1. 現代人の生活習慣と健康状態 主要先進国における平均寿命の推移

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Transcript 1. 現代人の生活習慣と健康状態 主要先進国における平均寿命の推移

1. 現代人の生活習慣と健康状態
平均寿命の推移
主要先進国における平均寿命の推移
増える高齢者の割合
65歳以上人口の総人口に占める割合
男女別高齢者人口割合の推移
現代人の健康状態
満員の通勤・通学電車の中、渋滞した車の中、自動化された職場、
家庭の中に、「心の疲れた人」「健康不安を訴える人」が溢れている。
健康不安(体力の衰え)を訴える人の割合
現代の生活環境と健康危機
運動不足
自動化
高
度
文
明
社
会
競争社会
ストレス
長寿化
栄養過剰
アンバランス
体力低下
心因性
疾 患
肥満
生活習慣病
地球環境の
破壊・汚染
オゾン層の破壊
地球温暖化
森林の破壊
酸性雨
生物種の減少
廃棄物問題
海洋汚染
放射能汚染
高度文明社会が病人をつくっている
現代の健康とは
健康の概念
① 健康とは病気のない状態である。
健康を「病気」や「異常」の有無で定義する二元論的発想。病気や怪我
がなければそれで十分という、健康の定義としてはネガティブな考え方。
② 健康とは単に病気や異常がないばかりでなく、身体的にも精神的にも、
また社会的にもよい状態にあることである。(WHO: 世界保健機関)
健康を身体的な「病気」や「異常」の有無だけでなく、精神的な側面や社会
的な関わり合いまでも含めた、より広く、より深い考え方。理想的状態を示し
た定義。
③ 健康とは環境に適応し、かつその人の能力が十分に発揮できるような
状態をいう。
人の健康状態とは決して静的で安定したものではなく、個々人が健康
を獲得しようと努力を惜しまない、動的な力の上に成り立っていることを
強調した考え方。
現時点では世界保健機関(WHO)の考え方が「健康の定義」として知られている。
しかし病気や異常という縛りではなく、環境に適応し、能力が十分発揮できる状態
を健康と捉える③の考え方が、多くの人に健康を実感してもらえるのではないか。
健康度
A:検査成績に何ら異常がなく、元気な人(健康)
B:いくらか異常はあるが、普通の社会生活ができる人(健康)
C:異常の程度から見て、普通の仕事や身体活動で苦痛を生じたり、病状を悪化
させる心配のある、要注意の人(半健康)
D:異常の程度が強く、要治療の人(病気)
E:末期
成人病と生活習慣病
厚生省(現・厚生労働省)は、昭和30年代から行政用語としてきた「成人病」を、
平成9年から「生活習慣病」に名称を変更した。
成人病は、ガン・心臓病・脳卒中・糖尿病・
高血圧症など、40歳前後から増加する病気
の総称で、加齢との関係に着目してつけら
れた用語である。
① 高血圧症
② 高脂血症
③ 心臓病(狭心症・心筋梗塞・心不全)
④ 脳血管障害(脳梗塞・脳出血)
⑤ 糖尿病
⑥ ガン(肺・胃・大腸・肝臓・乳房・子宮)
生活習慣病は、食事・運動・休養・喫煙・
飲酒などの生活習慣が発病・進行に関与
する疾患群である。「運動不足病」はもちろ
んこの疾患群に含まれる。概念では成人病
と異なるが、重複する病気が多く、実際に
はほぼ同義と見なしてよい。予防対策とし
て一次予防の重要な事も同様である。
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
⑧
⑨
高血圧症
高脂血症
心臓病(狭心症・心筋梗塞・心不全)
脳血管障害(脳梗塞・脳出血)
糖尿病
ガン(肺・胃・大腸・肝臓・乳房・子宮)
肥満
骨粗鬆症
老年期認知症
これからの健康管理
自分の健康は自分でつくり、守る! 〜生活習慣病の予防が重点
◎一次予防・・・病気が芽生えるまでの対策
