インフルエンザ

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インフルエンザ
多形性または直径80~120nm球形の中型ウイルス
(直径1mmの1万分の1)
オルソミクソウイルス科
A型インフルエンザの電顕像
インフルエンザの基本①
•11月上旬ごろから散発的に発生し、1月に入って爆発的な患者数の増加を示して
1月下旬から2月にピークを迎えた後、急速に患者数の減少を経て、4月上旬まで
には終息する
•症状:発病は急激で高度の発熱、頭痛、腰痛、筋肉痛、全身倦怠感などの全身症
状が現れ、同時にあるいはやや遅れて、鼻汁、咽頭痛、咳などの呼吸器症状が現
れる
•第1~3病日目には、体温が38~39℃あるいはそれ以上に達した後、諸症状ととも
に次第に緩解し通常であれば、1週間程度で寛解治癒に向かう
•感染経路は飛沫感染及び飛沫核感染(空気感染)が中心
・・・・・・・一回のくしゃみで小粒子が約200万個、咳で約100万個飛ぶ
•潜伏期間は通常1日~3日
•発病後3日程度までが最も感染力が強い
インフルエンザの基本②
検査のポイント : 迅速診断キット
ウイルス分離
ペア血清による抗体の測定
PCR
診断のポイント : 地域によるインフルエンザの流行
典型的な症例でのインフルエンザ症状
ウイルス、ウイルス抗原の証明あるいは抗体の上昇の確認
治療のポイント : 早期に抗インフルエンザ薬の内服
安静、適切な対症療法、水分補給
肺炎合併の早期診断
インフルエンザウイルスの基本構造
核蛋白複合体の抗原性の
違いからA型、B型、C型に
分かれる
ヘマグルチニン(HA)〔16種類〕:鳥やヒトの細胞にくっつく役割を持つ
ノイラミニダーゼ(NA)〔9種類〕:細胞内で増えたウイルスを細胞外に押し出す役割を持つ
これら糖蛋白は変化しやすい(突然変異)
インフルエンザの予防は特にHに対する防御のための抗体を持っているかで決まる
インフルエンザウイルスのタイプ
分類
亜型
ウイルスの存在
カモなどの水鳥
H1型~H16型
ウイルスを体内で維持し発病はない
野生の鳥が維持しているウイルスは殆どが
弱毒株といわれているものである
A型
H5型、H7型
(変異株)
状態
ニワトリなど
呼吸器・腸管でウイルスが増殖するがニワト
リは無症状
ニワトリ・七面鳥など
殆どの臓器でウイルスが増殖し全身感染(卵
も)
1~2日で死ぬ
〔高病原性鳥インフルエンザウイルス〕
B型
C型
通常ヒトのみが有する
通常のインフルエンザの症状
殆ど変異しない
A型インフルエンザウイルスと宿主動物
H1N1 H1N2 H2N2 H3N2
(H5N1)(H7N3)(H7N7)(H9N2)
H1N1 H3N2
H1~7・9・10
ヒト
H4N6 (H1N2)
N1・2・4・7
ニワトリ
ブタ
H1~12
N1~9
ウマ
アヒル
カモ
H3N8
H7N7
H1~16
H1~10
N1~9
N1~9
七面鳥
ミンク
アジサシ
(水鳥)
H1~7・9~13
N1~9
アザラシ
H3N3 H4N5
クジラ
H1N1
H13N9
H4N6 H7N7
H10N4
なぜこんなに問題になってるのか?
