Transcript 国債市場流動性低下は
債券レポ取引 ~フェイル慣行について~ 07bc101y 債権レポ取引とは ・レポ取引とは、現金担保付債券貸借取引の略で、現金を担保とした 債券の消費貸借契約のこと。 ・具体的には当事者の一方が他方に債券を貸し出し、見返りに担保金 を受け入れ、一定期間経過後にこの債券と同種同量のものの返還を受 けて、担保金を返却する。借り手としてはトレーディングの決済に必 要な債券が調達でき、貸し手としては債券の品貸料が入る上に、受け 入れた担保金の運用益も期待できる。 ・対象証券はほぼ全て国債。 日本のレポ取引市場 国債取引の4~5割は、日本国債清算機関(JGBCC)を 経由して決算されている。JGBCCは、参加者間の国債取 引について両当事者の債務を引き受け、決済の履行を保証 する。これにより 、参加者間の債権債務は各参加者と JGBCCの間の債権債務に置き換えられる。 日本のレポ取引市場 2007年、日本でも短期金融市場残高に占めるレポ取引の割合は増加傾向。規 模は米国に及ばないものの、英国とは同等の規模となっている。 しかし、回転率(取引額/発行残高)を見ると米国、英国に対して低い水準。 2008年では、90兆円程度の水準にはなった。 → まだ拡大する余地がある リーマン破たんによる国債レポ市場の影響 しかし、リーマン破綻を契機として、 国債レポ取引市場の市場流動性が低下。 これは、国債市場の市場流動性の低下に拍車をかけた! 国債市場流動性低下は、金利体系にゆがみを生じさ せ、市場全体の価格発見機能を低下させる等の影響 を及ぼす。 要因 ①リーマンのデフォルトを契機に、外国金融機関を相手方とする取引 が減少した。 ②リーマンのデフォルトの影響で決済フェイルが急増したことを受け、 レポ取引自体をさける動きが生じた。 ③資金繰りの慎重化から、大手銀行が無担保コールで調達した資金を レポで運用する裁定取引を縮小。 リーマン破たんによる国債レポ市場の影響 国債レポは有担保取引であり、金融危機等の下では、無担保 取引より安全・確実な資金調達手段として重要性を増すはず。 しかし、フェイルの急増等に伴い取引が大きく減少した。 レポ市場の制度的問題が 顕在化したのではないか。そこで… 論点 フェイル慣行を 定着させるべきではないか。