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「食の安全性」と「生物の進化」
☆ ☆ いのちをいただく ☆ ☆
一日東稜大学
2008年11月14日
鹿児島大学農学部獣医学科
獣医公衆衛生学教授
岡本嘉六
生物の多様性と進化
「何処から来て、何処へ行くのか?」
この答えを出すために生きている・・・
カオス(古典ギリシア語:Χάος、英語:Chaos)とは、ギリシア神話
に登場する原初神である。英語の読み方で、ケイオスとも言う。
この世が始まったとき最初に無の空間に誕生した神で、混沌を神
格化したもの。一人でガイア(大地)、タルタロス(奈落)、エロース
(愛)、エレボス(暗黒)、ニュクス(夜)といった神々を生んだ。
宇宙 ⇒ 銀河系 ⇒ 太陽系 ⇒ 地球 ⇒ 日本 ⇒ 熊本 ⇒ そこに生きる自分は?
宇宙
銀河系
この問に答えるため、人類は宗教と科学という二つの手法を
あみ出した。近年の生命科学の進歩は目覚しく、遺伝子を解析
すれば全てが解けるかのような錯覚もあるが・・・。
そもそも、いのちを科学するとは、どういうことか?
地球の誕生: 約46億年前
原始大気と原始海洋の誕生
最初の生命体(原核生物)
35億年前の最古の化石
緑藻類などの真核生物
10億年前
1991年5月普賢岳の噴火
二酸化炭素
CO2
酸素
O2
アオミドロ
原始大気
起源
その後
現在
大量
原始地球から
脱ガス
石灰岩CaCO3
地下有機物(化石燃料)
0.03%
ただし増加中
生物の光合成
縞状鉄鉱などの酸化物
その後は大気中に蓄積
成層圏のオゾンO3層
21%
なし
大気と水に恵まれた地球で生命が誕生し進化してきた
大
気
中
ガ
ス
濃
度
炭酸ガス
CO2
酸素
O2
46
35
地
球
誕
生
原
始
生
物
27
10
5.1
3.7
4.4
2.1
500万年前
人類の出現
ほ乳類の出現
脊椎動物の上陸
陸上植物の出現
脊椎動物の出現
緑藻類などの真核生物
光合成を行うラン藻類(シアノバクテリア)
ミラーの実験 「化学進化」
原始大気と放電でアミノ酸ができる
地球にも寿命があり、
地殻活動などの環境
変化により絶滅した
種もいる。人類は?
ダーウィンの著書 1859年
「種の起源」 進化論
パスツールの実験 1862年
「生物は生物からしか生まれない」
植物界
菌界
動物界
光
合
成
吸
収
消
化
様々な生物が相互に依存しな
がら生態系を形成しており、その
バランスが崩れてきたことが、地
球環境問題の核心である。
生物の系統発生図を念頭にお
き、人間が生きるために必須の
大気、水、食料などに関わる諸
問題を考えることが大切である。
真核生物、多細胞
プロティスタ 真核生物、単細胞
モネラ
原核生物、単細胞
生物の系統発生図
微生物の菌類・細菌類
などが中心。生産者や
消費者の遺体や排出物
の有機物を無機物に分
解し、もとの環境に返す。
菌界
太陽
一次消費者を食べる生物
肉食動物
二次消費者
動物界
分解者
一次消費者
植物界
生産者を直接食べる生物
草食動物
生産者
大地・大気・水
エネルギー(生態)ピラミッド
自分で栄養素を作る
光合成植物
人類の進化
年代
(万年前)
分類
概要
類人猿 2000
猿人
500
原人
130
プロコンスル
類猿人からの分化
ホモ・エレクトス
100
50
40~25
旧人 15~4
ジャワ原人
北京原人
ホモ・サピエンス
ネアンデルタール人
新人
クロマニヨン人
4
発見年/発見場所
1948年/ビクトリア湖ルシンガ島
ミトコンドリアDNAの分析
大脳の発達(850ml)
「言語の発達・火の使用」
石器
1888年/ジャワ島/石器と火の使用
1929年/中国・周口店/石器と火の使用
古代ホモ・サピエンス
1856年/ドイツ・ネアンデル谷/中期旧石
器時代
1868年/フランス/後期旧石器時代
プロコンスル: チンパンジーと人類の共通の祖先
110万年前アフリカを出発した原人は、地球各地に広く生活
の場を求めて広がっていった。
ユーフラテス川沿岸で1万2000年前の定住村落遺跡の発
掘から、150種を超える植物の種子が発見された。9500
年前ころ農耕は西アジア各地に広がった。
約5000年前、世界各地に文明が発生する。
農業以前の古代人は、どのよう
に食料を得ていたか?
