6.不完全競争

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Transcript 6.不完全競争

独占と寡占
独占企業の行動
• 完全競争では、弾力性が無限の需要に各
企業が直面していると仮定
• 少しでも、価格を上げる
と、需要がすべてライバ
ル企業に取られる
• 独占では、ライバル企業
が無いので、市場の需要=
企業の需要と考えるのが
妥当
式による説明
y
p
生産量
価格
P y  D
1
 y
軸を逆に読む
P  D  p   p
D  P  y   y
C  y
D  p
費用関数
需要関数
逆需要関数
逆需要関数
需要関数
式による説明(続き)
C  y
費用関数
P y  D
 y  逆需要関数
収入関数
R y  P y y
 y  R  y  C  y  P  y y  C  y
1
利潤関数
独占企業の行動
利潤の最大化
 y  R  y  C  y
微分して0とおく
  y '  R ' y  C ' y  0
R ' y  C ' y
限界収入=限界費用
独占企業の行動
• 独占企業は、限界収入と限界費用が等しくな
るように生産量を決める
• 利潤最大化が前提
式による説明(補足)
R ' y  C ' y
R  y   yP  y 
 f  y  g  y  '  f '  y  g  y   f  y  g '  y 
f  y   y, g  y   P  y 
R '  y   P  y   yP '  y   P  y 
需要も逆需要も右下がり
式による説明(補足の続き)
R ' y  C ' y
R '  y   P  y   yP '  y   P  y 
C ' y  P  y
限界費用<価格
完全競争のときは、需要は完全に弾力的
P ' y  0
限界費用=価格
弾力性とマークアップ
C '  y   R '  y   P  y   yP '  y 
P y  C ' y
yP '  y 

P y
P y
dp
P  y   p, C '  y   c, P '  y  
dy
p c
y dp

p
p dy
弾力性とマークアップ(続き)
p c
y dp

p
p dy
左辺は、価格が費用を上回る割合で、一種
のマークアップ
右辺は、需要の価格弾力性の逆数
dp
y
1
1
dy


dy
p

y

dp
p
弾力性とマークアップ(続き)
p c
y dp 1


p
p dy 
  p c
完全競争のときは、
マークアップと弾力性は反比例する
弾力性は、1より大きい
1より小さいときは、1%価格を上げたとき、需要の減少は、
1%以下なので、収入は、増える
費用も減るので、価格を上げ、生産を減らしたほうが利潤が
増える
これだけ売る
独占企業の利潤最大化
価格、費用
ためには
需要量が決
まる
需要曲線
逆に読むと逆需要曲線
価格が
この価格をつ
決まる
ける必要
と
生産量(需要量)
独占企業の利潤最大化
価格、費用
価格がか
わらなけ
れば、こ
れだけ収
入が増え
るが、
ここから
生産を限
界的に増
やすとき
価格が下がるので、この
分収入が減るので
逆需要曲線
これだけが、ネットの収
限界収入曲線
入の増加
一単位余分に売ったと
きの収入の増加
生産量(需要量)
独占企業の利潤最大化
価格、費用
これだけ
これだけ
収入が
収入が
増え
減るので
この生産量で
この生産量で
生産を少し増
生産を少し減
やすと
らすと
限界費用曲線
一単位(限界的に)多く生
産するのにいる費用
逆需要曲線
これだけ、利
これだけ、利
潤が増える
潤が増える
限界収入曲線
生産を増やしたほうがいい!!
生産を減らしたほうがいい!!
これだけ費用が減り
生産量(需要量)
これだけ費用が増えるので
平均費用曲線
独占企業の利潤最大化
限界費用曲線
価格、費用
価格は、需要曲線
の上で決まる
逆需要曲線
限界収入曲線
この生産量で
利潤が最大
この大きさが最大利潤
限界収入=限界費用生産量(需要量)
P  y   a  by

