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これからの労働法制の動向
1.現在の労働法制の特徴
2.労働法制の変化の方向性
3.これからの労働法制の課題
4.組合役員の役割
そのためには、労働法の歴史や、その変遷を
概観し、労働法の理念や基本をあらためて再
確認する必要があります。
労働法の中心となるものは
「労働時間・賃金・休養」
(1) 三位一体の労働条件(労働時間・賃金・休養)
労働時間
賃
金
休養
(休日・休暇
休憩)
労働契約
働き方・働かせ方
●労働基準法
●労働組合法
●労働関係調整法
●労働安全衛生法
●労働者派遣法
●男女雇用機会均等法
●パート労働法
●育児・介護休業法
●労働時間等設定改善法
など、等の労働法がある。
(2) 「労働時間・賃金・休養」の意味を考える
労働時間
契約した労務を提供し労働する時間
賃 金
労働の対価、生活資金となり、物質
的な豊かさの基礎となるもの。
休 養
生産性低下を歯止めし、健康を確
保するもの
労働時間・賃金・休養の「三位一体」の適正化が
豊かさ(物資的・精神的)をもたらし、幸福を築き
人間としての成長を支える力となる。
(3) 三位一体の係わりを捉える
(労働時間・賃金・休養)
働き甲斐の創造
労働
時間
賃金
健康の確保・増進
労働
時間
休養
活力の回復
賃金
休養
三位一体の領域
労働時間
賃金
休養
生涯人生の充実向上
労働時間について考える
(1)労働時間の定義
「労働時間とは、労働者が使用者指揮命令・監督下にあり、労
働契約で義務づけられた労務を提供する時間」(最高裁で確立)
(2)労働時間活用の意義
● 経営者(使用者)にとっては、
利益確保
社員幸福
社会貢献
● 労働者にとっては、
人間の成長
能力の伸長
生活の充実向上
社会貢献・参加
(3)労働時間は長すぎると弊害を生む
(歴史的・医学的に証明)
① 健康障害(寿命短命)
② 人間的成長阻害(知的・創造的側面から)
③ 生産性の低下をもたらす(肉体的・精神的疲労による心身
機能の低下・停滞現象)
④ 家庭生活の貧困化 ・・・・・・・ など。
長時間労働がもたらした弊害
産業革命後(18世紀~20世紀初頭)の労働時間は、18時間
から15時間くらい。日本においても明治当初は15時間程度、
工場法(明治44年立法、施行:大正
英国の平均寿命
5年)で12時間。
貴族 :51歳 1800年代
労働災害・疾病(結核)が多発した。
労働者:37歳
(4) 適正な労働時間は好結果をもたらす
「社会・労働者・企業」の関係チャート」
社会
●持続可能な経済成長
●働きやすい環境実現
●雇用機会の創出
労働者
●心身の健康保持増進
●自己実現・啓発の促進
●余暇活動の充実
●家庭生活の充実
●社会参加・社会貢献
豊 さ
企業
●労働災害の減少
●社員の勤労意欲の向上
●効率化・創造性の向上
●優秀な人材の確保
●企業イメージのアップ
賃金について考える
国民の生存権(憲法第24条)
「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
勤労の権利義務・勤労条件の基準(憲法第27条)
「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。」
「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律
で
これを定める。」
労働者は労働を通して生活賃金を得、人間としての生活を営む、
その最低の権利と義務を明示している。ここから、労働者の自主的
な生活条件向上の行動権も生まれる。
勤労者の労働三権(労働三権:団結権・団体行動権・団
体交渉権) 「憲法第28条」
労働者の賃金を保護する各種法律
●民 法
前借金の相殺禁止
割増賃金
平均賃金の定義
男女同一賃金の原則
賃金の定義
前払・休業の賃金保護
賃金
減給の制裁
未成年者の賃金受領
賃金の先取特権
●労基法
賃金支払方法
賃金の差押禁止
出来高・最低賃金
最低賃金法
二
四
条
賃金支払
5原則
休養(休日・休暇・休憩)を考える
●休憩とは、「ある程度労働時間が継続すると、疲労が蓄積さ
れ、作業能率の低下・災害の原因要因などにつながることが
証明されており、適度な休憩が疲労回復を図り、作業能率の増
進、災害防止に重要な意味をもつことから、労働の途中に休憩
時間を与えることとしている。」
●休日とは、「日々の労働による心身の疲労回復を行い、労
働力の維持・保全を行い、その培養を図る。また労働者の労働
