物理学(電磁気学)

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Transcript 物理学(電磁気学)

第7回 物質と静電場
•

•

学生からの意見(その1)
クイズ形式の講義って北海道の大学で実践している
と聞いています. この形式はとても良いと思いました.
寝そうになっていても自分で考える姿勢ができるため,
参加意識が高まりそうです.
学生からの意見(その2)
物理は文字が多いから嫌い. もっと数字を使って解き
たい.

床から高さh[m]の高さから小球が床まで落下したとき, 力学的
エネルギーが保存していることを, 自由落下の等速直線運動
の式を用いて示せ.
h
v
y
h
0
小球が地面に到達するときの時間をt2とすると,
y=0より,
.
これよりt2での小球の速度は,
となる. これより,
よって,
が示せた.






電位(単位:V).
+1Cの電荷がもつ電気力による位置エネルギー.
無限遠点を電位の基準点に取ると:
電場は電位の微分に(-1)をかけたものに等しい.
電位⇔山の高さ, 電場の大きさ⇔山の勾配
等電位面:電位の等しい点の集まり
導体
電気を伝える
例:金属, 電解質溶液など
 抵抗率(κ-1[Ωm])が小さい
鉄 1.0×10-7
銅 1.7×10-8
銀 1.6×10-8
 キャリアをもつ
例:自由電子、イオンなど
 自由電子の数は原子1コ当
たり1コだとしても, 1cm3中
に1023コも存在する.

絶縁体(不導体)
電気を伝えない
例:ガラス, プラスチック, 水など
 抵抗率(κ-1[Ωm])が大きい
ガラス
109~16
エボナイト 1013~15
純水
105
 キャリアをもたない


静電誘導:
静電場の中に導体をおくと, キャリアが移動する
--



+
+
+
+
+
+
+
移動したキャリアによって作られる電場と, 外部電場がキャンセ
ルして, 導体内部の電場はゼロになる.
ガウスの法則より, 電場がゼロである導体内部においては、電
荷の総和はゼロになる. 導体のもつ電荷は表面に分布する
(表面電荷).
電場の大きさは電位の傾きに対応しているので, 導体内部の
電位は一定である.
電位が一定の曲面は等電位面であるから, 外部電場の電気力
線は導体表面に直交する.

任意の閉曲面上の電気力線の総数は,
 閉曲面内部の電荷qの総和の1/ ε0 倍に等しい
 閉曲面の形状に依存しない
 閉曲面内部の電荷の総数のみに依存
q2
q1
+
+
+
+
+
+
+

導体表面に平行な円筒表面上の電気力線の総数は,
=
(円筒表面)
+
+
(円筒側面) (円筒下面)
(円筒上面)
=
0
∵
=
0
∵ E内部 = 0
(円筒表面)

+
+
+
+
+
+
+
=
=
(円筒上面)
一方で導体の表面電荷密度をσとすると, 円筒内部の電荷の
総和はσΔSなので, ガウスの法則より,


孤立した導体に電荷qを与えるとその電位Vが決まる
このとき
+
+ +
+
:静電容量[単位:F(ファラド)=C/V]



+
+
+
CはqおよびVの値によらず, 一定の値をとる.
Cは導体の材質, 大きさ, 形状できまる.
Cが大きいと, 同じ電位でも多くの電荷を貯めることができる.
例:半径aの球状導体の場合は、C = 4πε0a

静電容量:
極板の面積をS, 表面電荷
密度をσとすると,
q
-q
+
+
+
+
+
V
極板間の距離dが
に比べて十分に小さいとき,
極板間の電場Eは一定と見なすことができるので,
一方、導体表面の電場は
であったから、コンデンサーの
静電容量は、
q
-q
+
+
+
+
+
V
と書ける.
 コンデンサーの表面積が大きいほど、コンデンサー
の極板間の距離が小さいほど、静電容量は大きい




マフラーで風船をこすって、風船にマイナスの静電気
を起こす.
マフラーから、アルミのスティックに電子を移動させる.
内側のアルミホイルが負に帯電する. その電荷に引か
れて、外側のアルミホイルが正に帯電する.
内側のアルミホイルと、外側のアルミホイルが極板と
なって、コンデンサーになっている!

真空中で, 面積0.40[m2]の2枚の金属板を8.85×10-3[m]隔
てて平行においた. このコンデンサーの静電容量を求めよ. ま
た, このコンデンサーに電気量1.0×10-7[C]を充電したとき,
極板間の電位差および電界の強さを求めよ.

誘電分極:
静電場の中に誘電体をおくと, 分子中の電荷分布が変化する
無極性分子
(H2, O2等)
有極性分子
(H2O, CO等)
-+ -+
-+ -+
-+ -+
-+ -+
-+ -+
-+ -+
-+ -+
-+ -+
-+ -+


誘電体表面には電荷(分極電荷)が現れる.
分極電荷によって作られる電場によって、誘電体内
部の電場は弱くなる.

静電容量:
極板の面積をS, 表面電荷
密度をσとすると,
q
-q
+
+
+
+
+
V
極板間の距離dが
に比べて十分に小さいとき,
極板間の電場Eは一定と見なすことができるので,
物質中の導体表面の電場は
(ε:誘電体の誘電率) なので、
コンデンサーの静電容量は、
q
-q
+
+
+
+
+
V
と書ける.
 必ず ε>ε0 であるので、誘電体で満たすとCは大き
くなる

間に雲母(比誘電率7.0)を挟んだ, 面積0.40[m2]の2枚の金
属板を8.85×10-3[m]隔てて平行においた. このコンデンサー
の静電容量を求めよ.
※比誘電率: