アジア中古車流通研究会 2013年05月 ミャンマー 孫

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Transcript アジア中古車流通研究会 2013年05月 ミャンマー 孫

第5回 アジア中古車流通研究会
中国のナンバー規制は
中古車需要を押し上げる
大阪商業大学 孫飛舟
2013年5月25日 京都大学
※今回お話しする内容は、昨年8月北京で実施したインタビュー調査に基づく。
インタビュー先:北京北辰亜運村汽車交易市場中心(略称:アジア村交易市場)
顔 景輝 副総経理 (8月25日 10:00~12:00)
北京市旧機動車交易市場
劉 華林 副総経理 (8月25日 14:10~15:40)
北京における新車・中古車販売台数の推移(09~12年)
万台
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
91
70
70
59
45
2009
51
中古車
40 40
2010
2011
新車
2012
出所:インタビューで得たデータ及び統計資料に基づいて作成。
●新車購入制限措置の実施
2010年12月23日より「北京市小客車数量調控暫行規定(乗用車数量調整暫定規定)」
が実施された。
骨子:①2011年度乗用車新規登録数量を24万台、うち個人は88%、毎月26日に抽選
方式(無償)によって配分する。
②外地人(北京戸籍を有しない人)は連続居住5年以上かつ北京での社会保険・
納税証明が必要、華僑及び外国人は1年以上の居住証明で可。外地ナンバー
は交通ラッシュ時に5環路以内通行禁止。
③買い替え時、抽選の必要はなし、ナンバー更新手続きだけで可。
④現保有車を売却・廃車し、ナンバープレートを保有したい場合:
a.名義変更または抹消手続き後、6ヵ月以内に申請を行うこと
b.車両所有者(売却人・廃棄人)は元車両を3年以上所有していたこと
c.元車両の交通違反・交通事故の処理を完了したこと
⑤中古車を購入する場合(新規購入)でも、抽選によるナンバープレートの取得
が必要。
●老朽車の買い替え、廃車奨励策
2011年8月1日、「老旧機動車更新補貼弁法(老朽化自動車の買い替えに関する
補助政策)」を実施。
骨子:①2015年末まで40万台を淘汰する(廃車または他地域に転出させる)。
②使用年数6年以上、国Ⅳ(ユーロⅣに相当)の排気ガス規制に達していないもの
③2011年8月1日~2012年12月31日、北京政府による補助を行う。下記参照。
転出(北京から地方へ)老朽車補助基準(单位:元)
乗客用
自動車
貨物用
自動車
微型
小型
中型
大型
微型
軽型
中型
重型
6-8年
8年以上
3000
4500
4000
14000
2500
3000
7000
10000
2500
4000
3500
12000
-2500
5000
8000
廃車する老朽車補助基準(单位:元)
乗客用
自動車
貨物用
自動車
微型
小型
中型
大型
微型
軽型
中型
重型
6-8年
8年以上
3500
5000
4500
14500
3000
3500
7500
10500
3000
4500
4000
12500
-3000
5500
8500
※ 40余りのメーカーが次の新車を買う際にユーザーにキャッシュバックを実
施する。両方を合わせると、ユーザーが古い車を淘汰し、新車に買い替える
場合、約1万元近くの補助が得られることになる。
その結果
●新車販売が落ち込む。しかも、買い替え需要が増加(下取りを伴う新車販売は58%)
しかも、上級車種へのグレードアップが顕著。SUVと1800~2500ccの車種が好調
●中古車販売を押し上げる。
北京の保有台数500万台のうち、6年以上の中古車は約200万台
北京から外地への転出は中古車販売の50%(政策実施前は10%)に達している。
傾向:ローエンド車、低年式→地方へ
中高級車→北京市内
ラグジュアリー→仕入れも販売も全国範囲
●北京市内で販売される中古車のパターン
パターン1:「買い替え」:中古車を下取りに出した後にまた別の中古車を購入する。
ほとんど中古車販売業者が手中にある中古車の回転のために行われて
いる。(特に市外への転出の場合)車両の登録資格は手中においておき
ながら、車両だけを売買する。一昔前の日本の固定電話権利と同じ。
パターン2:「新規購入」:抽選で当たった人は新車ではなく、中古車を購入する。
さらに二つのケース:
ケース1:中古車業者が抽選で得た登録資格を持って中古車仕入れや在庫
回転のために使う。ごく一部にすぎない。
ケース2:一般ユーザーが抽選で得た登録資格を持って中古車を購入する。
①登録資格をキープするため。抽選で資格(半年以内に車を購入しなければならない)を得たが、しかし、
すぐに車を購入する資金力がない。そこで、3~5万元の安い中古車を買って登録を済ましておいて、取りあえず資格を
キープしておく。将来的に新車を購入する。新規購入全体の60%を占める。
②抽選で得た登録資格を持ってよりグレードの高い中古車を購入する。年式が高く、
状態の良い中古車は新車に比べて値段が安く、手ごろ感があるため、それを購入する人もいる。10%しかない。
判明した他の事実
その1:中古車販売台数増加の裏には、実は名義変更を急ぐ人が増えたからである。
以前、名義変更料を支払いたくない人(業者も含む)が多く、中古車が最終的な
購入者(新オーナー)が現れるまで名義は旧オーナーのままにしておくケースが
多かった。しかし、新政策の実施後、新車を買い替える際に速く中古車を売りたい
(その権利で新車を購入)人が増えたため、業者に中古車を売った時点で名義
変更を要求するケースが急増した。
その2:新政策は中古車業者の仕入れや販売にどのような影響を与えるのか。特に仕入
れの際に登録資格ないといけない。どうやって登録資格を確保するのか。まさか抽
選の列に並ぶのか。
実は、新政策の実施前に既に確保している。新政策の実施前に中古車業者へ
の配慮から移行期間を設けている。例えば、中古車業者の手中には100台の権利
を持っている場合、仕入れの時に権利を使って購入する必要がある。そして、販売
する時に、権利を持っている人にしか売らない。それによって、自分の手元に権利
がそのまま残るのである。
その3:最近、地方の排気ガス規制もどんどん厳しくなってきている。今後、北京のような大
都市から地方へ老朽車を流すことは難しくなっていくに違いない。
その4:新エネ車(PHV、EV)は優遇されている。購入者は抽選によって登録資格を得る必要
はない。
ご清聴、ありがとうございました。
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