体力の保持・増進を図り、病気にならない強いからだをつくる。
日常生活の中で病気の原因(成因)になることが分かっているもの(喫煙、
過剰な食塩・動物性脂肪の摂取、肥満、運動不足、ストレス、過労、過度の
飲酒など)は、それを避ける。
◎二次予防・・・病気が発生してからの対策
病気をできるだけ早期に発見し、早期治療によって完全治癒を図る。
1年ごと、できれば半年ごとに定期的に健康診断・ガン検診を受診し、
完全治癒の時機を逸しないように注意する。からだの不調や症状を自
覚したら直ちに専門医を受診する。
病気の再発・進行の阻止に努める。主治医や専門医の指導によって、
必要な治療を続けるとともに積極的に生活習慣の改善を図る。
◎三次予防・・・リハビリテーション
脳卒中後遺症の片麻痺の時のように、残された機能を最大限発揮して
社会復帰ができるように努める。
健康づくりの3本柱
健康づくり
運動
健康づくりのための運動指針
(1) 生活の中に運動を
(2) 明るく、楽しく、安全に
(3) 運動を活かす健康づくり
栄養
休養
健康づくりのための栄養指針
(1) 多様な食品で栄養バランスを
(2) 日常の生活活動に見合ったエ
ネルギーを
(3) 脂肪は量と質を考えて
(4) 食塩を摂りすぎないように
(5) 心のふれあう楽しい食生活を
健康づくりのための休養指針
(1) 生活にリズムを
(2) ゆとりの時間で実りある休養を
(3) 生活の中にオアシスを
(4) 出会いと絆で豊かな人生を
健康日本21
<基本理念>
21世紀の我が国を、健やかで心豊かに生活できる活力ある社
会とするため、壮年期死亡の減少、認知症や寝たきりにならな
い状態で生活できる期間(健康寿命)の延伸などを目的に、社会
の様々な健康関連団体等がその機能を活かして、一人一人が
自己の選択に基づき、主体的に健康実現を図れるよう支援する
ことにより、国民の健康づくりを総合的に推進する。
健康日本21の概要
危険因子の低減
生活習慣の改善
○栄養・食生活
○身体活動・運動
○休養・心の健康
○飲酒
○歯科保健
○適正体重の維持
○喫煙
○血圧
○糖尿病 等
検診等の充実
○検診受信者の増加
○事後指導の徹底 等
疾病等の減少
○ガン
○心臓病。脳卒中等の
循環器疾患
○糖尿病の合併症
○自殺者
○歯周病
等
健
康
寿
命
の
延
伸
と
生
活
の
質
の
向
上
健康づくり政策の変遷
これまでの健康づくり対策と「健康日本21」
基本的考え方
第1次国民健康
づくり対策
(1978年:昭和53年~ )
第2次国民健康
づくり対策
(1988年:昭和63年~ )
アクティブ80
ヘルスプラン
21世紀における
国民健康づくり運動
(2000~ 2010年:
平成12年~ 22年)
健康日本21
1.生涯を通じる健康づくりの推進
成人病予防のための一次予防の推進
2.健康づくりの3要素(栄養・運動・
休養)の健康増進事業の推進(栄養
に重点)
主な 施策
○健診、保健指導体制の確立
老人保健法制定(1982年)
○健康づくりの基盤整備等
市町村保健センター等
○健康づくり啓発・普及
栄養所要量の普及
健康づくり3要素の普及
○健診、保健指導体制の充実
1.生涯を通じる健康づくりの推進
2.栄養・運動・休養のうち運動習慣の
普及に特に重点を置いた、健康増進
の推進
1.生涯を通じる健康づくりの推進
「一次予防」の重視と生活の質の向上
2.国民の保健医療水準の指標となる具
体的目標の設定および評価に基づく
健康増進事業の推進
3.個人の健康づくりを支援する社会
環境づくり
○健康づくりの基盤整備等
健康科学センター等
健康運動指導士等の確保
○健康づくりの啓発・普及
健康文化都市等の整備
○多様な経路による普及啓発
○各種保健事業の効率的・
一体的事業実施の推進
○地方自治体・関係団体等
における取り組みの支援
○推進組織の整備