A型ウイルスの表面にあるHAとNAは、同一の亜型内でわずかな抗原性を
毎年のように変化させる(連続抗原変異又は小変異)マイナーチェンジ
A型は数年から数10年単位で、突然別の亜型に取って代わることがある
(不連続抗原変異又は大変異)フルモデルチェンジ
その為ヒトは免疫を持たず、大流行が起こりワクチンも効かない
新型インフルエンザの出現
1918年
スペイン風邪 (A/H1N1型)
1957年
アジア風邪 (A/H2N2型)
1968年
香港風邪 (A/H3N2型)
1977年
ソ連風邪 (A/H1N1型)
1997年
香港 (A/H5N1型)
1999年
香港 (A/H9N2型)
2003年
中国 香港 (A/H5N1型)
和蘭・ベルギー・独逸
(A/H7N7型)
2004年
ベトナム・タイ (A/H5N1型)
カナダ (A/H7N3型)
39年間
11年間
鳥インフルエンザウイルスと
ヒトインフルエンザウイルス
との遺伝子交雑で生じた新
型ウイルスによって起こった
鳥
イ
ン
フ
ル
エ
ン
ヒ ザ
ト の
へ
の
感
染
現
在
通
常
の
イ
ン
フ
ル
エ
ン
ザ
感染症法の改定(2008年5月12日)
鳥インフルエンザ
(鳥型)
A/H5N1
それ以外(A/H5N1を除く)
ヒトインフルエンザ
(ヒト型)
二類感染症
診断後直ちに届出
四類感染症
診断後直ちに届出
新型インフルエンザ A/H5N1 A/H7 A/H9など
新型インフルエンザ等感染症
診断後直ちに届出
再興型インフルエンザ A/H2N2など
それ以外 A/H1 A/H3 B型 C型
五類感染症
(インフルエンザ定点)
週単位で報告
※新型インフルエンザとは、新たにヒトからヒトに伝染する能力を持ったインフルエンザウイルスをいう
病原体等の名称と疾患名の
対象表
四種病原体等
インフルエンザウイルスA
ヒトの世界で現在流行しているのは
A/H1N1(ソ連)型
A/H3N2(香港)型
B型
インフルエンザワクチンの株
○2008/2009冬シーズン
A/Brisbane(ブリスベン)/59/2007(H1N1)
A/Uruguay(ウルグアイ)/716/2007(H3N2)
B/Florida(フロリダ)/4/2006
○2007/2008冬シーズン
A/Solomon Islands(ソロモン諸島)/3/200(H1N1)
A/Hiroshima(広島)/52/2005(H3N2)
B/Malaysia(マレーシア)/2506/2004
インフルエンザワクチンの接種
◇インフルエンザワクチンは不活化ワクチンであり、胎児には悪影響がないと
考えられるが、妊娠初期は自然流産が起こりやすい時期なので、この時期の
接種は避けたほうが良い。
◇防腐剤として使われている水銀はエチル水銀で、メチル水銀と違い、毒性が
無いと考えられていますが、チメロサールフリー製剤も開発されています。
例)チメロサールフリー製剤としては北里の「S北研インフルエンザワクチン」が
あります。
◇ワクチンの効果は接種後2週間から約5ヶ月とされています。
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◇ヒトに感染した鳥インフルエンザウイルスのワクチンを開発中
(ヒトへの安全性の試験中2009/10現在)
動物衛生研究所資料
高病原性鳥インフルエンザ(Highly Pathogenic Avian Influenza)
生物学的特徴
高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5・H7亜型)
高病原性鳥インフルエンザとはオルソミクソウイルス科のインフルエンザウイルス感
染による家きんの疾病のうち、鶏、七面鳥などに高致死性の病原性を示すウイルス
感染による疾病をいい、わが国では家畜伝染病予防法の法定伝染病、国際獣疫事
務局(OIE)では報告すべき高病原性鳥インフルエンザ(highly pathogenic notifiable
avian influenza)に指定している。
現在までに本病を引き起こしたウイルスは全てA型インフルエンザウイルスのH5また
はH7亜型に限定されている。
本病発生の鶏や七面鳥群では突然の死亡率の上昇があり,高い場合には100%に
達する。臨床症状は肉冠・肉垂のチアノーゼ,出血,壊死(写真1),顔面の浮腫(写
真2),脚部の皮下出血(写真3)、産卵低下又は停止,神経症状,下痢等であるが,
甚急性死亡例ではこれらの病変が認められないことが多い。 2004年分離ウイルス
