Miyazaki-PBV200511

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Transcript Miyazaki-PBV200511

Ikeuchi Laboratory
The University of Tokyo
Japan
変分法と有限要素法
宮崎大輔
光学勉強会
光学勉強会って?




不定期だが,月に一回開催を目指している
宮崎♂が主催
CVLセミナーと違ってofficialなイベントではない
CVLセミナーと違って





もっとアットホームな雰囲気で
基礎的な内容をやりたい
光学グループが中心メンバーだが,他のグループも多数参
加してほしい
昔,ITS勉強会やロボ勉強会やレベルセット勉強会などが開
催されていた時期があったが,現在生き残っているのはたぶ
ん光学勉強会だけ
光学勉強会を作るのはあなたたちです!!
光学勉強会
今日の話

戸川隼人
変分法と有限要素法
日本評論社1994
光学勉強会
Shape-from-shadingにおけるエネルギー最小化問
題
H
傾き=
x
H
x
勾配
H
p  Hx 
x
コスト関数
 H
H
q  Hy 
y
x

 p    H y  q  dxdy
2
これを最小化したい
光学勉強会
2
Shape-from-shadingにおけるエネルギー最小化問
題
2
2
H

p

H

q
dxdy







x
y
これをpについて解くためには中身をpで偏微分して=0とする
解は
離散化すると
H
p  Hx 
x
1
p   H ( x 1, y)  H ( x 1, y)
2
qについても解ける
でもHについてはどうやって解く?
変分法
光学勉強会
最短時間で降りる非常用滑り台の問題
光学勉強会
変分問題



1 2
mgy  mv
2
運動エネルギー=位置エネルギー
よって,速度 v  2gy
この曲線y=u(x)にそった微小長さ ds  1  u( x)2 dx
を通過するのに要する時間
ds
1  u( x)2
dt 

v

2gy
P点からQ点に達するまでの全体の所要時間
T[u( x)]  
a
0
1  u( x)2
dx
2gu( x)
このTが最小になるu(x)を求めたい
x
u(x)
ds
き
u'(x)dx
dx
光学勉強会
は じ
汎関数と変関数


汎関数:関数→変数
変関数:汎関数の引数
u( )
汎関数

2.317・・・

1 1
J[u]   u( x)2  u( x)2 dx
2 0
2
b
 du 
J [u]   1    dx
a
 dx 
2
2



1  u 
u 
J [u]        dxdy
2 D  x   y  
光学勉強会
変分


 J [u  v]  J [u] 
J  lim


0



変分
1
例 J[u]  0 u( x)2 dx
1
1
J [u  v]   u( x)  v( x)2 dx   u( x)2  2u( x)v( x)   2v( x)2 dx
0
0
J[u  v]  J[u]



ε→0
u( x)  v( x) と置く
任意の
u
に対して J
 2 u( x)v( x)dx    v( x)2 dx
1
1
0
0
0
光学勉強会
解く
部分積分の公式
  fg   fgdx
 f gdx
u(1)u(1)  u(0)u(0)  0
J [u]   u( x)2 dx
1
0
u(0)u(0)  0
u(1)u(1)  0
J  20 uudx
1
 uudx  0
1
1
uu0  0 uudx
1
u(0)  0 または u(0)  0
0
u(1)  0
u  0
u  c1x  c2
任意の
u
に対して J
0
光学勉強会
かつ
または
u(1)  0
u(0)  0
u(1)  0
u(0)  
u(1)  
変分学の基本補題

区間[a,b]においてf(x)が連続で,下記の積分の可
能な任意の関数g(x)について

b
a
f ( x) g ( x)dx  0
であれば
f ( x)  0
である
光学勉強会
a xb
オイラー方程式

このように
汎関数の
停留条件
部分積分
変分学の基本
補題の適用
という変形により,変分問題を微分方程式に帰着さ
せることができる.この微分方程式をオイラー方程
式という.
光学勉強会
ラグランジュ乗数法

懸垂線:糸の各部分の位置エネルギーの総和を最
b
小化
 u(x)ds 最小
糸の長さが一定(l)
 ds  l
a

b
a

ラグランジュ乗数法: J [u]  b u( x)ds   b ds  l 



a
uとλについて最小化
光学勉強会

a

計算

汎関数
J [u]   F ( x, u, u)dx
b
a


F d  F 
  0
u dx  u 
すなわち F   F    F     F  
     u 
 u  0
u x  u  u  u 
u  u 
オイラー方程式
境界条件
u(a)  
または
自然境界条件  F 
  0
 u  xa
光学勉強会
u(b)  
 F 
  0
 u  xb
滑り台の問題

F
1  32
  u 1 u2
u
2
1  u( x)2
2gT[u]  
dx
0
u( x)
これを最小化すると
1
1

1  u2
2 2
2
F ( x, u, u) 
 u 1  u 
u
オイラー方程式は

1

F
 u 2 1  u2
u
a



3
1

1  32
1
 u 1 u2 2  u 2 1 u2
2
2


1
2
1
2
1
2
u
  F 
 0
x  u 

  F 
1  32


u 1 u2
 
u  u 
2

1
2

u  u 1 u
2




3
2 2

  F   12
   u 1  u2
u  u 




1
2
u
3
2
u  0
整理すると 1 u2  2uu  0
x  c1  sin    c2
これはサイクロイド.一般解は u  c 1 cos 
1
境界条件 u(0)  0
u(a)  hを代入してc1とc2を求めればOK
光学勉強会
計算

