艦載機による大規模・長期間の作戦行動が可能

Download Report

Transcript 艦載機による大規模・長期間の作戦行動が可能

原子力空母関連資料
1.日本にとっての米空母の意義
2.原子力空母の意義
3.原子力空母の安全性
日本にとっての米空母の意義
日本の周辺情勢
• 北朝鮮は、日本に対していつでも弾道ミサイルに
よる攻撃が可能
・ ノドン・ミサイル(射程1,300km、ほぼ日本全土をカバー)200基
がすでに配備。
• 台湾海峡有事は対岸の火事ではない
・ 台湾から与那国島まで約110km。
・ 中国は海軍力を増強。活発な海洋観測を実施。
(例:昨年の中国潜水艦の領海侵犯)
• シーレーン(海上交通路)は日本の経済に死活的
に重要
・ 日本は原油の約80%を中東に依存、そのうち95%がマラッカ海峡
を通過
米空母がいなければ
• 北朝鮮のミサイル攻撃をとめることができない
北朝鮮による継続したミサイル攻撃を止めるためには、発射基地を攻
撃する必要がある。しかし、自衛隊には敵地攻撃の能力はなく、米軍
(空母艦載機等)に大きく依存
• 日本に影響が大きい台湾海峡有事を未然に防ぐ
ことができない
米空母により制空権を押さえれば、中国もうかつに台湾侵攻を企てる
ことはできない。
• シーレーンを守れない
空母をはじめとする米海軍が、海上交通への脅威を抑止し、排除でき
る唯一の手段
朝鮮半島有事の場合
弾道ミサイル、工作船、南進する地上部隊等、
様々な脅威に迅速に対処が必要
航空機による攻撃能力が鍵
原子力空母の作戦能力
=「艦載機による大規模・長期間の作戦行動」
が極めて重要
台湾海峡有事の場合
岩国
三沢
厚木
400km
嘉手納
仮に戦術航空機の一般的な行動半径を
400kmとした場合、直ちに使用できる陸上
航空基地は存在せず
空母艦載機と爆撃機が主力
原子力空母の作戦能力
=「艦載機による大規模・長期間の作戦行動」
による抑止が極めて重要
シーレーン防衛
横須賀-マラッカ海峡
(約3000マイル)
・通常艦であれば、片道で軽油
約10,000KLが必要
(ドラム缶約5万本)
・作戦の継続のため大規模な後
方支援を維持する必要性有
長距離の移動に伴う補給所要が少ない
遠方での作戦・運用での後方支援が容易
原子力空母によるプレゼンスの誇示、作
戦能力の発揮が容易
迅速に不測事態に対応が可能
日本の国益に資するもの
空母がこの地域に前方展開することは、日本の安全
保障及び経済にとって死活的に重要。1億2000万人
の生命と財産がかかっているといっても過言ではない。
原子力空母の意義
なぜ原子力空母を選択すべきなのか
艦載機の運用(1)
原子力空母は通常空母と比べて
艦艇用の燃料の搭載が不要
艦載機の燃料が約2倍積める
弾薬が約1.5倍積める
飛行甲板が10%大
艦載機の運用(発着艦等)
が容易
艦載機による大規模・長期間の作戦行動が可能
艦載機の運用(2)
艦載機による大規模・長期間の作戦行動が可能
例えば、湾岸戦争において活動した空母6隻の艦載機出撃回数(出撃した艦
載機の延べ機数)はつぎのとおり。
種 別
艦名
通常型
ミッドウェイ
サラトガ
レンジャー
原子力
アメリカ
ケネディ
ルーズベルト
搭載航空機数
56
72
62
73
78
78
行動日数
34
33
38
31
31
39
出撃回数
3,019
2,374
3,329
2,672
2,574
4,149
88.8
71.9
87.6
86.2
83.0
106.4
1日あたりの
出撃回数
[出典:米会計検査院報告書(1998年8月)]
投入できる航空機大
艦載機の運用(3)
艦載機による大規模・長期間の作戦行動が可能
艦載機の攻撃能力は、巡航ミサイルが多用される現代にあっても重要性大。
例えば、イラク戦争(OIF)における攻撃は、
-艦艇・潜水艦発射の巡航ミサイル :
802発
-航空機発射のミサイル・誘導爆弾等:19,146発
[出典:米中央空軍報告書「Operation IRAQI FREEDOM- By The Numbers
(2003年4月30日)」]
艦載機の運用(4)
艦載機による大規模・長期間の作戦行動が可能
艦載機の攻撃能力は、特に利用可能な陸上航空基地が少ない場合、更に有用。
イラク戦争の際、空軍の航空機863機のうち、航続距離の長い爆撃機は51機
のみであった。仮に、紛争地域の近傍に陸上航空基地が少ない場合、爆撃機以
外は使用できなくなる可能性有り。相対的に、空母の艦載機による作戦行動の
規模・期間はより重要となる。
[出典:米中央空軍報告書「Operation IRAQI FREEDOM- By The Numbers
(2003年4月30日)」]
原子力機関の特性(1)
艦艇用の燃料が不要
出力の増減、大出力維持が容易
洋上補給の回数が少ない
加速力大
高速の維持が容易
機動性と生存性が高い
原子力機関の特性(2)
機動性と生存性が高い
通常型は、整備の所要から、保有するボイラー8基のすべてを長期間にわたり
運転することが困難。=高速の維持が困難。
例えば、湾岸戦争時の移動に要した時間をみても、原子力艦が一般に優位。
種別
艦名
通常型
ジョン・F・ケネディ
原子力
ルーズベルト(ニミッツ級)
[出典:米会計検査院報告書(1998年8月)]
移動区間
本土→紅海
移動距離
(マイル)
5,527
航海
日数
平均速力
(ノット)
27
8.5
16
14.4
原子力機関の特性(3)
機動性と生存性が高い
通常型は、整備の所要から、保有するボイラー8基のすべてを長期間にわたり
運転することが困難。=加速力が小
例えば、10ノット(約19km、巡航速度)から30ノット(約54km、最高速度)に
加速する場合の所要時間はつぎのとおり。
原子力
通常型
3分以内
1.5~2時間
原子力機関の特性(4)
機動性と生存性が高い
通常型が、仮に高速(28ノット)で航行した場合、
○3000マイル(横須賀~シンガポールの距離)で艦艇用の燃料(軽油)
約10,000キロリットルを消費。(ドラム缶約5万本)
○2-3日に1回の洋上補給が必要。
○洋上補給中は、
・進路変更不可
・航空機発着不可
・低速航行
したがって、脅威に対し脆弱
[出典:米会計検査院報告書(1998年8月)、米海軍ホームページ]
対中国潜水艦
96年3月の台湾海峡危機を契機として
中国海軍の潜水艦は、近代化、増強
潜水艦への脆弱性克服が米海軍の課題
原子力空母が望ましい
洋上補給への依存度が低い
潜水艦の脅威を避ける加速力が大
原子力空母の安全性
米原子力軍艦の安全運航の実績

