電子化時代の返戻・査定対策 - メディカルサポートシステムズ

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Transcript 電子化時代の返戻・査定対策 - メディカルサポートシステムズ

レセプト審査の最新事情2012
~電子レセプト時代の返戻・査定対策~
平成24年 2月10日
有限会社メディカルサポートシステムズ
認定医業経営コンサルタント 第5590号
細 谷
邦 夫
本日の内容
 電子レセプトのメリットが牙をむく
返
戻
・
査
定
の
現
状
 延期されていた新システムが本格稼働
 どのようシステムで審査されるかを把握し、冷静に
しっかりと対応する
 査定が厳しくなるのか?
 本来のルールが厳密になるだけ
 機械的にレセプトが審査されるということでは無い
 査定されないためにレセプトの基礎体力をつけ
ましょう!
2
レセプト点検の重要性
3
レセプト(診療報酬明細書)とは
レ
セ
プ
ト
点
検
の
重
要
性
 医療機関の収入の根幹
算定ミスが発生すると・・・
本来予定されていた収入が確保できない
⇒請求漏れによる収入減
⇒機器のリース料等支払の計算が狂う
実際に行われた医療行為が
保険請求に正しく反映されない
⇒過剰請求等による患者の不信感
4
レセプト(診療報酬明細書)とは
レ
セ
プ
ト
点
検
の
重
要
性
 正しく請求するためには
 各種医療関連法規の理解
 点数表や通知など
 療養担当規則
 明細の記載要領
 診療報酬改定に注意
 新点数の届出等は大丈夫か
 解釈など情報収集は万全か
 返戻・査定(減点)通知から請求ミスの原因を突
き止め、その対策を考える
 院内のインフラの整備
 病名漏れ対策→ソフト、レセコン・電子カルテの機能
 オンライン請求時の事務点検ASPの活用
5
レセプト審査の状況
レ
セ
プ
ト
点
検
の
重
要
性
保険者は点検を一層強化
 保険者財源の赤字傾向の深刻化
 財政破綻の危機
→ 慢性的赤字傾向から脱却を目指す
→ 診療報酬請求事務能力認定試験等資格者を活用
 外部委託の進展
→自前で点検を実施できない保険者は業者へ業務委託
審査支払い機関も体制強化
 支払基金の民間法人化
 容認率の低下への取組み
 レセプト電子化による審査技術の向上
 政府
 事業仕分けでも話題に
 新システムの稼働で医療機関にとっては、ますま
す逆風が強くなる
6
よくある算定漏れ・間違い事例
レ
セ
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ト
点
検
の
重
要
性
傷病名の付け方
 同月内における初診料の複数回算定
 患者の任意の中止による初診料の算定
 複数診療科受診の際の同日初診
 施設基準の届出漏れ・忘れ
 傷病名開始日の間違いによる診察料の査定
 時間外加算の対象となる時間帯における電話
再診時の加算
 休日の深夜の時間帯における診療を行った場
合の深夜加算
 小児科特例時間外加算の算定漏れ
 他院から持参した検査結果等の読影料
 薬剤の多剤投与の計算

7
電子化時代のレセプト審査
8
電子レセプトの普及率
電
子
化
時
代
の
レ
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ト
審
査
医 療
機関数
オンライン
フロッピー等
電子請求計
件数
%
件数
%
件数
%
病
院
8、639
8、330
96.4
198
2.3
8、528
98.7
診
療
所
87、901
36、922
42.0
34、308
39.0
71、203
81.0
計
96、540
45、252
46.9
34、506
35.7
79、758
82.6
医科件数ベース:94.3%
歯科:35.4%
保険者:80.7%
調剤:93.9%(機関数ベース)
(社会保険診療報酬支払基金資料:平成23年12月31日現在) 9
審査の体制強化1
電
子
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時
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審
査

