特定健康診査・特定保健指導とは

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Transcript 特定健康診査・特定保健指導とは

H21.9.5
特定健康診査・特定保健指導とは
独立行政法人 労働者健康福祉機構
大阪労災病院 勤労者予防医療センター
保健師
米山 貴子
本日の内容
①生活習慣病対策の重要性
②平成18年度医療制度改革について
③特定健康診査・特定保健指導について
大阪労災病院勤労者予防医療センター
①生活習慣病対策の重要性
大阪労災病院勤労者予防医療センター
近年の健康づくり運動
S53~
第1次国民健康づくり
・健診検査の充実
(ハード面の充実)
S63~
・市町村保健センター設置 成人病対策
第2次国民健康づくり~アクティブ80ヘルスプラン~
・運動習慣の普及に重点を置いた対策
(運動指針の策定、健康増進施設の推進等)
H12~
生活習慣病対策
第3次国民健康づくり~健康日本21~
・一次予防の重視
・健康づくり支援のための環境整備
H14
健康増進法の制定
大阪労災病院勤労者予防医療センター
生活習慣病と健康日本21
生活習慣病の考え方
●生活習慣が、その発症や進行に関与する疾患の総称。
●具体的には、代表的なものとして、多くの悪性新生物、脳血管疾患、虚血性心疾患、糖尿病など
●生活習慣を改善することにより病気の発症や進行が予防できるということを前面に掲げ、各人が
病気の予防に主体的に取り組むことを目指す、という意味合いも込められた呼称
健康日本21
●健康的な生活習慣の形成を通じた健康増進(一次予防)を重視し、そうした健康づくりの実践を支援する
ための環境整備を図り、さまざまな実施主体が連携をとって取組みを進めていく、健康づくりの国民運動。
(平成12年から開始; 平成24年まで。)
●9分野にわたり70項目の目標値を設定して、評価を加えながら活動を推進していく。
(9分野= ①栄養・食生活、②身体活動・運動、③休養・こころの健康づくり、④たばこ、⑤アルコール、
⑥歯の健康、⑦糖尿病、⑧循環器病、⑨がん)
健康日本21の中間評価
●これまでの取組みはまだ不十分。(誰に何を提供するか、関係者の役割分担のさらなる明確化が必要)。
●メタボリックシンドロームの概念に着目した事業展開が必要(→ 効果的な健診、保健指導の実施)。
●運動、食生活、禁煙に特に重点化した取組みが必要(→ 幅広く運動を展開していくためのツールの開発・
普及)。
●幅広く産業界との連携をさらに深め、社会全体としての取組へと高めていくべき。
●科学的証拠に基づいた施策の展開が重要。一層の質的向上を目指した人材育成が必要。
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生活習慣病対策について
疾病構造は感染症から
生活習慣病へと変化
生活習慣病・・・60%!!
厚生労働省
総合的な生活習慣病対策の実施が急務
→短期的な効果は必ずしも大きくないが、中長期的には、健康寿命の延伸・医療費適正化等への重要なカギとなる。
医療制度改革において、生活習慣病予防の観点から、医療保険者によるメタボリックシンドロームの
概念を踏まえた特定健康診査・特定保健指導を導入(平成20年度より実施)
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国民医療費と対国民所得比の年次推移
生活習慣病に係る医療費は、
国民医療費(約33兆円)の約3分の1
(約10.7兆円)
厚生労働省
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生活習慣病有病者の状況
○糖尿病
・強く疑われる人:890万人
・可能性が否定できない人:
1320万人
○高血圧症
・有病者:3970万人
・正常高値血圧者:1520万人
(H18)
←糖尿病が強く疑われる人が
10年間で200万人増
可能性が否定できない人を
合わせると、840万人増
厚生労働省:平成19年・18年国民健康・栄養調査
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肥満の出現率の推移(20歳以上、性・年齢階級別)
男性:全ての年齢階級において、肥満者割合が20年前、10年前と比べて増加傾向
①20年前(昭和62年) ②10年前(平成9年) ③平成19年
厚生労働省:平成19年国民健康・栄養調査
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メタボリックシンドローム該当者・予備群の状況
メタボ該当:
約1,070万人
予備群該当:
約940万人
合わせて約2,010万人
と推定された。
←40~74歳でみると、
男性の2人に1人、女性
の5人に1人が、メタボが
強く疑われる又は予備群
と考えられる。
(厚生労働省:
平成19年国民健康・栄養調査)
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厚生労働省
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毎日の生活習慣を見直して、メタボ氷山を縮めましょう
一見バラバラに見える症状も内臓
脂肪が共通の原因です。
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②平成18年度医療制度改革について
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ここ!!
