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仏教NGOネットワーク
設立10周年
「寺院備災ガイドブック」発行
記念シンポジウム
2013年7月2日(火)
主催:仏教NGOネットワーク(BNN)
於:仏教伝道協会ビル
「待つ」から「備える」へ
超多老社会と大規模災害を見据えた
地域における寺院のあり方
被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト
(つなプロ) 共同代表幹事
IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]代表者
川北 秀人
http://blog.canpan.info/iihoe/
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阪神・淡路大震災での(個人的な)教訓
「被災者に必要な情報」が届かない不条理
自治体職員も被災者
中央省庁の非常識
自治体間連携の決定的な不足
市民・行政・企業の決定的な連携不足
「外国人」という多重被災者
アレルギー・難病患者へのソフト支援の不在
物資があっても配分できない「権限・手続きの不在」
「避難所」というカオス
「自称ボランティア」の禍根
被災(犠牲)者遺児の支援
学校を避難所にして良いのか?
「仮設住宅」という非情
あえて阪神・淡路と対比すると
阪神・淡路(1995)
東日本(2011)
全半壊249,180棟+全焼7,483 全国:275,636棟、3県:240,209棟
密集地→容積率緩和で復興 沿岸部は沈降+急峻、内陸部は過疎
被災地の高齢者率: 15%以下 沿岸39市町村: 24.5%(後期13%)
死者・行方不明者:6,437人 19,220人
→仮設入居後が孤立化リスク最大!
兵庫県内6,402人
→「仮設」ではなく「中期+医・福隣接」
関連死919人(14.3%)
+福島・相双8町8万人の原発避難
うち孤独死161+72人(3.6%)
→「情報と絆の格差」を生まない活動
発災:1/17(次年度予算確定前)
バブル崩壊5年後、村山内閣
ボランティア支援施策皆無
大阪・京都(学生!)は至近
(初の緊急雇用は98年度)
3/11(次年度予算確定後)
失われた20年+世界危機、菅内閣
認定特非法人への寄付は税額控除
沿岸被災地まで車で1時間以上!
数兆円(百万人)規模の緊急雇用必至
→ただし散発・無調整・無連携!
→沿岸部を集落単位で支える中期的・中間支援的機能が不可欠!
最も支援が必要な被災者に
支援を効果的につなぐために
救命&避難所
立ち上げ期
(発災後1週間)
避難所運営安定
&復旧支援期
(仮設入居まで)
→継続→縮小
被災者全員に ・物資供給
共通のニーズ ・避難所運営支援 →継続→縮小
仮設住宅&
復興支援期
(1年後まで)
(清掃・調理など)
↓
・医療・健康管理 →継続→縮小
官・産・民 総力で
・地域運営支援 →継続→縮小
大量・広域に
少数の被災者の 軽度の要介護者
精神的要支援者
特別なニーズ
外国人(言語)
→深刻度に応じて、
↓
障碍者
被災地外への移送・転出
官・産・民の
アレルギー、難病患者
または継続的支援
専門性を
高齢者など
ピンポイントで →所在確認+個別支援
つなプロの活動範囲
広く
大きく
主な構成メンバー
内容
・国・自治体
・災害ボランティア活動
支援プロジェクト会議
(中央共同募金 会、
日本経団連、
日本NPOセンター)
など
物資供給、
運営支援など、
避難所生活を
総合的に
支える
・専門性を持つ
NPO・機関など
ピン
・関係省庁
ポイント
・コーディネート
(中間支援)組織
避難所を巡回し
「特別なニーズを
持つ被災者」を
発見し、
ニーズを聴き出し、
専門性を持つ
NPOにつなぐ
特別なニーズを
持つ被災者
つなぐVo
避難所
避難所支援
ボランティア
専門性を
持つNPO
「広く大きく」の支援と連携しながら、
「ピンポイント」の領域で、「つなぐ」ことに特化する。
アセスメント→重点支援→自律復興支援へ
3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月
アセスメント 【フェイズ1】
予定:宮城県内 毎週訪問
結果:33日間・のべ378人で
443か所を計965回巡回
重点支援 【フェイズ2】
予定:約10か所を継続訪問
結果:石巻(中心部・雄勝)、
南三陸、気仙沼(大島)で
継続支援 +南部体制着手
自律復興支援 【フェイズ3】
予定:10か所が自律復興へ
経過:準備継続中
+仮設集落 アセスメント支援
△ ガソリン不足!
