性に関する問い
その経営資源を保有していない企業は、その経営資源を獲得あるいは開発する際にコスト
上の不利に直面するだろうか。

Organizationー組織に関する問い
企業が保有する、価値があり稀少で模倣コストの大きい経営資源を活用するために、組織的
な方針や手続きが整っているだろうか。
ケイパビリティは企業競争への影響
組織形態:調整すべき要因として機能する。持続的競争優位を実現させうるケイパビリテイもそれを
活用できる組織形態ではなければ、その潜在的能力を十分に発揮できない。逆に、競争上、他社と同
等の立場を実現させうるケイパビリテイが、それを活用するに適した組織に設計されていれば、さらに優
れた結果をもたらす可能性がある
持続的競争優位を確保する方策
1.自社独自の経験価値を築く
シスコシステムズ
ネットワーク代表する企業シスコシステムズは2010年売上高は400
億ドル、7年間で売上高100倍増大し、世界で最も急速に成長する企業
である
1984年に設立された。初期の製品はルータだけで、顧客は大学、軍、政府
機関が中心であった。
1993クレシェンドを買収した目的はLANスイッチ
1994ライトストリームの買収はATM分野を強化するためである 。
1995年ノベルのネットウェアとインターネット接続を行うためにインター
ネット・ジャンクション買収
1998年デジタル加入者線製品分野のネットスピード、ビデオ伝送ソフトウ
ェア分野のプリセプト・ソフトウェア、ネットワークセットトップボック
スとケーブルモデム分野のアメリカン・インターネットを買収した

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全社戦略を支える買収戦略
買収の目的は人材と人材のもつ知的資本を定着させることである
ー自社の技術信奉から脱却し、「今現在」顧客が求めているソリューション
を「買収」という手段を効果的に活用することにより、革新的な製品と製
品の品質や、サービスおよび信頼性をワンストップで提供できる規模が可
能になったため成功した
ー
自社独自の経験価値を築く


「模倣にのコストのかかる利点」を自社に提供してく
れる企業を含め、多数の企業と独自の関係を構築
する
オールド・エコノミー時代の事業活動をニューエコノ
ミ下の活動にリンクさせ、これまでの競争上の強み
を活用する。
持続的競争優位を確保する方策
2.サプライヤーとの間に密接な関係を
築く
トヨタ自動車のケイパビリテイ

サプライヤーとの密着性ー「ケイレツ」会社
サプライヤーから低コスト、高品質な商品提供できる
ケイレツ会社とトヨタ自動車双方共通のテクノロジー、共通のビジネスアプローチ
に投資、共同に持続的競争優位を獲得できる

トヨタ生産方式
7つのムダの削減、
1.作り過ぎのムダ
2.手待ちのムダ
3.運搬のムダ
4.加工のムダ
5.在庫のムダ
6.動作のムダ
7.不良をつくるムダ
ジャストインタイム、
必要なものを、
必要なだけ、
必要な時に生産する
自動化
自動化とは、不良が発生した
際に機械が自動的に停止し、
後工程へ良品のみ送るように
すること
「かんばん方式」
他には改善、見える化、アンドン、ポカヨケなど系列化生産方式でトヨタ自動車の強さを
支えている
2.サプライヤーとの間に密接な関係を築く

ニュー・エコノミー時代のテクノロジーを用いて、購
買コストを抑える

今後長期にわたる関係を築くべき主要なサプライ
ヤーを選別する
持続的競争優位を確保する方策
3. 顧客との間に密接な関係を築く
3.顧客との関係性

アマゾンの競争優位を持続する原因
在庫確保、オーダー処理と配送時間かからず、信頼できる質高いサー
ビスを顧客へ提供する 顧客ロイヤルティ醸成

ソニー
技術革新と技術の質面常に最先端を走り続く、ロイヤル・カスタマーの集
団を確保する

ホンダ
「低燃費小型車への特化」を戦略設定し、主に得意分野の小型車に生産
設備などの経営資源を投下し、アメリカで好調販売し、顧客の再購率最
も高い ロイヤル・カスタマーの集団を確保する
3.顧客との間に密接な関係性を築く

自社のビジネスにおける「ニュー・エコノミー
的ではない業務」を確実に遂行する

ニュー・エコノミーの下でブランド認知度を高
める
持続的競争優位を確保する方策
4.従業員との間に密接な関係を築く
自社で重要な役割を担っている従業員と安定的な雇用関係を築く
安定した雇用環境を整えることで、従業員お互いに密接な人間関
係を築き、創造性の高いチームを構成できる
競争環境激しく変化する時代でも、これらの従業員で構成された
チームには迅速かつフレキシブルに行動でき、企業へ真の価値
生み出す源泉となる
企業は報酬制度の導入や、従業員へ支援及び様々な権限を提供
することで、優れた人材を確保し、価値高いフレキシブルなチーム
が生み出す、持続的競争優位をもたらす要因となる。
持続的競争優位を築く能力+フレキシブルな企業形態
時代
製品ライフサ
イクル
テクノロジの
進歩
顧客嗜好変化予
測
企業形態
オールド・エコノミー
長い
遅い
予測可能
垂直統合
ニュー・エコノミー
短い
早い
予測不可能
様々な形で戦
略的アライア
ンス
ニュー・エコノミーの下、テクノロジや顧客の要求が急速に変化する現実を踏まえ
て、稀少かつ模倣にコストかかるケイパビリテイをアクセスするなら、マネジャーは
組織をコントロールよりもフレキシブルな企業形態を作り、そして垂直統合より戦略
的アライアンスを選択しなければならない。
不透明な環境の下、自社が持つ持続的競争優位を築く能力をフレキシブル
な企業形態を通じて実現できる企業であれば、ニュー・エコノミーの世界で
大いなる成功を収められる。