価格、費用
R  y   yP  y   ay  by
限界収入
需要
限界費用
p*
p0
平均費用
y*
y0
需要・生産量

R  y   ay  2by
y*以下の生産
についての利
潤の増加
限界費用価格と比べたとき
の消費者余剰の減少
価格、費用
限界収入
需要
限界費用
限界費用価格と比べたとき
の総余剰の減少
p*
p0
平均費用
y*
y0
需要・生産量
y*以上の生
産について
の利潤の減
少
価格差別と経済厚生
第1種の価格差別
• 独占企業が各単位ごとに異なった価格を設
定できる
限界費用
• 総余剰は、最大
化される
需要
• 効率的
この面積が生
産者余剰
第3種の価格差別
• 異なったタイプの需要者に異なった価格を
付ける
• 学割、アカデミック・ディスカウント
• 利潤を増やすためには、弾力性の高い需
要者に低い価格、高い需要者に低い価格
をつける
• 福祉目的の場合もある(老人パス)
有効な方法か検討が必要
第3種の価格差別 (続き)
• 需要の弾力性が高い国で低い価格、低い
国で高い価格をつけるとダンピングになるこ
とがある
• 国の間の価格差別が可能なためには、並
行輸入ができない、反ダンピング法にかか
らないなどの条件が必要
• 価格差別が不可能なとき、弾力性が低く、
需要が小さい国は、供給されないかもしれ
ない
寡占市場について
• 企業が二つ以上だが少ない
• 他の企業の行動を考える必要がある
同質財市場(homogeneous good
market) と
差別化された製品市場
(diiferentiated product market)
差別化市場
• 垂直的
多くの人が価格が同じなら、片方のブランド
を選ぶ
• 水平的
価格が同じとき、人によって、選ぶブランド
が異なる。
クールノーの複占モデル
(duopoly model)
• 同質な財を2企業が生産しているとする
D  p
需要関数
x1
x2
第1企業の生産量
第2企業の生産量
D  p   x1  x2
逆需要関数を使うと
p  P  x1  x2 
p  P  x1  x2 
px1  P  x1  x2  x1
C1  x1 
第1企業の売上(収入)
第1企業の費用
  x1 x2   P  x1  x2  x1  C  x1 
第2企業の生産がx2のときの第1企業の
利潤(関数)
反応関数(reaction function)
  x1 x2   P  x1  x2  x1  C  x1 
第1企業第2企業の生産がx2で一定であ
ると仮定して利潤を最大化する
クールノー・ナッシュ仮説
解は、反応関数(reaction function)ないしは、最
適反応関数(best response function)
x1  r1  x2 
第2企業の生産量x2ごとに、利潤を最大
にする生産量がかわる。
例
P  x   a  bx
C1  x1   c1x1, C2  x2   c2 x2
  x1 x2   P  x1  x2  x1  C  x1 
 a  b  x1  x2  x1  c1x1
 a  bx  bx2 x1  c1x1
2
1
x1で微分して0とおく。
a  2bx1  bx2  c1  0
例(続き)
a  2bx1  bx2  c1  0
a  c1 1
x1  r1  x2  
 x2
2b 2
対
称
性
第1企業の、反応関数
x2が増えるとx1が減る
a  c2 1
x2  r2  x1  
 x1
2b 2
第2企業の、反応関数
クールノー均衡
x1  r1  x2  x2  r2  x1 
の両方を満たす
 x1, x2 
クールノー均衡
x2
企業1の反応曲線
E
相手の生産量を一定として順
に調整していくとする
この交わり方が安定的
企業2の反応曲線
x1
例(続き)
a  c1 1
x1  r1  x2  
 x2
2b 2
a  c2 1
x2  r2  x1  
 x1
2b 2
クールノー均衡は
a  2c1  c2
x1 
3b
a  2c2  c1
x2 
3b
差別化製品の価格競争
• 同質財の価格競争では、少しでも低い価格を
付けた企業が、すべての市場を取る。
• 価格は、企業が二つでも限界費用に向けて、
落ちていく
• ベルトランのパラドックス
差別化市場の価格競争
• 少し価格を上げても需要
は0にならない。
企業1の反応曲線
p2
企業2の反応曲線
E
• 相手が価格を上げたとき
は、価格を上げたほうが
よさそう
ベルトラン均衡
p1
非協力ゲーム
• 二人以上のプレイヤーが存在し
• 各々のプレイヤーは、与えられた戦略のなか
から、一つの戦略を選ぶ
• すべてのプレイヤーの戦略が与えられると、
各プレイヤーの利得(ペイオフ)が決まる
ナッシュ均衡
• 各プレイヤーにとって、他のプレイヤーがこの
戦略の組をとるとき、その戦略をとるより、利
得を高める戦略がない
• 一人だけ変えるのは、不利
• クールノー均衡は、価格を戦略変数としたとき
のナッシュ均衡
• ベルトラン均衡は、価格を戦略変数としたとき
のナッシュ均衡
x1が変化し ないで、 x2が減る と
等利潤線
第2企業の生産量
相手の生産量が増
左辺が増える
えると利潤が減る
x1P  x1  x2   C1  x1   一定の利潤
と なる  x1, x2 の組み合わせ
より低い利潤に対
応する
企業1の等利潤線
ある利潤に対応す
より高い利潤に対
応する る
企業1の等利潤線
企業1の等利潤線
相手の生産量が減
ると利潤が増える
第1企業の生産量
相手の生産量が