現在の食料採集民58民族の調査結果
小学館 「体系 日本の歴史①」より
現在の採集民とは違うだろうが・・・
古代人が食料を得るためのリスク
1. 採集時に人間を餌とする猛獣と遭遇
2. 有毒生物を見分ける
3. 獲物から有害物質を取除く(調理)
試行錯誤の中で、多くの犠牲者が出たこと
だろうが、それを一つずつ解決し、そのことを
伝承することで、安全性を高めていった!
古代人がいなければ、
現在のあなたもいない!
あなたは、古代人の知恵を
持っているか?
縄文時代 (約16,500年前 ~約3,000年前 )の食生活
採取
クリ、ドングリ(ブナ科の実の総称、日本では約20種類)、
クルミ、トチなどの堅果類(けんかるい=堅い皮をもつ果実の仲間)
根菜(こんさい=根っこの部分を食べる野菜)類
ヤマモモなどの果実やエゴマやシソなどの種子
狩り
シカやイノシシなどの大型のほ乳類
タヌキやウサギなどの小型ほ乳類
クリやクルミはそのまま食べられる
鳥類、イルカなどの海性ほ乳類
が、ドングリやトチは渋くて食べられな
い。灰汁抜(あくぬ)きという技法が考
え出された。
浅いくぼみのある大きめの石皿と丸
い磨石でドングリを磨り潰し、固まり易
くするためにイノシシの肉や血、野鳥
の卵などをいれて固めて焼いた=縄
文クッキー
魚とり
鹿児島県上野原縄文の森
縄文時代後期の山ノ中遺跡(鹿児島市西別府町)から出土した土器・ 石皿・石斧等
灰汁抜(あくぬ)き: 安全に食べる人間の知恵
山菜の代表であるワラビは、日本の食生活になじみの深
い植物である。若芽だけでなく根茎からデンプンを採り、ワ
ラビ粉としても利用されてきた。
ところが、牧草が不足している場合に牛がワラビを食べ
ると中毒し、死亡することが知られている。1960年代に全国
の新しく造成された牧野で牛の急性ワラビ中毒の発生し、
その数は1969年頃には年間600頭に達した。
「安全な食料」と「危険な食料」が
あるのではなく、「安全に食べる」知
恵があるかないかが問題。
1983年にワラビから発がん物質プタキロシドが分離され,
この物質がラットの腸や膀胱に腫瘍を作り、子牛に投与する
と急性ワラビ中毒を起こすことが確認された。その他に、モル
モットに出血性膀胱炎を起こすブラキシンC 、馬などの単胃
動物にチアミン(ビタミンB1)欠乏を起こすチアミナーゼという
ビタミン分解酵素も含まれている。
膀胱肉眼所見
(秋田県中央家畜保
健衛生所提供)
日本における食中毒の原因物質
患者数
細菌
化学物質
死者数
自然毒
細菌
化学物質
自然毒
計
11
2
1
4
3
0
11
1
2
1
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4
6
5
3
1
4
7
5
3
6
4
7
15
8
6
7
4
4
18
6
5
7
6
7
0
4.6
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
41,025
10,926
11,471
27,741
32,417
15,753
17,533
16,551
13,078
16,678
9,666
12,964
47
216
216
134
167
112
154
218
299
111
172
93
228
305
524
377
448
327
372
308
433
285
511
355
平均
18,817
162
373
3.2
食品によるノロウイルス感染が増加しているが、ここでは省いた。
7.8
20
:総数
:細菌
:自然毒
化学物質による死亡者はいない
18
16
14
年 12
間
死 10
亡 8
数
6
4
2
0
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
原因物質別にみた食中毒による死者数の推移
25
20
累
積
死 15
亡
者 10
数
飲食店等でフグ料理を提供するには、
通常の調理士免許だけでなく、フグ
調理の免許を必要とする。
5
0
原因食品別にみた食中毒死亡者数
(1996~2002)
40
累 30
積
死
亡 20
者
数
10
自然毒事故は、市販のものではなく、
自分で採ってきたものを家庭で調理
して起きている!
