研究背景 - 国立情報学研究所

Download Report

Transcript 研究背景 - 国立情報学研究所

コミュニティ・ツールを支える
技術と標準化動向・課題
国立情報学研究所(NII)
実証研究センター 助手
大向 一輝
概要
 コミュニティ・ツールの歴史
 コミュニティ・ツールの最新動向
 メタデータの標準化
 ソーシャルネットワークの応用事例
 コミュニティ・ツールのこれから
 まとめ
背景
Webが担う役割の変化
 第1期「Information Web」(1989 〜 )
 巨大な辞書(Global Brain)・情報の集積所
 情報交換の手段としてのコミュニケーション
 NetNews・掲示板(BBS)
 主要なテクノロジー
 検索エンジン
 「いかにしてよい情報を発見するか」が重要
 リンク構造解析・自然言語処理
背景
Webが担う役割の変化
 第2期(2002 〜 )
 コミュニケーションの基盤としてのWeb
 ユーザの増加・コモディティ化
 現実世界のコミュニケーションを補完
 会話・議論
 コラボレーション
 「個人」のいるWeb
 アイデンティティの表出・記名性
 読み手・書き手・編集者を兼ねる
コミュニティ・ツール
ユーザ間のコミュニケーションが行われる「場」
 NetNews・BBS・ML・フォーラム…
 管理者(シスオペ)- 参加者モデル
 コンテンツ管理は管理者が行う
 クローズド / コントローラブルな環境
 ユーザは興味に合った場を探して参加する
 複数の場をまたぐアイデンティティの保証はない
 匿名掲示板
コミュニティ・ツール
個人ごとに細分化された「場」
 ブログ・ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)
 管理者 - 管理者モデル
 ユーザは自分の持ち場の中で活動する
 持ち場=アイデンティティ表出の舞台
 全てのコンテンツは書き手の管理下に
 リンクによるコミュニケーション
ブログ
 Web Log → We Blog?
 定義には諸説あり → 現在は「ブログはブログ」
 アメリカでの発展
 9.11をきっかけとした個人間コミュニケーションの活発化(War
Blog)
 草の根ジャーナリズムとしての発展
 意見・コンテンツを配信する手段
 ハワード・ディーンの事例
 日本での発展
 「Web日記」からのなだらかな移行
 自分・生活というコンテンツ
 眞鍋かをりの事例
 現在は両者がクロスオーバー
 自己表現の多様化
ブログの例
SNS
 実名ベースのコミュニティサイト
 詳細なプロフィール
 知人同士の相互リンク・友人リスト作成
 出会い系?
 海外での発展
 Friendster(アメリカ):1700万人
 Orkut by Google(アメリカ):800万人
 CyWorld(韓国):1300万人 ※人口4600万人
 日本での発展
 mixi・gree
SNSの例:mixi
ブログ・SNSの発展
 ブログ
 利用者数:335万 [総務省05]
 アクティブユーザ数:110万+α [BlogFAN05.09]
 閲覧者数:1,651万
 SNS
 利用者数:164万 [mixi]
 1日1万人ペースの増加
[森05]
コミュニティ・ツールを支える技術
Webアプリケーションによるコンテンツ作成
 ブログツール
 テキスト入力 → HTMLに自動変換
 メタデータ生成(後述)
 コンテンツマネジメント
 コメント・トラックバック
 SNS
 リンク作成
 メッセージング
 コミュニティ
コミュニティ・ツールを支える技術
メタデータによるWeb情報のゆるやかな構造化・組織化
 RSS・Atom
 XMLで記述されたサイトの概要
 タイトル・更新日時・本文…
 ブログツールによる自動生成
 ニュース・企業サイトへの導入
 サイトごとに異なるデザインとコンテンツを分離
 複数のサイトのコンテンツを一括処理
 アグリゲーション
 記事のまとめ読み・検索
 擬似プッシュ配信
 フルコースからアラカルトへ
RSSリーダー
コミュニティ・ツールの現在
共有対象となるコンテンツの多様化
 ソーシャルブックマーク(SBM):ブックマーク共有
