Sega - KEK 測定器開発室

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Transcript Sega - KEK 測定器開発室

SOI 技術を用いた pixel 検出器の開発
(放射線損傷試験)
2008/09/23 日本物理学会
筑波大学 瀬賀智子
他 SOI グループ
SOI pixel 検出器
 照射サンプル(TOPPIXN)
 照射結果
 Leak current
 Reset 応答
 Laser 応答
 Hot Spot 撮影
 Summary&Plans

SOI ピクセル検出器
エレキ部(低比抵抗)
0.15μmプロセス
Si:40nm厚
BOX:200nm厚
センサー部(高比抵抗)
350μm厚

埋め込み酸化膜(BOX)で回路部分と基板を分離

低寄生容量
完全分離構造
はり合わせ型SOI

機械接続不要


高速動作、低消費電力
latch up を抑制
センサー部とエレキ部それぞれに適した
抵抗のSiが選択可能
小面積、低物質量化、組立の簡素化
放射線によるSOIデバイスへの影響

シリコンへの影響
バルク部(Cz法)の不純物濃度の変化
FZ法では 1014 1-MeV neq/cm2 以下で、N型半導体⇒P型半導体へと反転

酸化膜への影響
Total Ionizing Dose(TID)効果
酸化膜に正の電荷が帯電し、
トランジスタの閾値が変動
gate
++++
source
drain
body
+ + + + BOX + + + +
Si-substrate
→陽子線照射実験により評価
東北大学サイクロトロンにて、TOPPIXNに70MeVの陽子線を
照射(2008年3月)
15 1-MeV n /cm2 ← sLHCでのSCT最内層
 1.4x10
eq
16 1-MeV n /cm2 ← sLHCでのpixel層
 1.3x10
eq
TOPPIXN(32x32 ピクセル検出器)
行と列のアドレスを指定し、
32x32ピクセルの信号を読む
RESET電圧を変えて(0~1V)
テストパルスにする
電圧(Vrst,Vdet)設定、オシロスコープ
と電流計の読み出しは自動化した
アナログ
OUT
TOPPIXN
断面図
Vdet
N+
HV
ring
pixel
P+
Box
Bias ring
N
Al
Pixel (1024ch)
HV リング
Bias リング
I/O
Vdet
Leak current
pixel
Box
HV
ring
アニーリング:60℃40分
N+
P+
Bias
ring
N
Al
1x1016
1.50E-04
1.50E-04
1.00E-04
1.00E-04
5.00E-05
5.00E-05
0.00E+00
-50
0
50
100
150
200
250
Leakage[A]
Leakage[A]
1x1015
0.00E+00
-50
0
50
100
150
200
250
-5.00E-05
-5.00E-05
preirrad
1x1015
-1.00E-04
preirrad
1x1016
-1.00E-04
-1.50E-04
-1.50E-04
Vdet[V]
Vdet[V]
ダイオード特性は1x1016 照射後も見られる
 照射後、Leak current は増加する

chip4 preirrad
Reset 応答
0.6
aout
[V]
Aout
0.55
Reset 信号をテストパルスとして、
エレキ部の応答をみる
Vdet
preirrad
0
2
4
6
8
10
12
14
16
18
0.5
0.45
1x1015 照射後は、動作領域が変化
 1x1016 照射後は、応答がみられない
(トランジスタの閾値変化のため)
0.4

0.35
0.3
0
0.2
0.4
0.6
Vrst [V]
0.8
1
Vrst
chip4 1E15anl
chip5 1E16anl
0.6
0.6
1x1015
1x1016
0
0.55
0.35
2
4
0.5
6
8
0.45
10
12
0.4
14
16
18
0.35
0.3
0.3
Vbias
Vdet
0
2
4
6
10
12
14
16
18
aout [V]
Aout
aout[V]
Aout
0.55
0.5
0.45
0.4
0
0.2
0.4
0.6
VrstVrst[V]
0.8
1
0
0.2
0.4
0.6
Vrst
Vrst[V]
0.8
1
γ線照射によるトランジスタの閾値変化
(2007年12月)
NMOS
PMOS
ΔVT=VT(照射後)-VT(照射前)
Laser 応答
未照射
Ch n-1
Laserの波長:650nm
エレキ部が動作している1x1015照射後
チップと未照射チップについて測定
Vdet=2V
Ch n
Ch n+1
1x1015
Vdet=2V
Laser on
Laser off
Reset
1x1015 照射後でも Laser 応答がみられる
64point/1ch
1μs/point
Leak current
発生の原因
未照射
1.20E-04
Vdet
Vback
Vdet+Vback
1.00E-04
Leakage[A]
8.00E-05
pixel
Vdet
Vback
HV
ring
N+
P+
Bias
ring
6.00E-05
4.00E-05
Box
2.00E-05
N
0.00E+00
-2.00E-05
Al
0
50
100
1x1015
③
Leakage[A]
Leakage[A]
8.00E-05
6.00E-05
②
4.00E-05
①
2.00E-05
preirrad(Vdet)
Vdet
Vback
Vdet+Vback
1.00E-04
preirrad
8.00E-05
Vdet
6.00E-05
⑥
Vback
⑤
4.00E-05
Vback+
2.00E-05
Vdet
④
0.00E+00
0.00E+00
0
50
100
150
200
0
250
50
100
150
-2.00E-05
-2.00E-05
Vbias[V]
V [V]
250
1x1016
1.20E-04
preirrad(Vdet)
Vdet
Vback
Vdet+Vback
1.00E-04
200
V [V]
Vbias[V]
chip5 1E16
chip4 1E15
1.20E-04
150
V [V]
Vbias[V]
200
250
Hot Spot の撮影
Vdet
pixel
(1x1015)
局所的に電場の集中する場所でマイクロ放電が起こる。 Vback
チップを赤外線カメラで観測し、
マイクロ放電が起こっている場所の特定を行った。
Box
HV
ring
N+
P+
Bias
ring
N
Al
chip4 15
1E15
1x10
1.20E-04
preirrad(Vdet)
Vdet
Vback
Vdet+Vback
1.00E-04
③
Bias
Leakage[A]
8.00E-05
6.00E-05
②
Bias,HV
4.00E-05
preirrad
Vdet
Vback
Vback+
Vdet
①
Bias
2.00E-05
①Vdet=150V、I=38uA、t=120sec
②Vdet=210V、I=72uA、t=120sec
③Vback=120V、I=80uA、t=120sec
0.00E+00
0
50
100
150
200
250
-2.00E-05
V [V]
Vbias[V]
Bias リング(P+/バルク)周辺から Hot Spot
バルク(表面のみ?)は
反転(N→P)していない
Biasリングの角、HVリングにHotSpot
Biasリングの角にHotSpot
Hot Spot の撮影(1x1016)Vback
Vdet
Box
HV
ring
1x10
preirrad(Vdet)
Vdet
Vback
Vdet+Vback
1.00E-04
Leakage[A]
8.00E-05
6.00E-05
なし⑥
N+
P+
Bias
ring
N
Al
chip5 1E16
16
1.20E-04
pixel
④Vdet=100V、I=14uA、t=120sec
⑤Vdet=170V、I=49uA、t=120sec
⑥Vback=100V、I=51uA、t=120sec
⑤ HV
4.00E-05
2.00E-05
④ なし
0.00E+00
0
50
100
150
200
250
-2.00E-05
Vbias[V]
V [V]
Bias リング(P+/バルク)から Hot Spot なし
バルク(表面)は
反転(N→P)している可能性がある
HVリング上にHotSpot
Hot
Spot はみられない
Summary&Plans



