Transcript ビームライン
Introduction 中性子過剰の核物質に関する研究 • 逆運動学を使うことが必要 ← 中性子過剰の中重原子核を、ターゲットではなくビームで使用 超前方散乱の測定 • 超前方散乱では、励起エネルギーによって散乱が大きく変わる ← ビームではなく、反跳粒子を測定する方が、よりよい精度で行える • しかし、超前方散乱で散乱される反跳粒子はエネルギーが小さく(< 数MeV)、検出が困難 → ターゲット、検出器の物質量が小さくなくてはならない → ターゲットと検出器が一体になった、Active-target TPCが有効 1 Concept of Active target GEM-TPC フィールドケージ2つ ビーム 25cm 反跳粒子 GEM • ビームがTPC中のガス粒子と衝突。 それによって散乱される反跳粒子を とらえる • ビームは読みださず、反跳粒子の みをとらえることで、高レートのビー ムを使用できる 10cm ☓10cm パッド 形状:直角三角形 枚数:144 枚 2 TPC概要 • TPCの大きさ:668mm x 565mm x 520mm (内径) • ガス:He(95%) / CO2(5%) ← 混合比は変更するかもしれません • 圧力:大気圧 16.45mm 反跳粒子 16.45mm • GEMの大きさ: 10 cm x 10 cm • パッド 形状:直角三角形 枚数:144 枚 (今回のテスト実験では36枚を使用) • 今回の実験では、recoil particleの方向へビームを 通し、位置分解能、エネルギー分解能を評価する。 3 実験概要 目的 Active target GEM-TPCの位置(角度)分解能、エネルギー分解能の評価 測定項目 • 粒子のエネルギーに対する位置分解能、エネルギー分解能の依存性 位置を、隣り合うパッドの電荷量の比で求めるので、位置分解能 は粒子のエネルギーに依存する。(エネルギー損失の統計的なゆら ぎ、粒子がエネルギーを失っていくことに伴う、dE/dxの増加) フィールドケージで止まってしまうようなエネルギーの小さい粒子 の場合、Bragg curve付近でエネルギー損失が非常に大きくなるが、そ の場合でもGEMの安定したオペレーションは可能か? 4 測定項目(つづき) • 粒子の入射位置に対する位置分解能の依存性 パッドのどの部分(パッドの中心 or 端)に粒子が通過したかで、 位置分解能に変化はあるか? 電子のdiffusionの大きさによる位置分解能の依存性はあるか? フィールドケージの端では電場のゆがみによる影響はどの程度 あるか? • 入射角に対する角度分解能の依存性 パッドに対する粒子の通過位置が一様ではなくなるが、その場 合どの程度の角度分解能が得られるか? • 長時間の測定における性能の安定性の評価 長時間ビームを通し続けた場合、GEMの増幅率の変化は見られ るか? 5 Setup シンチレーター Beam GEM パッド • ビームをGEMの上を通して、性能評価実験を行う • セルフトリガーで測定を行う 6 • TPC以外の検出器でビームレートをモニターするために、シンチレーターを使用 ビーム要求 • 粒子 : 4He (2+) • エネルギー エネルギーの異なるビーム4種類 (その内、一つはフィールドケージ内で止まるエネルギー) • ビームレート : < 102 Hz → 一次ビームでは無理なので、弾性散乱を用いてビーム レート調整 • ビームの拡がり : f ~ 1 mm → スリットとコリメーターを用いる 7 散乱体(Au) ビームライン 第一測定室、スペクトログラフコース ビーム Quadrupole magnet • ビームライン 第一測定室、スペクトログラフコース スリット Dipole magnet • Beam condition 粒子 : 4He(2+) エネルギー : 17.5 MeV, 20 MeV, 24 MeV, 30 MeV ビーム電流量 : 100 enA • 散乱体でビームレートを調整(< 102 Hz) Quadrupole magnet • スリット、コリメーターを用いてビームを絞る TPC コリメーター Scintillator : 測定中のビームレートをカウント 8 TPC性能評価実験の実験項目 各測定項目につき、100k event必要 → ビームレート : 50 Hz, daq efficiency : 50%を想定すると、各項目につき、約1.2 h 1. 粒子のenergy loss に対する依存性 ← エネルギーの異なるビームを用いて測定 (ビームのエネルギー: 17.5 MeV, 20 MeV, 24 MeV, 30 MeV) 4項目 + セットアップ変更(1 h) → 8.8 h 2. 入射位置に対する依存性 ← フィールドケージへの入射位置を変えて測定(18点) 17項目(1の測定とひとつ重複がある) + セットアップ変更(0.5 h) → 25.5 h 3. 入射角の依存性 ← チェンバーをビームラインに対して斜めに設置 (ビーム軸とTPCとの角度 : 10°, 20°, 30°) 3項目 + セットアップ変更(2 h) → 9 h 4. 合計で、55.8 h + 回路調整 0.5 h → ビーム要求期間 : 3日間 性能安定性の評価 ← 長時間ビームを当て続ける 1項目(12 h) + セットアップ変更(0.5 h) → 12.5 h 9 バックアップ 10 入射位置 ビーム 異なる入射位置の詳細は以下の通りです パッドの中心からの距離 (右図参照) -6 mm, -3 mm, 0 mm, +3 mm, +6mm drift length の異なる3点 drift length : 25 mm, 125 mm, 225 mm フィールドケージの中央に入れる場合と、電場の ゆがみを見るために端に入れる場合 Beam energy (MeV) 30 Drift length (mm) パッド中心からの 距離(mm) フィールドケージ 中心 or 端 25 0 +6 125 -6 -3 0 225 +3 +6 フィールドケージ中心 0 +6 25 0 +6 125 -6 -3 0 225 +3 +6 0 +6 フィールドケージ端 11