50年の運航の歴史の中で、人体や生態系に悪影
響を及ぼす放射能放出の事例は全くない。

日本には延べ1200回以上寄港
 原子力潜水艦 64年から 通算1188回
 原子力空母
67年から 通算 11回
 その他水上艦 67年から 通算
37回

過去40年間、日米両国は環境モニタリングを実施。
→周辺環境の放射能レベルには、米原子力軍艦に
起因する異常な増加は全く検出されていない。
米国による安全性の保証


60年代、米国は、原子力軍艦の安全性に関する
一連のコミットメントを表明。これを踏まえ、我が国
は、米国原子力軍艦の寄港を受け入れてきた。
今般、米側は、従来のコミットメントを明確に再確認。
従来のコミットメントの再確認
合衆国政府の声明(1964年)
エードメモワール(1964年)
エードメモワール(1967年)
会談覚書(1968年)
米国による安全性の保証(抜粋)
厳格な安全基準の適用
○外国の港に寄港する原子力軍艦については、合衆国の港に寄港する場合の安全
基準と同一の安全基準が適用される。また、合衆国の港における運航に関連して
とられる安全上の全ての予防措置及び手続が厳格に遵守される。
廃棄物処理
○固形廃棄物は米本土で処理。
○沖合12海里内での放射性廃液の排出を政策で禁止。
燃料交換/原子炉の修理
○燃料交換、原子炉の修理は日本で一切行われない。
原子炉の運転
○停泊中は通常原子炉を停止。
軍艦の任務に対応した安全性
【商業炉】 商業活動として市民社会への安定
的な電力供給。
【原子力軍艦の原子炉】 軍艦への動力提供。
 戦闘の衝撃に耐え、作戦を継続する頑丈さ。
 平時でも、原子炉の至近で5000名以上が生活
するのに必要となる高い安全性。
頑健な加圧水型原子炉
加圧器
蒸気発生器
船体(含区画、扉)
原子炉圧力容器
スクリュー
タービン
1次冷却水
(加圧水)
ポンプ
ポンプ
燃料
復水器
一次系(原子炉圧力容
器、冷却管系)
原子炉格納容器