Transcript 講義資料5(気象学の理解において必須の「高低気圧の発達理論」を

傾圧不安定の直感的理解(2)
ー低気圧軸の西傾の重要性ー
三重大学・大学院生物資源学研究科
共生環境学専攻
地球環境気候学研究室
教授 立花義裕
今日の目標
上空と地上の低気圧の中心がずれている時、
低気圧は発達する。
（地上の低気圧が東、上空の低気圧が西）
その理由を数式を使わずに理解する。
これが理解できると、地上天気図と高層天気
図の二枚の天気図を見ることによって、低気
圧の発達をある程度予知することが出来る。
上空
図は、Holton著 An Introduction to dynamic meteorologyから引用
低気圧
高気圧
地上
東
西
発達する高・低気圧の典型的なパターンを図示したもの
地上付近の方が上空に比べ位相が進んでいる。
上空(500hpa)の低気圧が発達していく様子（a→ｂ→ｃ）
（強く発達する典型的パターン）
北
温度；低
トラフ
(500hpa)
低
（地上）
温度；高
東
点線；等温線
太い実線；500hpaでの等高線
細い実践；1000hpaでの等高線
図は、Holton著 An Introduction to dynamic meteorologyから引用
上空(500hpa)の低気圧が発達していく様子（a→ｂ→ｃ）
（強く発達する典型的パターン）
北
温度；低
低気圧発達
トラフ
(500hpa)
強まる
dp
基礎知識；
 g　静水圧方程式 dz
より
低
（地上）
温度が高い⇒ΔZ；大
温度が低い⇒ΔZ；小
温度；高
500hpa
東
地上に低気圧がある左側では等温線を横切り
北風が吹いている。
1000hpa
小
⇒結果、ΔZは小さくなる。
上空で低気圧発達
上空(500hpa)の高気圧が発達していく様子（a→ｂ→ｃ）
（強く発達する典型的パターン）
北
温度；低
高気圧発達
dp
基礎知識；
 g　静水圧方程式
より
リッジ dz
低
（地上）
温度；高
強まる
温度が高い⇒ΔZ；大
温度が低い⇒ΔZ；小
東
リッジ
強まる
500hpa
地上に低気圧がある右側では等温線を横切り1000hpa
南風が吹いている。
大
⇒結果、ΔZは大きくなる。
上空で高気圧発達