電子点数表を用いたチェックの開始
 平成23年7月審査分から
 下記2点について、「1日につき」及び「同一月内」の条
件で判定ができる算定ルー ルを点検するシステム
 「包括」に関する算定ルールに対する適合性の点検
(例) 「○○に係る費用は、▲▲の所定点数に含まれる
ものとする。」と規定されているもの
 「背反」に関する算定ルールに対する適合性の点検
(例) 「△△は、□□を算定している患者については算
定しない。」と規定されているもの
「H23.7.14 支払基金プレスリリース資料より」
10
審査の体制強化2
電
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審
査

平成24年3月審査分(2月診療分)から支払基金が
レセプトのコンピュータチェックを強化
 突合審査・縦覧審査
 本来は平成23年4月から実施予定であったが延期さ
れていた
 平成22年度診療報酬改定で記載要領の変更
 平成24年4月からレセ電ファイルに診療日を記録
 突合点検とは
 処方せんを発行した医療機関のレセプト(医科・歯科)
と、調剤を実施した薬局の調剤レセプトとを患者単位で
照合する審査
 縦覧点検とは
 同一医療機関の同一患者のレセプトを複数月に渡って
照合する審査
11
審査の体制強化2
電
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審
査

平成22年10月診療分から支払基金がレセプトのコ
ンピュータチェックを強化

適応、用法・用量チェックは平成22年2月から実施済み


1955品目(H22.9月現在)
診療行為と病名(適応が明確化されているもの164項目)

各種処置、生活習慣病管理料、在宅酸素療法指導管理料

今後検査から特定保険医療材料まで拡大予定

医薬品と病名(病名禁忌・併用禁忌など791品目)
ボルタレン(消化性潰瘍・アスピリン喘息・妊婦等は禁忌)
 イトリゾール(オーラップ・ハルシオン・リポバス等と併用禁忌)


今まで査定された事がないけど・・・


禁忌チェックは目険ではすり抜ける可能性大
院外処方ではもう一つの理由で査定されない
12
院外処方せんの査定の流れ
電
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時
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審
査
処方せん
支
払
基
金
医科レセ
国
保
連
医科と調剤レセの突合
調剤レセ
1500点超
1月診療分まで
 医科レセプトと調剤レセプトの突合審査
 調剤レセプトが1500点を超えると突合対象だった
 査定は処方元から(2月診療分から責別確認)
 薬剤師も審査委員に名を連ねる(H23.6~)
13
突合点検対応の流れ(医療機関側)
電
子
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の
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審
査
突合点検の結果、査定の有無に関わらず請求通り
支払われる
 返戻等と一緒に『突合点検結果連絡書』が送付





請求翌月初め(診察の翌々月)に送付される
院外処方に関する査定内容が記される
処方せんの内容と異なる査定内容の場合には異議申し立
てをする
『処方せん内容不一致連絡書』を送付



『突合点検結果連絡書』と同じ用紙
処方内容等が異なるものに○をつけ支払基金に送付
連絡書が送付された月の18日までに送付する
請求月の翌月=診療月の翌々月18日まで
 土・日・祝日の場合は翌営業日


18日を過ぎた場合には再審査請求の手続きで行う
14
突合点検対応の流れ(医療機関側)
電
子
化
時
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の
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審
査
15
突合点検対応の流れ(支払基金側)
電
子
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代
の
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セ
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ト
審
査

責別確認




異議申し立てのあったレセプトについて、調剤薬局より処
方せんを取り寄せる
内容を確認し、医療機関と薬局とどちらが原因かを明らか
にした上で減点する
後発品に変更されて適応外となったケースは審査対象
外?
注意が必要なケース

一包化、分割調剤、嚥下困難者への指示などで処方せん
に不備がある場合には医療機関から調剤報酬が減点さ
れる
16
【参考】後発医薬品について
電
子
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時
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の
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ト
審
査

効能違いの場合の取り扱いについて疑義照会

先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品について、
一律に査定を行うことは、後発医薬品への変更調剤が進
まなくなること、また、それに伴い、医療費が増える可能性
があること等を保険者に説明し、影響を理解してもらうよう
努めていただきたい。
「厚生労働省保険局長から支払基金理事長あて(平成24年1月17日・保発0117
第1号)」