0
食事場所別にみた食中毒死亡者数
(1996~2002)
てっぽう
その毒に「当たる」ことがあることから、昔からさまざまな言い伝え
がある。このため関西では「滅多に当たらないが、当たれば命が危な
い(昔の鉄砲は命中率が悪かった)」という意味で「てっぽう」という。
「てっさ」、「てっちり」という料理名はここから来ている。
がんば
長崎県島原地方でフグを指す方言「がんば」は、「がんば置いてで
ん食わんば(棺桶を置いてでも食べなくちゃ)」の略とされている。
町人出の俳人一茶
フグ食わぬ 奴には見せな 不二の山
出自が侍の芭蕉
あら何ともなや 昨日は過ぎて 河豚汁(フクトシル)
てっさ
(フグ刺し)
トラフグ
クサフグ
コモンフグ
フグ科のほとんどの種類は、内臓や血液に
フグ毒(テトロドトキシン)をもつが・・・
「トラフグ」は最高級品
マフグ
シマフグ
ホシフグ
アカメフグ
科
名
種 類(種 名)
筋肉(骨を含む)
クサフグ
施で日
コモンフグ
行漁本
ヒガンフグ
規獲の
ショウサイフグ 則 さ 沿
マフグ
)れ岸
メフグ
た域
も、
アカメフグ
の日
トラフグ
本
(
カラス
東海
フグ科
京、
シマフグ
都渤
ゴマフグ
ふ海
カナフグ
ぐ、
シロサバフグ
の黄
クロサバフグ
取海
ヨリトフグ
扱及
サンサイフグ
いび
規東
ナシフグ
制シ
イシガキフグ
ハリセンボン科
条ナ
ハリセンボン
海
ヒトヅラハリセンボン 例
ネズミフグ
ハコフグ科
ハコフグ
○: 可食
ー: 不可食
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
皮(ヒレを含む)
精 巣
-
-
-
-
-
-
-
○
○
○
-
○
○
○
○
-
-
○
○
○
○
-
-
-
-
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
-
○
○
○
○
○
○
獲県日
さ越本
れ喜の
た来沿
も湾岸
の及域
をび等
除釜で
く石漁
湾獲
並さ
びれ
にた
宮も
城の
県。
た
雄だ
勝し
湾、
で岩
漁手
に有
基明
づ海
き及
処び
理橘
さ湾
れで
た漁
も獲
のさ
れ
、
長
崎
県
が
定
め
る
要
領
時期による変化(有毒個体数の割合 %)
無卵期(7-11月) 抱卵期(12-4月) 産卵期(5-6月)
トラフグ
卵巣
精巣
肝臓
6
0
9
80
0
44
45
0
38
50
0
18
89
0
54
100
0
62
ショウサイフグ
卵巣
精巣
肝臓
フグの種類、生息地、季節によって
毒の強さが異なり、個体差も大きい。
テトロドトキシンを持つ仲間達
ツムギハゼ
ハナムシロガイ
このように多種の魚介類が同一の毒を
持っているということは、テトロドトキシンを
産生する生物が別におり、それを食べる
ことで毒化したと考えられた。
誰が? 何のために? 毒を作るか?