ここは、もっと利潤
相手
反応曲線
第2企業の生産量
より高いこの水準
が大きいが相手の
の生産量を一定とし
だと
生産量が小さい
て、利潤最大化の点
相手の生産量がこ
をつないだのが
相手の生産量が
の水準だと
より低い
反応曲線
この水準だと
この点で利潤最大化
ここや
結局、ここが一番
利潤が大きい
ここより
ここのほうが利潤
この点で利潤最大化
第1企業の生産量
が大きい
企業2の等利潤線
クールノー均衡
これが、企業2の
第2企業の生産量
企業1の生産量がより
反応曲線
企業1の生産量がここ
企業1の生産量がより
少ないここだと
だと
多いここだと
この点で利潤最大化
この点で利潤最大化
この点で利潤最大化
第1企業の生産量
第2企業の生産量
クールノー均衡
交点が
クールノー均衡
これが、企業2の反応
曲線に
企業1の反応曲線を
重ねる
第1企業の生産量
第2企業の生産量
クールノー均衡
利潤が減り
利潤が減る
企業2の生産がこ
こで、変化しないと
すると
生産を増やすと
生産を減らしても
クールノー均衡
ここで利潤が最大になる
第1企業の生産量
第2企業の生産量
クールノー均衡
生産を増やすと
利潤が減り
利潤が減る
相手の生産を与件とし
生産を減らしても
ここで利潤が最大になる
て、一方的に生産を変
化させると利潤が減る
クールノー均衡
企業1の生産がこ
こで、変化しないと
第1企業の生産量
すると
シュタッケルベルク均衡
• 一つの企業の生産量を決めてから、もう一つ
の企業が生産量を決める
• 既存企業(incumbent)と参入企業(entrant)の
例は、これに近い
• 先に生産量を決める企業がリーダー
• 後で生産量を決める企業がフォロワー
シュタッケルベルク均衡(続き)
• リーダーの生産量に応じて、フォロワーの生
産量が決まる。
• フォロワーの生産量を予想して、リーダーは
生産量を決める。
• リーダーの生産量に応じて、フォロワーの生
産量が決まる。
• リーダーの生産量x1がのとき、フォロワーは、
x1を与えられたものとして、利潤を最大にする
ように生産量x2を選ぶ
 r2  x1 
の点が選ばれる
• 企業1は、利潤
P  r  x1   x1  x1  C1  x1 
• を最大にするようx1を選ぶ
x1が変化し ないで、 x2が減る と
等利潤線
第2企業の生産量
相手の生産量が増
左辺が増える
えると利潤が減る
x1P  x1  x2   C1  x1   一定の利潤
と なる  x1, x2 の組み合わせ
より低い利潤に対
応する
企業1の等利潤線
ある利潤に対応す
より高い利潤に対
応する る
企業1の等利潤線
企業1の等利潤線
相手の生産量が減
ると利潤が増える
第1企業の生産量
シュタッケルベルグ均衡
企業2の反応関数
第2企業の生産量
企業2の利潤は減る
の上の点を選ぶ
クールノー均衡
(1)企業1が先に生産量
(3)企業1は、これを読み
を決めるとする
込んで利潤最大化
(2)企業2は、企業1の生
シュタッケルベ
産量を与件として利潤
最大化 ルク均衡
この点で企業2の反応曲
線の上での企業1は利潤
企業1の利潤は増える
最大化
第1企業の生産量
• どんなゲームでもリーダーが有利ではない
• 「相手の手を見ることができるフォロワーの
ほうが有利」
• 「相手を間接的にコントロールできるリーダー
ほうが有利」
協調 協調して、生産
この上では、同時に
クールノー均衡でも
第2企業の生産量
利潤を上げることが クールノー均衡
を制限すると
できない。
両方の企業の
利潤が増える
シュタッケルベ
ルク均衡
シュタッケルベルグ
等利潤線の接線の軌跡 均衡でも
第1企業の生産量
囚人のディレンマ
企業2も協調しな
クールノー均衡
いで、生産を増加
させたほうが利潤
企業1は、協調を破って、
が増加する。
協調して、生
生産を増やすと
利潤が増える
産を減らすと
双方の利潤が
増えるが
企業2が協調してないときも、
生産を増やすと
利潤が増える
囚人のディレンマ
• 「支配戦略」(dominant strategy)
相手の戦略にかかわらず、取っ
たほうがいい戦略
• 「支配戦略均衡」
すべてのプレイヤーが支配戦
略を取る
• 「支配戦略均衡」より、すべてのプレーヤーに
とっていい、戦略の組み合わせがあるのが、「囚
人のディレンマ」
独占的競争の仮定
• 差別化された商品市場
• 他の企業の反応を考慮しなくてもいいほど、
多くの差別化商品がある
• 参入・退出は、自由
差別化製品な
のでの各企業
の直面する需
要は、右下がり
平均費用
d
c
利潤を最大化
するので、
限界費用=
限界収入
d
利潤があると参
入が起こり、損失
があると退出が
限界費用
起こるので、長期
的には、接する
対
応
す
る
限
界
収
入
曲
線
ここまで、需
長期的な均衡
要曲線がシフ
価格・費用
この生産量で利潤
最大化
参入
トすると、最大
利潤が0
一企業あたりの
最大利潤は0
需要が減る
参入も退出も
需要曲線が左に
起こらない
シフト
限界収入=限界費用
数量
チェンバリンのDD曲線
価格・費用
すべての企業が同じように価
格を変えたときの需要
チェンバリンのDD曲線
当然価格に対して、より
非弾力的
数量
最適参入について
価格・費用
U字型の平均費用曲線
過剰参入?
最低点
費用
最小のときより
生産量が小さい
最大利潤
バライアティが多い
は0
ことによる消費者
の利益との大小に
よる
限界費用曲線
この生産量で利潤
最大化
限界収入=限界費用
数量