先発医薬品と効能効果に違いがある後発医薬品



内服薬23製剤・406品目
外用薬1製剤・18品目
注射薬9製剤・158品目

日本ジェネリック製薬協会調べ(平成24年1月19日現在)
17
【参考】処方せん新様式案
電
子
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審
査
18
医師の指示が必要な調剤報酬
電
子
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の
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審
査
 以下のものは調剤薬局に確認を
 分割調剤
 嚥下困難者用製剤加算
 一包化加算
 自家製剤加算
 計量混合調剤加算
 後発医薬品調剤加算
 重複投薬・相互作用防止加算
等
※診療報酬ではありません
19
縦覧点検対応の流れ(支払基金側)
電
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ト
審
査

原則として6ヶ月分のレセプトを縦覧

査定対象とするのはあくまでも請求当月分





保険者は過去に遡って査定することもあり得る
過去に遡っての減点はしない
いきなり6ヶ月分ではなく、順次増やしていく
過去の傷病開始日を加筆・修正してもいいのか?
注意が必要なケース

複数月に1回とされるもの


2回目以降逓減となるもの


骨塩定量検査、尿中アルブミン、尿中Ⅳ型コラーゲン、リポ蛋白
(a)、シスタチンC、PSA 等
心電図、超音波検査、内視鏡検査 等
患者1人につき1回とされるもの

ウイルス疾患指導料、死亡診断加算、がん患者カウンセリング料、
20
HCV特異抗体価測定
審査体制見直しの効果
電
子
化
時
代
の
レ
セ
プ
ト
審
査
 査定率の前年同月比推移
審査月
H22.12
H23.1
H23.2
査定件数
20%弱
約15%
20%強
査定件数率
20%弱
約15%
15%弱
査定点数
約10%
約10%
10%弱
査定点数率
約10%
約10%
1%強
 内訳
 医薬品チェックが異常な伸び
 間違いなくコンピュータチェックの効果
「支払基金プレスリリース資料より」
21
審査の体制強化で起こるあれやこれや
電
子
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時
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レ
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ト
審
査

レセプトの中身だけに留まらない


24年1月から再審査等に係る電子レセプトの画面による
審査(医科・歯科)を開始
厚生労働省へ生活保護医療費データ提供


① 生活保護受給者のレセプト件数が多い医療機関等、② 生活保
護受給者のレセプト合計点数が高い医療機関等、③ 生活保護受
給者のレセプト1件当たりの点数が高い医療機関等、④ 生活保護
受給者以外の通院日数に比べて生活保護受給者の通院日数が
多い医療機関等、⑤ 全体の請求件数に比べて生活保護受給者
の件数割合が高い医療機関等、⑥ 生活保護受給者以外の請求
点数に比べて生活保護受給者のレセプト1件当たりの点数が高い
医療機関等、⑦ 生活保護受給者の居住地からみて県外受診が
多い医療機関等(それぞれ上位100医療機関)(すべて厚生労働
省から指定されたもの)
個人的に心配・・・酸素加算の届出

未届出は算定要件を満たさないので、減点される可能性有。レセ
プトに酸素代が記載されていれば、届出有として審査はする。しか
し、厚生局から連絡が来ている届出価格との照合をすることもあり、
22
そこで届出無ということがわかれば減点する(東京基金)
レセプトの審査
(対策を練るにはまず敵を知ることから)
審査とレセプトの流れ
審査支払機関
レセプト
レ
セ
プ
ト
の
審
査
レセプト受付
事務点検・事務共助
保
険
医
療
機
関
保
一次
審査
審査専
門部会
険
返 戻 ・
増減点連絡書
二次審査
再審査請求
者
支 払
返 戻 ・
支払調整額通知
レセプト
再審査部会
再審査請求
24
なぜ1年も前のレセが?
 レセプトの流れ

レ
セ
プ
ト
の
審
査
レセプトは1ヶ月単位で動いている
①レセプト
③レセプト
保
険
医
療
機
関
②返戻
⑥過誤通知
再審査請求
審
査
支
払
機
関
保
④支 払
険
⑤再審査請
求
者
25
審査手数料