フグは何故死なないか?
ヒョウモンダコ
スベスベマンジュウガニ
大阪湾にも生息している体長10cmほどの小型のタコで、
興奮すると美しく光る青い斑紋が現われる。手を伸ばして
咬まれると、神経毒のテトロドトキシンを持っており、重症
の場合には死亡することもある。
Vibrio alginolyticus, V.damsela, Staphylococcus
平成20年7月16日
厚生労働省医薬食品局食品安全部監視安全課長
巻き貝(キンシバイ)による食中毒について
天草市内で、巻き貝(キンシバイ)による動物性自然毒(テトロドトキシン)に起因すると思わ
れる食中毒が発生しました。 一般の方々が市場等で手に入れることは、まずないと思われま
すし、巻き貝の毒化は極めてまれな例ではありますが、十分に注意してください。なお、あさり
等の二枚貝については、定期的に毒性の検査を行っており、貝毒は検出されておりません。
テトロドトキシンはフグ毒として知
られているが、実は、細菌が産生する
毒素であり、食物連鎖を通してアカハ
ライモリ、ツムギハゼ、ヒョウモンダ
コ、スベスベマンジュウガニ、トゲモ
ミジガイ等の毒化が知られていた。今
回判明した貝類は?
新たに判明した巻貝類の毒化は、地球温暖化による生態系の
変化を反映するものかも知れない。細菌の増殖は温度、酸素、
栄養素によって左右されるが、海水温の上昇によって細菌の生
息範囲が変化したことによるのかも知れない。
食文化
テトロドトキシンが最も多く含まれる卵巣は、法律で食用と
することが禁じられている。その例外として・・・
河豚の卵巣の糠漬け (石川県の郷土料理)
河豚(フグ)の卵巣には、肝などと同様に致死性の高い毒素テトロ
ドトキシンを多く含んでおり、当然そのままでは食用には向かない。
しかし、石川県白山市の旧美川町地域、金沢市の金石、大野地区
では、その卵巣を1年間塩漬けし、更に2年以上のあいだ糠漬けに
するという大変に時間をかけた製法により、毒素を消失させ珍味と
して販売されている。
糠に含まれるある種の酵素が醗酵する際に毒素を分解するので
はないかという説があるが、正確な理由はまだ明らかにされていな
い。味は濃厚で、御飯の友や酒の肴として重宝されている。
食品衛生法により食用を禁止され、廃棄しなければならない部位
を、このような加工法で食品として製造しているのは、日本全国でこ
の美川、金石、大野地方のみである。なお、河豚の卵巣の糠漬けの
製造は、ふぐ加工に関する資格免許を持つ業者にのみ許されてお
り、出来上がった糠漬けは、石川県予防医学協会による毒性検査
を受け、毒素が消失したことを確認した後に出荷される。
自然毒の脅威との戦いが人類史の一側面
50%致死量
μg/kg mouse
ボツリヌス毒
破傷風毒
ジフテリア毒
パリトキシン
テトロドトキシン
サキシトキシン
産生・保有
0.00003
細菌
0.0001
細菌
文化(Culture;耕す)
0.3
細菌
人間が改良を加えてきた物心両面の成果、
とくに西洋では精神的生活に関わるものを
0.6
イソギンチャク類
「文化」とし、「文明」と区別する。危害を取り
8.7
フグ、ヒョウモンダコ
除いて<安全に食べる>ことが文化であり、
「ナチュラル=非文化」は危険です。
10
二枚貝
ボツリヌス毒の1億倍食べないと死なない
ギンナン中毒:
10,000
青酸カリ 国内で過去約80人の患者が学会報告され、うち約30人が死亡
青酸配糖体:アミグダリン(ウメ、アンズ、モモ)、ドーリン(イネ科)
ファゼオルナチン(アオイマメ)、リナマリン(キャサバ)
青酸配糖体を含む生薬: キョウニン(杏仁)、トウニン、ショウキョウ
閾値がない
化学物質
栄養素
▲
閾値がある
化学物質
▲
健
康
へ
の
悪
影
響
▲
●
●
●
NOAEL
●
無有害作用
濃度
●
●
●
●
●
●
●
化学物質の用量・反応関係
LOAEL
最小有害作用
濃度
用量(摂取量)
全てのものは毒である。毒でないものはない。適正な用量が毒と薬を分ける。パラケルサス
PARACELSUS(1493-1541)
WHO: Hazardous chemicals in human and environmental health - A resource
テトロドトキシンも、癌患者などの鎮痛剤として用いられている。
book for school,
college and university students. 2000
無有害作用濃度
一日摂取許容量(ADI )=
100
健
康
へ
の
悪
影
響
ADI
一日摂取許容量
●
NOAEL
無有害作用
安全係数 不確実係数 濃度 ●
(10倍)
(10倍)
●
●
●
LOAEL
最小有害作用
濃度
用量(摂取量)
閾値がある化学物質の安全基準
一日摂取許容量(ADI )
許容残留量(MRL)
食品A
食品B
食品C
動物の生涯に亘る投与試験から求め
られた一日摂取許容量(ADI)は、ヒト
が生涯に亘って摂取しても健康に影
響しない量である。
食品D
食品E
食品F
当該の有害物質が含まれる全ての食
品について、摂取量を加味しながら、
それぞれの食品について許容残留量
(MRL)が設定される。
実際の残留量
食品A
一過性の超過は健康に影響せず
食品D
食品A
食品D
食品B
食品B
食品E
食品C
食品F
それぞれの食品の実際の残留分析値
はMRLを大幅に下回っている。
分かりやすい安全性の考え方
(リンク)
一日摂取許容量と許容残留量
(リンク)
食品E
食品C
食品F
仮に、特定食品Bの残留値がMRLを超
えても、総体としてはADIの範囲内にある。
しかも、一過性のことであり、一生涯を通
しての摂取を想定したADIであるから、短
期間の暴露は健康に全く影響しない。
食品による健康障害の発生は、食中毒
だけではない。飽食による健康障害の発生
頻度(10万人当り死亡率)は、食中毒をは
るかに上回っており、「安全に食べる」こと
の重要性が指摘されている。
食品の安全性につ
いて過度の不安を持つ
ことは的を得ていない。
楽しく食事をし、適度の
運動をすることがメタボ
を防ぐポイントである。
患者数 堺市学校給食事故以降、食中毒の届出は、それまでの複数
50,000
名から一人のみの発生に変更された。これによって、事故数
は見かけ上増加した。
40,500
事故数 40,000
3,500
30,500
3,000
30,000
2,500
20,500
2,000
20,000
死者数
25
21名
18名
15名
20
1,500
15
1,000
10
500
5
0
0
日本における食中毒の発生状況の推移
死者数
人口
15歳
50歳
70歳
患者数
0
20
40
60
80
100%
食中毒患者数および死者数の年齢別割合
:0~4
:30~39
:5~9
:40~49
:10~14
:50~59
:15~19
:60~69
:20~29
:70~
4
2
0
累
積 12
死
亡 10
者 8
数
6
4
0~4
5~9
:動物性自然毒
:植物性自然毒
:大腸菌
:サルモネラ
:ぶどう球菌
:腸炎ビブリオ
10~14
15~19
20~29
ハイリスク者への特別対策
衛生教育
2
0
30~39
40~49
50~59
60~69
70~
年齢
年齢・死亡原因物質別にみた死亡者数
(1996~2002)
年齢
昭 和 25 年(1950)
85~
80~84
75~79
70~74
65~69
60~64
55~59
50~54
45~49
40~44
35~39
30~34
25~29
20~24
15~19
10~14
5~9
0~4
総人口: 84,114,574
:女性
:男性
600
400
200
平 成 12 年(2000)
0
総人口: 126,925,843
0
200
日本における人口構成の変化
400
600
万人
● 国際的食料事情
新世紀の発展目標に関する報告 2005