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医療制度改革の基本的方向
利用者の視点に立った効率的
で、安心かつ質の高い医療の
提供
・医療安全確保対策の推進
・患者の選択に資する情報提供
の推進
・医療従事者の質の向上などに
よる医療の質の向上
・IT化や医療機関の機能分化・
連携の促進による医療提供の
効率化
健康寿命を延ばし、生活の質を
高める保健医療サービスの提供
国民に信頼される持続可能で
安定的な医療保険制度の構築
・生涯を通じた健康づくり、疾病・
介護予防の充実
・高齢者の心身の特性にふさわ
しい医療の確立
・予防と治療のための医学研究の
推進とその成果の活用
・中長期の展望に立った持続
可能で安定的な高齢者医療
制度の構築
・多様な医療ニーズへの対応、
医療費の効率化の観点からの
診療報酬や薬価制度の見直し
・厳しい経済状況の下での医療
保険財政の安定化
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中長期的な医療費適正化方策
<基本的な考え方>
●平成20年度を初年度とする医療費適正化計画(5年計画)において、
政策目標を掲げ、医療費の伸びを適正化する。
・生活習慣病予防の徹底→政策目標:生活習慣病有病者・予備群を
25%減少(平成27年度)
・平均在院日数の短縮→政策目標:全国平均(36日)と最短の長野県
(27日)の差を半分に縮小(平成27年度)
国・都道府県
・医療費適正化基本方針の作成や、計画進捗の評価など
保険者
40歳以上の加入者に対して、糖尿病等に着目した健康診査及び
保健指導の実施を義務付け
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医療構造改革における生活習慣病対策の推進について
中高年男性を中心とした肥満の増加
→動脈硬化の危険因子を複数有している
具体的な取り組み
健診・保健指導の重点化・効率化
→メタボ該当・予備群の確実な抽出
→保健指導の必要度に応じた対象
者の階層化
→保健指導プログラムの標準化
医療保険者による保険事業の取り組み強化
→健診未受診者の確実な把握、保健指導の
徹底、医療費適正化効果までを含めた
データの蓄積と効果の評価
→医療保険者に糖尿病等の予防に着目した
健診・保健指導の実施を義務付け
都道府県の総合調整機能の発揮と都道府県健康増進計画の内容充実
糖尿病等の有病者・予備群の減少
国民の健康増進・生活の質の向上
中長期的な医療費の適正化
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生活習慣病対策の取り組み
<基本的な方向>
医療保険者に対し、40歳以上の被保険者・被扶養者を対象とする、内臓脂肪型肥満に
着目した健診及び保健指導の事業実施を義務付ける(平成20年度より)。
<主な内容>
・医療保険者は、特定健康診査等実施計画を作成、計画的に健診・指導を実施
・要保健指導者に対する指導の徹底
・被扶養者等については、地元の市町村で健診・保健指導を受けられるよう配慮
→集合契約等により、市町村国保における事業提供の活用が可能
→都道府県ごとに設置される保険者協議会において、都道府県が中心となり、効率的なサービス提供がなされる
よう、各医療保険者間の調整や助言を行う。
・医療保険者は、健診結果より、保健指導を受けるものを効率的に選定するとともに、事業
評価を行う。
・平成25年度より、医療保険者ごとの達成状況に応じ、後期高齢者支援金の加算・減算を
行う。
☆特定健康診査及び特定保健指導の実施率
☆H20と比べたH24時点でのメタボ該当者・予備群の減少率
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重症化予防と医療費適正化のイメージ
厚生労働省:生活習慣病健診・保健指導の在り方に関する検討会
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③特定健康診査・特定保健指導について
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内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病予防のための
健診・保健指導の基本的な考え方について
健診に付加した保健指導
個別疾患の早期発見・
早期治療
定期健康診断事業主
(企業)
内臓脂肪型肥満に着目した、生活
習慣病予防のための保健指導を
必要とする者を抽出する健診
内臓脂肪型肥満に着目した、
早期介入・行動変容
リスクの重複がある対象者に対し、専門スタッフが
早期介入し、行動変容に繋がる保健指導を行う。
医療保険者
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特定健診・保健指導の基本的な流れ
(
・5年計画
の毎年度
の点検・補
正
・健診結果
(内臓脂肪
症候群に係
るリスクの
数)
・質問票(治
療歴、喫煙
その他生活
習慣など)
)
リ
ス
ク
が
重
な
り
し
始
め
た
段
階
リ
ス
ク
が
出
現
現
の
段
階
リ
ス
ク
が
未
出
・生活習
慣病の特
性や生活
習慣の改
善に関す
る基本的
な理解を
支援
・健診結
果の提供
に合わせ
て、個別
のニーズ、
生活習慣
に即した
情報提供
治療(対象外)
積極的支援
・対象者
毎に作成
・健診結
果と詳細
な質問票
で、行動
変容の準
備状態を
把握
準備段階に合わせて
個別の目標を設定し、
具体的で実現可能な
行動の継続を支援
動機づけ支援
生活習慣の改善に
対する個別の目標を
設定し、自助努力に
よる行動変容が可能
となるような動機づけ
を支援
対
象
者
毎
の
評
価
6
ヶ
月
後
の
終
了
時
評
価
)
・生活習慣
上の課題の
有無とその
内容 等
だ
し
た
段
階
支援計画
(
40
74
歳
の
全
加
入
者
被
扶
養
者
含
む
-
・年間実施
予定(実施
量・内容・
委託先等)
の設定
情報提供
階層化
(対象者選定)
評価
特定保健指導
特定健康診査
年次計画
設定
・アウプット(事
業実施量)評
価
→実施回数や
参加人数等
・アウトカム
(結果)評価
→糖尿病等の
有病者・予備
群の減少率、
保健指導効果
・プロセス
(過程)評価
・健康度の改
善効果と医療
費適正化効果
等
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特定健康診査等実施計画
1.法律で定められている範囲
○ 医療保険者は「高齢者の医療の確保に関する法律」第19条にて、「特定健康診査等
実施計画」を定めるものとされている。
(特定健康診査等実施計画)
第十九条 保険者は、特定健康診査等基本指針に即して、五年ごとに、五年を一期として特定健康診査等の実施に
関する計画(以下「特定健康診査等実施計画」という。)を定めるものとする。
2 特定健康診査等実施計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 特定健康診査等の具体的な実施方法に関する事項
二 特定健康診査等の実施及びその成果に関する具体的な目標
三 前二号に掲げるもののほか、特定健康診査等の適切かつ有効な実施のために必要な事項
3 保険者は、特定健康診査等実施計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなけれ
ばならない。
2.具体的な記載事項
○ 計画策定の趣旨:
規模、年齢構成等の実情を考慮し、特定健康診査等を効率的かつ効果的に実施する。
○ 計画に記載すべき事項(法第19条第2項):
上記趣旨に沿い、特定健康診査等基本指針の第四に示す項目を中心に、整理が必要。
○ 膨大な労力や費用を掛けて体裁等が立派な計画書は不必要で、効率的かつ効果的に
実施していくために最低限定めておくべき事項を、明瞭・簡潔に整理し、要点を押さえた
簡素な計画で十分。
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目標値の参酌標準(特定健康診査等実施計画)
全国目標
項目
H24
参酌標準
H27
目標値
設定に当たっての考え方
①特定健康診
査の実施率
70%
80%
H16国民生活基礎調査によれば、過去1年間
に何らかの健診を受けた者は60.4%
5年間で100%を目指すべきという考え方もあ
りうるが、どうしても健診を受けられない環境
にある者、受診を希望しない者等も考えられ
ることから、80%程度で頭打ちになると仮定
②特定保健指
導の実施率
45%
60%
モデル事業等から保健指導による改善率を
設定し、H27に政策目標の25%の減少率を達
成するために、H24時点及びH27時点で必要
な実施率
③メタボリック 10%
シンドロームの (H20比)
該当者及び予
備群の減少率
H27時点でH20に比べ25%減少という政策目
25%
(H20比) 標から、H24時点の目標値を算出
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保険者別の参酌標準
○各保険者は、実施計画におけるH24年度の目標値を、国の基本指針が示す参酌標準に即して設定。
○毎年度の目標値は、各保険者がそれぞれの実情を踏まえて、円滑にH24年の目標に至るように設定。
項目
全国
目標
①特定健康診
70%
査の実施率
②特定保健指
45%
導の実施率
③メタボ該当
者及び予備群 10%
の減少率
参酌標準
単一健保・共済
総合健保
政管健保(船保)
国保組合
市町村国保
設定理由等
※80%
70%
65%
被保険者分については、保険者
の種別で3区分し(被扶養者は分
けない)、それぞれの目標実施率
を各保険者における対象者数(推
計値)に乗じて(加重平均値を基
礎に)算定
45%
健診の場合の事業主健診のよ
うな実施率に影響する明確な要
因はない
10%
保健指導実施率の目標を一律
とすることとあわせ、保健指導の
成果である該当者及び予備群の
減少率も一律とするのが合理的
※単一健保・共済の中でも、被扶養者比率が25%以上と高い保険者は、その比率に即した参酌標準と
する。
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特定健診・保健指導の実績により長寿医療制度への
支援金を加算・減算する基本的な考え方
特定健診・保健指導により、若年期
から予防を図ることで、生活習慣病
の発症・重症化を抑えること、医療
費の適正化を図ることが可能。
健康な高齢者(医療需要の小さい
方)を長寿医療制度に送り出した保
険者を評価。
長寿医療制度への支援金の加算・
減算
「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究
報告書」より
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医療保険者による後期高齢者医療支援金の加算・減算
●平成25年度
後期高齢者医療支援金の加算・減算を開始!
(以降、毎年度)
<加算・減算方法>
①目標の達成状況の数値化
○基となるデータ
・特定健診の実施率
・特定保健指導の実施率
・H20と比べたH24時点でのメタボの該当者及び予備群の減少率
②各医療保険者(政管等は各都道府県支部ごと)間の数値を比較し、
高い保険者については後期高齢者医療支援金の減算、低い保険者に
ついては加算を行う。医療保険者全体を通じた減算額と加算額は同額。
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後期高齢者支援金の加算・減算のイメージ
医療給付費等総額
10.8兆円
〈加算・減算の方法〉
①目標の達成状況
・特定健診・保健指導の実施率
・内臓脂肪症候群の該当者・予
備群の減少率
②保険者の実績を比較
○実績を上げている保険者
⇒支援金の減算
○実績の上がっていない保険者
⇒支援金の加算
◆減算と加算は最大±10%の
範囲内で設定
◆減算額と加算額の総額は±0
※具体的な算出方法は今後決定
保険者A
加
算
拠出
加
算
減
算
保険者B
保険者C
約
4
割
☆
若
年
者
の
保
険
料
後
期
高
齢 公費
者 (約5割)
支
援 国:
金 都道府県:
高齢者の
保険料
(1割)
市町村
=4:1:1
後期高齢者医療制度
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特定健康診査実施の流れ(委託の場合)
①医療保険者は、対象者に受診券と受診案内を発行
②対象者は案内に従い、受診場所を選択(予約)
③健診の実施(窓口にて自己負担を払う)
④領収書・結果通知書は対象者へ
⑤実施機関より医療保険者へ、結果・請求データを送付
※事業者健診等を受けている場合は、その結果を持って特定
健診の結果とみなされる。(2度受診する必要はない。)
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特定健康診査の検査項目等
対象者
実施年度中に40-74歳となる加入者(被保険者・被扶養者)
実施年度を通じて加入している(年度途中に加入・脱退がない)者
除外規定(妊産婦・長期入院・海外在住など)に該当しない者
基本的な
健診の項目
①質問票
②身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
③理学的検査(診察)
④血圧測定
⑤血液検査
・脂質検査:TG・HDL-cho・LDL-cho)
・血糖検査:空腹時血糖・HbA1c
・肝機能検査:GOT・GPT・γ-GTP
⑥検尿(尿糖・尿蛋白)
詳細な
健診の項目
⑦心電図検査
⑧眼底検査
⑨貧血検査(赤血球数・血色素量・ヘマトクリット値)
☆一定の基準の下、医師が必要と認めた場合に実施
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事業者健診結果の保険者への提供
高齢者の医療の確保に関する法律第27条の規定に基づき、保険者は、事業者等に健診結果の
提供を求めることができ、事業者はその写しを提供しなければならない。
※保険者は、事業者から健診結果を受領できた場合、特定健診に代えることができる。
保険者は、事業者から確実・迅速に結果を受領できるよう、事前に結果データ受領の手順等を協議・
合意(必要に応じ契約・覚書)しておく必要がある。
課題
取り扱い
本人同意の要否
(個人情報保護法対応)
法第27条の規定により、個人情報保護法に関係なく(本人同意なく)提供可能だが、
健診実施時に、結果を保険者に提供する旨を明示することが望ましい。
特定健診に該当しない項目
についての情報提供
黙示にて同意を得ることで、特定健診項目以外の項目の情報提供が可能。
保険者は、受領したデータのうち特定保健指導の実施等に必要なデータ以外は
廃棄し、個人情報保護に配慮して取り扱う。
保険者は健診結果を標準的
な電磁的記録様式での保存・
提出が義務づけられているが、
事業者健診の結果様式に特
に定めがないことについて
事業者や保険者にて標準的な電磁的記録様式で結果を作成するのは負担が
大きいことから、事業者は標準的な電磁的記録様式で健診結果を提出できる健診
機関(※)を選定する等、結果提供等が両者にとって大きな負担にならないよう
連携することが望ましい。
※支払基金HPに掲載されている特定健診受託可能(=委託基準遵守)機関
リストを参考に委託先を選定
健診結果データの送付に関す
る必要な取り決め、費用負担
等について。
健診後早急に保健指導をする必要があることから、保険者は健診が済み次第
その結果を受領できる体制を定めておくことが必要
医療保険者のために健診結果データを特別に作成・送付する場合は、要した
費用を保険者に請求することに問題はない
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特定保健指導における事業者との関係
課題
取扱
特定保健指導
に関する情報
で、健康管理
担当者が入手
する必要のあ
るものについて
特定保健指導は保険者に実施が義務づけられているが、労働安全衛生法に基づく保健
指導は事業者の努力義務である。
両者は趣旨・目的・内容が異なるため、一方を実施すれば他方の実施に代えることは
できない。
特定保健指導の内容を事業者が必要である場合、事業場の産業保健業務従事者が、
特定保健指導の内容を必要とする理由等を明確にし、労働者本人の承諾の下で、医療
保険者から関連情報を入手する。
労働者に対し特定保健指導を実施する中でメンタルヘルスや過重労働の相談を受けた
場合、指導実施者は、当該事業場の産業保健業務従事者等に相談するよう当該労働者
に助言する。
特定保健指導
受診中の勤務
上の取扱につ
いて
特定保健指導は、業務遂行との関連において行われるものではないので、要した時間に
ついては、事業者の負担すべきものではない。
但し、労働者の健康の確保の観点から、事業者の判断あるいは労使の協議において
定めるべきものであるが、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことは可能。
※事業者が保険者から特定保健指導の実施を受託する場合、勤務扱いとすることも考
えられる。
就業時間外に実施された特定保健指導に対する時間外手当、特定健康診査で要精密
検査扱いとなった労働者本人の受診費用等についても、事業者に支払の法的義務は
ないが、事業者の判断あるいは労使の協議において定められたい。
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特定保健指導実施者の整理
○保健指導に関する専門的知識及び技術を有するもの
・医師
・管理栄養士
・保健師
・保健指導に関する一定の実務経験を有する看護師
(施行後5年に限る)
→平成20年4月現在において1年以上(必ずしも継続した1年である必
要はない)、保険者が保健事業として実施する生活習慣病予防に関
する相談及び教育の業務又は事業主が労働者に対して実施する生
活習慣病予防に関する相談及び教育の業務に従事した経験を有す
る看護師。なお、業務に従事とは、反復継続して当該業務に専ら携
わっていることを意味するものである。
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食生活の改善指導に関する専門的知識及び技術を
有すると認められる者
・看護師、栄養士、歯科医師、薬剤師、助産師、准看護師、歯科衛生士であって、
食生活改善指導担当者研修(30時間)を受講した者
・THP指針に基づく産業栄養指導担当者であって、追加研修(12時間)を受講した者
・THP指針に基づく産業保健指導担当者であって、追加研修(12時間)を受講した者
運動指導に関する専門的知識及び技術を有すると
認められる者
・看護師、栄養士、歯科医師、薬剤師、助産師、准看護師、理学療法士であって、
運動指導担当者研修(147時間)を受講した者
・(財)健康・体力づくり事業財団が認定する健康運動指導士
・THP指針に基づく運動指導担当者であって、追加研修(24時間)を受講した者
*平成20年3月31日までに、当該担当者研修を修了した者については、各追加
研修を受講する必要はない。
*食生活の改善指導に関する専門的知識及び技術を有すると認められる者につい
ては、3メッツ以下の運動についての支援を併せて実施することができる。
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特定健診・特定保健指導における主な研修
○リーダー育成研修
→中央レベルにて、都道府県・医療保険者・関係団体の研修担
当者(都道府県レベルで実施する研修の指導的立場となる
者)に実施。
○実践者育成研修プログラム
→特定健診・保健指導を実際に行う医師・保健師・管理栄養士
等の質の維持・向上のための研修。
○食生活改善指導・運動指導担当者研修
→看護師・栄養士等に対し、食生活の改善指導・運動指導に関
して「専門的知識を有すると認められる者」になるための必
須要件である研修。
・平成20年3月10日付 健発第0310007号・保発第0310001号
厚生労働省健康局・保険局長通知 「特定健康診査及び特定保健指導の実施について」
大阪労災病院勤労者予防医療センター
食生活改善指導担当者及び運動指導担当者の役割
特定保健指導において、初回面接を実施して支援計画を立案し、最終的な
評価までを行うことができるのは、医師・保健師・管理栄養士である。
食生活の改善指導担当者及び運動指導担当者は、医師・保健師・管理栄養士
が作成した支援計画に基づき、これらの者の統括の下で、支援を実施することと
なる。支援の際には、特に下記の点に留意する。
・支援計画を見直し、修正等を行うことができるのは、医師・保健師・管理栄養士である
こと。
・支援を実施する際には、支援計画の内容や具体的方法等につき、当該支援計画を作
成した医師・保健師・管理栄養士にあらかじめ確認すること。
・支援の実施後には、その内容をもれなく当該支援計画を作成した医師・保健師・管理栄
養士へ報告すること。
・その他、当該支援計画を作成した医師・保健師・管理栄養士に適宜連絡、相談を行い
支援を実施すること。
(平成19年度厚生労働科学特別研究事業「特定保健指導の実践的指導実施者育成プログラムの開発」報告書より)
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研修データベースについて
国立保健医療科学院
「特定健康診査・特定保健指導に関するデータベース」
【研修情報データベースの目的と意義】
①研修を実施する団体や当該研修の実施スケジュール・内容
等の情報を提供。
②研修を主催する研修企画者は、主催する研修の情報をホー
ムページで提供可能。
③研修受講者は、ホームページを閲覧することにより、必要な
研修情報を取得可能。
☆国立保健医療科学院研修データベースアドレス
http://www.niph.go.jp/wadai/kenshin/index.html
大阪労災病院勤労者予防医療センター
特定保健指導対象者の選定と階層化
STEP1:内臓脂肪型肥満と、非内臓脂肪型肥満を分類
1) 内臓脂肪型肥満
腹囲:男性≧85cm 女性≧90cm
2) 非内臓脂肪型肥満
腹囲:男性<85cm 女性<90cm
かつBMI≧25
STEP2:動脈硬化を早める危険因子を数える
1) 血糖(いずれかに該当)
①空腹時血糖:100mg/dl以上
②ヘモグロビンA1c:5.2%以上
2) 脂質(いずれかに該当) 3) 血圧(いずれかに該当)
①中性脂肪:150mg/dl以上 ①収縮期血圧:130mmHg以上
②HDL-cho:40mg/dl未満
②拡張期血圧:85mmHg以上
上記が1つでもあてはまる場合 4) 喫煙歴
STEP3:STEP1,2から、保健指導の必要レベルをグループ分け
危険因子
1)腹囲:男性≧85cm 女性≧90cm
2)腹囲:男性<85cm 女性<90cm
かつBMI≧25
3個以上
積極的支援
積極的支援
2個
積極的支援
動機づけ支援
1個
動機づけ支援
動機づけ支援
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保健指導対象者の選定と階層化
STEP4:
1.服薬中の者は、医療保険者による特定保健指導の対象としない。
→継続的に医療機関を受診しており、栄養、運動等を含めた必要な保健指導について
は、医療機関において継続的な医学管理の一環として行われることが適当であるため。
(参考)
○特定保健指導とは別に、医療保険者が、生活習慣病の有病者・予備群を減少させる
ために、必要と判断した場合には、主治医の依頼又は、了解の下に、保健指導を行う
ことができる。
○市町村の一般衛生部門においては、主治医の依頼又は、了解の下に、医療保険者と
連携し、健診データ・レセプトデータ等に基づき、必要に応じて、服薬中の住民に対する
保健指導を行う。
2.前期高齢者(65歳以上75歳未満)については、積極的支援の対象と
なった場合でも動機づけ支援とする。
→①予防効果が多く期待できる65歳までに、特定保健指導が既に行われてきていると考
えられること、
②日常生活動作能力、運動機能等を踏まえ、QOLの低下に配慮した生活習慣の改善
が重要であること
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特定保健指導対象者の選定と階層化
○服薬中の者については、医療保険者による特定保健指
導の対象としない。
<理由>
継続的に医療機関を受診しており、栄養、運動等を含めた必要な保健指導については、
医療機関において継続的な医学的管理の一環として行われることが適当であるため。
<参考>
特定保健指導とは別に、医療保険者が、生活習慣病の有病者・予備群を減らすために
必要と判断した場合には、主治医の依頼又は了解の下に、保健指導を行うことができる。
○前期高齢者(65歳以上75歳未満)については、積極的
支援の対象となった場合でも動機づけ支援とする。
<理由>
①予防効果が多く期待できる65歳までに、特定保健指導がすでに行われてきていると考
えられること
②日常生活動作能力、運動機能等を踏まえ、QOLの低下に配慮した生活習慣の改善が
重要であること
等
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標準的な保健指導
1.糖尿病等の生活習慣病の予備群に対する保健指導
・対象者の生活が基盤
・対象者自らの気づき及び、自ら健康的な行動変容の方向性を導き出せるよう支援する
・対象者に必要な情報を提示し、自己決定できるよう支援する。またそのことにより、健康的な生活を
維持できるよう支援する
2.対象者ごとの保健指導プログラムについて
・保健指導の必要性ごとに「情報提供」「動機づけ支援」「積極的支援」に区分されるが、各保健指導
プログラムの目標を明確化した上で、サービスを提供する必要がある。
情報提供
自らの身体状況を認識するとともに、健康な生活習慣の重要性に対する理解と
関心を深め、生活習慣を見直すきっかけとなるよう、健診結果の提供にあわせて、
基本的な情報を提供すること。
動機づけ
支援
対象者が自らの健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取り組
みを継続的に行うことができるようになることを目的とし、医師、保健師又は管理
栄養士の面接・指導のもとに行動計画を策定し、生活習慣の改善のための取り
組みに係る動機づけ支援を行うとともに、計画の策定を指導した者が、計画の実
績評価を行う。
積極的
支援
対象者が自らの健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取り組
みを継続的に行うことができるようになることを目的とし、医師、保健師又は管理
栄養士の面接・指導のもとに行動計画を策定し、生活習慣の改善のための、対象
者による主体的な取組に資する適切な働きかけを相当な期間継続して行うととも
に、計画の策定を指導した者が、計画の進捗状況評価と計画の実績評価(計画
策定の日から6ヶ月以上経過後に行う評価をいう。)を行う。
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情報提供の内容
支援形態
●健診結果送付に合わせて情報提供用紙を送付する。
●IT等活用されていれば、個人用情報提供画面を利用する。
支援内容
〈個別支援〉
●健診結果や健診時の質問票から対象者個人に合わせた情
報の提供が必要。
●特に問題とされることがない者に対しては、健診結果の見方
や健康の保持増進に役立つ内容の情報を提供する。
●健診の意義や健診結果の見方を説明する。また、健診結果
の経年変化をグラフでわかりやすく示す。
●対象者個人の健康状態や生活習慣から、重要度の高い情
報を的確に提供することが望ましい。
●身近で活用できる社会資源情報も掲載する。
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動機づけ支援の内容
支援形態
〈面接による支援〉次のいずれか
●1人20分以上の個別支援●1グループ80分以上のグループ支援
〈6か月後の評価〉次のいずれか
●個別支援 ●グループ支援 ●電話 ●e-mail 等
支援内容
〈個別支援〉
●生活習慣と健診結果の関係の理解や生活習慣の振り返り、メタボリックシン
ドロームや生活習慣病に関する知識と対象者本人の生活が及ぼす影響、生
活習慣の振り返り等から生活習慣改善の必要性を説明する。
●生活習慣を改善するメリットと現在の生活を続けるデメリットについて説明する。
●栄養・運動等の生活習慣の改善に必要な実践的な指導をする。
●対象者の行動目標や評価時期の設定を支援する。必要な社会資源を紹介
し、有効に活用できるように支援する。
●体重・腹囲の計測方法について説明する。
●生活習慣の振り返り、行動目標や評価時期について対象者と話し合う。
●対象者とともに行動目標・行動計画を作成する。
〈6か月後の評価〉
●身体状況や生活習慣に変化が見られたかについて確認する。
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積極的支援の内容
○初回時の面接による支援:動機づけ支援と同様
○3ヶ月以上の継続的な支援
支援形態
●個別支援 ●グループ支援 ●電話 ●e-mail
※継続的な支援に要する時間は、ポイント数の合計が180ポイント以上とする。
支援内容
支援A(積極的関与タイプ)
● 生活習慣の振り返りを行い、行動計画の実施状況の確認や必要に応じた支援をする。
● 栄養・運動等の生活習慣の改善に必要な実践的な指導をする。
〈中間評価〉
● 取り組んでいる実践と結果についての評価と再アセスメント、必要時、行動目標・計画の
設定を行う。
支援B(励ましタイプ)
● 行動計画の実施状況の確認と確立された行動を維持するために賞賛や励ましを行う。
支援
ポイント
合計180ポイント以上とする
内訳:支援A(積極的関与タイプ):個別支援A、グループ支援、電話A、e-mail Aで
160ポイント以上
支援B(励ましタイプ):電話B、e-mail Bで20ポイント以上
○6ヵ月後の評価
支援形態
●個別支援
●グループ支援
●電話
●e-mail 等
支援内容
●身体状況や生活習慣に変化が見られたかについて確認する。
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積極的支援における支援形態のポイント数
基本的な
ポイント数
支援形態
最低限の
介入量
ポイントの上限
個別支援A
5分
20ポイント
10分
30分/120Pまで
個別支援B
5分
10ポイント
5分
10分/20Pまで
グループ支援
10分
10ポイント
40分
5分
15ポイント
5分
20分/60Pまで
5分
10ポイント
5分
10分/20Pまで
1往復
40ポイント
1往復
1往復
5ポイント
1往復
120分/120Pまで
電話A
●e-mail、FAX、手紙等により、初回面
接支援の際に作成した行動計画の実
施状況について記載したものの提出を
受け、それらの記載に基づいた支援
電話B
●行動計画の実施状況の確認と励まし
や出来ていることには賞賛をする支援
e-mail A
●電話Aと同様
e-mail B
●行動計画の実施状況の確認と励まし
や賞賛をする支援
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望ましい積極的支援の例
○面接による支援(初回)
個別支援(30分以上)
または
グループ支援(90分以上)
・生活習慣と健診結果の関係の理解や生活習慣の振り返り、行動計画や行動目標の設定等動機づけ支援の内
容を含む支援
・栄養:食生活の中で、エネルギーの過剰摂取につながっている要因を把握し、その是正のために料理や食品の
適切な選択等が自らできるスキルを身につけ、確実に行動変容できるような支援
・運動:生活活動、運動の実施状況の確認や歩行前後の把握などを実施し、確実に行動変容できるような支援
○2週間後
電話、またはe-mailによる支援
○1ヵ月後
電話、またはe-mailによる支援
○2ヵ月後
電話、またはe-mailによる支援
○3ヵ月後(中間評価による体重・腹囲等の測定から必要時6ヵ月後の評価までの目標・行動計画の修正含む)
個別支援(20分以上)
または
○4ヵ月後
電話、またはe-mailによる支援
○5ヵ月後
電話、またはe-mailによる支援
○6ヵ月後の評価
個別支援(20分以上)
または
グループ支援(80分以上)
グループ支援(80分以上)
・次回の健診までに確立された行動を維持できるような支援を行う。
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特定保健指導の評価①
1)「個人」に対する保健指導の評価
対象者個人の評価は、適切な手段を用いて保健指導が提供されて
いるか(プロセス(過程)評価)、その結果、生活習慣に関して行動変
容がみられたか、また健診結果に改善がみられたか(アウトカム(結
果)評価)といった観点から行う。
2)「集団」に対する保健指導の評価
個人への保健指導の成果を、集団として集積して評価することによ
り、指導を受けた対象者全体に対する成果が確認できる。
集団の単位としては、地域や事業所単位、また、年齢や性別などが
考えられ、それぞれに区分して、生活習慣に関する行動変容の状況、
健診結果の改善度、また、生活習慣病関連の医療費の評価も行う。
集団としての評価結果は、保健指導プログラムの改善や保健指導
実施者の資質向上のための研修などにも活用する。
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特定保健指導の評価②
3)「事業」に対する保健指導の評価
医療保険者が行う保健指導は、個人への保健指導を通して、集団全
体の健康状態の改善を意図している。そのため医療保険者は、事業全
体について評価を行う。事業の評価は、対象者把握、実施、評価の一
連の過程について以下の4点から評価する。
・適切な資源を活用していたか(ストラクチャー(構造)評価)
・対象者を適切に選定し、適切な方法を用いていたか(プロセス(過程)評価)
・望ましい結果を出していたか(アウトカム(結果)評価)
・事業評価が適正に実施されているか
これらの評価は、保健指導プログラムごとに行い、問題点を明確にした上で
改善図っていく。
特に、保健指導を委託して実施している場合には、この事業としての評価は、
医療保険者にとって重要である。
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取り組み事例紹介
事例1:建築会社A健保(組合員数650名、半数近くは被扶養者)
●背景
①生活習慣病による長期休業者が多い
②健診の有所見率が全国平均を上回っている
③保健指導の成果が見えにくい
●内容:半年間の集団学習と個別指導
①毎回身体測定:体重・体脂肪・腹囲・血圧
②初回:数値目標・行動目標の設定・セルフモニタリング
法説明・食事記録表・食事写真用カメラ配布
③二回目以降:セルフモニタリング表チェックと行動目標チェック
④最終回:終了証の発行
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取り組み事例1のスケジュール
特定健康診査(兼:定期健診)
対象者確定
集団教育
・メタボとは?について
個別指導
・重症度に併せて呼び出し
集団指導と個別指導の組み合わせ:半年間の減量コース
初回:集団指導
①案内
直接対象者へ(上司の協力も得る)
就業時間内に実施
管理栄養士(委託)に協力依頼
②内容
調理実習やセミナー
数値目標と行動目標の設定
電話・メールによる支援
2回目:集団指導及び個別指導(健康行動の継続支援)
目標の達成状況の把握、課題に対する相談・指導、励まし
電話・メールによる支援
3回目:集団指導及び個別指導(復習)
目標の達成状況の把握、今後の意気込みの宣言、終了証発行
次回の健診にてフォロー
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取り組み事例1の結果と評価
H20度 参加者24名
<結果>(半年後)
◎改善が見られた人数
・体重:12/24名
・腹囲:8/24名
・体脂肪:8/24名
・血圧:収縮期6/24名
拡張期12/24名
<評価>
・男の料理教室は、健康的な食
生活の獲得まで結びつける成
果は見られなかった。
・第一回目の集団指導にて、どれ
だけ健康行動変容を促すことが
出来るかがポイント
・何をして減量するかはあくまで
自己決定
・次回は休日を利用して、被扶養
保険者も巻き込みたい。
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<参考①-1>まだ目を通されていない方は必読!
○ 「特定健康診査・特定保健指導の円滑な実施に向けた手引き」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03d.html
○「標準的な健診・保健指導に関するプログラム(確定版)」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/info03a.html
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<参考①-2>保健指導における学習教材集
国立保健医療科学院のホームページからダウン
ロードできます。
• 対象者が自分の生活や身体の状況について
現状を知るための教材例
• 行動変容のために具体的に何をどうすれば
よいかを選択できるための教材例
• 代謝等身体のメカニズムに関する知識を伝え
るための教材例
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<参考②-1>特定健康審査機関の外部委託に関する基準
(厚労省告示第11号 平成20年1月17日)
【人員に関する基準】
○特定健康診査を適切に実施するために必要な医師、看護師等が質的及び量
的に確保されていること。
○常勤の管理者が置かれていること(事務職で可)。
【施設、設備等に関する基準】
○特定健康診査を適切に実施するために必要な施設及び設備等を有している
こと。
【精度管理に関する基準】
○特定健康診査の項目について内部精度管理(特定健康診査を行う者が自ら
行う精度管理(特定健康診査の精度を適正に保つことをいう。)が定期的に行
われ、検査値の精度が保証されていること。
○外部精度管理(特定健康診査を行う者以外の者は行う精度管理をいう。)を定
期的に行われ、検査値の精度が保証されていること。
【特定健康診査の結果等の情報の取扱いに関する基準】
【運営等に関する基準】
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<参考②-2>特定健康審査機関の制度管理
(1)基本的考え方
精度管理とは、健診の精度を保つため、その健診全体を適切に管理することである。
内部精度管理とは、健診機関内で同じ測定値が得られるようにすることであり、外部精
度管理とは、健診機関間でも同じ測定値が得られるようにすることである。
内部精度管理、外部精度管理について、健診実施者は、「健康増進事業実施者に対
する健康診査の実施等に関する指針」における精度管理に関する事項に準拠して、精
度管理を行うものとする。
(2)内部精度管理
健診機関内では、検体の採取・輸送・保存、測定、検査結果の管理、安全、管理者の
配置等について常に管理し、検査値の精度を保証する。そのためには、トレーサビリティ
も含めた十分な内部精度管理が定期的に行われることが必要である。
※ トレーサビリティ:健診判定値について、測定の基準となる標準物質あるいは基準と
なる測定方法の結果に合わせられることである。
(3)外部精度管理
現在実施されている外部精度管理事業(日本医師会、日本臨床検査技師会、全国労
働衛生団体連合会など)を少なくとも一つは定期的に受け、検査値の精度が保証された
結果であることが必要である。
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<参考③>特定保健指導の外部委託に関する基準
(厚労省告示第11号 平成20年1月17日)
【人員に関する基準】
○特定保健指導の業務を統括する者(特定保健指導を実施する施設において、
動機付け支援及び積極的支援の実施その他の特定保健指導に係る業務全般
を統括する者)が、常勤の医師、保健師又は管理栄養士であること。
○常勤の管理者が置かれていること。
○積極的支援について、積極的支援対象者ごとに、特定保健指導支援計画の
実施(特定保健指導の対象者の特定保健指導支援計画の作成、特定保健指
導の対象者の生活習慣や行動の変化の状況の把握及びその評価、当該評価
に基づいた特定保健指導支援計画の変更等を行うことをいう)について統括的
な責任を持つ医師、保健師又は管理栄養士(保健指導に関する一定の実務経
験を有する看護師)が決められていること。
○特定保健指導の対象者が治療中の場合には、統括的な責任を持つ者が必
要に応じて当該対象者の主治医と連携を図ること。
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特定健診・保健指導の円滑な実施のために関係者に対し
周知を徹底すべき事項
1.制度全般に関する事項
①
②
③
④
⑤
特定健診等に係る基本的な仕組み
照会対応
自己負担の説明対応
健診項目
任意継続被保険者、特例退職被保険者の取り扱い
2.制度の運用に関する事項
①
②
③
④
⑤
⑥
受診券・利用券の様式・記載方法に関する事項
個別契約における受診券・利用券
全国で利用できる受診券・利用券における標記の変更
特定健診受診時の本人確認に関する事項
健診時の質問票に関する事項
特定保健指導の自己負担の取扱
3.集合契約に関する事項
① 複数の集合契約に参加している実施機関からの費用請求に関する事項
② 特定健診の結果通知に関する事項
4.特定保健指導に関する事項
途中脱落時の費用請求に関する事項
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健診機関等から保険者へ送付され、
保険者で保存されるデータの形態
●平成20年度当初から、電子データのみでの送付及び保険者での保存とする。
● 電子的標準様式(保険者が受け取るファイル)を通知で規定
􀂄 電磁的方法により作成された特定健康診査及び特定保健指導に関する記録の
取扱いについて(平成20年3月28日健発第0328024号、保発第0328003号)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/info03j-4.pdf
􀂄 電磁的方法により作成された特定健康診査及び特定保健指導に関する
記録の様式について(平成20年3月28日健総発第0328001号、保総発第
0328002号)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/dl/info03j-5.pdf
􀂄 特定健康診査・特定保健指導の電子的な標準様式の仕様に関する資料
http://tokuteikenshin.jp/update/spec2008/index.html
● 標準仕様のファイルを作成できるフリーソフトが研究班等から提供
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一定の研修について
○ 実施基準第16条第1項の規定に基づく告示(いわゆる委託基準):
特定保健指導実施者(実施基準第7条第1項第2号の規定に基づき、
動機付け支援対象者に対し、生活習慣の改善のための取組に係る動
機付けに関する支援を行う者又は実施基準第8条第1項第2号の規定に
基づき、積極的支援対象者に対し、生活習慣改善のための取組に資す
る働きかけを相当な期間継続して行う者をいう)は、国、地方公共団体、
医療保険者、日本医師会、日本看護協会、日本栄養士会等が実施する、
一定の研修を修了していることが望ましい。
○ 一定の研修の主な目的は、特定健康診査・特定保健指導の具体的
方法等を理解し、特定保健指導技術のスキルアップを図ること。
○ 「健診・保健指導の研修ガイドライン(確定版)」が定められている。
http://www.niph.go.jp/soshiki/jinzai/koroshoshiryo/kenshin/tenpu/2.pdf
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