以外の用務時間の提供という意味合いもある。」
●休暇とは、「当初は休日と同じく、心身の疲労回復、労働力
の維持培養が目的であったが、労働者の権利意識の高揚のな
か
で、「継続的労働から生じる精神的肉体的消耗を回復させ、人
たるに値する社会的文化的生活を営むための金銭的、時間的
余裕を保障するところにある」という休息権と捉える考え方が
●休日・休憩・休暇について
1.休日と休暇は「賃金」とリンクしている。
●休日出勤には「割増賃金」。
●年休(休暇)取得には一日分の賃金支給。
三種類の年休賃金 ①通常の賃金。
②平均賃金。
③標準報酬日額。
2.休憩について
●休憩の三原則 ①一斉休憩の原則
②自由利用の原則
③休憩時間の確保及び途中利用の原則
休日・休憩・休暇に対するする組合のポリシーが問われる時代
労働の意味を考える
(1) 労働の五つの性格
成長性
従属性
社会性
労働
権力性
経済性
自由を基盤とする「資本主義社会」における
契約のすべては、人間としての「対等・平等」
が根底にある。一般法(市民法)は、それを基礎
に成立している。しかし、歴史が示すように、対
等・平等でない労働者と事業主との契約社会が
あった。ここに、労働者の「人間の尊厳」を求め
ての闘いがある。
労働法は、この対等性を担保し、労働者の自
由意思に基づく労働契約を基にして「豊かな人
生を創造する」ためにある。
歴史にみる労働法の変遷
1.労働者の権利は、闘いの中から獲得した
①
②
③
④
⑤
1713年
1789年
1799年
1900年
1925年
団結禁止法制定(独)
団結禁止法制定(仏)
団結禁止法制定(英)
治安警察法制定(日)
治安維持法に改定
2.日本の労働法の歴史と変遷
戦前は、工場法、鉱業法、労働者災害扶助責任保険
法、健康保険・厚生年金保険法など、わずかな法令し
かなかった。
工場法の制定は1911年、施行は1916年であった。
3.年代区分で見る「労働法」の戦後歴史
(1) 労働法制整備・充実の時代(1945年~1972年)
日本社会の民主化という課題を背負い、労働法制が急速
に整備、充実した時代です。
① 個別的労働関係法。
② 集団的労使関係法。
③ 雇用政策法。
(2) 社会福祉・雇用政策立法の時代(1974年~1985年)
消極的な意味で雇用政策の基本法はあったが、その政策
を積極的政策へ転換した完全雇用政策時代。
① 雇用保険法(雇用に関係する積極的事業展開を付加)
② 特定不況業種・地域雇用安定法
③ 職業能力開発促進法(職業訓練の体系変更)
(3) 労働法制再編の時代(1985年~2000年)
個別的労働関係の立法化(多様な労働に対する政策)や
戦後法制の基本的枠組みの見直し(労働市場・労使関係等)
が三分野に相互に関連しながら進行している。
新たな時代への対応の流れが起きている時代。
① 男女雇用機会均等法・育児介護休業法・パート労働法等
② 労働基準法の改正(労働時間など以後、数次にわたる)
③ 社会福祉等改正(厚生年金法[65歳支給へ]、高年法等)
(4) パラダイム転換対応時代(2001年~2008年)
構造変化(少子高齢化、産業構造、パラダイムの変化など)
に対応する労働法制の整備、など。
① 労働契約承継法、公益通報者保護法、
② 個別労働紛争解決促進法、労働審判法、労組法改正、
③ 安全衛生法改正、均等法改正、パート労働法改正、など。
1.現在の労働法制の特徴
1.労働法の基本理念は「従属労働」
労働法は「労働市場、個別的労働関係および集団的労使関係
に関する法規制の総体」であると一般的に定義されている。
また、労働法の体系は、経済的・身分的(人的)従属性の如何
を問わず、従属労働(使用従属性)という基本的な理念の基に体
系化されている。
したがって、「労働者保護法」と言われるのである。
2.現在の労働法システム
従属労働
管理型労働
労働時間
(理念)
(条文:政策)
(指揮命令)
時間管理
労働の対償
(賃金)
賃金のモノサシ
3.労働法の特徴
ヒューマニズム(人間尊重)に基づく法体系。
言葉の意味
●従属とは「強い人に従う」という
ことで、そこには対等・平等があ
りません。
●労働時間は「指揮命令・監督下」
であり、やはり対等・平等はあり
ません。
4.新憲法(第27条:
勤労権・第28条:労
働三権)のもとに拡
充発展体系化され、
産業・経済、社会の発展、国民の生活向上に寄
与している
①個別労働関係法。
②集団的労使関係法。
③社会福祉関係法。
④雇用対策・市場関係法。
⑤その他。
に区分できる。
労働法制の区分
個別的労働関係法
●労働基準法
●最低賃金法
●労働安全衛生法
●男女雇用機会均
等法
●労働契約法
●育児介護休業法
●パート労働法
●労働者派遣法
●労災保険法・・等
集団的労使関係法
●労働組合法
●労働関係調整法
●スト規正法・・・等
社会福祉法
●厚生年金法
●社会保険法・・等
雇用対策法
●職業安定法
●雇用保険法
●高齢者等雇用
安定法
●職業能力開発
促進法・・等
その他
●国家・地方公務員法
●船員法・・・等
労働基準法の特徴
1.労基法は労働憲章(マグナカルタ)である。
2.労働基準法は労働条件の最低基準である
3.働き方・働かせ方の中心的な規律法である。
(三位一体「労働時間・賃金・休養」)
4.労基法は労働に関する刑法的要素を持つ。
総 則(マグナカルタ)
1.労働条件の原則(第一条)。 5.強制労働の禁止(第五条)
2.労働条件の決定(第二条)。 6.中間搾取の禁止(第六条)
3.均等待遇(第三条)。
7.公民権行使の保障(第七条)
4.男女同一賃金(第四条)。
労働組合法の特徴
「労働者が自主的に自らの経済的地位を高める行動の権
利を認め保障した法規。」(労働三権)
総 則(法の目的・組合員の資格・労働者の定義)
労働組合(労働三権の具体化(組合運営・交渉権限・不当労働行為
労働協約(締結手続・効力・期間など)
労働委員会(公正な労働関係を確保するための措置)
労
組
法
罰則(当該法に違反した場合の措置)
労働三権は、労組法によって具体化される。
労働関係調整法の特徴
労働争議の解決と予防を目的として、「労働争議の調整
手続を定め、同時に「争議行為制限規定」を設けています。
労調法の構成
①総則(目的・労働争議・争議行為の定義)。②斡旋。③調停。
④仲裁。⑤緊急調整。⑥争議行為の制限禁止。・・・・ など。
斡旋
●斡旋員を指名。
●労使の一方から
の申請。
労働委員会の職権
●団体交渉の仲介
(斡旋提示もある)
調停
●調停委員会
●労使双方の申請
協定による一方か
らの申請
●労働委員会決議
●調停案受諾勧告
仲裁
●仲裁委員会
●労使双方の申請
協約に基づく一方
からの申請。
●仲裁裁定は最終
決定(拘束力あり)
労働契約法の特徴
特徴 1.労使自治と労使の実質的対等を確保する。
2.多様化している就業形態に対応する。
3.労働条件を明確にしてトラブルを防止する。
4.予測可能性を高め紛争を未然に防止する。
5.人事をめぐるルールを明確にする。
労働基準法
=取締法規=
罰則・監督指導
を前提に、使用
者に義務の履行
を強制する。
個別労使関係
労
働 使用者
労働者
契
約
判例法理
労働契約法
労使当事者の
権利義務関係を
規定した民事法
規。罰則なし。
監督指導なし。
労働契約に関する民法の特別法
労使間の権利義務関係に関する規定を移行(解雇の濫用)
民
法
労働契約法の構成
1.総則(①労働契約の目的・定義。②労働契約の原則。
③契約内容の理解促進。④安全配慮義務。)
2.労働契約の成立及び変更(①労働契約の成立。②労働契約内
容を変更する場合のルール。③就業規則変更ルールと周知)
3.労働契約の継続及び終了(①出向に関するルール。②懲
戒に関するルール。③解雇に関するルール。
4.期間の定めのある労働契約(①有期労働契約に関するルール。
労働契約に関する「判例法理」をベースに「労働契約法」が施行
(H20年3月1日)されました。特に、労働契約・解雇・就業規則は
個別労使紛争のもととなることから労基法と相まって重要な役割を
担うことになります。なお、本法に安全配慮義務も条文化されました。
労働安全衛生法の特徴
安全衛生法の目的
労働者の安全と健康の確保
法
の
目
的
(
第
一
条
)
労働災害防止のための危険防止基準の確
立
責任体制の明確化
自主的活動の促進の措置を講ずる
快適な職場環
境の形成促進
総
合
的
計
画
的
な
対
策
推
進
法に基づく「安全衛生活動」
1.労働安
全衛生の全
体的な概要
4.労働安
全衛生管理
体制
7.過重労
働による健
康障害防止
10.快適職
場環境の形
成
2.災害発
生の仕組み
5.労働安
全マネジメ
ントシステ
ム
8.職業性
疾病の防止
と予防
11.作業環
境測定につ
いて
3.危険・
健康障害防
止措置
6.健康管
理の充実を
図ろう
9.積極的
な健康の保
持増進
12.交通労
働災害の防
止対策と推
進
安全衛生委員会
労働者派遣法の特徴
派遣労働契約関係チャート
(昭和61年7月施行)
②労働者派遣契約関係
派遣元
事業主
派遣先
事業主
(指揮命令権(労働力)の賃貸し
①雇用契約関係
(派遣就業の同意)
労働者