国際連合
目標 1:
目標 2:
目標 3:
目標 4 :
目標 5 :
目標 6 :
目標 7 :
目標 8:
極度の貧困と飢餓の克服
一般的な初等教育の達成
男女平等の推進と女性への公的権限の付与
小児死亡率の低減
母体の健康増進
HIV/AIDS, マラリアおよびその他の疾病の克服
環境の持続性を確保
発展のための地球的規模での提携の推進
新世紀の発展目標に関する報告
2005 2005
国際連合
The Millennium
Development Goals Report
United Nations
サハラ以南のアフリカ
南アジア
目標
Goal1.1. 極度の貧困と飢餓の
Eradicate extreme
poverty
克服
& hunger
サハラ以南のアフリカ
南アジア
東南アジア
東アジア
ラテンアメリカとカリブ海沿岸
西アジア
北アフリカ
発展途上地域
2015年の目標
不十分な食事で生活し
ている人口の割合(%)
Global poverty rates are falling, led
世界の貧困率は低下しており、それは
東南アジア
by
Asia. But millions more people
アジアがもたらした。しかし、サハラ以南
have sunk deep into poverty in subのアフリカだけで100万人以上が貧困に
東アジア
Saharan Africa, where
the poor are
体重が足りない5歳以
喘いでおり、しかも貧困が更なる貧困を
getting poorer. 下の子供の割合(%)
西アジア
生んでいる。
Progress has been made against
飢餓対策は進展してきたが、農業生産
hunger,
but slow growth of agricultural
北アフリカ
output
and expanding populations
高の成長が遅く、ある地域では増大する
have led to setbacks in some regions.
人口が後戻りさせている。1990年以降、
ラテンアメリカとカリブ海沿岸
Since 1990, millions more people are
サハラ以南のアフリカと南アジアにおい
chronically hungry in sub-Saharan
て数100万人が恒常的な飢餓状態にあ
発展途上地域
Africa
and in Southern Asia, where
り、それらの地域では5歳以下の子供達
half the children under age 5 are
の半数が栄養失調に陥っている。
malnourished.
Dietary
Energy Consumption (2000
(2000 -- 2002)
2002)
1日当りカロリー摂取量
サハラ以南のアフリカにおける栄養不足人口(100万人)
1969-71 1979-81
92.8
127.0
1990-92
169.0
1995-97 2001-3
196.6
206.2
穀類
インド
砂糖類
中国
芋・豆・野菜
エジプト
肉類
日本
卵類
乳製品
イギリス
魚介類
ドイツ
その他
フランス
米国
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
1人1日当たりKcal
カロリー供給量の食品別割合の比較 (2002年)
(総務省統計局)
食品1kgを生産するた
めに必要な穀物量
(農水省試算)
牛肉
11 kg
豚肉
7 kg
鶏肉
4 kg
鶏卵
3 kg
大豆油
5 kg
菜種油
2 kg
食肉については、可食部の
生産に必要なとうもろこし量。
油については、各原料の量。
飼料要求率=
飼料摂取量
増体量
鶏肉の飼料要求率=約2
100
90
80
70
60
億 50
人 40
30
20
10
0
世界
発展途上国
先進国
世界人口の推移と予測
