卒業研究 テラヘルツ光検出器試作試験用 サンプルホルダーの作製
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Transcript 卒業研究 テラヘルツ光検出器試作試験用 サンプルホルダーの作製
卒研発表
テラヘルツ光検出器試作試験用
サンプルホルダーの作製
高島研M1 西村夏奈
研究背景① テラヘルツ光領域
THz・MIR
Electronics
Photon energy
Frequency
0.1 meV
10 GHz
Optics
λ = 1mm ~ 6μm
1 meV
100 GHz
10 meV
1 THz
100 meV
10 THz
1 eV
10 eV
100 THz
T=300K
分子の回転・固体の格子振動
宇宙の3K輻射
電波天文学や生体分子分光学など多くの分野において
テラヘルツ光検出技術の発展が期待されている。
我々の研究室ではこの技術を利用して、
テラヘルツ顕微鏡システムの開発や生体系ダイナミクスの可視化に挑む
研究背景② 量子ドットSET検出器
GaAlAs(90nm)
SET(単電子トランジスタ)
2次元電子層
(10nm)
GaAs
Vg
VSD
SET顕微鏡写真
QD(~ 300 electrons)
Reservoir
Reservoir
・SD電流をゲート電圧で制御
・光子が入ってくると電流が流れなく
なるようにゲート電圧を設定する
・抵抗が変化
Controlled gate
Vg
VSD
200KΩ
(暗状態)
5MΩ
(光子検出時)
高インピーダンスなデバイス
SET(単電子トランジスタ)
クーロンブロッケイド
e2/2C≫kBT
e-
μ(N+1)
EF
eμ(N+1)
EF
μ(N )
μ(N )
μ(N-1)
EN
μ(N-1)
EN
eN (VG )
リード
μ(N+1)=EF
SET
ゲート」電圧を+に印加
eN (VG )
SET
リード
リード
量子ドットとリード線のエネルギー準位
伝導度共鳴
伝
導
度
μ(N-1) =EF
N-2
μ(N ) =EF
N-1
μ(N+1) =EF
N
クーロン振動
N+1
リード
電子のポテンシャル
エネルギーが減少
Photon Counting
磁場をかけることで量子ドット
内のエネルギー準位が分裂
N
N―1
N+1
B=9T
ドレイン
ソース
伝
導
度
VG
Photoexcitation
トンネル電流が流れるように設
定された電圧からずれる
+e
THz光照射
-e
光子検出時:電子が励起し瞬間的に分極
THzPhoton
LL1
Conductance
1.0
0.5
0
0
2
4
Time (sec)
EF
6
8
遠赤外光子吸収による伝導度変化と
実際のスイッチング
LL0
本研究の目的
量子ドットSET検出器を代表とする、微小デバイスの
試作試験用サンプルホルダーの作製
サンプルホルダーの仕様
Ⅰ.低温(<2K)・強磁場(9T)下で使用可能なこと。
Ⅱ.サンプル近傍に、低温アンプ・保護回路・フィル
ター等を組み込めること。
Ⅲ.サンプルの静電対策として、配線を接地スイッチ
に繋げること。
サンプルホルダーの構造
仕様Ⅰ.低温(2K)・強磁場(9T)下で使用可能であること。
真空バルブ
写真2-B
クライオスタット内
超伝導マグネット
インジウムシール用
フランジ
内側を真空引きしながら
先端に液体Heを入れる
写真2-E
仕様Ⅱ.低温サンプル近傍に、低温アンプ・保護回路・
フィルター等を組み込めること。
ターミナル
写真2-D
アンプスペース
配線基板
(リソグラフィ加工)
仕様Ⅲ.静電対策として、配線を接地スイッチに繋げること。
スイッチBOX
Line1
Line2
Line10
Line3
Coax1
Coax2
写真2-A
BNCコネクタ
トグルスイッチ
検出器の高速化
2端子測定(DC測定)
応答速度(時定数) τ=RC
2メートル程度(Cst=300pF/m)
(C:同軸ケーブルの浮遊キャパシタンス)
20~30μsec
S/N比より、42kΩが
妥当とされている
低温アンプの導入
低温下にアンプを組み込む
2メートル程度(Cst=300pF/m)
時定数の改善が
期待される。
この抵抗の値は
変えない
汎用常温アンプでの動作確認
バイポーラトランジスタ
テスト回路
エミッタフォロア
63%
・時定数の変化
アンプなし : 5μs
アンプあり : 70ns (2ケタ改善)
70ns
5μs
低温アンプ作製準備
①各電気素子の4.2K測定
・抵抗素子[チップ抵抗]
厚膜
薄膜
300K
150Ω
470Ω
100kΩ
1kΩ
4.2K
200Ω
670Ω
230kΩ
1kΩ
・トランジスタ[FET]
変化率
1.3
1.4
2.3
1.0
・コンデンサ[チップコンデンサ]
大容量
小容量
300K
0.1μF
100pF
4.2K
6nF
100pF
変化率
0.06
1.0
-1.0V
-0.6V
②低温アンプの設計
DCカット
ドレイン接地・ACノイズカット
(0.1μFのコンデンサは常温部分)
逆バイアス
抵抗分割
低温用FETソースフォロア回路
インピーダンスの変化 : 入力時 42kΩ → 出力時 5kΩ
時定数の変化 : 30μs→3.6μs (1桁程度改善される見込み)
結論
★量子ドットSET検出器の試作試験用サンプルホル
ダーが完成。
(従来より小型化、ノイズ・静電気に強い)
★検出器高速化のための低温アンプの設計および
動作確認を行った。・・・がうまく動作しなかった。
今後の展望
★0.3Kまで冷却するための引き口の作製。
★低温アンプの不具合の原因究明。
・低温はんだの接合チェック
・FETの動作確認
・配線の導通チェック など
出力抵抗の決定
I SD iSD
0.18 10-3
Vg vg
・・・ゲート特性における動作点(-0.6V)での傾き
vout iSDRL
vin vg vout ・・・ソースフォロアなので電圧利得は1
3式から vg、 vout を消去して
3
iSD 0.1810 (iSDRL )
したがって、
1
RL
5.6[k]
3
0.1810
2DEG(二次元電子層)
EF
Si ドナー
EF
EF
(a)接合前のAlGaAsとGaAsのエネルギー準位 (b)接合後のAlGaAsとGaAsのエネルギー準位