講義資料9(流体力学の理解において必須の流線関数と速度ポテンシャル

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速度ポテンシャルと
流線関数を
ベクトルで理解する方法
三重大学・大学院生物資源学研究科
共生環境学専攻
地球環境気候学研究室
教授 立花義裕
C1
渦なし流と速度ポテンシャル
1   U  d r
C1
C0
2   U  d r
C
という積分を考える
(経路C)
C’
C0
C1
P1
(経路C’)
C0
P0
この式は平均的にどのような速度なのかを意味する
1  2  U  d r という風に1周して原点に戻ってくる経路で積分してみる
CC'
ストークスの定理を用いる
U  d r    U  ndA
A
渦なし流であれば
   U  0
(渦度の定義)
1  2  U  d r  0
CC'
渦なし流ならば積分をどのような経路で行っても1周すれば0になる事を意味する
1  2
C0~C1への積分も経路は無関係であることを示す
Pという位置のみでの値が決まる
こういうものを物理学ではポテンシャルと呼ぶ
(以前学んだのは重力ポテンシャル)
1   U  d r を微分型で書いてみると‥
C1
C0
d  U  d r と書ける



d 
dx 
dy 
dz    d r
x
y
z
全微分より
  d r  U  d r
U  
と書くことができる!
スカラー量であるポテンシャルの分布が分かれば を計算することにより
U が自動的に求まってしまうことを意味する!
 の事を速度ポテンシャルと呼ぶ!!
渦なし流
スカラー量である速度ポテンシャルの値の分布で速度分布を
視覚的に表現することができる
流線関数
速度ポテンシャルの兄弟
2次元流 u, v を考える
u

y
v

x
ベクトル表記をすると‥

となる

のことを流線関数という
は直交する。
V  k   ←速度ベクトルと、
なぜなら、k  は、 を90度回すこと

   k    0
を意味するから。←等  線と V は平行
なので
流線関数で表される流れは水平発散しない(速度ポテンシャルとは逆)
渦度をΨのラプラシアンで表すことができる
v u     2 2 2
 ( )  ( )  2  2   
k   
x y x x y y x y
流線関数の等値線は流線の方向と等しくなる。
その速度の大きさは線の密度に比例する
流線関数は流れの回転を視覚的に表す。
スカラー量であるΨの分布がわかれば流れの様子がわかってしまう