(総務省統計局)
食事内容が改善され、動物性蛋白や油脂の摂取
量が増えると、そのまま食べる穀物量は相対的に
少なくなる。かつては穀物輸出国であった中国が
輸入国に転じた理由は、経済的発展による食事内
容の改善であった(日本も同様)。
世界の石油換算エネルギー消費量
折れ線グラフ(100万バーレル/日)
80
一人当たり消費量
棒グラフ(1000キロカロリー/日)
250
100
技
術
人
地球環境問題
200
75
60
輸送
50
150
100
50
人口
(億人)
原
始
人
狩
猟
人
高
度
農
業
人
初
期
農
業
人
産
業
人
50
農業・工業
20
25
家庭・商業
食料
0
0
紀
元
人類のエネルギー消費量の推移
0
世界保健機関憲章
(World Health Organization、WHO)
この憲章の当事国は、国際連合憲章に従い、次の諸原則がすべ
ての人民の幸福と円満な関係と安全の基礎であることを宣言する。
健康とは、完全な肉体的、精神的及び社会福祉の状態であり、
単に疾病又は病弱の存在しないことではない。
到達しうる最高基準の健康を享有することは、人種、宗教、政治
的信念又は経済的もしくは社会条件の差別なしに万人の有する基
本的権利の一つである。
すべての人民の健康は、平和と安全を達成する基礎であり、個
人と国家の完全な協力に依存する。
ある国が健康の増進と保護を達成することは、すべての国に対
して価値を有する。
健康の増進と疾病特に伝染病の抑制が諸国間において不均等
に達成することは、共通の危険である。
児童の健全な発育は、基本的重要性を有し、変化する全般的環
境の中で調和して生活する能力は、このような発育に欠くことができ
ないものである。
科学と宗教は
世界観
車の両輪
仏教
仏陀釈迦牟尼の教え
キリスト教
イエスの教え
自然科学
宗教
生物学、医学、農学、工学、・・・
社会科学
イスラム教
科学
マホメットの教え
法学、経済学、・・・
人文科学
現実によって動く心の世界の解明と導き
歴史、心理学、文学、・・・
2000年変わらぬ世界
現実にある事象の解析と解決方法の提示
日進月歩の世界
生命観
新興感染症:
生物の進化は現在も進行中
時間がもっとあれば、これについても話したいのですが・・・・
とりあえず、スライドだけ用意しておきます。
リスクは?
現在、ヒトインフルエンザで、
何人死亡しているか、知ってい
ますか?
リスクは、総体的に評価する
ものであって、個々の健康危
害要因を「危険か 安全か」と
いう二者択一の物差しで計る
ものではない。
現段階で、鳥インフルエンザ
がヒトの健康に及ぼす影響は、
ヒトインフルエンザに比べて
微々たるものである。
ニワトリが大量死することで、
食料が減ることの影響が大き
い。
WHOによるH5N1感染確定症例数 (2007年10月2日)
2003
2004
2005
2006
2007
合計
アゼルバイジャン
0
0
0
0
0
0
8
5
0
0
8
5
カンボジア
0
0
0
0
4
4
2
2
1
1
7
7
中国
1
1
0
0
8
5
13
8
3
2
25
16
ジブチ
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
1
0
エジプト
0
0
0
0
0
0
18
10
20
5
38
15
インドネシア
0
0
0
0 20
13
55
45
32 28 107
86
イラク
0
0
0
0
0
0
3
2
0
0
3
2
ラオス人民主共和国
0
0
0
0
0
0
0
0
2
2
2
2
ナイジェリア
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
1
1
タイ
0
0
17
12
5
2
3
3
0
0
25
17
トルコ
0
0
0
0
0
0
12
4
0
0
12
4
ベトナム
3
3
29
20 61
19
0
0
7