③指揮命令
(賃借労働力の使用・収益)
1.労働者派遣とは、自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下
に、かつ、他人の指揮命令を受けて当該他人のために労働に従事
させること。
2.労働力需給調整システムの一つとして、 従来禁止の供給事業
形態の中から「労働者派遣事業」を合法制度化した。
職安法(労働者供給)と派遣法の関係
労働者供給
自己の雇
用する労
働者の他
人への派
遣
雇用と使用の分離とい
う新分野導入により使
用従属関係を中心とす
る労働者・使用者概念
を根底から揺るがす端
緒となる。
供給契約に基づき自己の雇用しな
い労働者を他人の指揮命令を受け
て労働させる場合のみとなった。
労働者派遣法の新設により職安法
上の労働者供給事業に該当せず。
労働者供給
供給元
供給契約
事実上の支配関係
雇用契約なし
供給先
雇用契約又は
指揮命令
労働者
パートタイム労働法の特徴
正式名称は、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」
と言います。したがって、パート労働(短時間勤務労働)者とは、同
一
の事業場に雇用されている通常の労働者(正社員)の一週間の所
定
労働時間に比べ短い労働者(法第2条)のことです。
名称(アルバイト、嘱託、パートなど)の如何を問わず「短時間労働
者」であれば本法が適用されます。
●事業主の責務(通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等。)
●雇用管理の改善(労働条件に関する文書交付。通常の労働者と同
視すべき者に対する差別的取扱い禁止。教育訓練[正社員と職務
同一者]の義務。通常の労働者への転換措置義務。その他努力
義務を規定。)
●紛争解決(都道府県労働局長の助言・指導、勧告)
●調停(均等法の調停制度を準用) ・・・・・・などが規定されている。
男女雇用機会均等法の特徴
1.差別の禁止(性別を理由とする差別禁止)
第5条~第9条
「禁止事項」
募集・採用
定年・退職・解雇
雇用形態・職種の変更
配置・昇進
退職勧奨
労働契約の更新(雇止め)
教育訓練
住宅資金の貸付
間接差別の禁止
降
格
婚姻を理由とする不利益取扱い
妊娠・出産を理由とする不利益取扱い
2.事業主が講ずべき措置
●セクハラ対策雇用管理
上必要な措置義務。
●妊娠中・出産後の措置
3.実効性の確保措置、他
●勧告に従わない場合「企業名を
公表」。
●深夜業の制限及び環境整備。
育児・介護休業法の特徴
「男女共同参画社会」の形成、少子高齢社会における活力の保
持などを基礎的目的とし、「子の養育又は家族の介護を容易にする
ため勤務時間等に関し事業主が講ずべき措置」を定め、育児・介護
を行う労働者等に対する支援を行い、雇用の継続・再就職の促進
を図る。
「職業生活と家庭生活との両立に寄与する。」
就業制限
1.時間外労働の制限(時間外:一か月24時間、年間150時間)。
2.深夜労働の制限(免除要件あり)。
3.育児・介護休業法に基づく「短時間勤務制度」。
育児休業及び介護休業を取得しない者について
①特定単時間勤務制度。②短時間勤務選択制。③時間外労働免除
④始・終業時刻の変更及びフレックス・タイム制。
2.労働法制の変化の方向
性
「産業・労働・経済のグローバル化と緊密化、情報技術(IT)の高度
化による産業構造の質的転換、労働者の意識の変化、少子高齢化
環境ベースによるパラダイム変化・・・などが複合・融合、スピード化
し
既存のワークルールでは対処できない問題や課題が創出している。
このようなことから、労働理念の変化・転換を伴う労働のパラダイム
変化が起きている。」
=働き方の基準、最低の労働条件、公正な判定のモノサシ=
となる「労働法」に対し、労働組合はどのように対処するのだろうか。
一つ一つの労働法には、その立法の目的がある、法改正にもそ
れ
を必要とする主旨がある。同様に労働法全体をとらえた場合にもそ
れは言える。 新自由主義の構造改革理念に基づく、「市場原理・
労働法全体の変化の方向性
1.労働理念は、従属労働から
2.管理型労働から
(強制型)
3.ヒューマニズム労働法から
4.基準の単一・単線型から
5.雇用定着(安定)型労働から
(現在) 従属労働
<理念>
管理型労働
<政策(条文)>
?へ
自律(自立)型労働へ
(自主的・自由型)
競争(市場原理)型労働法へ
複線・複合型基準へ
雇用流動型労働へ
労働時間(指揮命令)
<労働のモノサシ> 時間
(24時間働けますか!)
