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工業力学 補足・復習スライド
Industrial Mechanics
第13回:エネルギー・動力・摩擦
おさらい
衝 突 (collision)
運動している物体どうしが衝突することで,各物体の運動量・
角運動量は変動する.その変動のしかたを解析する.
向心衝突
v1
-F
v2
v1’
F
運動方向に垂直な速度は双方とも 0
v1’
斜めの衝突
v1
F
v2
-F
v2’
衝突方向に垂直な速度は双方とも不変:衝突方向だけ考えれば良い
v2’
衝 突 (collision)
運動している物体どうしが衝突することで,各物体の運動量・
角運動量は変動する.その変動のしかたを解析する.
偏心衝突
w’2
vG
v1
-F
F
v1’
v2’
作用する力が物体の重心を貫いていない:衝突により回転運動が生じる
向心衝突の解析方法
衝突現象をどう扱うか?
利用可能な法則性の一つ:運動量保存則
m 1v1 + m 2v2 = m 1v1ў+ m 2v 2ў (7.16)
式一本じゃ,未知数一つしか求まらない.
もう一つの拘束条件:反発係数
衝突現象のパラメータで,衝突によって,相対速度がどの程度
の割合で減衰するかを示す.
衝突前の相対速度:接近速度 v1 - v2
衝突後の相対速度:離脱速度 v2ў- v1ў
反発係数: e = v2ў- v1ў
(7.17)
v1 - v 2
向心衝突の場合:この2つの式を連立させて解くだけ.
斜めの衝突の解析方法
下図のようだとすれば,相互作用は鉛直方向のみ.
水平方向には加減速せず,鉛直方向速度は向心衝突と
同じ法則性に従う.
速度の水平方向成分は衝突後と衝突前で同じ.鉛直方
向成分について,先ほどと同様に,(鉛直方向の) 運動
量の保存の式と反発係数定義式を連立させる.
v1’
斜めの衝突
v1
F
v2
-F
v2’
仕事
物体に力 F が作用し,力の方向に距離 s だけ変位した時,W =
Fs を,力が物体になした 仕事 (work) という.
力 F と変位の方向が異なる場合は,互いになす角度を q とした
とき, W = F cosq s である.つまり,力のうち,物体の運動に寄与
与した成分だけを考慮する.
s
F
s
F
q
F
仕事
軌道 PQ 上において,物体に力をかけて動かした時の仕事を
考える.
軌道上のある位置で作用する力 F が,運動方向 (軌道の接線
方向) と角 q をなしており,そこから微小距離 ds 動く場合,その
dW = F cos q Чds.
間になされる微小仕事 dW は
P から Q まで動く間の総仕事量は dW の積分で,
W =
т
Q
F cos q ds .
P
F
q
P
ds
Q
仕事の単位と次元
仕事は力 (の移動方向成分) と移動距離の積であるから,その
次元は (力)×(長さ) であり,(力) = (質量)×(長さ)× (時間)-2
なので,(仕事) = (質量)×(長さ)2×(時間)-2 とも言える (トルク
と同じ次元の物理量である).
単位は [N]×[m] であり,[Nm] と書いても良いが,一般にこの
単位はトルクの単位として用いられる.
仕事 (およびエネルギー) には専用の単位 [J] (=[Nm]) があり,
これを使うのが一般的 (教科書では使ってない…).
バネ力がなす仕事
バネは伸び量に応じて引張力 (圧縮力) が変動する.
つまり,バネを伸ばしていく (縮めていく) ときの仕事の計算は,
力を変動させた積分計算となる.
バネ力は伸び (縮み) 量 x に対して F = kx なので,自然長のバ
ネを x だけ伸ばす仕事は以下のとおりとなる.
x
1 2
W = т F ds = т kx dx = kx .
0
2
重力のなす仕事
傾斜 q の斜面に置かれた物体が重力によって滑り落ちること
を考える.
重力の運動方向成分は mg sinq であり,この力で距離 s を
動くので,W = mgs sinq.一方,高低差を h とすると, h = s
sinq なので, W = mgh となり,高低差のみに依存する.
このように,おこなう仕事が途中経路に無関係で,最初と最後
の位置のみに依存する力を 保存力 (conservative force) とい
う.
s
mg sinq
q
mg
h
回転に関する仕事
図のように,軸 O のまわりに回転運動をする物体に,つねに円
周方向を向く力 F をかけ続けて角度 q 回したとき,移動距離は
r q なので, W = Fr q.
一方,力によるトルクは N = Fr であるから, W = Nq.
すなわち,トルク N で角度 q 回転させる仕事は,トルクと回転
角の積 W = Nq で表される.
F
q
F
エネルギー
高いところに置かれた物体や圧縮された空気,回転しているは
ずみ車などは,仕事をする潜在的能力 を持っている.これを エ
ネルギー (energy) という.
その量は,なしうることのできる仕事の量で表され,したがって
エネルギーの次元や単位は仕事と同じである.
エネルギーは位置エネルギー,運動エネルギー,熱エネル
ギー,化学エネルギー,電気エネルギー,原子核エネルギーな
ど,多様な形態を持ちうるが,ことなる形のエネルギーに変化し
たとしても,全体としてのエネルギーの量は不変である.
これを エネルギー保存の法則 (law of conservation of energy)
という.
位置エネルギー
高いところに置いた物体や引き伸ばされたバネなどは,その高
さや伸び量に応じたエネルギーを有する.
これを 位置エネルギー (potential energy) という.
重力による位置エネルギー
基準高さを 0 としたときの物体の高さを h とし,物体の質量
を m,重力加速度を g とすると,その位置エネルギーは mgh.
1 2
kx .
2
運動エネルギー (並進運動)
質量 m,速さ v で運動している物体は,その勢いを利用して
他の物体を押して仕事をすることができる.これを 運動エネル
ギー (kinematic energy) という.
その量は 1 mv 2 .
2