4 100
46
合 計
4
4
46
32 98
43
115
79
確定症例数、死亡例数、致命率=61% (201/329)
66 43 329 201
WHO HPより
インドネシアは、当初の流行国 ベトナムを上回る
100
患
者
数
(
人
)
・
致
命
率
(
%
)
80
60
40
20
0
患者数
:2003
:2004
致命率
:2005
:2006
:2007
:計
1890
H2N8
1900
H3N8
世界での発病者5億人、死亡者2000万人以上
日本での発病者2400万人、死亡者40万人
1910
1920
1930
H1N1
1940
1918:スペイン風邪
1930:豚からウイルス分離
1933:ヒトからウイルス分離
両ウイルスともH1N1:
豚から感染した
1950
1957:アジア風邪
1960
H2N2
1970
1980
H3N2
H1N1
1968:香港風邪
1977:ソ連風邪
船が主な交通機関であった時代
に、僅か7ヶ月で世界中に広がっ
た。
大型ジェット機時代なら・・・
1990
2000
2010
1997:香港で鳥インフルエンザH5N1がヒトに感染
H9N2(香港2名1999)、H7N2(米国1名2002)、H7N7(オランダ89名
2003)、H7N2(米国1名2003)、 H9N2(香港1名2003)、H7N3(カナ
ダ2名2004)、 H10N7(エジプト3名2004)
世界流行
新型ウイルスが人に感
染するようになった
5
界
5:かなりの
「人―人感染」
が発生してい
る証拠がある
世
動物の新型ウイル
スはみられるが、
人の感染例はない
6
流
行
4
へ
人への感染
リスクは低い
世
1
界
の
4:「人―人感
染」が増加してい
る証拠がある
警
戒
3
体
3:「人―人感染」がな
いかまたは極めてまれ
流
人への感染
リスクが高い
行
2
制
間
期
インフルエンザ時計
期
1回り20年?
(”Current WHO phase of pandemic alert”を改編)
:鳥インフルエンザ・ウイルス
:豚と人間に共通の
インフルエンザ・ウイルス
呼経
吸口
器感
感染
染
呼吸器感染
:新型の汎流行ウイルス
1.豚が同時感染して
新型誕生
2.人間が同時感染して
新型誕生
呼吸器感染
呼吸器感染
第3段階における戦略
1.鶏におけるH5N1流行の制圧
発展途上国への資材と技術の支援
2.既存のインフルエンザ・ワクチン
の接種拡大
ヒト体内での新型ウイルス誕生防止
3.汎流行株ワクチンの開発
先進国の責任
4.ワクチン生産体制の確立
発展途上国における工場建設
=先進国の支援
鶏の発生とヒトの感染
5.隔離病院の建設
先進国の支援
第4段階における戦略
1.ヒトーヒト感染ウイルスの封じ込め
発生地域周辺への汎流行株ワクチン接種
2.汎流行株ワクチンの改良
新たなH5N1ウイルスを基に汎流行株の
予測を修正
汎流行株ワクチン
接種地帯
ヒトーヒト感染
発生地
第4段階のH5N1は、まだ世界
流行するほどの感染力を持っ
ていない。さらに変異して汎流
行株へと進化するのを止める
ことが最大の目標。
包囲網が破られた場合
●
●
●
●
発生地域周辺への汎流行株ワクチンが不足
汎流行株ワクチンの効力が低かった
治安の悪化により、潜伏期患者が接種地帯の外に出た
支援者が感染して接種地帯の外に持ち出した
汎流行株ワクチン
接種地帯
ヒトーヒト感染
発生地
こうした事態が起き
ないように、先進国
の万全の支援が待
たれている!
第5段階における戦略
1.ヒトーヒト感染ウイルスの封じ込め
2.汎流行株ワクチンの改良
3.非汚染国における
侵入防止策の強化
この段階では、まだ、
非汚染国で汎流行ワ
クチンを接種する必
要はない。支援に出
向くヒトのみ。
第6段階(世界流行)における戦略
全てのヒトに汎流行株ワクチンを接種
こうした事態が起きないように、今、総力を挙
げて発展途上国を支援する必要がある!