Transcript 離散型確率分布
離散型の確率分布
確率分布の期待値と分散
基準化確率変数、歪度及び尖度
二項分布
ベルヌーイ分布
確率変数の期待値
期待値(Expected Value):確率をウェート
とする確率変数の加重平均値。
n
E( X ) xi p( xi )
i 1
確率変数の分散
確率変数Xの期待値からの偏差の2乗の
期待値を分散(Variance)という。
n
2 V ( X ) ( x1 )2 p( xi )
i 1
2と S 2 との違いは確率の要因が入ってい
るか否かである。なお、Sと同様、 を標
準偏差(Standard deviation)という。
期待値の性質
A.
B.
C.
D.
E.
E(c) c
E(cX b) cE( X ) b, とくに E( X ) 0
V ( X ) E( X )2 E( X 2 ) 2
E( X c)2 を最小にする
c は, c=
である
V (cX b) c2V ( X ), 即ち, 2cxb c2 x2
基準化確率変数の期待値と分散
確率変数Xの期待値が μ,標準偏差が σのとき
Z
X
を基準化確率変数という。Zの期待値、分散は
Z E(Z ) 0, Z2 V (Z ) 1
基準化確率変数の歪度と尖度
実数のデータにもとづく歪度,尖度と同様に,
X の確率分布の歪みと尖りを示す測度を基
準化確率変数 Z を使って以下のように定義
する。
1 E(Z 3 ) E( X )3 / 3
2 E ( Z 4 ) E ( X )4 / 4
二項分布(Binomial distribution)
1回の試行
AとBという二つの結果しか得られない
n回の独立な試行を繰り返し
Aがk回起こる確率をpとする(k=1.2…n)
k
nk
各点に対する確率
P( X k)n Ck p (1 p)
Bi (n, p) で表す
確率関数と分布関数
確率関数
P( X k)n Ck p (1 p)
k
x
分布関数
x
P( X k)
k 0
k 0
Ck p (1 p)
k
n
nk
n k
パラメータ:n と p
nが試行の回数, pがk回起こる確率.
ベルヌーイ試行(Bernoulli trials):同じ条件
でかつ独立にn回繰り返すこと.
二項分布でn=1の場合をベルヌーイ分布と
いう。即ち、 P( x) p x q1 x x=0または1
二項分布の期待値と分散
期待値:
np
分
np(1 p)
散:
2
二項分布の確率関数
二項分布(n=10, p=0.5)
f(x)
0.30000
0.25000
0.20000
0.15000
0.10000
0.05000
0.00000
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
二項分布の確率関数と分布関数
二項分布(n=10, p=0.5)
f(x)
f(x)
F(x)
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
0.20
0.00
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
x
例題:P103,②
解説:打ち上げが成功する回数Xは、p=0.95,
n=4の二項分布に従う。
4
4
P( X 3) P( X k ) 4 Ck 0.95 0.05
k
k 3
4 k
k 3
4 C3 0.9530.051 4 C4 0.9540.050
0.986
ベルヌーイ分布(Bernoulli Distribution)
n=1のとき、二項分布はベルヌーイ分布となり、
Bi(1,p)で示す。ベルヌーイ試行は以下の3つの条件
を満たす試行である。
試行結果は成功あるいは失敗のいずれかである。
各試行は独立である
成功確率p(失敗確率q=1-p)は試行を通じて一定
である。
ベルヌーイ分布の確率関数と分布関数
ベルヌーイ試行に対し、次の確率変数Xを
定義する。
1 , 成功 p=成功確率
0 , 失敗 q=1-p=失敗確率
X {
x
1 x
確率関数: p q
分布関数: F(0)=1-p, F(1)=1
期待値=p, 分散=pq
練習問題
市場のメロンの95%は成熟しているが、残
り5%は未熟とする。いま、任意に1つのメ
ロンを買ったとき、それが成熟している確
率はいくらか。また、任意に5つのメロンを
買ったとき、3つ以上成熟している確率を
求めてみよう。