MPPC tests for ILC

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リニアコライダー用カロリメータの
読み出しに用いるマルチピクセル光検出器
MPPCの開発研究
200310339 須藤 裕司
2007.2.9
ILC計画
(International Linear Collider)
重心系1TeV e- e+ 衝突型線形加速器
Motivation
• Higgs粒子の発見・精密測定
• top quarkの精密測定
• 超対称性粒子のような標準理論を
超える物理の探索
ILC カロリメータ
• シンチレータとタングステンの
サンプリング型カロリメータ
• Z,W粒子を2ジェットで再構成した質
量により区別するための、高いエネ
ルギー分解能が必要
• Particle Flow Algorithm (PFA)
を用いる
• ストリップシンチレータを交差するよう
積層し、細分化
• 膨大なチャンネル数 (~1千万ch)
• ~3Tの磁場中で使用
電磁カロリメータ
吸収体:W
吸収体W
2mm
光検出器
波長変換
ファイバー
シンチレータ
• PMTに代わる小型・安価・磁場に強
い光検出器が必要
10mm
40mm
Multi-Pixel Photon Counter (MPPC)
~ シリコン半導体光検出器
~ 1 mm
25 mm
Depletion
region
~ 1 mm
Substrate
Si Resistor
Guard ring n+
p+n+
Bias voltage (70~80 V)
Al conductor
p-
substrate p+
MPPCの信号波形
p.e. : photoelectron
1 p.e.
2 p.e.
ILC カロリメータにおける
MPPCへの要求
•
•
•
•
•
増倍率 ~ 少なくとも105
ノイズ発生率 < 1MHz (閾値=0.5 p.e.)
ピクセル間のCross-talkが少ないこと
光子検出効率 ~ 30 %
バイアス電圧、温度の変化に対する安定性
Dynamic range ~ 1000 p.e.まで応答が線形
センサーの性能の均一性
長期安定性
放射線耐性
1600-pixel MPPC
測定した小型プラスチックパッケージのMPPC
1.3mm
4mm
1mm
1mm
3mm
1mm
1mm
受光面
パッケージ正面
横面
共同開発研究:
筑波大学、浜松ホトニクス、KEK光センサーグループ、他
増倍率(Gain)
d
S : ADCの分解能
= 0.25 pC/ADCcount
A : Amp gain = 63
e : 素電荷 = 1.6 x10-19 C
S d
Gain 
A e
C
Gain  (VBias  Vo )
e
C : pixel容量
V0: ガイガーモード開始電圧
• Gainは105 ~ 106 あり要求をみたしている
•Vbias ~77V のとき温度による増倍率の変化は ~2 %/℃
V0 の温度依存性
DV0/DT = (56.0 ± 0.10) mV/oC
C
Gain  (VBias  Vo )
e
C : pixel容量
V0: ガイガーモード開始電圧
• V0 は温度に対して線形に変化
 DV = VBias – V0(T) に対して
MPPCの特性を評価
ノイズ発生率
ノイズ : 熱により発生した電子・正孔対の増幅による信号
0.5 p.e.
Threshold
0.5 p.e.
Threshold
ノイズ発生率
•
•
•
•
•
•
•
30 oC
25 oC
20 oC
15 oC
10 oC
0 oC
-20 oC
Threshold
0.5 p.e.
• 温度、DV( = Vbias – V0)が低いほどノイズ発生率は低い
• 1MHz以下の要求を満たしている
Cross-talk
• Cross-talk :
電子雪崩から生成された
光子が隣のピクセルで
新たに電子雪崩を起こす現象
• 検出器中でノイズは一様に
発生するため、ノイズ発生確率は
ポアッソン統計に従う
-n e-μ
μ
Pn(μ) =
n!
•ノイズ信号の平均値は
~0.03p.e.相当であった
•ポアッソン統計による2p.e.相当の
ノイズ信号の発生確率は ~10-4
Obs >> Pn(μ)
• ノイズのうち、
1.5p.e.の閾値を超える信号の
ほとんどはCross-talkによる
Cross-talk
•
•
•
•
•
•
•
30 oC
25 oC
20 oC
15 oC
10 oC
0 oC
-20 oC
• Cross-talk率は温度にほとんど依存しない
• ILCの要求を満たしている
光子検出効率 (P.D.E.)
~ 1光子の入射に対してそれを検出する確率
MPPCの光子検出効率は、光電子増倍管との応答比から求めた.
μMPPC
P.D.E. MPPC =
μPMT
Pedestal
P.D.E.PMT
MPPC
P.D.E.PMT = ( 量子効率 ) × ( 集収効率 )
≈ 17 ( % )
MPPC
WLSF :λ~ 500 nm
LED
PMT
0.5 mm 径 ピンホール
Pedestal
PMT
光子検出効率
~6.3%
• 最大~23%
• 6.3%の不確かさは光電子増倍管の
光子検出効率の見積もりから来ている
まとめ
• ILCカロリメータで光信号の読み出しに用いる
MPPCの性能評価を行った
• 増倍率、ノイズ発生率、クロストーク率は
ILCの要求を満たしている
• 光子検出効率は要求に近い値である
• 性能は温度に依存し、増倍率の不確かさを~2%
に抑えるためには±1℃の温度管理が必要
• 応答線形性、磁場や放射線の影響の評価も含
め、今後も開発研究を進める
Back-up
Particle Flow Algorithm (PFA)
• ILCでは、ジェットのエネルギーを精度良く測定
することが重要。
PFAはそのための重要な方法。
• ジェットを構成する粒子
– 荷電粒子(K±,p±等) .. 65%
– 光子(g)
… 25%
– 中性ハドロン(KL0) … 10%
• PFA … ジェット中の粒子に対して、
– 荷電粒子は飛跡検出器で運動量を測定
(カロリメータより精度がいいから)
– 光子と中性ハドロン粒子は
カロリメータでエネルギーを測定
(飛跡検出器で測定できないので)
• そのためには、カロリメータ内で粒子を区別で
きなくてはならない。
⇒非常に細かく分割されたカロリメータが必要。
ee  Z0H  qq, s  500 GeV
増倍率測定のSet-up
MPPC読み出し回路
ノイズ発生率測定のSet-up
光子検出効率測定のSet-up
光の広がり
広がりは0.55mm径
Y-11の発光・吸収波長とその強度
光電子増倍管の量子効率
光電子増倍管のQ.Eの期待値
■
MPPC仕様(1mm□)
1600
HAMAMATSU
400
100
浜松ホトニクスによるP.D.Eの測定結果
※λ=400nm, including the cross-talk and after pulse
1600-pixel MPPC
• 2006年10月のsample
• 小型プラスチックパッケージ
4 mm
1.3mm
1mm
3mm
3 mm
4mm
1 x mm
1mm
受光面
パッケージ正面
横面
共同開発研究:
浜松ホトニクス、KEK光センサーグループ、筑波大学、他