発表資料 - 静岡大学

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Transcript 発表資料 - 静岡大学

グループ演習における個人の
役割とコンピテンシ向上の関係
吉川亮子
1
目次
1 研究の背景
2 IT人材とコンピテンシ
3コンピテンシの現状
4研究の目的
5役割決定
6コンピテンシ評価
7コンピテンシ評価分析結果
・リーダー
・実務エキスパート
・調整役
・作業者 フリーライダー その他
8行動キーワード基準集
2
研究の背景
IT産業の成長
IT人材の不足
IT人材の量的過不足感
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
IT企業が人材に求める能力
必要な
IT人材?
技術力
・アプリケーション技術 52%
・情報セキュリティ技術 48%
人間力
・コミュニケーション力 82%
・問題解決力 64%
3
コンピテンシとは
技術力
コンピテンシ
行動特性
・対人関係力
・自己表現力
・共感力
心理特性
・自己認識力
・ストレス共生
・気力創出力
人間力
4
コンピテンシの現状
コンピテンシに対する議論は盛ん
向上の過程判明していない&
評価が難しい
・湯浦研究室 長谷川喜子さん
「実践型IT演習による学生の行動特性向上の評価」
コンピテンシ
評価
目標設定
演習
特徴分析
相関
役割発言
タイプ分析
成果物
振り返り
5
研究の目的
グループ演習において
役割ごとのコンピテンシ向上傾向を探る。
本研究の流れ
役割決定
コンピテンシ
評価
分析
6
役割決定
コンピテンシ評価
分析
役割アンケート
実施授業:「情報システム基礎演習」
対象者:受講生 (静岡大学 情報学部ISプログラム2年) 73名
役割
A:リーダー
説
明
全体方針・計画に基づき進捗をチェックし、
メンバーに作業を指示した。
・個人の行
B:実務エキスパート 専門的なタスクをもっぱら1人で専従担当した。 動タイプとし
ての役割
C:調整役
打ち合わせなどでメンバー間の意見を調整し
て、グループ活動が円滑に進むよう采配をふ
るった。
D:作業者
作業の一部を担当したのみで、
議論にあまり積極的に参加しなかった。
E:フリーライダー
作業や議論にはほとんど関与しなかった。
N:その他
上記5つに当てはまらない。
・個人に対し
役割の任命
は行ってい
ない
7
役割決定
コンピテンシ評価
分析
コンピテンシ評価方法
対象授業:「Webシステム設計演習」
評価対象:受講生(静岡大学情報学部ISプログラム2年)Aクラス35人
ヒアリング
準備
発表討論
役割
ヒアリング
仕様の検討
人数
リーダー
6
実務エキスパート
10
調整役
12
作業者、フリーライダー
その他
5
合計
35
グループ編制: 5人 × 7チーム
リーダー、実務エキスパート、調整役が
均等になるよう配置
8
役割決定
コンピテンシ評価
分析
コンピテンシ評価モデル
学習ジャーナル
受講生
行動
行動
行動
行動
PISA CPS
フレームワーク
コンピテンシ
評価
役割決定
コンピテンシ評価
分析
学習ジャーナル
WEBシステム設計演習
目
標
演習
学習ジャーナル①
目
標
演習
学習ジャーナル②
学習ジャーナル
学習目標
学習の実績と成果
習得を目指す「スキル」 「知識」
目標に対する学習実績とその成果
気づき/振り返り
次回同じ活動をするときに改善したいこと
わからなかった用語など
役割決定
コンピテンシ評価
分析
コンピテンシ評価モデル
学習ジャーナル
受講生
行動
行動
行動
行動
PISA CPS
フレームワーク
コンピテンシ
評価
役割決定
コンピテンシ評価
分析
PISA CPSフレームワーク
(1)共通理解の
構築・維持
(2)問題解決への
適切な行動
(3)チーム組織の
構築・維持
(A)
探索と理
解
(A1)知識獲得力
(A2)課題発見力
(A3)役割認識力
仲間の考え方と能力を知る
目標に向かって問題解決のた
めの協調的な作用の
タイプを知る
問題解決のために必要な
