粘性力 - 三重大学 生物資源学部・大学院生物資源学研究科

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Transcript 粘性力 - 三重大学 生物資源学部・大学院生物資源学研究科

流体の粘性項を
気体分子運動論の助けを借りて、
直感的に理解する方法
三重大学・大学院
生物資源学研究科
共生環境学専攻
地球環境気候学研究室
教授 立花義裕
作図協力:当研究室4年生一同
2011年6月1日バージョン

流体の粘性と方程式の粘性項 粘性項 Uと書ける理由を理解することが目標!

U0
10個
U :1割減る
u1
100個
z
U :1割増す
u2
100個
分子
U
u1  2u2
10個
200個
10個
2z
200個
*図より下方面内の流体の平均運動量が増加することがわかる
*運動方程式から運動量の変化率= F であった。
面の間の運動量の交換→その面内の流体に力が働いている事と等価
応力の大きさは
・速度差
u  u 
1
・z に反比例
2
u1
U :0.5割減る
u2 10個 U :0.5割増す
応力
応力
に比例
u
u
 (    ) と書ける
z
z  は比例定数:粘性係数
*このように流体は速度差がある時に応力が働く。
上記のような応力を煎断応力と呼ぶ(力の向きと面の向きが平行)
シャーストレスとも呼ばれている
このような応力は各面全てに考えることができる
そのうちの1つについて説明をする(他の方向も同様なので‥)
x
y
F
 zx(z)
z
 zx
xyz
z
xyz  m より単位質量が受ける力は
F 1  zx
u だから
さらに  zx  

m  z
z
 zx(0)
F 1   u   2u

  
m  z  z   z 2
*図のような応力が働いているときの
zの流体の単位を考える
*作用反作用で同じ大きさである
*他の方向も同様なので‥
Fx    2u  2u  2u 
  2  2  2 
m   x y z 


 u  2u
 zx
 zx(z )   zx(0) 
z
z
*テイラー展開より
Fは


F   zx xy  zx xy
* y, z も同様なので‥
Fy  2 Fz  2
 zx 

F   zx 
z xy  zx xy
  v,   w
*これが受ける力
1

0
0
z

0
m

m

と書ける
粘性力に2階微分が含まれることの意味 (1)
U0
z
10個
u3
10個
u2
u1
10個
U
分子
u2  2u1
u3  3u1
流れが一次関数
分子運動によって
運動量を輸送
真ん中の層(緑色)
u2
に注目
3u1 と 2u1 が交換
u1 増える
u1 と 2u1 が交換
u1 減る
U :変化なし
この層には見かけ上、力は働かない!
(つり合っている)
粘性力に2階微分が含まれることの意味 (2)
U0
z
10個
u3
10個
u2
u1
10個
分子
u2  22 u1
u3  32 u1
流れが二次関数
分子運動によって
運動量を輸送
真ん中の層(緑色)
u2
に注目
9u1 と 4u1 が交換
5u1 増える
u1 と 4u1 が交換
3u1 減る
U :増える
この層には力が働いていることと等価!
粘性力に2階微分が含まれることの意味 (3)
一次関数
加速なし
二次関数 etc.
加速あり
流れの形は変わらない
粘性力は2階微分を含む
粘性力
流れの形が変わる
簡単な粘性流の例
b)Poiseuille流
a)Couette流
zd
U
1 p

 x
d
*定常を仮定する
U
1

 U  U   P  U
t


0
   2u  2u  2u 
 2  2  2   0
  x y z 

u
0
2
z
2
d
 u  0 at z  0 

であれば
 u  U at z  d 
U
u z
d
d
1 p
2u

 2 0
 x
z
2u
C 2 0
z
1 p
 C (const)
 x
 2u
 2  C
z
 u  0 at z  d 

 であれば
 u  0 at z   d 
C 2 2
u
(d  z )
2
2階微分が粘性力?
• ラプラシアンが値を持つ→2階微分が値を持
つ→2階微分は関数の凹凸→ラプラシアンと
は、2次元で考えればスカラー量の出っ張り
や引っ込みを表す。→出っ張りは、ラプラシア
ンが負、引っ込みは、ラプラシアンが正→
出っ張りは、引っ込む方向に力がかかる。
引っ込みは、出っ張るような方向に力がかか
る→太りすぎは痩せよ、痩せすぎは太れ!と
いうことを意味する。出る杭は打たれる。