○ 65件は完了まで支援
◎ 東京・大阪で協力団体募集
×遠隔情報を生かせない団体
× 助成方針変更
△ 継承先確保
○ 健康調査 ○一部ながら強い信頼
◎ 多賀城市 全避難者調査
○ 強い信頼に基づく連携
○ 継承先確保 ×助成方針・・
報告書巻末原稿の見出しから
・めざしたのは、把握→つなぎ→解決
・「特定の課題を持つ少数者」が「避難所の多数者」に
・「つなぎ」はなぜ、目論見どおりに増えなかったのか
→ 「すぐ動く団体の視野の狭さ」
「動かない団体(+行政+業界団体)の腰の重さ」
・アセスメントの顧客は誰か?
→ 行政職員(国・自治体)という「被災初心者」
団体・企業という「支援初心者」
・避難所の課題は互助力、調整力、受援・活援力の差
→ 互助力:住民=被災者自身の自発的な相互支援
調整力:地域のリーダーによる調整
受援・活援力:外部からの支援を適切に受け入れ生かす
これまで20年と、これから20年は違う!
日本の人口
計(万人)
1990年
2000年
2010年
2020年
12361 12695 12805 12408
2248
15~64歳(A)
8590
1847
1680
1456
(生産人口)
8103
1203
▲28%
▲25%
8621
11661
▲8%
+3%
0~14歳
2030年
7340
6772
▲16%
▲5%
1489
2200
2924
3612
3684
高齢者率
12.0%
17.3%
22.8%
+96%
29.1%
31.6%
+26%
A÷B
5.7人
597
3.9人
899
2.7人
1407
2.0人
1879
1.8人
2278
4.8%
7.1%
11.0%
+56%
15.1%
+33%
19.5%
+21%
65歳~(B)
75歳~
後期高齢者率
日本の高齢者・後期高齢者のくらしは?
2005年
127,767
2010年
128,057
2015年
126,597
2020年
124,099
22,005
8,998
25,760
11,639
29,245
14,072
33,951
16,458
36,123
18,790
7.1%
9.1%
11.0%
13.0%
15.1%
47,062
3,032
49,566
3,864
51,950
4,790
52,903
5,795
53,053
6,291
2000年
人口(千人) 126,925
高齢者
後期高齢者
世帯数
高齢者単身
741+2290 1051+2813 1385+3405 1720+4075 1889+4401
後期高齢者
1,393
284+1108
単身
1,966
2,592
3,157
3,676
435+1531
573+2019
697+2459
812+2864
後期単身率
15.5%
16.9%
18.4%
19.2%
19.6%
高齢者夫婦
2,826
574
12.4%
3,583
1,544
15.0%
4,339
1,358
16.9%
5,194
1,714
20.8%
5,610
2,029
22.4%
後期 夫婦
高齢世帯率
日本の後期高齢者のくらしは?
2000年
高齢世帯率
後期高齢者
(人口比)
男
女
単身世帯
(率)
男
(率)
女
(率)
後期 夫婦
後期世帯率
2005年
2010年
2015年
12.4%
15.0%
17.6% 20.8%
899.8 1,163.9 1,407.2 1,645.8
(7.1%) (9.1%) (11.0%) (13.0%)
319.4
580.4
428.9
731.2
536.2
883.1
139.3
196.6
259.2
2020年
22.4%
1,879.0
(15.1%)
634.9
1,010.8
735.4
1,143.5
315.7
(15.5%) (16.9%) (18.4%) (19.2%)
367.6
(19.6%)
28.4
43.5
57.3
69.7
(8.9%) (10.2%) (10.7%) (11.0%)
110.8
153.1
201.9
245.9
(19.1%) (20.9%) (22.9%) (24.3%)
81.2
(11.0%)
286.4
(25.0%)
57.4
4.2%
94.4
5.9%
135.8
7.6%
171.4
9.2%
202.9
10.8%
発災直後から数か月後までに、地域に求められること?
発災直後(~数日)
数週間後まで
数か月後まで
救出・消火
泥出しなど片付け
再定住支援
道路・施設など
側溝清掃など
(仮設住宅入居支援)
インフラ応急措置
身近なインフラ復旧
(橋・道路・水道再開)
避難支援
避難所運営
安否・状況確認→必要に応じ専門家に
食事準備・片付け→重要な地域力!
物資管理・配布
健康管理
衛生管理(清掃)→重要な地域力!
アメニティ改善→女性・高齢者等の配慮
地域には(少数ながら)特別なニーズを持つ方たちも!