レ
セ
プ
ト
の
審
査
保険者が支払っている
 受取り方によって値段が違う
 電子レセプト
 オンライン=医科・歯科:99.4円、調剤:49.6円
 電子媒体=医科・歯科:100.7円、調剤:50.9円
 紙媒体
 レセコン=医科・歯科:111.4円、調剤:61.6円
 手書き=医科・歯科:99.4円、調剤:49.6円
「H23.12.26 支払基金プレスリリース資料より」
26
返戻・査定とは
 返戻は以下のような理由でレセプトが返送さ
れる
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 資格喪失
 保険証の入力ミス
 点数の誤り
 診療内容に疑問のあるもの
等
 査定=増減点
 殆どの場合は減点
 ごく希に増点してくれることもある!
27
査定のメカニズム
 根本的なこと
 保険診療への理解が不充分
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 診療報酬改正への対応不備
 療養担当規則等への関連知識不足
 レセプト点検の手法
 単月点検・縦覧点検・突合審査・横覧点検
 非常に多い事例
 ケアレスミス
 傾向診療
 経済査定
28
査定の実例
 1)傷病名漏れ
 ケアレスミスによる漏れ
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 「臨床的に当然」なので病名を付けなかった
 2)診療報酬上のルール
 算定出来ない組合せの検査等
 3)レセプト記載上のルール
 検査数値等の記載漏れ
 「臨床的に当たり前」は要注意!
29
レセプト審査の着眼点

病名漏れ

レ
セ
プ
ト
の
審
査

薬剤の添付文書の内容

再審査請求をしても
復活の可能性は低い



明細の記載要領



 薬剤の適応
検査数値
 病名漏れ
検査実施日・前回実
 同種・同効薬剤の併用
施日等の記載
 内服と頓服
薬剤投与開始日


療養担当規則


禁忌
用法上制限のあるもの
定期的な検査の実施を求
めるもの
内服と注射の併用
外傷のレセプト
縦覧点検(診療の流れを
見る)



検査のスパン・頻度
検査意義
薬剤の投与日数・量(維持
量への減額等)
30
点検調査要綱とは
 単月点検調査(抜粋)
 点検対象レセプト及び重点点検項目について、傷
レ
セ
プ
ト
の
審
査
病名や、傷病名と医療機関の組合せ等により効
果的なレセプト抽出を行い、次の内容に留意した
点検調査を行う。
 傷病名等から見て1件当りの診療点数が著しく高いもの
 診療内容、請求内容から見て傷病名が著しく多いもの
 傾向診療のあるもの(画一的処置、検査、投薬の有無)
 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投薬
および検査材料)
31
点検調査要綱とは
 縦覧点検調査(抜粋)
 単月点検調査を行ったレセプトについて、保険
レ
セ
プ
ト
の
審
査
医療機関単位に、連続した複数月レセプトを有
する者について、原則3か月の縦覧点検調査を
行う。
 なお、次の内容に留意した点検調査を行う。
 継続した診療内容に関する疑義の有無
 漫然と長期にわたる診療内容の有無
 診療内容が過剰と思われるもの(各種処置、検査、投
薬および検査材料)
32
カルテとレセプトの関係
 カルテ=レセプトでなければならない
 カルテにあってレセプトに無い
レ
セ
プ
ト
の
審
査
⇒ 算定漏れ
 レセプトにあってカルテに無い
⇒ 不正請求
 レセプト=カルテでは無い難しさ
 症状詳記などが無いと査定の原因となる
33
査定の真の恐ろしさとは

レ
セ
プ
ト
の
審
査
査定は単なる減額ではない
 審査録の存在
 状況によっては不正請求とみなされる
指導・監査へ繋がる危険を孕む
 最悪のケースでは過去5年に遡って自主返還


不服の場合は必ず再審査請求を!!
 減額されたものが復活 ⇒ 増収
 審査員へのアピール
⇒再審査請求書を書くことにより事務員も勉強
34
になる
【参考】指導・監査の方向性
 保険医療機関等に対する指導・監査の検証
レ
セ
プ
ト
の
審
査
及び再発防止策に関する検討チーム中間
とりまとめ(平成22年12月17日)
 コンプライアンス及び情報の迅速な共有を徹底
する具体的仕組み
 地方支分部局を含めた組織・人事の見直し
 内部監察体制等の構築
 保険医療機関等に対する指導監査業務の見直
し等
指導監査の在り方に関しての見直し(平成23年度中)
 コンタクトレンズ検査料の在り方の検討(平成24年診療報酬改
定に向けて)

