液晶ディスプレイの研究・開発

Download Report

Transcript 液晶ディスプレイの研究・開発

液晶ディスプレイの研究・開発
山口東京理科大学工学部電気工学科
山口東京理科大学液晶研究所
穐本 光弘
液晶ディスプレイと言えば…
これは最終的な製品(システムという)あり,液晶ディスプレイはその構成部品の一つ
◆それにしても最近どこでも液晶+タッチパネルが多い
ということで,少しタッチパネルの仕組みでも
お話しようかと。
◆タッチパネルの構造
(出典:日本写真印刷)
…液晶ディスプレイとタッチパネルは別物
◆タッチパネルとは?
実はそれほど新しい技術ではない。もともとは,1971年に初めて提案されたタッチ
パッドの派生物→それを初めてノートPCに導入したのがアップル(1994年)
コレ
今やほとんどのノートPCに標準で搭載されています。
◆タッチパネルの比較
(出典:テクノベインズ株式会社)
シェアが大きいのは,抵抗膜方式と静電容量方式
◆抵抗膜方式
上下基板の直交する方向に電圧をかける
押したところは上下が接触
X-
X+
Y+
Y-
抵抗値を測れば位置が検出できる
◆静電容量方式
小さなコンデンサーをたくさん作る
下
上
近づけた指によって,直列コンデンサーが形成される
まあ,他にもいろいろな方式がありますが,い
ずれにしても液晶ディスプレイとは別物です。
ですので,どこの液晶テレビが良いかに関し
ては,ある程度相談に乗ることはできますが,
タッチパネルの良し悪しはわかりません。
◆タッチパネルを供給している(意外な)企業
•
•
•
•
富士通コンポーネント
日本写真印刷
ミナトエレクトロニクス
ミクロ技術研究所
液晶パネルに関しては,まったく別の企業が供給しています。
◆液晶ディスプレイの場合
これまたたくさんの部材があり,たくさんの供給メーカーがいます。
◆何が言いたいかというと
目に見える製品(商品)を販売している企業がモノを作っているとは限らないということ。
その製品の後ろには多くの企業がかかわっています。その中で,
• 高品質な材料(原料)→化学工業メーカー
• 高性能なデバイス→精密機器メーカー
が日本の工業の柱となっているという現状があります。
◆液晶ディスプレイの場合,企業間の関係は以下のようになります。
配向膜メーカー
(化学工業)
液晶材料メーカー
(化学工業)
パネルメーカー
(デバイス)
製品卸売元
(システムと
して販売す
る企業)
光学フィルムメー
カー(化学工業)
どうしてもAppleのような企業の力が強くなり,また知的財産権との絡みから,
供給元メーカー同士の意見交換は基本的にはありません。
◆このような状況の中で,大学の果たす役割とは?
液晶材
料メー
カー
製造卸
売元
配向膜
メーカー
大学
光学フィ
ルムメー
カー
パネル
メーカー
大学には,企業間のしがらみから解放された立場という強みがあります。
◆山口東京理科大学液晶研究所
液晶ディスプレイを専門に研究する大学内機関としては日本で唯一
(1997年12月設置)
• 充実した研究設備(中規模液晶
パネルメーカーと同規模)
• 先進材料研究所との連携
• 産業界との密接な連携
所長:小林駿介教授(1932年生まれ)
現在,山口県産業技術センターを中核として,
山口大学・水産大学校と共同で,文部科学省
地域科学技術振興施策「地域イノベーション
クラスタープログラム(グローバル拠点型)・
やまぐちグリーン部材クラスター」というプロ
ジェクトが進行中