運送業 モーダルシフトを導入するべきか否か?

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運輸業はモーダルシフトを 導入するべきか否か

明治大学 商学部 出見世ゼミナール 2004.7.3

はじめに 交通の問題点:運輸業界におけるトラック ・地球温暖化問題 ・二酸化炭素の排出 ・エネルギー資源問題 ・道路混雑や交通事故 モーダルシフトの重要性に注目

モーダルシフト 企業戦略面 企業倫理面

運輸業はモーダルシフトを 導入すべきか否か

導入すべきである

結論根拠 企業戦略面 1.コスト削減 企業の社会的責任面 1.二酸化炭素排出削減 2.安定したサービスの提供 2.交通渋滞の緩和 3.企業イメージの向上 3.ドライバーの労働状況改善

モーダルシフトの定義

 モーダルシフトとは、トラックや航 空貨物から鉄道、海運など環境 負荷の小さい大量輸送手段に転 換する、ロジスティクス制度のこ とである。

プレゼンテーションにあたって  取り上げる運輸業は、大手物量業者  B to B (企業間取引)  モーダルシフト導入検討地域は大都市  鉄道を用いたモーダルシフト

モーダルシフト導入の背景

 運輸業における二酸化炭素排出問題が 叫ばれるようになり注目され始めた。  企業を後押しするため、国土交通省は 「モーダルシフト法案」(仮称)を来年の 通常国会に提出する方向で準備に入っ ている。

企業戦略面1:コスト削減  燃費削減やドライバーの人件費削 減により、コストの削減が図れる。  大量に品物を運ぶ場合、トラックで 運ぶよりも電車で運ぶ方がコストが 低く済む。

日産の場合  JR と日本通運と共同で輸送システムを構築し、 九州工場へ鉄道方式を導入している。  車を生産するのに必要な部品は、途中の貨 物駅で積み込むことにより、輸送の効率化を 図っている。  国内部品取引量の 0.5

%程度を鉄道輸送に することで、輸送費を 1 億円以上削減する見 通しである。

企業戦略面2:安定したサービスの提供  運行ダイアが決まっており、定時に 輸送することが可能である。  トラック輸送におけるトラブルが回避 されるので、時間通りの配達が可能 となる。

企業戦略面3:企業イメージの向上  環境問題、特に二酸化炭素の排出について は世界規模で深刻であり、その改善には企 業の協力が不可欠である。  企業が、二酸化炭素排出削減運動に積極的 に働きかけることにより、企業イメージの向上 を図ることが可能となる。

企業戦略面4:社会的責任投資( SRI)  近年、日本においても社会的責任投 資が注目され始めている。  環境対策や社会貢献活動が熱心な企 業が、今後投資対象の中心となる。

企業の社会的責任面1:二酸化炭素の排出削減  京都議定書において、日本は 2010 年の温暖 化ガスの排出量を 90 年比で 6% 削減する目 標が課せられている。  現時点において、運輸部門では排出ガスが 23 %増となっている。  政府の要請もあり、二酸化炭素排出を削減 するために働きかけていくことが重要である。

企業の社会的責任面2:交通渋滞の緩和  企業間取引では、トラックを使い大都 市間を高速道路で移動している。  大手運送業のトラックは大型貨物自 動車速度規制を設けている。 EX. 90km/hリミッタ-

企業の社会的責任面3:労働状況の改善  トラックドライバーは、長時間労働を強いられ、 さらに「ジャストイン・タイム」が課せられており、 劣悪な労働状況である。  その結果、ドライバーによる交通事故が多発 をしており、運輸業界としてはその改善を図る 必要がある。

企業戦略面:積み替えコストの発生  従来のトラック輸送では、荷物を載せたまま 目的地へと輸送することが可能であった。  モーダルシフトでは、目的地へ行くまでに貨 物車に荷物を載せ換えをしなければならず、 積み替えコストが発生することになる。  鉄道とトラックのコンテナの規格統一がされて おらず、非効率な輸送方法であった。

出典: http://transport.or.jp/zukan/rail/swap1.html

企業戦略面:タイムラグの発生  積み替えることによりタイムラグが発生 し、「顧客の望む時間通りに配達ができ ないのではないか」といったようなサービ スレベルの低下が懸念されており、モー ダルシフト導入が遅れている原因となっ ている。

サービスについてのヤマト運輸の調査  荷物を翌日に届けてほしいと思う顧客は 3 割 に対し、 2 ・ 3 日以内に届けてもらいたいと思う 顧客は 4 割いる。  荷主に合わせたサービスシステムを導 入していくことが望ましい。

サービスシステムの具体例  荷主に応じて、トラック輸送やモーダルシフト 輸送を使い分けるようにする。 価格差別化を導入する 企業の物流戦略の多様化を実現

企業の社会的責任面:ドライバーの雇用問題  モーダルシフトを導入しても、大都市で 無い地方などではトラックでの配達は依 然として高い需要がある。  積み替えにおいては多くの人材が必要 となる場合がある。

結論

 モーダルシフトには現代のニーズにあった経営 手法であり、デメリットも改善することが可能で ある。 運輸業界は今後 モーダルシフト導入をしていくべきである。