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PCB問題の現状
日本子孫基金
新居田真美
はじめに
PCBとは
• 工業的に広く使用→現在は製造禁止
– 熱に強い、絶縁性に優れる、化学的に安定な性質のため
• 毒性
–
–
–
–
カネミ油症事件
コプラナPCBはダイオキシンと同様の毒性
発ガン性
環境ホルモン→次世代への影響が懸念
• 環境中に残留
– 生物によって分解されにくい
– 高次の生物に生物濃縮(魚介類、鳥類、ヒトなど)
世界のPCB汚染
• アジア地域も広く汚染
• なくすためには各国の協力が必要
日本の現状
代表的な電気機器
PCBの用途
トランス
用途
絶縁油
トランス用
コンデンサー用
熱媒体(加熱と冷却)
潤滑油
可塑剤
コンデンサ
絶縁用
難燃用
その他
感圧複写機
塗料・印刷インキ
その他
製 品 例 ・使 用 場 所
ビル・病院・鉄道車輛・船舶等のトランス
蛍光灯・水銀灯の安定器、冷暖房器・洗濯機・白黒テレ
ビ・電子レンジ等の家電用、モーター用等の固定ペーパー
コンデンサー、直流用コンデンサー、蓄電用コンデンサー
各種化学工業・食品工業・合成樹脂工業等の諸工業におけ
る加熱と冷却、船舶の燃料油予熱、集中暖房、パネルヒー
ター
高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油等
電線の被覆・絶縁テープ
ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ゴム等に混合
接着剤、ニス・ワックス、アスファルトに混合
ノンカーボン紙(溶媒)、電子式複写紙
難燃性塗料、耐食性塗料、耐薬品性塗料、耐水性塗料、印
刷インキ
紙等のコーティング、自動車のシーラント、陶器ガラス器
の彩色、カラーテレビ部品、農薬の効力延長剤、石油添加
物剤
引用:環境省(2001)パンフレット「ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の適正な処理に向けて」
安定器
PCBの使用と保管量
安定器
廃PCB等
( PCB含有量は数10g)
保管 約12.6万 t
生産量:約2000万個 PCB量:約600 t
保管 約240万個
紛失不明 約2,600 個
一部の事業者のみしか、保管・紛失量を把握
できていない
感圧紙
熱媒体
感圧紙
高圧トランス・コンデンサ
その他
生産量:39万台 PCB量:約34 ,700t
保管 約22万台
使用中 約15 .4万台
紛失不明 約1.1万台
低圧トランス・コンデンサ
生産量:不明
保管 約39万個
紛失不明 約1.2万個
生産量:653 t PCB量:約26 t
保管 約644 t
紛失不明 約9t
電気機器
柱状トランス
生産量:約402万台 PCB量:極小
保管 約138万個
紛失不明 約264万台
ウエス
保管 約117 t
汚泥
保管 約10 ,500t
その他機器
保管量 約3.3万個
◇保管・紛失不明・使用数はH10に厚生省が実施したPCB廃棄物等保管等状況
調査による。
◇各廃棄物のPCB量は厚生省が試算
PCBの保管方法
東京都環境局(2001)「PCBの適正な管理にご協力ください」パンフレット
PCBの処理
• 1976年に高温焼却法が認められる
• 海上で感熱紙1778tを焼却実験
• 鐘淵化学が約5500tを焼却処理(1987〜1989)
処理施設計画に対して、住民の同意が得られず、処
理は進んでいない
• 1998年、化学処理法が追加
• 2001年、北九州市でPCB処理施設建設が決定
PCBに関する法律
1929
1954
1968
1972
1974
1976
1987~89
1992
1998
2000
2001
米国スワン社(後にモンサント社に合併)生産開始
国内生産開始(鐘淵化学工業、1969年に三菱モンサント)
カネミ油症事件発生、PCBの毒性が社会問題化
行政指導(通産省)により製造中止、回収などの指示(保管の義務)
化学物質の審査及び製造に関する法律制定・施行(製造・輸入・使
用の原則禁止)
廃棄物処理法の処理基準として高温焼却を規定
鐘淵工業高砂工場において液状PCB約5500トンを高温焼却
廃棄物処理法により特別管理廃棄物として指定
廃棄物処理法の処理基準に化学分解法等を追加
新たな化学分解法などの追加、ミレニアム・プロジェクトの実施
12月 ヨハネスブルグでPOPs条約案が合意
5月 POPs条約がストックホルムで採択
6月 PCB特別措置法成立
10月電気事業法改正
保管の報告がスタート
環境省
東京都
現状をどれだけ把握できるかが課題
栃木県
法律の問題点
事業者
PCB機器を
新しいものと交換
事業者
PCB安定器を使用中
PCB廃棄物を保管中
届け出の義務なし
使っていることを知らない人が
多い
都道府県に保管量・状況の
報告義務あり
通常のゴミと間違えてPCBを捨てる可能性が大
日本の現状における問題点
• 現在の使用状況、PCB廃棄物量が把握できて
いない。
• 処理が進んでいない
– 処理施設の具体化している地域が少ない
• 一般市民の理解が進んでいない
• 現在もPCBによる汚染が進んでいる
– 魚介類の汚染
– DXN汚染もPCBの寄与が大きい
日本子孫基金の活動
PCBを含んだ蛍光灯安定器
日本子孫基金事務所にて撮影
なぜ安定器を問題にするのか
• 不明になっている数が多い
• 耐用年数が近づいている
– 相次いで学校の蛍光灯安定器破裂事件が起
こっている
• 一刻も早い発見・回収が必要
• 回収には市民の関心が必要
私たちの取り組み
これまでの活動
• 政府に申し入れ
– 行政による回収・処理
• POPs会議参加
– PCB対策の必要性を訴える
• 社会的な関心を集める
– 蛍光灯からPCB揮発を調査
– シンポジウム開催
• アジア地域内の情報交換
– ワーキンググループ
今後の取り組み
• 蛍光灯安定器の調査
– 一般市民にアンケート
• CODEX委員会の食品添加物・汚染物質部会参加
(3月、オランダ)
– 食品のPCB汚染基準について決める部会
– PCBの源を断つことを訴えるポスターを作成
– ポスターを用いて、各国政府代表・NGOにアピール
結論
• 日本ではPCBに対する対策がようやく始まった
– 法律の成立、保管届け出の義務
• しかし、不十分な点がある
– 使用中のPCB機器は把握されていない
– PCBの問題を知らない人が多い
• 処理を進めることが重要
– 1カ所のみ処理施設建設が決定
– さらに施設を建設することが必要
最後に
• 人間の工業世界とは無縁な極域の生物
を汚染
• 使用を禁止しても汚染は減らない
– 残留性、難分解性
• 未来に持ち越してはいけない
• 世界的な協力が必要
– 技術、市民への情報提供など