35
返還の状況

平成22年度の保険医療機関等からの返還額

レ
セ
プ
ト
の
審
査


指定・登録取消の状況



保険医療機関等:11機関(対前年度同件数)
保 険 医 等 :13名(対前年度2名減)
特徴


約43億4千万円(対前年度13億1千万円減)
内訳:指導による返還分:約27億3千万円
監査による返還分:約16億1千万円
架空請求、付増請求、振替請求、二重請求がほとんど
取消の発端

保険者・医療機関従事者・医療費通知に基づく被保険者
からの通報が12件と大部分を占める
36
医療費通知について
 窓口で負担金を貰ってないから大丈夫?


レ
セ
プ
ト
の
審
査
無料健診で項目外の検査をしてあげたが・・・
診療時に請求を忘れた検査項目があった・・・
医療費通知
 保険者から患者様へのレセプト点数の通知


苦情・医療機関への不信のきっかけ・説明責任が重要
一部負担金を貰わないのはそもそも健康保険法違反
 保険者の姿勢




医療費削減の一環として強化する傾向
領収書を貰おう運動 ⇒ 領収書・明細書の義務化
医療費通知をさらに踏み込んだ内容の通知を行っている
保険者もある
査定が発生した場合の差額は返金すべきか?
37
支払基金の審査情報(H23.9.26)
 インテバンSP・インフリー(S)カプセル・ボルタ
レンSRカプセル(錠)など
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 偏頭痛・筋収縮性頭痛に対する処方を認める
 薬理作用が同様
 セロクエル錠(細粒)・セレネース錠(細粒・
注)・ルーラン錠など
 器質的疾患に伴うせん妄・精神運動興奮状態・易
怒性に対する処方を認める
 バルトレックス錠(顆粒)
 特発性末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)に対する
処方を認める
など80例が紹介されている38
支払基金の審査情報(H22.6.21)
 ロキソニン錠・ロキソニン細粒・そのGE
 偏頭痛・緊張型頭痛に対しての処方は認められる
レ
セ
プ
ト
の
審
査
 薬理作用が同様
 ヒアルロン酸

肝機能障害・肝細胞癌疑い・肝硬変では認められない
肝機能障害では慢性肝炎かどうか明確でない
 肝細胞癌は診断の参考にならない
 肝硬変の経過観察の参考とならない


慢性肝炎の病名がない肝細胞癌に対する測定は不可


経過観察や治療方針の決定には参考にならない
慢性肝炎の病名が無くても原発性胆汁性肝硬変に対する
測定は可

原発性胆汁性肝硬変は診断時には必ずしも肝硬変とは言えず、
ステージングの参考となる
39
返戻・査定の対策
査定通知が変わります
 新たに導入される帳票
 突合点検結果連絡書=処方せん内容不一致連
レ
セ
プ
ト
の
審
査
絡書
 突合点検調整額通知票
 突合点検調整額連絡票
 一部変更される帳票
 増減点連絡書
 補正・査定後内容欄に査定のきっかけが記載される
– 縦覧点検
– 入外点検
41
返戻・査定を受けたら
記
号
返
戻
・
査
定
対
策
A
B
C
D
区分
審査委
員会の
決定に
よる医
学的な
理由に
基づく
査定
文 言
(平成18年11月21日 基審発第136号)
主な概念
療養担当規則等に照らし、傷病名等
療養担当規則等に照
から判断して、使用薬剤の効能、効果、
らし、医学的に適応と
もしくは診療行為に医学的有用性が
認められないもの
認められないもの
療養担当規則等に照
らし、医学的に過剰・
重複と認められるも
の
療養担当規則等に照らし、診療内容を
通覧して、薬剤の投与量、投与日数が
医学的に過量であるもの、もしくは診
療行為が医学的に過剰であるもの
療養担当規則等に照
らし、A・B以外の医
学的理由により適当
と認められないもの
診療内容を通覧して、A、Bに該当す
るもの以外で告示・通知等に照らし、
医学的に不適当と認められるもの
告示、
告示・通知の算定要
通知に
告示、通知に示された算定要件に、診
件に合致していないと
療行為が合致しないもの
基づく
認められるもの
査定
42
返戻・査定を受けたら2
病名は漏れていなかったか
 入力項目は正しかったか
 点数表上の回数制限等に抵触していないか
 縦覧点検にかかるような内容ではないか
 薬剤の添付文書(DI)に記載されている使用方法・
適応はどうか
 療養担当規則に抵触していないか

