スライド タイトルなし - 京都大学医学部附属病院

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医療情報システムのヒューマン
インタフェースを考える
<第1回:もっと視覚情報を有効に使えませんか?>
○中沢 一雄1),原口 亮1),堀尾 秀之2)
1)国立循環器病センター研究所
2)大阪大学大学院基礎工学研究科
医療情報学会関西支部 MTE Dec/12/2006
Serpent
電子カルテのための
ベクトルシェーマの試作と有効性の検討
○中沢 一雄1),原口 亮1),藤堂 貴弘2) ,大森 健太3),堀尾 秀之4) ,
永田 啓5),高田 雅弘6),大和田 茂7),森 悠紀8),五十嵐 健夫8)
1)国立循環器病センター研究所,2)姫路獨協大学医療保険学部,
3)大阪大学大学院情報科学研究科,4)大阪大学大学院基礎工学研究科,
5)滋賀医科大学医療情報部,6)京都医療センター薬剤科,
7)ソニーCSL,8)東京大学大学院情報理工学系研究科
JCMI2006 Nov/03/2006
研究の背景
紙カルテの自由度の高さを継承した電子カルテを実現するため
、ペン入力インターフェースを用いた手書き電子カルテシステム
の開発を行ってきた。
Serpent
利点:
●自由に書ける
●シェーマを描ける
欠点:
●ペン入力インターフェース
ではデータの構造化や
他システムとの連携が困難
JCMI2006 Nov/03/2006
入力の多様性とペンコンピューティング
電子カルテには電子カルテに向いた専用のインタフェースの開発が必要
●入力に集中しなくても済むインタフェースが必要
●手書き入力のような自由度の高さを吸収する必要
●最適なインタフェースは状況や好みによって異なる
理屈の上では、コンピュータという新しいメディアを使って診療記録
を考えるとき、必ずしも紙カルテのイメージを引きずらなくても良いよ
うに思われる。しかしながら、紙カルテから電子カルテへの移行期には、
紙カルテとの併用や段階的移行を考えることになり、どうしても紙カル
テをイメージするシステムが必要になる。
JCMI2002 Nov/15/2002
入力の多様性とペンコンピューティング
電子カルテには電子カルテに向いた専用のインタフェースの開発が必要
●入力に集中しなくても済むインタフェースが必要
●手書き入力のような自由度の高さを吸収する必要
●特定の入力方式に限定するのではなく、多様な
●最適なインタフェースは状況や好みによって異なる
カルテ入力方式が共存して、ユーザーおよび導
入施設の都合や入力項目の特徴・状況などに応
理屈の上では、コンピュータという新しいメディアを使って診療記録
じて最適な入力方式を選べるのが望ましい。
を考えるとき、必ずしも紙カルテのイメージを引きずらなくても良いよ
●入力方式の多様性を認めることが電子カルテの
うに思われる。しかしながら、紙カルテから電子カルテへの移行期には、
普及促進につながる
紙カルテとの併用や段階的移行を考えることになり、どうしても紙カル
テをイメージするシステムが必要になる。
JCMI2002 Nov/15/2002
研究の背景
従来型電子カルテ
●DB化を前提
●ビジネスソフトのインタフェース
●入力に集中しないといけない
(患者さんと対話しながら
入力を行うことが困難)
●入力負荷が高い(時間がかかる)
我々の開発した電子カルテIF
●手軽な入力
●ペン入力型インタフェース
(紙カルテのように手書きできる)
●キーボードやマウスからの入力も可能で
あり、従来型電子カルテシステムの機能
を補うもの
●セキュリティの向上やユビキタス環境の
実現が容易
JCMI2006 Nov/03/2006
Serpent開発のきっかけ
電子白板システム “Flatland”
3次元モデリングシステム “Teddy”
2003年度グッドデザイン賞受賞
「ペン入力による電子カルテシステム」
国立循環器病センター:中沢一雄
東京大学:五十嵐健夫 ほか
ペン入力による電子カルテシステム “Serpent”
ペンIDによる個人認証
• 液晶タブレットでのサイン認証
複数人による記載
解説
ユビキタス環境の実現
開発方針
ペン入力インターフェースで得られたノウハウの移植
1)特化システムとして
心臓カテーテル検査所見入力
◎2)汎用システムとして
ベクトルシェーマ
(現行EMRにアドオンして使えるもの)
研究概要:従来のビットマップ形式ではなく、ベクトル形式のシェーマ
について検討した。データ量を少なくしてシステムへの負荷を抑え、
かつ電子化のメリットを活かすことのできる
コンテンツおよびシステムを試作した。
JCMI2006 Nov/03/2006
Demonstration
Serpent
0;Serpent
1;ベクトルシェーマの有用性
2;診察記事用
3;医療従事者用
4;患者説明のツール
5;3次元シェーマ(モデル)
JCMI2006 Nov/03/2006
ペン入力インタフェースの利点①
1. 文章と図とが混在する診察記事のように情
報の規格化がしにくい、従来の電子カルテ
のシステムの枠組みでは上手く入力できな
い情報が入力できる。
2. 片手だけで操作が可能であり、診察時など
入力だけに集中できない場合でも簡便に入
力することができる。
3. 手書き入力によって記載時の臨場感や緊迫
感などの状況が伝わり易い。
ペン入力インタフェースの利点②
4. 完全な文章ではない直感的メモや連想記
憶にも有効であり、思考過程を補助する
ことができる。
5. 手書き入力と既存のオーダリングシステ
ムのを組み合わせにより、病院の規模や
目的などに応じてじた柔軟なシステム構
築が可能である。
6. 電子ペンにIDをつけることで、ユビキタ
ス環境やセキュリティ機能の向上につな
げられる。
ペン入力インタフェースの課題・問題
1. 電子ペンの操作に慣れる必要がある
(やはり実際、紙にペンで書くようなわけにはいかない)
2. 電子カルテシステムとしての実績がない
→当面はオプション機能の1つ
3. ややコスト高である
4. 汚い字はどうするんや!
考 察
• テンプレートをもとに簡便に作成・編集できる2次元シェー
マは、カルテ記載だけでなく患者説明等にも有効である。
• 文字情報だけでは表現できない、シェーマの持つ情報量お
よび情報伝達能力の高さに着目する必要がある。
• 反面、シェーマは構造化が困難であり、検索や2次利用と
いった電子カルテのメリットを活かし難いという欠点もある。
• 3次元シェーマの有効性については、紙カルテ上の記録で
は実現できなかった豊かな情報伝達が可能となることから
電子カルテにおける重要な検討課題と考える。
JCMI2006 Nov/03/2006
まとめ
• 従来のビットマップ形式ではなく、軽くて使
い勝手のよい電子カルテのためのSVG形
式のシェーマ・コンテンツを作成した。
• 患者さんへの説明ツールとして有効な心
臓の解剖学的形態や血流の向き、動脈血
/静脈血の区分などがスケッチ的に入力で
きるシステムを試作した。
JCMI2006 Nov/03/2006
もっと視覚情報を有効に使えませんか!?
ご清聴ありがとうございました。
これから議論しましょうか.
医療情報学会関西支部 MTE Dec/12/2006