Fがxを陽に含まない場合

J [u]   F (u, u)dx
b
滑り台の問題
F u
a

1
2
1 u 
1
2 2
オイラー方程式
d
F 
F  u   0

dx 
u 

F
 u 1  u2
u

積分
1
2


1
2
u
より
F
F  u
c
u
u
光学勉強会

1
2
1 u 
1

2 2
c
計算
J [u]   F ( x, u, u, u)dx
b
a
オイラー方程式
F d F d 2 F

 2
0
u dx u dx u
自然境界条件
 F d F 
 u  dx u   0

 x a
 F d F 
 u  dx u   0

xb
光学勉強会
 F 
 u   0

 x a
 F 
 u   0

xb
2次元の場合
2
2

1  u   u  
J [u]         dxdy
2 D  x   y  
 2u 2u 
u
 J    uds  D  2  2  udxdy
n
 x y 
 ds

はDの境界Γ上の反時計まわりの線積分

は法線方向の微分
n
2u 2u
オイラー方程式
 2  0 (ラプラス方程式)
2
x y
u
0
自然境界条件
n
光学勉強会
計算
J[u]   F ( x, y, u, p, q)dxdy
D
ただし
u
p
x
u
q
y
オイラー方程式
2 F u 2 F 2u  2 F  2u  2 F  2 F

 2 2 

px x pu x p xy pq qy
u 2 F 2u 2 F 2u 2 F F

 2 2 

0
y qu y q xy qp u
自然境界条件
F
F
dy  dx  0
p
q
光学勉強会
計算
J[u]   F ( x, y, p, q, r, s, t)dxdy
D
ただし
2u
r 2
x
u
p
x
2u
s
xy
u
q
y
 2u
t 2
y
オイラー方程式
F  F  F 2 F
2 F 2 F


 2
2
 2
0
u x p y q x y
xy s y t
光学勉強会
変分問題の直接解法

近似解で解く方法(パラメータai,基底φi)
u( x)  a11 ( x)  a22 ( x) 

 ann ( x)
J[u]に代入→各aiで偏微分して=0→連立方程式
J (a1, a2 , , an )
0
ai

レイレイーリッツ(Rayleigh-Ritz)法
定式化
変分問題
光学勉強会
直接解法
ラプラス方程式,ポアソン方程式
2
2

1  u   u  
J [u]         dxdy   u  fdxdy
D
2 D  x   y  
2u 2u
オイラー方程式 2  2  f ポアソン方程式(ラプラス方程式)
x y
J (a , a , , a )
u  a11 ( x, y)  a22 ( x, y) 
 c11 c12
c c
 21 22


cn1 cn 2
 ann ( x, y)
c1n   a1   b1 
c2n  a2  b2 

   
   
cnn  an  bn 
1
2
ai
n
0
 i  j i  j 
cij   

dxdy

D x x
y y 

bi   f (x, y)i (x, y)dxdy
光学勉強会
D
境界条件


ディリクレ条件:境界におけるuの値を指定
u
ノイマン条件:境界における
を指定
n
ディリクレ条件
基底φiに境界上での値が0の関数を使う
0以外の境界値の場合,関数φ0を加える
u  0  a11  a22 
光学勉強会
 ann
自然境界条件

物理の問題を変分法で解く場合
変分法における自然境界条件
物理的意味で「自然な」境界条件
(何も拘束を加えない)

物理問題→変分問題で定式化→直接解法で解く
「自然な」境界条件が自動的に満たされる

例:ラプラス方程式


自然境界条件=法線方向の微分が0
熱伝導の問題でいえば「特に指定しない限り,壁における
熱の出入りはない」
光学勉強会
有限要素法
u  a11  a22 
 ann
基底関数φiとして区分多項式
(特に区分1次式つまり折れ線関数)
基底関数φi(x)
折れ線関数u(x)
三重対角行列になるのでコンピュータで簡単に解ける
光学勉強会
三角形1次要素

2次元→三角形分割→各三角形内部で1次式
基底関数φi(x,y)としてこの関数(形状関数)を使う
光学勉強会
Shape-from-shadingの例
 H
x

 p    H y  q  dxdy をHについて解く
2
2
 F (u, u , u )dxdy
x
オイラー方程式
自然境界条件
y


Fu  Fux  Fuy  0
x
y
dy
dx
Fux  Fuy
0
ds
ds
オイラー方程式を整理するとポアソン方程式になる
→緩和法でコンピュータで計算可能
光学勉強会
コンピュータビジョンへの応用

変分法は何の役に立つの?


Shape-from-shadingはもちろん,ステレオ,optical flow,
SNAKES,など様々なエネルギー最小化問題を解くこと
ができる
有限要素法は何の役に立つの?

レベルセットなどのdeformable surfaceの計算
光学勉強会
次回


予定:11月
発表者



宮崎大輔「テンソル積展開」
??
??
光学勉強会
Ikeuchi Laboratory
The University of Tokyo
Japan
© Daisuke Miyazaki 2005
All rights reserved.
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光学勉強会