(H5N1)の接種鶏では、元気消失後、直ちに死亡し、明らかな肉眼病変は認められて
いない(写真4)。
肉冠の出血・壊死(写真1)
顔面の浮腫性腫脹(写真2)
脚部皮下の出血(写真3)
甚急性死亡鶏、明らかな肉眼病変なし(写真4)
施設内の感染防止の基本的な考え方
施設内感染対策委員会と対策の手引きを作成しておくことが重要
事前対策
・日ごろから保健所・協力医療機関・都道府県担当部局等と連携体制を構築
・職員教育
・地域におけるインフルエンザ流行状況の把握
・施設内外のインフルエンザ発生情報の収集分析及び警戒警報の発令
・施設への持ち込み禁止
・入所者の定期的な健康チェック
65歳以上の高齢者がまず第一に重要であるが、全ての入所者で心肺系の
慢性疾患、糖尿病、腎疾患等の有無を入所時にチェックし、あらかじめ
インフルエンザに罹患した場合の高危険群について把握しておくことが重要
・施設入所者に対し充分理解と同意を得た上、積極的に予防接種の機会を提供
・面会者等への対応
・施設の衛生の確保と手洗い及び加湿器の整備
施設内の感染防止の基本的な考え方
発生した際の対策
・インフルエンザ抗原の検出を迅速診断キットを用いて行う
・患者が発生した場合、出来るだけ個室が望ましい
・早期に診断を行い、抗インフルエンザ薬を投与する
・患者との同室者には、場合によって抗インフルエンザ薬を予防的に投与する
・インフルエンザと診断された場合、感染症法に基づく報告と、患者発生動向の
把握体制強化する
・施設内で集団感染が発生した場合、施設内において多くの人が集まる場所での
活動の一時停止等を検討する
・施設内でインフルエンザの集団発生が生じた場合、まず施設のみで対応できると
判断された場合にあたっても、最寄の保健所等に連絡を行うことが望ましい
インフルエンザ(N5H1)もしくは新型インフルエンザの患者や
疑われる患者が出た場合の予防策
標準予防策
接触予防策
飛沫予防策
空気予防策
全てを実地することが望ましい
患者との接触
鳥インフルエンザ新型インフルエンザに対するPPE(個人防護具)
PPEの装着順序と防護具の素材等
1. ガウンは水を通さない材質のもの(不織布等)であり、ディスポーザブルのものが望
ましく、患者の飛沫から守るため体の前面がもっとも防御されているものが推奨さ
れ、滅菌でなくて良い
2. エプロンは防水性であり、材質はビニールでよい
3. ヘッドカバーや帽子は髪の毛が隠れ、装着時に耳も完全に覆われるものが良い
4. マスクはN95を使用する
5. ゴーグルは患者由来の液体が目に入らないように防御する目的で使用する
6. フェイスシールドも患者由来の液体が目に入らないように防御する目的で使用する
7. 手袋は水を通さない材質のもので、動きやすいものでなければならない
PPE(個人防護具)の着脱は2人で行うのがダブルチェックとして望ましい
消毒剤はアルコール製剤70%以上を使用する
装着順序
ガウン・エプロン→ヘッドカバー・帽子→マスク→ゴーグル
→フェースシールド→手袋
ヘッドバンドで固定
着脱順序
病室以外の場所に出る→手袋→手洗い・アルコール消毒→ガウン→ゴーグ
ル・フェースシールド→マスク→ヘッドカバー・帽子→手洗いを充分に行う
全て破棄する
消毒薬の抗微生物スペクトル
細
微生物
消毒薬
広域
中域
グラム
陽性菌
一
般
細
菌
M
R
S
A
ウ ィ ル ス
グラム
陰性菌
芽
胞
一
般
細
菌
緑
膿
菌
結 真
核
菌 菌
一V H V H
般
ウ
I
ィ B
ル
ス
グルタラールアルデヒド
◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
消毒用エタノール
次亜塩素酸ナトリウム
◎ ◎ × ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎
◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎
ポビドンヨード
◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎
クレゾール石鹸
◎ ◎ × ◎ ◎ ◎ ○ × × ×
◎ ○ × ◎ ○ × ○ × × ×
塩化ベンゼトニウム
狭域
菌
塩化ベンザルコニウム
クロルヘキシジン
◎ ○ × ◎ ○ × ○ × × ×
◎ ○ × ◎ ○ × ○ × × ×
高病原性(H5亜型)鳥インフルエンザウイルスに対する有効性(作用10秒)