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確率・統計Ⅰ
第6回 ベルヌイ試行と二項分布
ここです!
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確率論とは
確率変数、確率分布
確率変数の独立性 / 確率変数の平均
確率変数の平均(続き)、確率変数の分散
確率変数の共分散、チェビシェフの不等式
ベルヌイ試行と二項分布
二項分布(続き)、幾何分布など
二項分布の近似、ポアソン分布、正規分布
正規分布とその性質
i.i.d.の和と大数の法則
中心極限定理
統計学の基礎1(母集団と標本、確率論との関係)
統計学の基礎2(正規分布を用いた推定・検定)
ベルヌイ試行と二項分布
1. ベルヌイ試行
2. 二項分布
・二項分布の公式
・例題
・パラメータによるグラフの変化
ベルヌイ試行
独立試行の繰り返しのことをベルヌ
イ試行という。
例1:一個のサイコロを繰り返し投げる
例2:一個の硬貨を繰り返し投げる
正確には…:
ベルヌイ試行
A) 試行結果は「成功」Sあるいは「失敗」Fの
いずれか1つである。
B) 成功確率 p は、試行を通じて一定である。
(したがって失敗確率 q=1-p も一定。)
C) 試行は独立である。すなわち、他の試行
結果によって p の値は変化しない。
繰り返す回数のことをベルヌイ試行の長さという
ベルヌイ試行
例
•サイコロ投げで、6の目が出るかどうか
•コイン投げ(表か裏か)
•無作為に選ばれた動物のオスかメスかを知る
•製品検査(良あるいは不良)
•マージャン(勝つか負けるか)
•カンニング(見つかるかどうか)
•小泉内閣を支持するか否か
•薬の投与によってある病気が治療するか否か
ベルヌイ試行と二項分布
1. ベルヌイ試行
2. 二項分布
・二項分布の公式
・例題
・パラメータによるグラフの変化
二項分布
・長さ n のべルヌイ試行(一回あたりの「成
功」確率pとする)で、「成功」の回数を X とす
る。
(回数以外の情報は捨てていることに注意)
・確率変数
X の分布を二項分布と呼ぶ。
X のとりうる値は、0,
1, 2, …, n
・二項分布のパラメータは、 n と p の2つ
B ( n , p ) と書く
二項分布
例: サイコロを3回投げ、1が出る回数 を X とする。
X の確率分布は「成功」確率 p=1/6 の二項分布。
X
0
確率
 5
 
 6
3
1
2
2
 5  1 
3   
 6  6 
 5
3  
 6
1
 
 6
n=3, (1/6)がp, (5/6)がq=1-p
3
2
1
 
 6
3
この3は?
二項分布
例: サイコロを3回投げ、1が出る回数 を X とする。
たとえば、 X=2 となるのは
成功…○
1
失敗…×
2
3
○○×
1,2,3の3つから2つ
取る組み合わせ 3C2
○×○
×○○
の 3 とおりで、確率はどれも p2q
だから、P( X=2 ) = 3C2 ・ p2q = 3 p2q
二項分布
例2: サイコロを4回投げ、1が出る回数 を X とする。
これだと、 X=2 となるのは
1,2,3,4 の4つから2つ
取る組み合わせ 4C2
1 2 3 4
○○××
○×○×
○××○
×○○×
×○×○
××○○
の 6 とおりで、確率はどれも p2q2
だから、P( X=2 ) = 4C2 ・ p2q2 = 6 p2q2
二項分布
一般に、 X が二項分布 B (n, p) に従う場合の
確率分布表
X
確率
0
nC0 p
1
0 qn
1qn-1
nC2 p
2qn-2
……
……
npq
n(n 1) 2 n2
pq
2
nCn-1 p
n-1q1
n
nCn p
nq0
=
n 1
n-1
=
=
=
=
q
n
nC1 p
2
npn1q
pn
二項分布
確率変数 X が二項分布B(n, p)に従
うとき、P( X = r ) は次の公式で与え
られる:
P( X  r)n Cr  p q
r
nr
(問) これが確かに確率分布であることを確かめよ。
(二項係数の計算法)
 n
n!
n Cr  
 r   r!(n  r)!
 
n(n 1)(n  r 1)

r!
例:
理論(文字)計算用
実際(数値)計算用
10 9  8
 10 3 4  120
10C3 
3 2 1
二項分布
参考: パスカルの三角形
0
1
2
3
4
5
n 行目
1
1 1
1 2 1
1 3 3 1
1 4 6 4 1
1 5 10 10 5 1
nC0 nC1 nC2
… nCn
が順に並ぶ
二項分布(例題)
例題:不良品率が2%のとき、ランダムに
選んだ10個のうち不良品が2個の確率を
求めよ。
確率変数 X を「選んだ10個の中の不良品の個数」とすると、
X は B(10, 0.02) に従う。
よって
P( X  2)
2
8
10C2 (0.02) (0.98)  0.0153
[演習] 二項分布
[1] 偏りのないコインを投げて、表が出たら勝
ち、裏が出たら負けとする。
5回やって4回以上勝つのと、10回やって8
回以上勝つのとでは、どちらが困難だろう
か。
(どちらも勝率としては「8割以上」である。)
[演習] 二項分布
[2] ある学生が「俺は試験ではいつも5問中3
問解ける」とうそぶいている。いっぽう、O
理科大学は、5問中3問解ければ合格でき
ると言われている。入試問題が実際に5問
だったとして、この学生がO理科大学に合
格できる確率はいくらだろうか。
(ちなみに本人は、直感的に「当然8割くら
いはいけるだろう」と思っていたりする)
[演習] 二項分布
[3] 1発打って当たる確率が3割の人が、
(1) 10発打ったとき、実際に3割つまり3発以
上当たる確率
(2) 5発打ったとき、少なくとも1発当たる確
率
を求めよ。
[演習] 二項分布
[4] ある部品が一定期間内に故障を起こさな
い確率を「精度」と呼ぼう。
(1) 精度が0.999の部品1000個のうち、どの
部品も故障しない確率を求めよ。
(2) 精度が0.999の部品10000個のうち、ど
の部品も故障しない確率を求めよ。
二項分布 B(n, p) のグラフ
p = 0.5
n=4
np=2
0.4
0.375
0.3
0.25
0.25
0.2
0.1
0.0625
0.0625
0
0
1
約3割
2
約4割
3
4
約3割
二項分布 B(n, p) のグラフ
p による変化
(n = 10)
np=1
np=2
np=3
np=4
np=5
0.45
0.4
0.35
p = 0.5
p = 0.4
0.3
0.25
0.2
p = 0.3
0.15
p = 0.2
0.1
p = 0.1
0.05
0
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
二項分布 B(n, p) のグラフ
n による変化
(p = 0.2)
np=0.1
0.45
0.4
n=5
n=10
n=15
n=20
n=25
n=30
n=35
n=40
n=45
n=50
0.35
0.3
0.25
np=10
0.2
0.15
0.1
0.05
~50は省略
0
0
5
10
15
20
50
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