役割を理解する
(B)
表象と定
式化
(B1)表象定義力
(B2)課題分析力
(B3)役割分析力
問題の表象を共有し、
その意味を協議し取り決める
遂行すべきタスクを特定し、
記述する
役割とチーム構成を記述する(コ
ミュニケーション規約・行動ルー
ル)
(C1)論理的伝達力
(C2)自己実現力
(C3)役割実施・協働力
実行されるべき行動を
チームメンバーに伝える
計画を実行する
行動ルールに従う(例:タスクを
実行するよう他のチームメン
バーに促す)
(C)
計画と実
行
(D)
観察と
省察
(D1)共通認識検証力
(D2)実施検証力
(D3)組織評価力
共通認識の観察・修正
行動結果の観察、問題解決
の達成度を評価
チーム構成と役割を観察し、
フィードバックを提供し改良する
役割決定
コンピテンシ評価
分析
コンピテンシポイントのつけ方
学習目標設定
一記述に対し 1pt
学習目標
演習実績
レベル
学習の実績と
成果
気づき/
振り返り
ポイント
ラベル
低
1
未達自覚、他者行動評価
中
2
改善策立案、行動意思、
改善意思、リフレクション
高
3
達成自己評価
13
役割決定
コンピテンシ評価
分析
コンピテンシ評価モデル
グループ作業に
おける適切な役
学習ジャーナル割分担を提案す
る
受講生
行動
行動
行動
行動
行動
行動
顧客が望んで
いる機能要件
キーワード
を聞き出すこと
が出来た
メンバーの意
行動
見をしっかり聞
キーワード
いて疑問など
をだしあって協
力すること
グループメン
バーの力量を
理解する
PISA CPS
フレームワーク
コンピテン
シ項目
コンピテン
シ項目
コンピテンシ
評価
コンピテンシ評価結果分析
1
2
3
4
リーダー
実務エキスパート
調整役
作業者/フリーライダー/その他
17
役割決定
コンピテンシ評価
分析
リーダー/コンピテンシ評価結果分析
役割
全体
リーダー
学習
ジャーナル①
学習
ジャーナル②
10.5
9.3
9.8
9.4
学習ジャーナル①
学習ジャーナル②
(1)共通理解の構築・維持 (2)問題解決への適切な行動 (3)チーム組織の構築・維持
出足不調型
演習後半のコンピテンシが高い
3軸満遍なく成長する
役割決定
コンピテンシ評価
分析
リーダー/コンピテンシ評価結果分析
(1)共通理解の構
築・維持
(A)探索と理解
(B)表象と定式化
(C)計画と実行
(D)観察と省察
(2)問題解決への適 (3)チーム組織の
切な行動
構築・維持
(A1) 1.4
(A2) 2.4
(A3) 1.6
+0.1
+0.98
+0.27
(B1) 3.6
(B2) 2.0
(B3) 0.0
+0.6
+0.12
-0.03
(C1) 0.0
(C2) 1.2
(C3) 1.6
-0.5
+0.47
+0.15
(D1) 0.0
(D2) 4.8
(D3) 0.6
-0.6
-1.59
-0.55
(D1)
共通認識検証力
(D3)
実施検証力
課題の発見→
分析→実行
(D)観察と省察
(D3)
組織評価力
19
役割決定
コンピテンシ評価
分析
実務エキスパート/
コンピテンシ評価結果分析
役割
学習
ジャーナ
ル①
学習
ジャーナ
ル②
全体
10.5
9.3
実務エキ
スパート
12.7
8.7
学習ジャーナル①
学習ジャーナル②
(1)共通理解の構築・維持 (2)問題解決への適切な行動 (3)チーム組織の構築・維持
出足好調型
演習後半のコンピテンシが低い
役割決定
コンピテンシ評価
分析
実務エキスパート/
コンピテンシ評価結果分析
(1)共通理解の構
築・維持
(A)探索と理解
(B)表象と定式化
(C)計画と実行
(D)観察と省察
(2)問題解決への適 (3)チーム組織の構
切な行動
築・維持
(A1) 1.6
(A2) 1.3
(A3) 1.4
+0.3
-0.09
+0.11
(B1) 3.4
(B2) 2.9
(B3) 0.1
+0.4
+1.01
+0.08
(C1) 0.2
(C2) 0.4
(C3) 1.7
-0.3
-2.8
+0.21
(D1) 0.4