例:独居高齢者、介護サービス利用者(特に在宅)、
妊産婦、障碍者、アレルギー・難病患者、外国人
つなプロが避難所で確認・集計・分析したこと=避難所力
【基本項目】
電気・水道・トイレ・ガス
電話:固定・携帯電波
運営:キーパーソン名、
班活動、支援団体、
良い点、要改善点
【設備】
入口:受付・案内・掲示
居住:間仕切り・密度
医療:有無・感染症・隔離
福祉・母子スペース:有無
幼児・児童スペース:有無
更衣・調理・談話:有無
【食事・物資】
前日の朝・昼・夕食内容
カロリー計算
アレルギーなど対応
乳児用
高齢者用(きざみとろみ)
医療以外の特別物資
【人の構成】
避難者:数・増減・自宅
男女・子ども(年齢別)
妊産婦、単身者、
1人親、要介護者
アレルギー、その他
障碍者(種別)
外国人
【衛生】
トイレ:女性、バリアフリー
鍵、照明、汚物回収、
清掃ルール、衛生状態
手洗場、風呂・シャワー:
数、利用可能頻度
洗濯:有無、干場、女性
ゴミ:ルール、回収、管理
【情報環境】
掲示板、音声案内、
多言語対応、連絡経路、
場所表示案内、テレビ、
各種相談窓口、
共用電話・FAX・ネット
避難支援にも避難所運営にも、個人情報「共有」が不可欠→本人・家族合意
リーダーシップより「当事者意識+協働力」→「誰かが」じゃなく「自分たちで」
→班体制を早期に確立する! 誰もが協力するよう呼びかける!
「避難」だけでなく「避難所運営」も訓練する!
即応する姿勢を持つ団体との
平時からの連携
・ニーズ別の専門団体との連携
・アレルギー、難病、障碍者支援、高齢者介護
・病院・施設、患者・当事者団体
・(外部との)相互補完原則の共有
・野外教育系、子育て支援系、カウンセリング系、・・
・人的つながりの共有
・自衛隊、警察、建設業界、JC、地方議会、・・・
・農協など生産者団体、流通・物流企業(物資)、・・・
・「相互支援」協定
・自治会・町内会間の「災害時相互支援」協定!
・「同時」だけでなく、連動・連携確認訓練!
【森脇】釜石市内 大被災はしなかったが指定避難所
停電・断水、同夜十数名が避難→徐々に帰宅
淀川キリスト教病院+JOCS「泊めてもらえないか」
→2か月 医師の拠点(往診・宿泊)延べ70名
しっかり境界設定する:門限、立入、受入れ、
普段からの話し合い←些細なことでいさかいも
【三浦】気仙沼市内で塾講師→自宅が津波で全壊
→避難所運営:大変だが助け合いで充実感も
毎日会議:周辺小避難所(6か所)合同、人数・行事
配分:人数分に足りない場合 年齢順+記録、物欲・・
物資:保管場所に困ると、居住場所の入れ替えも
炊き出しをもらう順番で「あわや避難所解散」!?
在宅避難者など、立場が多様になると、トラブルも
仮設住宅入居(9月)見守りも
①地域との関係(祭など) ②「内部分裂」への心の備え
【自覚】三浦さんの「ふたこと」がきっかけ
「あんな津波が来るとは」→東京も同じ!
「運営マニュアルがあれば」
お寺だけでなく、地域と一緒に命を守る
【森脇】モノだけでなくヒトも(調理も得手不得手+休み)
日常から乾物(豆、高野豆腐、・・)を上手に取り入れる
砂糖もお供えから、常温保存できる牛乳(便秘)
被災者の多様性:性的マイノリティ/オストメイト/糖尿病
などに配慮・対応:間仕切り
在宅避難者も孤独、物資も同性で配分
【三浦】檀家/以外を分ける:無理!
立場の違い:超えるのは難しい。。想定でルール共有
「今日だけ物資ください」も受け入れると「会議で決定」
【自覚】「疲れ切った。二度と受け入れたくない」回答も。
一部に集中しない+1週間に1度は「外で休ませる」
【森脇】県・市の男女共同参画委員などで接点
→職員の不満・困りごとを聴き取って(個別)対応
+戸別配布ではなく「みんなで一斉に分ける」
普段から対等に接してコミュニケーションをとる
+聞き役(+デマの確認役!)に
【三浦】祭など行事が盛んな地域→避難所開設も復興も
Q:解散の判断?
→仮設住宅まで:周辺小規模避難所解散による受入れ
一旦開いた門は閉じられない→災対法上の「6か月」
Q:寺院で福祉・二次避難所など、地域との関係づくり
→「どこまでできるか」を検討するきっかけに