健康障害
(方向) ?
自律型労働
自主裁量
<理念>
<政策(条文)> <労働のモノサシ> 成果
☆格差容認・経済競争原理の導入へ。 保護法からの転換へ
労働法「転換の兆候」例
1.労働安全衛生法の改正
① 事後対策型から予防型へ。 ③ 自主活動の促進へ
② 受動型健康確保から能動型(自己責任型)健康確保へ
☆産業医の面談「自己申告」制は自律型労働の概念。
2.労働者災害補償保険法の改正
① 通勤途上災害の適用拡大
ワークシェアリング奨励
☆複数就業者の事業場間移動の適用
3.ホワイトカラーエグゼブションの導入(案)
① 管理型労働から自律(自立)型労働へ(保護法からの脱皮)
② 労働法(対等・平等、ヒューマニズム)理念から市場原理(
競争・経済的視点)理念へ
4.労働時間等設定改善法(新設)
多様な働き方へ
「労働法の改正・新設は、日本社会の進む方向と無縁に存在す
る
わけではなく、進む方向を左右する重要な位置にある。」
1.多様な働き方・働かせ方へ
①労働基準法。②労働者派遣法。③労災法。④育児介護休業法。
⑤パート労働法。⑥安全衛生法。⑦労働時間等設定改善法。など
2.少子高齢化対応
①高年齢者雇用安定法。②次世代育成支援対策推進法。
③雇用三法(職安法・雇用対策法・職業能力開発促進法)。など
3.男女共同参画社会の建設へ
①男女雇用機会均等法。②労働基準法。③パート労働法。など
4.労働紛争の迅速解決へ
①労働組合法。②労働契約法。③労働審判法。など
雇用の流動化は「派遣法」(1986年)が端緒となる。そしてその根
底には、新自由主義の考え方に基づく「構造改革」路線がある。
3.これからの労働法制の課題
「労働に対する考え方が問われている時代。」
「どのような日本社会を描くのかビジョンが求めら
れ
ている時代。」
労働法制は、このような基盤の上に成り立つもの
①循環型社会(低炭素社会の構築)。
②経済・労働のグローバル化への対応。
③少子高齢化への対応。
④男女共同参画社会の建設。
⑤工業社会から情報社会への転換に伴う労働基準へ
など、当面はこのような課題解決へ模索が続く。
労働組合の課題として
働き方は「生き方の」時代に対応する組合活動を
政策
ビジョン
協議
交渉力
時代
認識
新しいワークルールへ
1.労働に対するポリシーの確立とその理念に基づく政策の確立。
2.労働理念の混在・複合化に対する対応力。
3.労働法制に経済的視点を導入する是非について。
4.労働組合の社会的責任(USR)活動の展開について。
5.重筋(肉体)労働から知識労働への対応について。
6.少子高齢時代に対応する各種労働システムの構築について。
4.リーダーの役割
労働による「文化的な生活」を担保するのが労働法。
したがって、労働法は
働き方のルールである。
労働条件である。
決定・判断のモノサシである。
心身の健康を担保し人間的成長を促進す
る
労働法の主旨(精神)を理解し、活動の基盤として
意識することから始まる。