 人の見ているものを見る
 人気コンテンツの推薦
 写真共有サービス
 キーワードを付加してアップロード
 キーワード検索
例:sunset
 音楽の再生履歴共有
 タイトル・アーティスト・アルバム情報から趣向の共
通性を計算し,推薦
写真共有サービス:flickr
コミュニティ・ツールの現在
Webアプリケーションの組み合わせ
 例:地図サービス
 位置情報つきコンテンツを貼り付け可能
 GPS携帯カメラ+ブログ+地図サービス=?
 レストラン情報+検索エンジン+地図サービス=?
 インフラとしてのメタデータとWebサービス
 メタデータ:データフォーマットの統一
 Webサービス:入出力の統一
 アイデア次第で新たなWebアプリを生み出せる環境
 Web 2.0
はてなマップ
メタデータとアプリケーション
コンテンツの自動処理
 例:日本中のブログから特定の本の評判を知りたい
 必要なメタデータの語彙
 本のタイトル・著者・出版社・ISBN
 評価(レイティング)・コメント
 サイトのURL・更新時間
 必要なシステム
 メタデータの入力インターフェイス
 メタデータ対応の検索エンジン
 セマンティックWeb
 語彙体系の整備と自動処理
Dublin Core
hReview
RSS
メタデータ
コンテキストの取得
 例:おもしろい記事の著者にお金を払いたい(投げ銭)
 必要なメタデータの語彙
 ページの基本情報
 ページと著者の関係・プロフィール
 投げ銭サービスのURL
 必要なシステム
 ページからのメタデータ抽出プログラム
 投げ銭サービス
 SNSへの応用可能性
RSS
FOAF
account
Open SNS
ブログ・WebアプリをSNSで結びつける試み
 表現の自由度と情報コントロールの自由度を両立させたい
 Affelio:分散SNS(CMU)
 各個人のマイページを別のWebサーバに格納
 imeem!:クライアント型P2P SNS
 デスクトップアプリケーションでSNS
 Roligan:詳細な情報のコントロール(東大)
 社会的関係を用いてアクセスコントロールの制御
 RNA Alliance:RSSリーダー+SNS(NII)
 RSSリーダーをFOAFで接続し,サイト・コンテン
ツを推薦
ドメイン指向SNS
特定分野に対象を絞ったSNS
 Club Nexus:大学内コミュニティ(Stanford)
 LinkedIn:ジョブマッチング
 Polyphonet Conference:学会支援(産総研・NII・東大)
 SNSを用いた聴講スケジュールの作成・共有サービス
 ネットワーク構造に注目した論文推薦
 Webから抽出した参加者間ネットワークの可視化
 関係の自動ラベリング
 人工知能学会全国大会・Ubicomp05での運用
Polyphonet Conference
Polyphonet Conference
コミュニティ・ツールのこれから
3rd Mediaとしてのコミュニティ・ツール
 情報の流通経路として
 Web・メール・RSS
 コミュニケーションの手段として
 携帯・メール・SNS
コミュニケーションポータル化するコミュニティ・ツール
 RSS+SNS+GPS+…
 実世界・実社会との一体化
 Real World Wide Web!
コミュニティ・ツールの課題
 バベルの塔問題
 メタデータの維持管理
 相互運用性をどのように確保していくか
 例:RSS広告
 日本発のメタデータをどのように作っていくか
 多重人格問題
 SNSにおける複数のコミュニティの取り扱い
 個々のコミュニティに対し,それぞれ別の顔で向き合いたい
 多重SNS問題
 ドメイン指向SNSが増加するにつれアイデンティティと人間関係
が散逸していく
 分散SNS基盤の利用?
まとめ
 Real World Wide Webのためのコミュニケーション基盤
 メタデータ
 RSS・FOAFからセマンティックWebへ
 ソーシャルネットワーク
 さまざまなコンテキストで生み出されるネットワー
クの統合・維持管理
 最新の資料の入手先
 http://research.nii.ac.jp/~i2k/
 または検索エンジンで「大向一輝」