(D2) 6.1
(D3) 1.7
-0.2
-2.8
+0.52
(3)チーム組織の
構築・維持
課題に対する
アクションが少ない
21
役割決定
コンピテンシ評価
分析
調整役/コンピテンシ評価結果分析
役割
学習
ジャーナル
①
学習
ジャーナル
②
全体
10.5
9.3
調整役
11.5
10.3
学習ジャーナル①
学習ジャーナル②
(1)共通理解の構築・維持 (2)問題解決への適切な行動 (3)チーム組織の構築・維持
出足好調型
堅調なコンピテンシ育成
共通理解 の構築維持
チーム組織の構築・維持
役割決定
コンピテンシ評価
分析
調整役/コンピテンシ評価結果分析
(1)共通理解の構
築・維持
(A)探索と理解
(B)表象と定式化
(C)計画と実行
(D)観察と省察
(2)問題解決への適 (3)チーム組織の構
切な行動
築・維持
(A1) 1.2
(A2) 1.2
(A3) 1.5
-0.1
-0.26
+0.17
(B1) 4.2
(B2) 1.3
(B3) 0.0
+1.2
-0.63
-0.03
(C1) 0.8
(C2) 0.5
(C3) 2.3
+0.3
-0.23
+0.8
(D1) 1.2
(D2) 6.2
(D3) 1.7
+0.5
-0.23
+0.52
問題解決への
適切な行動
23
役割決定
コンピテンシ評価
分析
作業者・フリーライダー・その他/
コンピテンシ評価結果分析
役割
全体
作業者フリーラ
イダーその他
学習
ジャーナル
①
学習
ジャーナル
②
10.5
9.3
6.3
9.0
学習ジャーナル②
学習ジャーナル①
(1)共通理解の構築・維持 (2)問題解決への適切な行動 (3)チーム組織の構築・維持
出足不調型
前半後半通して、
コンピテンシポイントが低い
役割決定
コンピテンシ評価
分析
作業者・フリーライダー・その他/
コンピテンシ評価結果分析
(1)共通理解の構
築・維持
(A)探索と理解
(B)表象と定式化
(C)計画と実行
(D)観察と省察
(2)問題解決への適 (3)チーム組織の構
切な行動
築・維持
(A1) 1.0
(A2) 1.3
(A3) 1.0
-0.3
-0.14
-0.33
(B1) 0.3
(B2) 1.6
(B3) 0.0
-2.7
-0.31
-0.03
(C1) 0.6
(C2) 1.1
(C3) 0.4
+0.1
+0.42
-1.03
(D1) 0.1
(D2) 7.9
(D3) 0.0
-0.5
+1.46
-1.15
共通理解 の構築維持
チーム組織の構築・維持
25
役割決定
コンピテンシ評価
分析
役割とコンピテンシ まとめ
演習①
出
足
好
調
型
出
足
不
調
型
実務エキスパー
ト
調整役
リーダー
演習②
調整役
堅調に育成を
続ける。
実務エキスパー
ト
後半に育成が
少ない
リーダー
後半の伸びが
大きい
作業者・フリーラ
イダー・その他
コンピテンシポ
イントが低い
作業者・フリーラ
イダー・その他
26
行動キーワード集の作成
受講生
行動
行動
キーワード
コンピテン
シ項目
行動
行動
キーワード
コンピテン
シ項目
行動
行動
行動
コンピテン
シ評価
行動キーワード基準集version.0
(A1) 知識獲得力 例
「(一群)の(二群)を(三群)」
メンバー
班員
グループ
意見
考え
知識
認識
特徴
長所
性格
一群
二群
踏まえて
掘り下げ
吸収
聞く
把握
掴む
知る
理解する
三群
28
結論
・Webシステム設計演習において、
コンピテンシ評価を実施 →役割ごとに分析
・役割ごとのコンピテンシ向上傾向について
複数の知見が得られた
・コンピテンシ評価の指針となる、
行動キーワード基準集が作成できた
29
今後の課題
・コンピテンシ育成に効果的なグループ構成の発見
・肩書きとしての役割と、今回決定した役割の関連
・行動キーワード基準集をコンピテンシ評価の指標と
して確立する
・AAC&UによるVALUEルーブリック15領域との対応
30
ご清聴ありがとう
ございました。
31
(1)
(3)
(2)
32
(1)
(3)
(2)
33