第8章.証券市場に関わる金融機関 1.証券会社

Download Report

Transcript 第8章.証券市場に関わる金融機関 1.証券会社

第2章. 証券会社と証券業務
(1).証券会社の業務
○伝統的業務
• 発行市場関連
– ①
– ②
• 流通市場関連
– ③
– ④
• 証券業:金融ビッグバンの中で98年12月から「免許
制」から「登録制」に移行
– ①~④の業務の中で①のみは現行「認可制」→07年か
ら金融商品取引法により「登録制」に移行
1
①引受業務→引受手数料
– 証券発行体の審査・評価、市場情報の提供・
発行計画の立案、投資家への情報提供と販
売、売れ残りリスクの引き受け
– 企業審査の専門性・リスク負担能力・販売能
力が必要
→日本ではこれまで大手証券会社が独占、近
年外資系や銀行系証券会社も引受け
2
・株式発行引受ランキング
トムソンフィナンシャル調べ
3
・国内公募社債引受ランキング
日経金融
新聞
06.04.05.
・社債引受では、株式引受に比べて銀行系証券会社の
力が強い
4
• IPO業務(Initial Public Offering 新規公開発行)
– 引受業務の一部分(新株発行・売出)
– 新興企業の株式公開増大
→証券会社にとって業務としての重要性増大、新興
企業に関してはIPO後も増資のチャンスが多い
– 通常の引受業務(公開企業の新株発行増資)よりも
深い専門性が必要
→手数料も高い
5
・IPO引受ランキング
トムソンフィナンシャル調べ
6
②募集(分売)業務→募集手数料
• 引受証券会社からの委託により新規発行証券の
投資家への勧誘・販売のみを行う。
• 投資信託の販売も募集業務に含まれる
– 投資信託の商品は投資信託委託会社・アセットマネジ
メント会社が作り、販売は各種の金融機関が行う。従
来は証券会社のみが販売。
– 98.12.より銀行・保険による投信販売解禁
– 05.10.より郵便局も投信販売開始
7
③委託売買業務→委託売買手数料
• 株式の委託売買手数料の自由化
• 固定手数料(取引所が定める)→94.4.以降大口か
ら手数料自由化始まる→99.10.完全自由化
• c.f.アメリカでは75.5.完全自由化(メーデー)
8
• 日本:手数料自由化による競争激化とネット取引
の普及が同時進行
• →ネット取引による格安手数料の提供、数多くの
ネット証券会社(オンライン・ブローカー)の登場
– 金融は現物のデリバリーが不要なため、ネット取引と
の相性がよい
– 証券は手数料が高いため、特にネット取引の効果大
– ネット証券会社の手数料:売買代金の0.05%~0.1%
– 自由化以前:売買代金100万円で1.15%
• →証券会社の二極化
– ITサービス特化の低価格戦略型
– IT+対面サービスによるアドバイス重視・付加価値提
供型(資産管理型営業)
9
日経新聞05.02.16.
福光・高橋編『ベーシック証券市場論』p.136
・2004~5年のネット取引シェアは80%超
10
④自己売買業務
→自己売買益(トレーディング益)
• 株式
– 証券取引所での取引、上場株式の取引所外取引、
ジャスダック市場でのマーケットメイク
– 取引所での売買の30~40%が自己売買
• 債券
– 対顧客取引、業者間(インターディーラー)取引
11
○債券の流通市場の概念図
業者間市場
証券会社
(ディーラー)A
証券会社
(ディーラー)B
対顧客
取引
投資家:
a
b
c
d
e
f
cf. 外国為替市場での取引構造と同じ
12
○証券仲介業
• 証券会社以外の企業や個人が、証券会社の委託を
受けて、有価証券取引の仲介(売買の媒介や募集・
売出しの取扱い)を行う
– 仲介業者は仲介のみを行い、顧客口座は証券会社が保
有・管理
– 2004年に解禁
• 大手証券会社:顧客・チャネルを拡大するチャンス
– 地方銀行等と提携
• 銀行:証券仲介業進出により取扱い商品を増やす
– 銀行は系列の証券会社と提携
13
◎伝統的業務以外の業務
• P TS(私設取引システム)業務
• cf. 本講義第1章(2)株式の流通市場
• 店頭デリバティブ業務
• 投資信託業務・資産運用業務
– 通常、証券会社の子会社・関連会社の形態で業務展開
• 証券化業務
• M&A業務:企業の買収や合併を専門的アドバイ
ザーとして支援する業務
• 企業再生ビジネス:
– 経営不振・破綻企業への資本投資・経営改革・事業再
構築を通じて企業を再生し、株式公開・企業売却により
資金を回収する事業
14
・日本のPTS
日本証券
経済研究所
『現代日本の
証券市場』
2004年版
日経金融新聞06.09.12.
15
・証券会社の企業再生ビジネス
日経新聞05.10.07.
16
・証券会社の収益構造
2005年度
2004年度
委託手数料
31%
31%
引受手数料
6%
7%
募集手数料
8%
8%
その他手数料
26%
26%
トレーディング損益
25%
25%
金融収支
4%
3%
金融収益
14%
15%
金融費用
10%
11%
17
・証券会社の収支状況(2001年3月期)
18