SOI 技術を用いて、読み出し回路を一体化したPixel検出器を開発中である。
放射線耐性試験として陽子線照射実験を行った。
TOPPIXNは、陽子線照射により回路動作範囲が変動する(トランジスタの閾値
変化のため)。
 1.4x1015 neq/cm2 照射後は、動作範囲が狭くなるが、レーザーによる応答
がみられた。
 1.3x1016 neq/cm2 照射後では動作しないことをテストパルスにより確認した。
Hot Spot の撮影により、 暗電流発生箇所を特定した。
1.38x1015 neq/cm2 照射後はバルク反転していないように見え、
1.26x1016 neq/cm2 照射後はバルク表面付近については反転(N→P) している
ように見えた。
今後の予定

トランジスタの閾値変化を Back Gate 効果により低減させることのできる P型
バルクを用いた pixel 検出器など、放射線の影響を受けにくい検出器の開発を
行う。
Back Up
Super LHC実験ATLAS検出器での放射線量
ピクセル領域(R=5cm)では、1x1016neq/cm2
シリコンマイクロストリップ検出器領域では、1x1015neq/cm2
電圧をあげていく
N+
P+
HV ring
高電場によって加速された電子が、
物質原子に衝突して、電子をたたき出す
→なだれ増幅
PN接合
観測
γ
e
原子
γ
e
e
e
N+
P+
HV ring
このとき発生するエネルギーの高い
光子を赤外線カメラで撮影
電場集中
特にRing角は電場が集
中するため、なだれ増幅
がおきやすい
HV Ring
N+
P+
HV ring
雪崩増幅
Bias Ring
Wafer 製造法
① CZ法
多結晶Si をるつぼに入れて溶かし不純物を添加する。
ピアノ線で吊るしたシード(種結晶)をSi融液に接触させ、
シードを回転させながら徐々に引き上げていくと、シードに従って単結晶が成長する。
利点:大口径化が可能
欠点:酸素が混入
② FZ法
棒状の多結晶Siを吊るし、高周波
コイルで加熱して部分的に帯状に
溶かす。Si融液部分に小さなシード
を接触させてから、帯状の溶解部分
を上方に移動させ、全体を徐々に
単結晶化させる。
利点:酸素含有量が少ない
欠点:大口径化が困難
① CZ法
② FZ法
TOPPIXN
preirrad
0.7
Reset 応答(1E15)
Vrst
AOUT_Vrst[V]
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
5
1E15
0.6
AOUT_Vrst[V]
AOUT_Vrst[V]
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
5
10
Vbias[V]
15
20
0.6
0
0.5
0.1
0.2
0.4
0.3
0.3
0.4
0.5
0.2
0.6
0.7
0.1
0.8
0
0.9
1 0
10
Vbias[V]
15
20
1E15anl
5
10
Vbias[V]
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
Vrst
15
20
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
preirrad
0.7
Reset 応答(1E16)
Vrst
AOUT_Vrst[V]
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
5
1E16
AOUT_Vrst[V]
AOUT_Vrst[V]
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
5
10
Vbias[V]
15
20
1E16anl
0.6
0
10
Vbias[V]
15
20
0.6
0
0.5
0.1
0.2
0.4
0.3
0.3
0.4
0.5
0.2
0.6
0.7
0.1
0.8
0
0.9
1 0
5
10
Vbias[V]
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
Vrst
15
20
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
1
トランジスタの閾値変化(陽子線とγ線照射との比較)
NMOS
PMOS
(陽子線照射:2007年8月)
Laser 応答
未照射
Ch n-1
Laserの波長:650nm
エレキ部が動作している1x1015照射後
チップと未照射チップについて測定
Vdet=6V
Ch n
Ch n+1
1x1015
Vdet=1V
Laser on
Laser off
Reset
1x1015 照射後でも Laser 応答がみられる
64point/1ch
1μs/point