返
戻
・
査
定
対
策

「保険医療費は,医療保険の加入者からの保険料や国
庫補助等によりまかなわれているため,必要性が認め
られない診療,また妥当適切でない診療には支払われ
るべきではない」
 納得のいかない査定には再審査請求を!
43
返戻・査定を受けたら3
返
戻
・
査
定
対
策
 再審査請求の手続き
 再審査請求書に必要事項を記載する
 国保・社保で用紙が違う
 国保はHPからダウンロード可
 社保はOCR用紙なので取り寄せる
 医師会によっては複写レセを付けて医師会に提
出する場合も
 取り下げ請求
 レセプトを一度戻して貰い、修正の後再請求する
手続き
44
返戻・査定の原因別対策1
返
戻
・
査
定
対
策
 診療報酬の算定ルールによるもの
 レセプトの記載ルールによるもの
 健康保険制度によるもの
 臨床的な理由によるもの
45
返戻・査定の原因別対策2
 診療報酬の算定ルールによるもの
 用語の理解
返
戻
・
査
定
対
策
 算定要件の再確認
 初診と再診
 処置の左右
 病態が定められているもの
等
 病名との整合性=レセプト作成の基本
 疑い病名での投薬
 ビオフェルミンとビオフェルミンRの適応疾患
 ロキソニンの投与方法
 アダラートの病名は?
 電子カルテ・レセコンの機能活用を!
46
返戻・査定の原因別対策3
 レセプトの記載ルールによるもの
 病名漏れ
返
戻
・
査
定
対
策
 検査の実施日
 健康保険制度によるもの
 レセプト種別
 療養担当規則
 労災
 臨床的な理由によるもの
 検査・投薬等と病態との整合性
 病気の事を知ろう
47
レセプト作成上の留意事項
レ
セ
プ
ト
作
成
上
の
ポ
イ
ン
ト
 保険診療・診療報酬の算定ルールについて
正しく理解すること
 レセプトとカルテはイコールではない
 傷病名と診療行為でしか表現できない
 「説明不足」であることが多い
 臨床の常識とレセプトの常識の乖離・思いこみ
 自分が審査員であったらそのレセプトをどう見
るか?
48
症状詳記について
レ
セ
プ
ト
作
成
上
の
ポ
イ
ン
ト
読みやすさを意識して書く
 サマリーではないということ


何故その診療行為が必要であったのかその理由を簡
潔に記載する
簡単すぎる場合は返戻され詳細を求められる場
合もある
 症状詳記とレセプトの内容が一致するか注意
 「患者の希望」、「予防のため」は論外


保険診療をよく理解する
49
信
頼
さ
れ
る
医
療
機
関
を
目
指
し
て
まとめ
 正しいレセプトはリスクマネジメントに繋がる
 医療費通知・領収書・明細書・査定
 電子化のメリットの反作用
 レセプトの電子チェックの推進
 レセコン・電子カルテの機能活用を!
 電子カルテを使う医師こそが点数表を読むべき
 手書きレセプトの時代に回帰
 医療事務職の存在がより重要になる
 臨床現場と保険診療の橋渡し役
 レセプトは請求書作成という事務作業
 医師の診療内容と保険診療のルールのマッチングを
図る
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ご清聴ありがとうございました
拙著が、じほう社より刊行されました
『患者さんと共有できる外来点数マニュアル
2010年度版』
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